花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

世界の終わりに向けて

クリスマス前の静かな一夜


ヒノキ「暇じゃ」

ゲンブ「アリナ様、何をおっしゃるのですか? お嬢さまには大切な使命が……」

ヒノキ「そう。わらわには大切な使命があるはずじゃった。本来なら、この年末にシンカリオンが最終決戦の時期に入り、今ごろは敵の本拠地である桜島にて、最大級の激戦があることが、この予言書『朱雀降臨暦』に記されておったのじゃ。が、どうやら予定されていた未来はタイムジャッカーか何かの原因で変化したらしい」

ゲンブ「シンカリオンが2年目も続くことになって、めでたいのはめでたいのですが、我としては同名キャラのゲンブが石化したままなのが残念でなりませぬ。ビャッコ共々、復活を希望するのみでござる」

ヒノキ「セイリュウは何とか死亡フラグを克服したようじゃが、スザクはまだ危険信号が灯っておるのう。しかし、問題はそんなことではない。本来なら、シンカリオン最終決戦の余波で、この擬似九州の地にもエネルギーの暴走が懸念されていたのじゃ。だからこそ、わらわは地脈の鎮静化などの目的で、このコンパーニュに待機していたのに、どうやら、その必要がなくなったらしい。わらわとしては何のために待機していたのか、目的意識を見失っておる次第じゃ」

ゲンブ「平和なのは、良きことではないですか。大丈夫、アリナ様の出番は必ず来ます。こういう予告編も公開されましたし」

ヒノキ「そう、これも予言映画の一つであろう。ラドンはわらわ、モスラはコナっちゃん、ゴジラはおそらくセイリュウ、もう一体のギドラは今だ見ぬ強敵ということで、このブログ世界とも連動しているかも、と『朱雀降臨暦』には書かれておる」

ゲンブ「かも? 何だか妙な記述の予言書ですな。その予言書には、ガメラやシーサーのことは書かれていませんか?」

ヒノキ「ああ、亀のことなら、イタリアのマフィアとの抗争劇において、重要な役割を果たす、たぶん、とあるぞ」
超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第五部 41.J・P・ポルナレフ(荒木飛呂彦指定カラー)

ゲンブ「たぶん……。その予言書、大丈夫なのでござろうか」

ヒノキ「さあのぅ。少なくとも、今年の年末に桜島で最終決戦が行われる、という予言は外れたというか、時期がズレ込んだようだし、100%の信を置くのもどうかと思われる。予知や予言といっても、数ある可能性の一つに過ぎんからの」

ゲンブ「ともあれ、今が平和な日常というのは、それはそれで良いことではござらぬか。せっかく羽を伸ばせるなら、こんな時にサブロー殿とゆっくり楽しんではいかがですか?」

ヒノキ「ダメなのじゃ。彼は、知人の年末コミケの手伝いを頼まれて、これから忙しくなる、と聞く。それに、シロがいれば、この時期ケーキを作ってくれように、コナっちゃんと一緒に屋久島へ旅立って、連絡がとれなくなっておるし。そもそも、新星どのも何かと忙しいようで、連絡一つ寄越さなくなった。今年の年末は、このまま、お主と二人で寂しく語り明かすことになりそうじゃのう」

ゲンブ「メガネンジャーの面々はどうなのですか? ドクター殿や弥生どのと連絡をとって、ラビットタンク改造計画の進捗を聞くというのは?」

ヒノキ「こっちから連絡をするのは、何だか急かすようで格好悪いじゃろう」

ゲンブ「そんな物でござるか」


謎の声「フフフ、日野木アリナ殿。何やら、時間を持て余している様子。わしが相談に乗って進ぜようか?」

ゲンブ「な、何やつ!? どうやって、この結界の張られたコンパーニュの塔に侵入してきた?」

謎の男「結界だと? フム、時空を操作する者には、そのようなものは役に立たん、と告げておこうか」

ヒノキ「こ奴、もしかしてタイムジャッカーの仲間か?」

謎の男「タイムジャッカー? あのような小物連中と一緒にするでないわ。わしは予言者……そうだな、仮にノヴァストラダマスとでも名乗るとするか。この世界の終わりを告げに来た」

ヒノキ「世界の終わりじゃと? まさか……」


ノヴァストラダマスの大予言?


ゲンブ「予言者とやら。他人の塔に勝手に土足で踏み入っておきながら、そのようなフードで顔を隠したままとは無礼であろう。顔を見せよ」

予言者「これは失礼。わしの顔をさらすと混乱を招くと思っておるが、求められれば仕方あるまい。これでどうかな(フードを外す)」

ゲンブ「な、何と、新星どのとは!」

ヒノキ「いや、騙されるな、ゲンブ。新星どのは伝説の時空魔術師。今ここに姿を見せるはずがない。そなた、ノヴァストラダマスとか言ったな。大方、ノヴァと名乗って、人を騙すつもりであろうが、わらわの目はごまかされん。ええい、作者の名を騙る偽者だ。者ども、出会えい、出会えい」

ゲンブ「いや、者ども、とおっしゃられても、ここには我しかおりませんが。それに、どう見ても、この予言者は新星どの。さあ、下らぬ茶番はこれぐらいにして、ごゆるりとくつがれてはどうか。粗茶ぐらいなら用意しますが」

予言者「ゲンブよ。わしは、お前の知っている平成時代の白新星、すなわちWhite NOVAではない。さすがにアリナ殿は見抜かれたようだが、わしは未来から来た新星の可能性の一人、ノヴァストラダマス、あるいは星読みのミスティック・ノヴァとも、魔王を愛するウォズ・ノヴァとも、兜剣造の眷属であるグレート・マジン・ノヴァとも言う。わしは涙を流さない。涙を肯定して花粉症ガールを生み出した、今のWhite NOVAとは異なる時間軸の未来から来た者だ」

ゲンブ「つ、つまり、どういうことだ?」

ヒノキ「アナザーNOVAの一体ということじゃよ。こやつがいる限り、本当の作者である新星どのは、この世界には出現できない」

ゲンブ「な、何と? 一体、どうしてそのような存在が?」

予言者「もちろん、この妄想タイムのブログがまもなく終了の時を迎え、新世界が誕生するためだ。2018年現在、まもなく平成が終わろうとしている状況で、一つの時代が終了し、多くの可能性が新たに生まれる世界、いや多元世界、時空そのものの混迷期ゆえに、諸事象が分岐することとなった。いわゆるカオスの時代。それゆえ、White NOVAにも妄魔時王をはじめ、さまざまな選択が与えられたわけだが、彼は一つの選択を下した。詳しくは、新世界における11月16日の記事を参照するといい。彼は『ヒーローとロボットとTRPGを愛する趣味人な塾講師White NOVA』であり続けることを選び、全知の予言者である我へと至る道を放棄したのだ」

ヒノキ「なるほど。つまり、失われた可能性の残留思念ということじゃな。それが亡霊のように未練たらしく、この場に現れたということか。数々の亡者を調伏してきた、この日野木アリナによる浄化を求めて」

予言者「いや、そう短絡的に分かったつもりになられてもな。わしはただ、世界の終わりを告げに来ただけじゃ。『間もなく、この世の終わりが来る。墓場から死者が蘇り、失われたもの、忘れられたものが出現しては、かつてのファンにハッピーに見せかけた心理的衝動と金銭的苦しみをもたらすであろう。空と海と陸から暗黒大将軍や、世界の破壊者や、金色の魔王や、根源的破滅招来体などなどが襲いかかり、多元宇宙の各都市を破壊するであろう。そして、この世(ブログ)の終わりは、すぐそこまで来ている』とな」

ゲンブ「何と恐ろしい予言だ。そういう状況で、我は一体どうなる?」

予言者「お主は空を飛ぶであろう」

ゲンブ「空か。それは凄い……って、我はボスボロットじゃないし。ガメラだし。普通に、空を飛べるし。そんなの予言でも何でもないではないか。映画『マジンガーZ対暗黒大将軍』の剽窃ぐらいで、予言者を名乗ろうとは片腹痛いわ」

マジンガーZ対暗黒大将軍

予言者「ほう。その映画をご存知とは、お主もなかなかやるな」

ゲンブ「それはもう、TV番組はともかく、劇場映画のチェックはしてきたからな。マジンガーZは、魔神VS怪獣という形で、いわば大映映画の大魔神ガメラのコラボと見なすことも可能。すなわち、我の専門分野の一つよ」

予言者「マジンガーZはともかく、大切なのは、このブログがまもなく終焉の時を迎えること。それに当たって、そなたたちに忠告を差し上げに来た」

ヒノキ「いや、ここはヒーローの立場になって考えると、『このブログは絶対に終わらせない。ブログを終わらせる敵とは、断固として戦って撃退してみせる!』と啖呵を切るところじゃな」

予言者「いや、はてなダイアリーの終了を決めたのは、運営側だし。運営を倒しても解決しないし。春終了予定が、来年の1月28日には記事の更新もできなくなるそうだし、その前に、このコンパーニュの塔と屋久島を舞台にした翔花伝の物語も、新世界に移行しないといけないし、と、作者のNOVAが考えているらしい」

ヒノキ「つまり、期限は残り一月か。それまでに、この地球を捨てて、どこか別の惑星に移住しろ、と脅迫するんだな、予言者のツルちゃんは」

予言者「いや、ツルちゃんじゃないし。別に、わしがブログといっしょに自爆してルーゴサイトを倒そうって考えているわけじゃないし。とにかく、わしは予言者として警告し、そなたたちに覚悟を促し、しっかり準備を整えよ、と警告しに来ただけだから。ここで役割終了。では、アデュー♪」

ヒノキ「待てい」

予言者「何?」

ヒノキ「貴様は予言者と名乗っておるが、それだけではあるまい。ある時は予言者だが、また別の顔を持っているのであろう。さあ、正体を表すがいい、快盗よ」

ゲンブ「アリナ様、一体、何をおっしゃるので?」

予言者「ククク、日野木アリナ。そこまでお見通しとはなかなかやるな。そう、あんたの考える通りだよ、日野木さん。予言者とは世を忍ぶ仮の姿。しかして、その実体は!?(ベリッと顔をはがす)」

ゲンブ「まさか、お主の正体は?」(つづく)