剣世界のルールブック3
晶華「ヒノキさん。遊びに来たよ〜」
ヒノキ「お主は遊びにきたんじゃなくて、武術の修行に来たんじゃろう、アッキー。それと、ヒノキさんという他人行儀な言い方じゃなくて、リナちゃんと呼ばんか。わらわ達はチームなんだから」
晶華「う〜ん、日野木アリナだからリナちゃんにしたんだけど、いまいち言いにくいんだよね。アリさんってのはどう?」
ヒノキ「わらわは引っ越し会社ではない」
晶華「じゃあ、リナおばさん」
ヒノキ「おばを付けるな」
晶華「じゃあ、リナ婆ちゃん」
ヒノキ「余計悪いわ」
晶華「じゃあ、婆ちゃん」
ヒノキ「悪いところだけ残すな」
晶華「リナ老師」
ヒノキ「うっ、それは悪くないかも。中国語では、別に年を取っていなくても、先生=老師じゃからな。武術の上でも、老師という呼称は威厳がある。よし、これから、そなたはわらわを老師と呼ぶのじゃ、弟子アッキーよ」
晶華「仕方ないわね。あなたがそう言うなら、リナ老師と呼んであげるわ。感謝することね」
ヒノキ「何じゃ、その言い草は。弟子が師匠に対する言い方とは思えん」
晶華「フッ、師匠風を吹かせるのは、これを見てからにすることね」
ヒノキ「そ、それは先週出たばかりのソード・ワールドの新刊。是非とも買いに行きたいと思っていたのだが、買い出し用のラビットタンクも改修作業中だし、小物調達係のシロも不在だし、なかなか自由に買い物にも行けず、難儀しておったのじゃ。まさか、いかにアマゾンとて、新・コンパーニュの塔までは配達してくれんしのう」
晶華「NOVAちゃんからの差し入れよ。感謝することね」
ヒノキ「する、する。いくらでも感謝するから、わらわにルールブックを読ませるのじゃ。アルフレイムの地が、わらわを呼んでいる〜」
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ヒノキ「なるほどな。今回のルールブック3では、ライダー技能だけでなく、アルケミスト技能も加わったのじゃな。2.0時代は、アルケミスト技能はアイテムサプリメントの『アルケミスト・ワークス』を必要としたのじゃが、今回は基本ルールブックの範囲で取得できる、と」
晶華「確か、アルケミストは賦術カードを使った支援キャラだったはずね。すると、ライダー技能と組み合わせて、仮面ライダー龍騎みたいなことができるんじゃないかしら」
假面騎士龍騎 全騎士Final Vent
ヒノキ「いやいや。さすがにファイナルベントみたいな派手な技は使えんが。せいぜい、武器を召喚したり(インスタント・ウェポン)、防護点を加算したり(バークメイル)、いろいろと便利なサポート技を習得できる感じじゃな」
晶華「つまり、ソードベントとかガードベントみたいなことはできるのね。ライダー技能で、騎獣を扱ったりもできるから、やっぱりルールブック3は仮面ライダー龍騎ファンのためのルールと言えるわ」
ヒノキ「まあ、できんことはないじゃろうが。そして、新種族はティエンスとレプラカーンが加わっておる。ティエンスは完全に初物種族で、対魔神用に調整された合成人間と言ったところか。強靭な肉体と、体表に現れた宝玉結晶が外見上の特徴。騎獣や仲間と思念で会話することもでき、騎兵として連携戦闘を得意とするようじゃ」
晶華「宝玉結晶が露出するってことは、キングストーンとかアマダム、またはカラータイマーなんかに見立てて、特撮ヒーローっぽいロールプレイができそうね」
ヒノキ「神秘的な演出にも使えそうじゃな。もう一つのレプラカーンは、サプリメント『ルミエル・レガシー』よりの再録じゃな。アイテム使用や姿消しに長けた小人系の種族で、グラスランナーとはまた違った、いたずら妖精の雰囲気を持っておる」
晶華「だけど、ハイパー化して巨大になったりするのよね」
スパロボ 聖戦士ダンバインのハイパージェリル・集めてみた。
ヒノキ「それは、ダンバインの話であって、ソード・ワールドの話ではない」
晶華「ええ? 同じファンタジー世界じゃない。レプラカーンと言えば、巨大化でしょう? ソード・ワールドでも巨大化能力を用意しようよ」
ヒノキ「練技のジャイアントアームなんかを使えば、筋力を向上させたりもできるのじゃが、D&Dのエンラージみたいにサイズを大きくできる魔法や特技はなさそうじゃの。竜形態になって大きくなる魔法はあっても、巨人にはなれないのがソード・ワールドの世界観かも」
晶華「つまり、アントマンプレイはできない、と」
ヒノキ「探せば、そういうマジックアイテムぐらいは見つかるかもしれんがの。少なくとも、騎獣縮小の札なんかがあるのじゃから、サイズの縮小は可能なはず。もっとも、普段は子供みたいなサイズの種族が、戦闘時はマッチョな巨人になったりするようなモンスターは何かいたような気がする。セージ技能判定に失敗したから、思い出せんが」
晶華「確か、スプリガンじゃなかったかしら。巨大化する小人妖精って」
ヒノキ「それじゃ。なかなかやるのう、お主」
晶華「ヘッヘーン、知力の晶華はダテじゃないってところね。お姉ちゃんとは、そこが違うんだから。念のため、スプリガンがショットウェポンのオーラクルーザーの名前でもあるけど、そっちは巨大化したりはしないのよね」
ヒノキ「小人が巨人になるよりも、世間では幼女や少女がアダルトタッチで大人になる変身の方が需要があるのではないかの?」
晶華「まあ、大人になった美少女もいいけれど、少女は少女のままだからいい。変に急いで大人にならないで欲しい、という意見もあるからね」
ヒノキ「確かに女性視点でも、いたいけな少年キャラはよくても、年を経ておっさんになってしまえば幻滅じゃからの」
晶華「まあ、ただのおっさんじゃダメだけど、メガネキランな司令ポジションの頼り甲斐のあるおじさまは好みなんだから。『メガネ』『知性』『頼り甲斐』の三点は、私が男性に求める三要素よ」
ヒノキ「頼り甲斐か。確かにの。いい男というのは、普段は控えめでも、ここぞというところでは真っ直ぐに信念を貫き、決して折れない底力みたいなものを感じる。温厚だが心が強いというのが理想で、その逆にケンカっ早い割に折れやすいのがダメな部類と言えよう。それと日頃の付き合いでは、下手な頑固さや信念とかよりも、気遣いや優しさみたいなものが見え隠れすればいい。わらわが欲しいときに、ソード・ワールドの新刊ルールブックを差し入れてくれるぐらいの気遣いがの」
晶華「……言っておきますが、NOVAちゃんは絶対にあげないんだからね。私のものなんだから」
ヒノキ「誰も、新兄さんをよこせ、などとは言っておらんじゃろう。わらわにはサブロー殿がいるし、ソード・ワールド本さえ貢いでくれるなら、それでいい」
晶華「ああ、その本は貸しているだけだからね。どうしても欲しいなら、定価900円に消費税込みで、今なら972円を払ってちょうだい」
ヒノキ「……そのお金は、アッキーの武術の稽古代ということにならんかのう?」
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