花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

ロードス島の話

一日遅れのチョコ話

 

ヒノキ「最近は、新兄さんがとんと姿を見せぬのじゃ」

ゲンブ「あの方も、2月はあれこれ忙しいのでございましょう」

ヒノキ「せっかく、わらわ特製の激辛チョコを用意したと言うのにな」

ゲンブ「真っ当な味覚の人間では、それは危険なのでは?」

ヒノキ「サブロー殿に贈ったら、涙を流して喜んでおったぞ」

ゲンブ「それは、涙の意味が違うのでは?」

ヒノキ「仕方なかろう。スイーツ係のシロが屋久島に行ったままなのじゃ。わらわが作ると、どうしても四川風の唐辛子たっぷりなチョコになってしまう」

ゲンブ「そもそも、チョコに唐辛子を入れる発想が間違いなのでは?」

ヒノキ「何を言うか。唐辛子は古来より四川料理の伝統なのじゃぞ」

ゲンブ「しかし、チョコは四川料理ではござらん」

ヒノキ「だから、新機軸のコラボ、四川チョコでHOTな愛を伝えるのじゃ。四川料理の代表は麻婆豆腐。ならば麻婆チョコがあっても構うまい」

ゲンブ「チョコ入り麻婆豆腐は存在が確認されたようですが」


【ドクターシーラボ公式】チョコ入り麻婆豆腐

 

ヒノキ「おお、ゲンブ。そなたがIT機器を使って情報収集をこなすとは」

ゲンブ「これまで、こういう仕事はシロに任せておりましたが、ここにいない以上は、我も勉強しなければと一大決意をしたでござる」

ヒノキ「ともあれ、これからはホットチョコの時代じゃ」

ゲンブ「いや、それは本来、飲み物のココアを指す呼称であって、決して激辛チョコを意味するものではないか、と」

ヒノキ「カラムーチョコと題して、『チョコが辛くてなぜ美味しい』をキャッチフレーズにしたら良いのでは?」

ゲンブ「インターネットで、カラムーチョコを検索しても見つからないでござる。少なくとも、オリジナリティ溢れる斬新な発想であることは間違いなさそうですが、それが万人に受け入れられる良いものだとは限りません」

ヒノキ「万人でなくとも、ニッチ層に受け入れられれば良い。少なくとも、激辛チョコは現実に商品化されておるようじゃぞ」

ゲンブ「悪魔とか、死神とか、ロシアンルーレットとか、ろくな形容が為されていないようでござる」

ヒノキ「ともあれ、わらわの好きな食べ物に、激辛チョコを加えておこう。激辛チョコを食べて、君も口から火を吐こう。ヒッヒッヒ」

 

新たな使命

 

晶華「リナ老師、遊びに来たよ〜」

ヒノキ「おお、アッキー、よく来た。 何して遊ぼうか」

ゲンブ「遊びにではなく、武術修行の間違いなのでは?」

ヒノキ「いや、ここは臨獣殿流のスパルタ修行ではなく、激獣拳風に行く。エレハン・キンポー曰く『遊びの中に修行あり』じゃ」

晶華「あ、それから、これ。私が作った花粉チョコ。NOVAちゃんにあげたら、涙を流して喜んでくれたよ。自分一人で食べるのはもったいないから、ぜひともコンパーニュに持って行きなさいって」

ヒノキ「おお、それは素晴らしい心遣い。では、わらわからも返礼に、ヒノキ特製四川風チョコを贈るのじゃ。どうぞ、召し上がるとよい。ヒヒヒ」

晶華「わーい、友チョコゲットだよ。モグモグ。うん、まあまあの味かな。マイルドとは程遠いスパイシーな舌触りが癖になりそう。これはNOVAちゃんにも、お土産として持って帰りたいな」

ヒノキ「いいともいいとも。たっぷり作ったので、持って帰るがいい。ゲンブは万人に受け入れられない味とほざいておったが、やはり花粉症ガールには分かる味なのじゃな。結構結構」

ゲンブ(激辛チョコを苦もなく美味しく口にするとは、花粉症ガールとは一体……)

 

晶華「それで、今日はこれを持って来たんだ」 

 

ヒノキ「何と。これは新しいロードスRPGのルールブックと、以前の文庫版ロードスのセットではないか。どうして、このような貴重な書物をわらわに?」

晶華「うん。TRPG関係は、ハイラスおじさまのところで研究しようと思っていたんだけど、向こうはD&D関係の古文書とラクシアで手一杯なので、ロードスは私に任せたいんだって。だけど、私一人じゃ手に負えないって言ったら、リナ老師なら喜んで手を貸してくれるだろうって。だから、ここでロードスの共同研究をしてもいいかな」

ヒノキ「いいとも。そうか、ロードスか。確か聞きかじりの噂によれば、文庫版ルールには新兄さんもほんのちょっぴりだけタッチしていたと聞くぞ」

晶華「ああ。それは根はあるけど、葉がないから噂レベルにもなっていない戯言だそうよ。確かパーンが調理を3レベルでできるってのは、当時のSNEの若手のお喋りでデータが決まったという話ね。新版のルールだと、調理の特技そのものがなくなったから黒歴史になったみたいだけど」

ヒノキ「妄言だろうと、願望混じりの妄想だろうと、新兄さんがリプレイ開始時からの年季の入ったロードスマニアであるということは紛れもない事実じゃのう。今だに20年前のルールブックを大事に持っているのじゃから、青春時代の思い出であることは間違いなかろう。ところで、最初のロードス島RPGである『ロードス島戦記コンパニオン』は保管していないのじゃろうか」

晶華「ああ、それはほぼ同じルールのアッパーバージョンである『クリスタニアRPG』があるから処分したって」

ヒノキ「それは残念。ともあれ、ここでしばしロードス研究を続ければいいのじゃな」

晶華「うん。頭の中が混雑していて、どうも屋久島で何が起こっているか、はっきり見えて来ないんだって。だから、NOVAちゃんの頭の中が整理されるまで、ここではロードス話に現を抜かしていいそうよ。しばらくTRPGネタに励みたいって」

ヒノキ「なるほどな。わらわは愛しのカシュー王さまの話ができるなら、喜んで話に乗るのじゃ」

晶華「え、リナ老師ってカシュー王のファンだったの?」

ヒノキ「当然じゃ。一騎討ちでは無敵の男じゃぞ。しかも、声が赤い」

晶華「声が赤いって何よ」

ヒノキ「最初のOVA版の声優が池田秀一さんだったら、そう表現するじゃろう。なお、TVアニメ版の英雄騎士伝やオンラインゲームなどでは、超新星フラッシュマンのサー・カウラー役の中田譲治さんが声を務めておるが、サー・カウラーのデザインも、カシュー王のデザインも出渕裕さん。そして、カシュー王のデザインはサー・カウラーが元ネタらしい。気になる人は、カシュー、カウラーで画像検索してみるといい」

晶華「出渕さんと言えば、かつてはアナザーアギトをデザインし、今はジオウでアナザーライダーをメインで担当している人じゃない」

ヒノキ「うむ。ディードリットのエルフ耳を日本で定着させた人でもあり、ダイナマンのジャシンカ帝国や、バイオハンター・シルバや、ザブングル、アイアンギアー、サーバイン、νガンダムケンプファーパトレイバーなどなど、数多くのデザインを生み出しておる」

晶華「それって、NOVAちゃんの好きなTRPGや、特撮ヒーロー、ロボットメカ物を網羅していない?   これに必殺シリーズが加われば、ホビー館としては完璧よ」

ヒノキ「つまり、新兄さんは出渕裕デザインに昔から今までハマリ中ということじゃな」

 

ロードスRPGの種族と職業

 

晶華「じゃあ、ロードスRPGの話として、キャラが選べる種族と職業の話をしますか。ええと、種族は旧版ソード・ワールドと同じ人間、エルフ、ハーフエルフ、ドワーフ、グラスランナーでいいのかしら」

ヒノキ「ロードスの旧版では、グラスランナーはダークエルフと同じく上級ルールで実装された追加種族だったが、今回の新版でようやく基本ルール対応になったようじゃの」

晶華「元々、グラスランナーってロードスにはいなくて、アレクラスト大陸から海を越えて渡ってきた種族なのよね」

ヒノキ「能力値はD&D同様に、3D6で決めるのじゃな。まあ、最近はダイスでのランダム決定の他に、ポイント割り振り方法も定番になっておるが」

晶華「能力値の種類は、筋力、耐久度、敏捷度、器用度、知力、幸運度、魅力の7種類かしら」

ヒノキ「うむ。そこにダイスの振り直し判定に使う集中力が加わるのがロードスの伝統じゃ。ソード・ワールドとの違いは、幸運度と魅力が加わり、精神力がないこと。D&Dとの違いは、敏捷度と器用度が分かれ、知恵もしくは判断力と呼ばれる数値が幸運度になっていること。どのような能力値が採用されているかで、そのRPGの世界観が推察できるわけじゃ。ロードスの特徴は何か分かるかの?」

晶華「幸運があるってことは、よっしゃラッキーな世界ってこと?」

ヒノキ「まあ、戦乱の地なので、ソード・ワールドよりも英雄志向が濃厚ってことじゃろうな。次に種族による能力値修正じゃが、旧版と新版はずいぶん異なっていることが判明した」

晶華「どういう風に?」

ヒノキ「旧版でのエルフは、筋力と耐久力と幸運度がマイナス2、知力と敏捷度がプラス2、魅力がプラス3と、マイナス方向に結構ダイナミックな修正が入ったものじゃが、新版だと耐久がマイナス2なのを除けば、筋力マイナス1、幸運は修正なしで、他は全部プラス2と、だいぶ有利になっておる。一方、ドワーフは筋力プラス4と耐久力プラス3と強靭な種族だったのが、どちらもプラス2で下方修正された感じじゃ。もっとも、2D6判定のソード・ワールドに比べて、%判定のロードスは能力値の影響がそれほど大きくなく、ちょっとした誤差の範囲なんじゃがの」

晶華「ソード・ワールドだと筋力の低いエルフは、強い武器も重い防具も装備できないから前衛戦士には不向きなんだけど、ロードスだとエルフの戦士を選んでも十分戦えそうね」

ヒノキ「あえて選ぶだけの有利さはないがの。あとアレクラストのエルフは全員が精霊使いとなっているが、ロードスでは精霊使い以外に、戦士、盗賊、魔法使いを選択できる。逆に言えば、ロードスでは精霊魔法の使えない戦士エルフを選ぶことも可能。これは戦乱の地ゆえに精霊との交信能力に支障をきたした反面、生き残るために戦闘技能を磨かざるを得なくなったということじゃろうか。あと、ラクシアのエルフは神官になれるが、フォーセリアのエルフは神の声が聞こえないなど、同じエルフでもゲームによって違いがいろいろあることは特筆しておく」

晶華「とにかく、最近のゲームはD&D5版も、ラクシアも種族の数が結構増えてややこしくなっているので、人間、エルフ、ドワーフ、ハーフエルフ、グラスランナーの5種類だけというのはシンプルでいいのかもね。職業の方は、騎士、戦士、精霊使い、魔術師、司祭(僧侶)、盗賊の6種類だけよね」

ヒノキ「ロードス島戦記リプレイ第1部のパーティーが再現できる構成じゃな。新版ルールブックの見本キャラも、それぞれパーン、ギム、ディードリット、スレイン、エト、ウッドチャックをモデルにしておる。その気になれば、第1部のパーティーで昔のリプレイの辿った道を再現することも可能じゃ」

晶華「旧版ソード・ワールドにあってロードスにない職業って、レンジャーとバード、それからセージの3つね。逆に、ロードス固有の職業は騎士、と」

ヒノキ「コンパニオン版だと、通常の魔法使いソーサラーの他に、古代語、精霊、神聖の全魔法を使えるようになるウィザードなる魔法職があったが、それはコンピューターゲームの名残りみたいなもので、消失してしまった。そもそも、そのような万能魔法使いは小説には登場しないからな」

晶華「灰色の魔女カーラ様みたいに、古代語魔法と神聖魔法の両方を使えるケースは例外ってことね。ソード・ワールドだったら、兼業は簡単だけど。ロードスで転職ルールってあったかしら」

ヒノキ「上級職にクラスチェンジできるのは文庫版の特長じゃな。新版もそのルールを受け継いでおるが、転職できる職業の選択肢が随分と減ってしまった。これは今後のサプリメント待ちってことじゃな」

晶華「じゃあ、次はロードスの職業について掘り下げた記事を目指しましょう」

ヒノキ「あい分かった。騎士や戦士については、ゲンブ、お前に任せた。しっかり研鑽して、面白いネタを語ってもらうぞ」

ゲンブ(な、何と。重要任務を押し付けられたでござる。面白いネタと言われても……)

晶華「じゃあ、精霊使いと魔法使いは私が担当するね」

ヒノキ「だったら、司祭と盗賊はわらわか。司祭はともかく、盗賊はわらわのキャラと違うような……」

晶華「大丈夫。リナ老師は、NOVAちゃんの本を勝手に盗んで行った前科があるんだから、立派に盗賊の資格があるわよ。主神から本を盗むと、天界から追放されるって話がフォーゴトン・レルムにはあるんだって」

ヒノキ「あ、あれは、ほんの出来心なのじゃ〜。わらわは盗賊じゃない。シロや、早く戻って来てくれ〜。盗賊の話は、忍びのそなたがふさわしいのに〜」

ゲンブ(……面白いネタ……我にそのような役どころが務まるであろうか?)

(当記事完。ロードス編はなおも続く)