花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

ビャッコとセイリュウ(新・屋久島編その2)

ファイナルウォーズ2004

 

セイリュウ「かつての仲間だったお前たちまで敵に回るとはな。スザク、ビャッコ、そしてゲンブ」

スザク「ヒヒヒ、セイリュウよ。わらわたちはエイリアンX様に忠誠を誓った。これからはXの時代じゃ。かつては仮面ライダー、来年には新ヒーロー、セイザーXが誕生し、いずれは怪獣鎧を身にまとったウルトラマンや、スーパー戦隊さえXの道を歩み、Xパワーアップを果たした少女ダンサーのCMが放送される未来が来るであろう。お主にもそれは分かるはずじゃ。前世紀のVSシリーズの時代から、ミレニアムを経てXの道を歩んできたお主にはな」

セイリュウ「ああ。未知なる世界X、その中で自分が何者かを見失ってきたものよ。挙げ句には、怪獣としての誇りさえ忘れ、ハムスターとコラボまで行う始末。このように迷走したXの時代は、この辺りでもう終わらせる。これが最後の戦いだ」

ビャッコ「フッ、所詮そなたは忠義を理解せぬ一匹狼。一度はXの道に従いながら、そうやって気まぐれに反旗を翻す。30年前は、メカの偽者に邪魔されたが、今回こそ邪悪なるお前を我が琉球忍術で粉砕してくれよう」

セイリュウ「ビャッコよ。シーサーの眷属は、琉球を守る守護神だったはず。それが宇宙人の犬と化して、琉球の地を破壊するとは、見下げ果てたものよ」

ビャッコ「それもこれも、今の地球人が怪獣の誇りをないがしろにするからよ。かつては宇宙人の手先だったメカG。それを近年は地球人が機械の龍として制作し、お主をも侮辱した。お主とて、今の地球人にはほとほと愛想が尽きておるはず。何ゆえ、地球人の味方をする?」

セイリュウ「地球人の味方などしておらぬ。お前の言葉は確かな道理。エイリアンXに洗脳されて、言わされているのでなければな。我らは地球怪獣。いくら地球人類が憎かろうが、宇宙人の手先として働くのは間違っておる。そういう現状なら、かつてのゲンブが名乗ったように、わしも地球の守護者として働きたくなった。ただ、それだけのことよ。その道の前に立ちはだかるのなら、お前たちとて容赦はせん」

ゲンブ「久しぶりだな、兄貴。あんたと初めて戦い、完敗した時から、おらはいつも兄貴を越えようと頑張って来た。だが、兄貴はどんどん先を進んで、いつしかおらの手の届かぬところに行っちまった。おらはいつかまた兄貴の横に立ちてえ、そして共に戦いてえと願ってきたが、その時にエイリアンXが力をくれたんだ。この力さえあれば、おらは念願の兄貴越えが果たせる」 

セイリュウ「情けないぞ、アンギラス。そうやって仲間とも呼べぬ宇宙人の他力本願にすがるとは。ギャオスの群れと単身戦って消息知れずとなった我がライバル、先代ゲンブの名も泣くと言うもの。所詮、お前のような小者にわしは倒せん。ましてや宇宙人の手先として、地球怪獣の誇りを失った連中に倒されるわけにはいかんのだ、キング・オブ・モンスターズの称号を持つ者としてはな」

ゲンブ「だったら、この新たに身につけた必殺技を受けてみるんだな。喰らえ、暴龍怪球烈弾!」

セイリュウ「何? アンギラスが棘ボールと化して、飛んでくるだと?  ぐはっ!」

スザク「ヒヒヒ、いかに屈強なセイリュウとて、この直撃を受けては、ひとたまりもあるまい。これもXの時代に牙を向けた報いと知れい!」

ビャッコ「いいえ、アリナ様。ご油断めされぬよう。セイリュウのタフさは、我らの常識では計り知れません」

スザク「ム、何と、セイリュウ、まだ立ち上がってくるというのか。一体、何がお前をそこまで抗わせる?  大人しくXの軍門に下る方が楽だというものを」

セイリュウ「それは、あの誇り高き空の大怪獣の眷属、日野木アリナのセリフとは思えんな。言っただろう、わしは怪獣の誇りを失った宇宙人の手先には負けん、と。我らは自由、我らは野生、我らは己の好きなように生きる誇り高い存在なのだ。神に会えば神を喰らい、悪魔に対すれば悪魔をも打ち砕く。お前たちも自由に誇り高く生きろ。さもなくば、そもそも生きる価値などない。わしは己の掲げた自由の旗の元に生きる。決して、宇宙人どもにこの地球は渡さん!」

スザク「おのれ、セイリュウ。わらわに説教とは生意気な。こうなったら、三匹の力を合わせて、Xの秩序を破壊する裏切り者を葬るぞ!」

ビャッコ&ゲンブ「おお!」

セイリュウ「来い! お前たちの屍を乗り越えても、わしは地球怪獣の誇りを守り、エイリアンXを粉砕する!」 


ゴジラファイナルウォーズbgn9 三体に向かうゴジラ

 

シロと仙人

 

シロ「ハッ。今のは……夢か。父さんの夢……それに、アリナ様?  それと、ボクの知らないゲンブがいて……それからセイリュウ、あの裏切り者……夢の中では、よく顔が分からなかったけど……」

老人「起きたか、乙女よ」

シロ「な、何者……って、ああ、時空仙人さま。昨夜は焼き肉、ごちそうさまでした。焼き肉という食べ物があんなに美味しいものだとは思いもしませんでした。これまでは焼き魚派だったボクも、肉の良さを分かった気がします。これで、マッスルパワー、火事場のクソ力も体得できたのではないでしょうか」

仙人「キン肉星の王子でもあるまいし、それほど簡単に身につくはずがなかろう。それよりも、早速、行くぞ」

シロ「え、どこに?」

仙人「初日の出を拝みにじゃよ。祝え、2019年の幕開けを!  東天を紅く燃やす日輪と共に!」

シロ「え、2019年って、昨夜はまだ2018年の11月だったはず」

仙人「ああ、気付いてなかったのか。結界に包まれたこの地は、外界とは時の流れが異なっておる。ここで一晩眠れば、外界では一月ほどが過ぎ去るほどじゃ。そなたも浦島竜宮伝説ぐらいは知っておろう。この地は一種の竜宮のようなもので、時空の狭間にある異郷じゃ」

シロ「そんな。もう年が明けたって?  こうしちゃいられない。すぐに翔花と合流しないと」

仙人「その娘は、すでに縄文杉に抱かれ、深い眠りの世界にたゆたいながら、時空の旅を行なっておる。モスラ、いや今は大地の母精霊ガイアと言うべき御魂が、わしに伝えてくれたわい。ならば、わしの運命は定まった。後を継ぐ者たちに道を指し示さん、とな。琉球の守護神の子よ」

シロ「ええ、ボクの父はキングシーサーの眷属。ボクは父の仇を討つために強くなりたい。だから、修行をつけて下さい」

仙人「それには条件がある」

シロ「何でしょうか?」

仙人「スペースGの水晶に囚われた我が息子、リトルを助けると約束してくれ。わしは長く気ままに生きて来たが、最後に父親らしいことをしたいからな。このままだと、死んでも死にきれん」

シロ「死ぬだなんて、師匠はまだまだ若いですよ」

仙人「そうでもない。この体はすでに病にむしばまれ、宇宙からの侵略者を迎え討つことすらままならなくなった。記憶も失われていく中、この屋久島の結界の中でなければ、たちまち時の流れにさらされ、余命も尽きるであろう。いわば、ガイアの慈悲によって老体が生かされておる、と言っても過言ではない。程なく死するが我が定めならば、この想いと力を後に続く者に託してこそ、命を全うできるというもの。乙女よ、父の仇と言ったな。仇の名は何という?」

シロ「セイリュウです」

仙人「……セイリュウか。聞いたことはある。ならば、そなたにはセイリュウを越える力を授けねばな。今のわしにそれができるかは分からぬが、少なくとも道の端緒を示すことはできよう。付いて来るがいい」

 

東方は紅く燃えている

 

仙人「見よ。これが新たな時代、平成を越えた先を照らす新年の夜明けじゃ」

シロ「美しゅうございます、師匠」

仙人「師匠か。地球のためという大義の元に、多くの罪を犯した大罪人たるわしがそのように呼ばれるとは、何だかこそばゆいな。そなたの父シーサーは、琉球忍術の達人と聞く。琉球忍術の奥義が何か、そなたには分かるか?」

シロ「いいえ。父からは直接、手ほどきを受けていませんので。我が直接の師は、スザクの称号を持つ日野木アリナ様。父の話は、アリナ様からいろいろ教えていただきましたが、奥義については何にも」

仙人「そうか。スザクがビャッコの子を教えたか」

シロ「ええ。それにゲンブにもいろいろ世話になっています」

仙人「ゲンブ……どんな男だ?」

シロ「忠義心篤い武人といえばいいでしょうか」

仙人「空飛ぶ亀、ではないか?」

シロ「よく、ご存知で」

仙人「そうか。過去の懐かしい記憶が呼び戻って来たような気がする。ならば乙女よ。そなたの父の仇の一体は、スペースGじゃ。奴はセイリュウの力を身に帯びし、邪悪な宇宙生命体。この大地を蝕む病原体そのもの。奴を倒すには、周囲の水晶エリアを破壊するか、そこからエネルギーを受信する肩の結晶を破壊しなければならんが、近づくだけでも水晶に固められて餌食となる。奴を倒す方法があるとしたら、水晶の影響を受けない空か地中から近づくか、水晶の影響を受けない耐久性を備えた豪熱ボディを備えるか。わしも堂々と水晶を突っ切ろうと試みたが、そこまでエネルギーが持続できなんだ。もっと若ければ突破できたのだろうが、今は下手にそれをすると、この身が自爆してしまいかねん。だからこそ、琉球忍術の奥義が助けとなるやもしれぬ」

シロ「その奥義とは何でしょうか?」

仙人「簡単に言えば、柔よく剛を断つ。相手のエネルギーをうまく利用して、それを撃ち返すことじゃ。順逆自在とも言って、相手の仕掛けた技をうまく逆転させる秘術でもあるそうな。そのためには心を研ぎ澄ませて、鋭い目で相手の技を見切らねばならん。見切ることによって、相手の技の勢いを自ら取り込み、そこから返し技に転じる。そう、心眼で見切り、反射する。これぞシーサーの奥義……と聞いたことがある」

シロ「……それほどの奥義を身につけた父が、どうしてセイリュウに倒されたのでしょうか?」

仙人「さあな。いかなる達人であろうと、心が乱れてしまえば、奥義が発動できないこともあろう。とりわけ、自らの意志で戦うのではなく、何者かに操られてしまえば、本気が出せなくても不思議ではあるまい」

シロ「父が誰かに操られていた、と言うのですか?」

仙人「……たとえ話じゃよ。それよりも、シーサー流の心眼をどうやって体得するかが問題だが、わしが教えられることではない。真実を見切る心眼、このような技に詳しい人物に心当たりはないか?」

シロ「……一人います」

仙人「ならば、シーサー流奥義はその人物に尋ねればよかろう。わしが短い時間で教えられるのは、わしが修行して編み出した雷電吸引の極意のみ」

シロ「雷電吸引の極意!  それは?」


六本木ゴジラと雷

 

(当記事完。「新・屋久島編その3   燐光一閃」につづく)