花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

Xデーを前にして

静かならざる聖夜前


コンパーニュの塔にて。
日野木アリナ(ヒノキちゃん)と護衛騎士ゲンブの前に現れた謎の男は、予言者ノヴァストラダマスを名乗り、この世界の終わりが近づいていることを告げた。
しかし、ヒノキちゃんは、予言者のもう一つの顔を指摘すると、観念した男は正体を明かそうとするのだった。


謎の男「予言者とは世を忍ぶ仮の姿。しかして、その実体は?(ベリッと顔をはがす)」

ゲンブ「何と。赤いふかふかの衣装に、白いヒゲ。そして背中に背負った白い袋。まさか、お主の正体は?」

ヒノキ「やはりな。予言者に化けてはいたが、案の定、快盗ルパンレッドであったか。おおかた、その白い袋の中に、盗んだルパンコレクションが入っているのであろう」

ゲンブ「いや、アリナ様。どう見ても、この男は快盗ではないでござる」

ヒノキ「何を言うか、ゲンブ。お主の目は節穴か。タイムジャッカーでもないのに、他人の塔に勝手に忍び込んで、巧みな変装術で人の目を欺き、しかも風変わりな赤いコスチューム。これが快盗ルパンレッドでなくて何だと言うのだ?」

ゲンブ「いや、ルパンレッドはもっと若い男性だったはず。この男はどう見てもヒゲ面のおじいさん」

ヒノキ「うむ。TVで見るルパンレッドとは少し違うようじゃ。ということは、アナザールパンレッドかも知れん。だとすると、こやつを倒すには、本物のルパンレッドの力を宿したライドウォッチか、あるいは妄想キツツキパワーが必要となろう」

ゲンブ「いや、素直にサンタさんという発想はないのでござるか?」

ヒノキ「サンタだと? フランケンシュタインの怪獣で、山に住む輩か?」

ゲンブ「それはサンダでござる」

ヒノキ「ならば、動物たちの謝肉祭を作曲した……」

ゲンブ「それはサン・サーンス」

ヒノキ「ならば、星の王子さまを書いた……」

ゲンブ「それはサン=テグジュペリ

赤服の男「どうやら、博識のアリナ殿もサンタを知らないようでござるな。セイリュウ、シノブ、ルールーに加え、これでサンタを知らない四天王が誕生したようだ。祝え、サンタを知らない四天王誕生の瞬間である!」

ゲンブ「どうして、クリスマスを知っているのに、サンタを知らないなどということが有り得ようか。嘆かわしい」

ヒノキ「いや、さすがにサンタを知らないわけではないぞ。そりゃ、わらわは日本神道に属する神霊でもあるからして、外国の祭りを祝う習慣は持ち合わせていないが、ニチアサを見ていれば、普通にサンタぐらいは分かる。かつてはウルトラの父が変身したりもしていたしのう。だが、この男がサンタであるとは、わらわにはどうしても考えられん。何しろ、サンタもまた伝説上の存在だからな。このようなところに出現するはずがない。この男はきっとサンタの名を騙る不届き者じゃ」

赤服の男「いや、名を騙るって、わしが自分でサンタを名乗ったわけじゃないから、それは濡れ衣だと言っておく」

ヒノキ「では改めて聞こう。予言者が仮の姿で、サンタでもないのなら、そなたの名は何と申す?」

赤服の男「フッ、この赤い聖衣に身を包んだわしこそは……」

ゲンブ「わしこそは?」

赤服の男「トナカイ座タランドゥスの聖闘士(セイント)ニコラウスという」

ゲンブ「トナカイ座? そんな星座はあったのでござるか?」

ヒノキ「今はない。だが、18世紀にフランスの天文学者ピエール・シャルル・ルモニエが考案した幻の星座の一つと聞く。もう一つはツグミ座。さらに、イギリスの物理学者トーマス・ヤングはキツツキ座を提唱したとも聞く。現在の88星座は、1922年にIAU国際天文学連合が制定したもので、古代ギリシャやローマで使われていたトレミーの48星座を土台に、南半球の星座を加えたものとされているが、採用されなかったものもあるのじゃな。やまねこ座リンクスはあるが、ねこ座フェリスは消えたし、近年はNASAによって、ゴジラ座やエンタープライズ号座、シュレディンガーの猫座、ハルク座、ムジョルニア座、エッフェル塔座、アインシュタイン座、富士山座などが認定されている。こうなると、近い将来、ゴジラ座の聖闘士なる存在が爆誕する可能性もなくはないわけで」

ゲンブ「ガメラ座は? いや、普通に亀の星座はないのでござるか?」

ヒノキ「水がめ座アクエリアスはあるが、それは水亀ではなくて水瓶じゃからのぅ。亀の星座は諦めよ。それよりも、トナカイ座の聖闘士がこの塔に何用じゃ。返答次第によっては、朱雀幻魔拳をくらわせるぞ」

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世界の終わりに向けて

クリスマス前の静かな一夜


ヒノキ「暇じゃ」

ゲンブ「アリナ様、何をおっしゃるのですか? お嬢さまには大切な使命が……」

ヒノキ「そう。わらわには大切な使命があるはずじゃった。本来なら、この年末にシンカリオンが最終決戦の時期に入り、今ごろは敵の本拠地である桜島にて、最大級の激戦があることが、この予言書『朱雀降臨暦』に記されておったのじゃ。が、どうやら予定されていた未来はタイムジャッカーか何かの原因で変化したらしい」

ゲンブ「シンカリオンが2年目も続くことになって、めでたいのはめでたいのですが、我としては同名キャラのゲンブが石化したままなのが残念でなりませぬ。ビャッコ共々、復活を希望するのみでござる」

ヒノキ「セイリュウは何とか死亡フラグを克服したようじゃが、スザクはまだ危険信号が灯っておるのう。しかし、問題はそんなことではない。本来なら、シンカリオン最終決戦の余波で、この擬似九州の地にもエネルギーの暴走が懸念されていたのじゃ。だからこそ、わらわは地脈の鎮静化などの目的で、このコンパーニュに待機していたのに、どうやら、その必要がなくなったらしい。わらわとしては何のために待機していたのか、目的意識を見失っておる次第じゃ」

ゲンブ「平和なのは、良きことではないですか。大丈夫、アリナ様の出番は必ず来ます。こういう予告編も公開されましたし」

ヒノキ「そう、これも予言映画の一つであろう。ラドンはわらわ、モスラはコナっちゃん、ゴジラはおそらくセイリュウ、もう一体のギドラは今だ見ぬ強敵ということで、このブログ世界とも連動しているかも、と『朱雀降臨暦』には書かれておる」

ゲンブ「かも? 何だか妙な記述の予言書ですな。その予言書には、ガメラやシーサーのことは書かれていませんか?」

ヒノキ「ああ、亀のことなら、イタリアのマフィアとの抗争劇において、重要な役割を果たす、たぶん、とあるぞ」
超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第五部 41.J・P・ポルナレフ(荒木飛呂彦指定カラー)

ゲンブ「たぶん……。その予言書、大丈夫なのでござろうか」

ヒノキ「さあのぅ。少なくとも、今年の年末に桜島で最終決戦が行われる、という予言は外れたというか、時期がズレ込んだようだし、100%の信を置くのもどうかと思われる。予知や予言といっても、数ある可能性の一つに過ぎんからの」

ゲンブ「ともあれ、今が平和な日常というのは、それはそれで良いことではござらぬか。せっかく羽を伸ばせるなら、こんな時にサブロー殿とゆっくり楽しんではいかがですか?」

ヒノキ「ダメなのじゃ。彼は、知人の年末コミケの手伝いを頼まれて、これから忙しくなる、と聞く。それに、シロがいれば、この時期ケーキを作ってくれように、コナっちゃんと一緒に屋久島へ旅立って、連絡がとれなくなっておるし。そもそも、新星どのも何かと忙しいようで、連絡一つ寄越さなくなった。今年の年末は、このまま、お主と二人で寂しく語り明かすことになりそうじゃのう」

ゲンブ「メガネンジャーの面々はどうなのですか? ドクター殿や弥生どのと連絡をとって、ラビットタンク改造計画の進捗を聞くというのは?」

ヒノキ「こっちから連絡をするのは、何だか急かすようで格好悪いじゃろう」

ゲンブ「そんな物でござるか」


謎の声「フフフ、日野木アリナ殿。何やら、時間を持て余している様子。わしが相談に乗って進ぜようか?」

ゲンブ「な、何やつ!? どうやって、この結界の張られたコンパーニュの塔に侵入してきた?」

謎の男「結界だと? フム、時空を操作する者には、そのようなものは役に立たん、と告げておこうか」

ヒノキ「こ奴、もしかしてタイムジャッカーの仲間か?」

謎の男「タイムジャッカー? あのような小物連中と一緒にするでないわ。わしは予言者……そうだな、仮にノヴァストラダマスとでも名乗るとするか。この世界の終わりを告げに来た」

ヒノキ「世界の終わりじゃと? まさか……」

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青き仙人・後編(屋久島編6)

11月27日はガメラの日


ヒノキ「おお、アストロメガネスターから、メガネンジャー名誉特別隊員のわらわに通信がキター。ほう、メガネピンクの弥生からか。何? 司令の新星どのから、ゲンブにハッピーバースデイじゃと? おい、ゲンブ、喜べ。彼の御仁は、ガメラの日を忘れていなかったようじゃ」

ゲンブ「何と。ガメラの日をきちんと祝福してくれるとは。先日は助けてくれたのみならず、何とも義に篤い方よ」

ヒノキ「だったら、ラドンの日もアピールしておくかの。『空の大怪獣ラドン』の公開日は、1956年12月26日。すなわち、クリスマスの翌日はラドンを祝うのが、九州・阿蘇の伝統じゃよ」

ゲンブ「そんな伝統は、今、初めて聞きました。ところで、弥生殿はわざわざ通信しておいて、何の用ですか? まさか、誕生祝いだけと言うこともありますまい」

ヒノキ「いや、先日、タイムジャッカーの襲撃にあったことを知らせたら、すぐに対策を検討すると言っていたわけじゃが、その方法およびガメラの日のバースデイ・プレゼントとして、ラビットタンク改造計画を提案されての」

ゲンブ「ラビットタンク改造計画?」

ヒノキ「そう。あれは元々、古代遺跡の発掘メカとして移動手段に重宝しておったが、わらわたちの中にはメカに詳しい者がおらん。その話をすると、ドクター・ウルシェードという御仁が非常に興味を示しての。是非とも研究調査の末、改造させてくれ、ということらしい。一応、改造プランも三つほど示された」

ゲンブ「三つも! それは一体?」

ヒノキ「一つめは武装強化案。タンクという名前なのに、攻撃手段を持たなかったわけだが、これでラビットタンクも戦える」

ゲンブ「確かに、戦闘マシンとしては考えて来なかった。続く二つめは?」

ヒノキ「高機動ラビットモードの搭載。前にクラブキングの高重力で操縦不能に陥っていたから、反重力で対抗できるグラビティ・コントローラーを装着し、それを利用した加速装置も実装する案じゃ。さすがに時間移動までは不可能にしても、限定的な短距離空間跳躍まで提案されたが、本当に実現可能かの」

ゲンブ「実現できたら、我々の活動範囲も広がること間違いなし、でござる」

ヒノキ「うむ。新星どのの構築した新世界の探索にも役立つかもしれんの。そして、三つめはロボへの変形機能。その名も『武玄ラビタン∞』!」

ゲンブ「ええと、何とおっしゃられた? よく聞き取れなかったでござる」

ヒノキ「ゆっくり言うぞ。ムゲン・ラビタン・インフィニティーと読む」

ゲンブ「ムゲンと、インフィニティーの意味が被っているでござる」

ヒノキ「ムゲンの元ネタは、ダイムゲンにあるそうじゃ」

ゲンブ「つまり、玄武を逆にして武玄とアレンジしたわけでござるな。すると、∞にも何か意味が?」

ヒノキ「それは、メガネンジャーのメガネにも通じるとのこと。元ネタの亀夫もメガネキャラだし、絡めることも可能ではないか、というのがメガネンジャー司令の意見らしい」

ゲンブ「なるほど。つまり、ラビットタンクをメガネンジャーの技術力で、スーパーメガネロボにパワーアップさせようという計画でござるな。まさにハッピーバースデイにふさわしいプロジェクト。これでポンコツ呼ばわりされず、タイムマジーンにも負けることはないであろう」
仮面ライダージオウ DXタイムマジーン&オーズライドウォッチ

ヒノキ「問題は、あくまで机上のプランでしかなく、実際にラビットタンクをドクターに預けて、魔改造させてみないと、成功するかどうか分からんということじゃ」

ゲンブ「しかし、ラビットタンクが強く、速く、格好良くなるのであれば、その強化改造計画には是非とも乗ってみたいでござる。武玄ラビタン∞へのパワーアップをドクター殿にお願いしよう」

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青き仙人・前編(屋久島編5)

ヒノゲンOPコント


ヒノキ「うわー、ゲンブよ。こんな姿になってしまうなんて。惜しい男を失くしてしまった」

ゲンブ「いや、アリナ様。我はここにおりますが」

ヒノキ「お主のことではないわ。わらわが言っておるのは、シンカリオンのエージェント・ゲンブのことじゃ。10月13日放送の40話ではビャッコが、11月10日放送の44話ではゲンブがそれぞれ力を失い、石になってしまった。こうなると、わらわとしては残されたスザクとセイリュウの今後が心配で心配で、なぜか飛んでくるキツツキが激突して爆発する悪夢にさいなまれてしまうのじゃよ」

ゲンブ「TVに影響されすぎです、アリナ様。あなたともあろうお方が、そのような妄想にさいなまれるなど嘆かわしい」

ヒノキ「何を。ここはスーパー空想(妄想)タイム。妄想にさいなまれて、何が悪い。新星どのも言っていたぞ。『妄想は世界を救う』って」

ゲンブ「言ってません。『ハッピーは世界を救う』とは信じておりましたが、『妄想は現実や真実と区別すべき』と考えておいででした。『思念の妄想パワーは確かに強大だが、使い方を間違えると現実を破壊してしまう。扱いは程々にな』というのが、あの方の信念であるようです」

ヒノキ「ゲンブよ。お主に新星どのの何が分かると言うのじゃ」

ゲンブ「分かりますよ。我やシロがタイムジャッカーのクラブキングに襲撃された際に、颯爽と現れ、助けていただきました。幻とはいえ、二度もこの目で見たわけですから、それなりの人となりは察することができます。あの方は浮世離れしているが、それでも現実を捨てることはしない。足は現実の大地に根ざしつつ、目は希望の未来を見つめる、そういう精神の下に生きていると感じさせられました。つまり、半分は真実、半分は妄想という中庸のバランスを重視している御仁なのでございます」

ヒノキ「うむ、そうか。わらわも一度会って確かめたかったが、あの小憎らしいタイムジャッカーの嘘吐きオカマ、ダイアナジャックに足止めを食らっての。散々翻弄された挙句、まんまと逃げられてしまった。正面から戦えば、あの程度の敵は炎で焼き尽くしてくれようものを。ああいうつかみどころのない相手は、どうにも相性が悪い」

ゲンブ「再戦に備えて、対策を立てねばなりませんな。キングの重力操作と、ジャックの虚術を打ち破る方法を」

ヒノキ「わらわは対策済みじゃ。これを見よ」
ウルトラアイ リアルタイプシリーズ ver.[ウルトラ警備隊西へ]
ゲンブ「こ、これは確か新星どのの贈り物の一つでございますな」

ヒノキ「そう。真実を映し出す明鏡戦隊メガネンジャーのリーダー、メガネレッドの変身アイテム・メガネレッドアイズのレプリカじゃよ。これさえ付けていれば、邪悪なインペイダーの扱う虚術などたちどころに見抜くことができたものを。新星どのは近い未来を予見して、わらわにこれを託したのに、わらわが気づかずにダイアナジャックに翻弄されたのは不覚。だが、二度目はこうはいかん。次にあのオカマが現れたら、わらわもメガネレッドに変身して応戦あるのみ」

ゲンブ「なるほど。新星どのの贈り物にそういう意味があったとは。すると、我も威風堂々Tシャツを装着していれば、キングの超重圧迫にも対抗できたかもしれない、ということか」

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キング『クラブキング奥義、超重圧迫グラビトン・プレッシャー!』

ゲンブ『そんな攻撃は効かん! この威風堂々オーラの前ではな』

キング『何だと?』

ゲンブ『さらに! フォームチェンジ! うちゅ〜んTシャツをまとって、大宇宙の無限パワーを宿したスペース・ゲンブ、ここに見参。スペース・ダイナミック・クラーーッシュ!』

キング『うわあ、やられた〜』

ゲンブ『フッ、Tシャツアーマーをまとった我に断てぬものなし!』

キング『くっ殺せ。敗北した者に恥をかかせるな、兄弟。とどめを刺すんだ』

ゲンブ『いいや、戦いはもう終わった、弟よ。お前には、この胸の文字が読めないのか?』

キング『そ、それは、親しみやすさ? 何て温かい文字なんだ』

ゲンブ『そう、戦いが済んだその後は、互いの力量と健闘を称え、後腐れなく親友となる。これぞ、慈愛の精神に満ちたフレンドリー・ゲンブの侍精神というものよ』

キング『うおー、ゲンブ兄貴ー。俺がバカだった。これからは心を入れ替えて、あんたと共に戦うぜ』

ゲンブ『ああ、よろしくな。これにて一件落着でござる』

(流れるエンディングテーマ)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ヒノキ「おい、ゲンブ。ニヤニヤして、何を妄想しておる。早く正気に戻らないと、なぜか飛んできたキツツキに腹を突かれて爆発するぞ」

ゲンブ「はっ、一体。いつの間にか妄想パワーに取り憑かれておった。我としたことが」

ヒノキ「よいよい。ここはスーパー空想(妄想)タイムじゃからな。現実さえ見失わなければ、そして誰かに気持ち悪がられたり、自分の判断に狂いが生じたりしなければ、害はない。明るい妄想、愉快な妄想で、健全な妄想ライフを送ればよいのじゃ」

ゲンブ「分かったでござる。しかし、屋久島へ向かった粉杉どのやケイP、そしてシロが心配で心配で。よもや石に変えられたり、キツツキに襲われて爆発したりはしていないだろうか」

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それぞれの道(屋久島編4)

久々の長女と父と愉快な仲間たちのOPコント


NOVA「今朝は、プリキュアも、ライダーも、戦隊もないニチアサだ」

翔花「突然、何よ。ええと、11月4日なのよね」

NOVA「ああ、それと昨日は11月3日。俺的にはただの文化の日だったんだが、実はゴジラの日、TRPGの日、マンガの日という、もっとブログ的に宣揚しないといけない日だったんだな。後から知って、ちょっとだけガーンとなってる。ドゴラの日を宣揚した俺が、ゴジラの日を宣揚し損なうなんて、俺のゴジラ愛はドゴラ以下なのかよって」

ケイP『だけど、マスターって今年はゴジラよりも、ドゴラやガメラのことを考える方が多かったんじゃないですか?』

NOVA「それは否定しないけど、ゴジラはこれからいろいろ考えないといけないと思っている。セイリュウの設定的にもな」

ゲンブ「うむ。セイリュウは怪獣王の眷属ってことだからな。コンパーニュでも、ヒノキ三獣士のリーダー格だったが、かつてのファイナルウォーズで裏切って、先代ビャッコのキングシーサーを殺害してから行方不明という話になっている」

シロ「ボクはセイリュウを決して許さない」

NOVA「その辺の決着をどうまとめるかが屋久島編の見どころだと作者的には明言しておく。それとモスラがポイントだ」

ゲンブ「ところで、新星どのに質問がある」

NOVA「何だい、ゲンさん」

ゲンブ「ガメラの日は宣揚しないのか?」

NOVA「ああ、ガメラの日ね。昭和ガメラの初公開は1965年11月27日だ。27日ってことは、翔花の月々の誕生日と同時に祝えるな。ちなみに、平成ガメラの方は第1作が、1995年3月11日公開。その年は阪神・淡路大震災で悪い意味でのメモリアルイヤーだが、何の因果か日付けの方も後の東日本の震災とかぶっちまってる。忘れられないのは間違いないが、素直におめでとうと言いづらい日なのも確かだな」

ゲンブ「うむ、しかも平成2作目では、レギオンとの戦いで仙台市を消失させてしまったからな。3作目は渋谷。今年のハロウィンは、渋谷に百鬼夜行が集まって、街中が大騒ぎになったと聞く」

NOVA「ああいうバカ騒ぎで街に迷惑かけているってニュースを見ると、あそこにガメラやギャオスが飛んできて、大惨事って映像を見たくなるんだが、それって、グリッドマンのアカネちゃんの心理だよな」

シロ「渋谷といえばハチ公。巨大ハチ公が暴れて、ハロウィンに集まったコスプレ魍魎を退治するという話はどうだろうか」

NOVA「インディーズ映画としては悪くないかもしれないけど、グリッドマンで、アカネちゃんに怪獣作って潰してもらいたいものを考えるスレ、なんてのもいいかもしれない。何しろ、彼女は今、怪獣好きのオタクの希望の星というか羨望のアイドルと化しつつあるからな、ダークな方向で。うわ〜、やり過ぎアカネちゃん怖いよ、と言いながら、嬉々として彼女の言動を楽しむ風潮が確実にある」
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翔花「NOVAちゃんは、アカネちゃんのファンなの?」

NOVA「いや、俺は六花ちゃんのファンだよ。だけど、六花ちゃんもアカネちゃんとの対比で輝く感じだからな。振る舞い的にはアカネの方が躁キャラで、テンション高く、そのハイテンションでダークな事を無邪気にしちゃうんだな。まあ、嫌なことがあったら怪獣作って破壊して発散しているわけだし、ある意味、サイコパスとも言われているけど、それに対して、六花ちゃんは真面目で悩みがちな鬱キャラな言動が目立つ。俺的には、アカネちゃんが壊れた非日常で、六花ちゃんが日常を守ろうともがき悩むキャラ。その意味で六花ちゃんの方に感情移入しやすいけど、アカネちゃんのダークなクリエイティブ気質をもっと建設的に発揮できたらなあ、と思ったりもする。怪獣好きの女の子は決して嫌いじゃないし」

シロ「ところで、キングシーサーの日というのはないのか?」

NOVA「メカゴジラの日と同じになるが、1974年3月21日だな。大体、春分の日になるかな。それとは別に4月3日が語呂合わせ的に、シーサーの日と扱われていたりもする」

シロ「4月3日か。来年春まで祝ってもらえないんだな」

NOVA「って、祝ってもらうこと前提かよ?」

シロ「祝ってくれないのか?(涙目)」

NOVA「お、おい、君まで(涙目)を使うのかよ。その時期だと、俺も涙目になっていること確実だよ(涙目)」

翔花「みんなで流行らせよう、涙目の輪って感じだね」

NOVA「そんなのハッピーじゃないからイヤだ。その涙目で、世界が救えるか!」

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時空魔術師の影(屋久島編3)

月と火


コンパーニュの塔の上空。
少し欠けた望月が東天に昇り、西天は燃え上がる夕暮れ時。
二つの光が激しく交錯していた。
かたや月光の黄金、かたや烈火の真紅。
群青色の空は、人知を超えた力が激突する戦場だった。
そしてーー、


ヒノキ「この女、いや、男の娘か。のらりくらり、わらわの攻撃を避けるばかりで、ちっとも埒が明かん。もしや、最初から時間稼ぎが目的か?」

ダイアナ「あら、さすがに気付き始めたかしら。それじゃ、そろそろ撤退する頃合いね」

ヒノキ「そうはさせぬ。月の女神を名乗る女が、わらわをここまで挑発してから逃げるなど、恥を知れい」

ダイアナ「だって、スーちゃん、こちらの予想以上に強いんですもの。そんな幼い少女の姿で、本気モードになっていないのに、あたしをここまで圧倒するなんてね。炎をまとって体当たりを繰り返すんだから、こっちは近寄ることもできない。鏡で幻影作って惑わしても、片っ端から割られていく。おまけに、割れた破片でダメージを当てる策も、破片そのものが高熱で焼失してしまうので、通用しない。正直、こっちはあなたの突撃を幻作って避けるだけが精一杯なのよ。まさか、ここまで恐ろしい相手だとは思わなかったわ」

ヒノキ「ダイヤの光で目をくらまし、多くの幻像で相手を惑わし、隙を突いて仕留めに掛かる。並の相手なら通用したかもしれぬが、このわらわには通じん。全ての幻ごと焼き尽くしてやるからの。ダイヤモンドは強固なれど、所詮は炭素ゆえ、容易く燃える。そなたの放つ月明かりとて、わらわの放つ劫火の輝きには及ばん。冥界へと招待されるのはそなただったようじゃな。おとなしく降参するがいい」

ダイアナ「ええ、降参するわ。スーちゃん、いいえ、花粉症ガールV3の日野木アリナ様。あなたこそ我々、マーキュリー・バットの新たな女王にふさわしい。その強大なお力を、あたしたちのために使っては頂けないでしょうか」

ヒノキ「何? 力では敵わんと見て、懐柔策に出たか? だが断る。この日野木アリナ、おぬしらのような世間を騒がす快盗団、時空犯罪者に協力などせん。ましてや、大切なコナっちゃんの妹御、花粉症ガール2号を過酷な目に合わせたとあってはな」

ダイアナ「それはあたしたちのせいではないわ。諸悪の根源は教祖グロワール。あたしたちの時代に来た粉杉翔花をバットクイーンに改造したのもグロワールの仕業。あたしたちは圧制統治を行うグロワールと戦うレジスタンスの一員よ。グロワールのところから脱走したクイーンを旗印に、反抗活動を行う正義の快盗チーム、それがマーキュリー・バット。もっとも、あたしはクイーンなんて女を信じていないんだけどね。クイーンはグロワールに洗脳された女。いつあたしたちを裏切るか分からない。新たなクイーンを擁立するのなら、あなた様のような正義心に溢れた真の強者こそふさわしい。どうか、あたしたちといっしょに未来へ赴き、グロワールを打倒するのに協力していただけませんか?」

ヒノキ「むむ。その言葉、まこと相違ないか? よもや、詐術を用いて、わらわを惑わそうとはしておらんか?」

ダイアナ「そんなに疑うなら、あたしのこの目を見て判断してくださいな。ダイヤのようにキラキラ光る、澄んだ瞳を」

ヒノキ「自分で、そんなことを言うか? その手には乗らん。どうせ、瞳術の類でわらわに催眠術でも掛けようという腹であろう。わらわを力任せに突っ込むだけの愚か者と見なすでない。力任せの戦術をとるのは、それが最も効率よいからじゃ。技と力と知の三拍子揃ったのがV3たる所以。たやすく言を翻しそうなおぬしの言葉は信用ならん。力を貸して欲しければ、最初から誠意を示して交渉すべきところを、散々挑発して、戦って、勝てぬと見たら、にわかに正義を僭称する。昔から、よく言うじゃろう。嘘つきは泥棒の始まり、と。快盗が泥棒である以上、その言葉が信じられる道理はない。とりわけ、ダイアナジャック、おぬしは全てを虚像で塗り固めたような臭いがプンプンするわ。性別を偽ることも含めてな」

ダイアナ「……そうね。あたしの人生は嘘ばかり。今さら言い繕うこともできないわ。あなた様のような賢明な御方には、何もかも見透かされてしまうのね。分かりました。あなたを女王に擁立するという、虫のいい願いは今はあきらめます。もう少し真っ正直に生きて、あなたを信用させられる女に生まれ変わったら、もう一度、出直して来ます。それまでは、慎んで身を引きましょう。あなたもどうかお元気で」

ヒノキ「おお、わらわの説教が実を結んで、何とか改心してくれたようじゃの。しっかり更生して出直すがいい。達者でな」

ダイアナ「ええ、それではアデュー(ニッコリ)」

ヒノキ「ふむ。いろいろあったが、最後はさわやかな笑顔を残して、旅に出たか。これで万事解決めでたしめでたし……って違う。これでは巧みな言葉に乗せられて、相手をむざむざ取り逃しただけではないか。おのれ、快盗。わらわの善意につけ込んで、真しやかな作り話で惑わしおって。よもや、わらわの大切なものを盗んで行ったのではあるまいな。ハッ、もしかして、コナっちゃんの身に何か?」

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ふたりはタイムジャッカー(屋久島編2)

コンパーニュ襲撃


ヒノキ「さて、コナっちゃんがいなくなると、寂しくなったのう。じゃが、わらわは桜島の異変に備えて、今はここを動くことはできん。九州守護の結界のために、霊力を供しないといけない時期でもあるし。そうでなければ、屋久島クエストにわらわも同行したいのが本音じゃが、まあ管理役としての務めじゃから仕方あるまい」

謎の声「お役目ごくろうさま。しかし、あなたさえいなければ、九州の地に災厄をもたらすことができる。そういうことよね」

ヒノキ「ムッ、何奴じゃ。この結界に守られしコンパーニュの塔に招かれず侵入し、わらわにも気付かれぬとは只者ではあるまい」

謎の声「結界なんて、あたしたちタイムジャッカーには無意味。だって、結界が張られる前の時代に転移して、そこから位置座標を保ったまま時間を越えれば、容易に侵入できるもの。時空転移を自在にできれば、私たちに入れない場所などない」

ヒノキ「なるほど。そなたが新星どのの言っていた敵の一人か。名を何という?」

タイムジャッカー「あら。人に名前を尋ねる前に自分から名乗るのが、この時代の礼儀じゃないかしら?」

ヒノキ「他人の住居に侵入しておいて、礼儀を語るのも片腹痛い。そっちはわらわの名前など、先刻承知であろう。名乗る必要などあるまい」

TJ「そうね。南郷阿里さんだったかしら」

ヒノキ「それは昔の名じゃ。今のわらわは日野木アリナ。ヒノキ様と呼ぶがいい」

TJ「いいえ、ヒノッチ、アリアリ、スーちゃん。どれかを選ばせてあげる」

ヒノキ「ちょっと待て。前の二つはともかく、スーちゃんって何じゃ?」

TJ「だって、あなたは四聖獣の朱雀の称号を持つんでしょう? だったら、スザクのスーちゃんでいいじゃない」

ヒノキ「そうか。確かにザクちゃんよりはマシだな。ザクとは違うのだよ、ザクとは。とにかく、ヒノッチとアリアリはムズムズするので、三つの中ならスーちゃんが一番いい。まるでキャンディーズになったみたいじゃからの」

TJ「キャンディーズ? 何よそれ? あたしの2018年データには登録されていないわ」

ヒノキ「やれやれ。ポンコツ未来人はキャンディーズも知らぬのか。女の子アイドルトリオを語る上で、キャンディーズも語れぬようではたかが知れておる。花粉症ガールも今は1号、2号、V3のトリオじゃから、キャンディーズには敬意を表する次第じゃ」
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TJ「くっ、これだから年寄りの相手は疲れるのよ。そんな昔の芸能人の情報なんて、このあたしが知るわけないじゃない」

ヒノキ「ふん。キャンディーズも知らないようでは、そなたも女の子アイドル失格じゃ。業界勉強が足りんのう」

TJ「女の子アイドル失格ですって? それは聞き捨てならないわね。このタイムジャッカー、マーキュリーバットの一柱、ダイアナジャック。♦の称号を持つ女。未来のアイドルトップスターを目指している輝かしい美少女戦士。嫌いなものは、しつこいパパラッチ。好きなものはダイヤを始めとする各種宝石よ」

ヒノキ「なるほど、ダイアナジャックか。しかし、解せぬのう。ジャックというのは男の名前じゃが、もしかして、そなたは男の娘って奴か?」

ダイアナ「(ピクッ)いいえ、私はサソリ座の女。思いこんだら命がけ。一途な星の下に生まれたの。体はどうあれ、心は女。本当はクイーンになりたかったのに、バットクイーンに負けたために、女王になれなかったの。トップスターを目指すこのあたしが何て屈辱。だけどマーキュリーバットの任務は果たさないと、愛するあの人に嫌われてしまう。だから、私は使命を果たす。覚悟なさい」

ヒノキ「やれやれ。面倒くさい性格のようじゃな。男でも女でもどっちでもいいが、敵であるからにはそっちの事情は関係ない。タイムジャッカー、ダイアナジャック。この花粉症ガールV3、日野木アリナに勝負を挑んだこと、後悔させてやろう」

ダイアナ「年寄りの時代は間もなく終わるの。月とカボチャに代わって、冥界へのご招待よ!」
ハッピー ハロウィン! (講談社の幼児えほん)

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