ヒノゲンOPコント
ヒノキ「うわー、ゲンブよ。こんな姿になってしまうなんて。惜しい男を失くしてしまった」
ゲンブ「いや、アリナ様。我はここにおりますが」
ヒノキ「お主のことではないわ。わらわが言っておるのは、シンカリオンのエージェント・ゲンブのことじゃ。10月13日放送の40話ではビャッコが、11月10日放送の44話ではゲンブがそれぞれ力を失い、石になってしまった。こうなると、わらわとしては残されたスザクとセイリュウの今後が心配で心配で、なぜか飛んでくるキツツキが激突して爆発する悪夢にさいなまれてしまうのじゃよ」
ゲンブ「TVに影響されすぎです、アリナ様。あなたともあろうお方が、そのような妄想にさいなまれるなど嘆かわしい」
ヒノキ「何を。ここはスーパー空想(妄想)タイム。妄想にさいなまれて、何が悪い。新星どのも言っていたぞ。『妄想は世界を救う』って」
ゲンブ「言ってません。『ハッピーは世界を救う』とは信じておりましたが、『妄想は現実や真実と区別すべき』と考えておいででした。『思念の妄想パワーは確かに強大だが、使い方を間違えると現実を破壊してしまう。扱いは程々にな』というのが、あの方の信念であるようです」
ヒノキ「ゲンブよ。お主に新星どのの何が分かると言うのじゃ」
ゲンブ「分かりますよ。我やシロがタイムジャッカーのクラブキングに襲撃された際に、颯爽と現れ、助けていただきました。幻とはいえ、二度もこの目で見たわけですから、それなりの人となりは察することができます。あの方は浮世離れしているが、それでも現実を捨てることはしない。足は現実の大地に根ざしつつ、目は希望の未来を見つめる、そういう精神の下に生きていると感じさせられました。つまり、半分は真実、半分は妄想という中庸のバランスを重視している御仁なのでございます」
ヒノキ「うむ、そうか。わらわも一度会って確かめたかったが、あの小憎らしいタイムジャッカーの嘘吐きオカマ、ダイアナジャックに足止めを食らっての。散々翻弄された挙句、まんまと逃げられてしまった。正面から戦えば、あの程度の敵は炎で焼き尽くしてくれようものを。ああいうつかみどころのない相手は、どうにも相性が悪い」
ゲンブ「再戦に備えて、対策を立てねばなりませんな。キングの重力操作と、ジャックの虚術を打ち破る方法を」
ヒノキ「わらわは対策済みじゃ。これを見よ」
ゲンブ「こ、これは確か新星どのの贈り物の一つでございますな」
ヒノキ「そう。真実を映し出す明鏡戦隊メガネンジャーのリーダー、メガネレッドの変身アイテム・メガネレッドアイズのレプリカじゃよ。これさえ付けていれば、邪悪なインペイダーの扱う虚術などたちどころに見抜くことができたものを。新星どのは近い未来を予見して、わらわにこれを託したのに、わらわが気づかずにダイアナジャックに翻弄されたのは不覚。だが、二度目はこうはいかん。次にあのオカマが現れたら、わらわもメガネレッドに変身して応戦あるのみ」
ゲンブ「なるほど。新星どのの贈り物にそういう意味があったとは。すると、我も威風堂々Tシャツを装着していれば、キングの超重圧迫にも対抗できたかもしれない、ということか」
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キング『クラブキング奥義、超重圧迫グラビトン・プレッシャー!』
ゲンブ『そんな攻撃は効かん! この威風堂々オーラの前ではな』
キング『何だと?』
ゲンブ『さらに! フォームチェンジ! うちゅ〜んTシャツをまとって、大宇宙の無限パワーを宿したスペース・ゲンブ、ここに見参。スペース・ダイナミック・クラーーッシュ!』
キング『うわあ、やられた〜』
ゲンブ『フッ、Tシャツアーマーをまとった我に断てぬものなし!』
キング『くっ殺せ。敗北した者に恥をかかせるな、兄弟。とどめを刺すんだ』
ゲンブ『いいや、戦いはもう終わった、弟よ。お前には、この胸の文字が読めないのか?』
キング『そ、それは、親しみやすさ? 何て温かい文字なんだ』
ゲンブ『そう、戦いが済んだその後は、互いの力量と健闘を称え、後腐れなく親友となる。これぞ、慈愛の精神に満ちたフレンドリー・ゲンブの侍精神というものよ』
キング『うおー、ゲンブ兄貴ー。俺がバカだった。これからは心を入れ替えて、あんたと共に戦うぜ』
ゲンブ『ああ、よろしくな。これにて一件落着でござる』
(流れるエンディングテーマ)
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ヒノキ「おい、ゲンブ。ニヤニヤして、何を妄想しておる。早く正気に戻らないと、なぜか飛んできたキツツキに腹を突かれて爆発するぞ」
ゲンブ「はっ、一体。いつの間にか妄想パワーに取り憑かれておった。我としたことが」
ヒノキ「よいよい。ここはスーパー空想(妄想)タイムじゃからな。現実さえ見失わなければ、そして誰かに気持ち悪がられたり、自分の判断に狂いが生じたりしなければ、害はない。明るい妄想、愉快な妄想で、健全な妄想ライフを送ればよいのじゃ」
ゲンブ「分かったでござる。しかし、屋久島へ向かった粉杉どのやケイP、そしてシロが心配で心配で。よもや石に変えられたり、キツツキに襲われて爆発したりはしていないだろうか」