花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

青き仙人・前編(屋久島編5)

ヒノゲンOPコント


ヒノキ「うわー、ゲンブよ。こんな姿になってしまうなんて。惜しい男を失くしてしまった」

ゲンブ「いや、アリナ様。我はここにおりますが」

ヒノキ「お主のことではないわ。わらわが言っておるのは、シンカリオンのエージェント・ゲンブのことじゃ。10月13日放送の40話ではビャッコが、11月10日放送の44話ではゲンブがそれぞれ力を失い、石になってしまった。こうなると、わらわとしては残されたスザクとセイリュウの今後が心配で心配で、なぜか飛んでくるキツツキが激突して爆発する悪夢にさいなまれてしまうのじゃよ」

ゲンブ「TVに影響されすぎです、アリナ様。あなたともあろうお方が、そのような妄想にさいなまれるなど嘆かわしい」

ヒノキ「何を。ここはスーパー空想(妄想)タイム。妄想にさいなまれて、何が悪い。新星どのも言っていたぞ。『妄想は世界を救う』って」

ゲンブ「言ってません。『ハッピーは世界を救う』とは信じておりましたが、『妄想は現実や真実と区別すべき』と考えておいででした。『思念の妄想パワーは確かに強大だが、使い方を間違えると現実を破壊してしまう。扱いは程々にな』というのが、あの方の信念であるようです」

ヒノキ「ゲンブよ。お主に新星どのの何が分かると言うのじゃ」

ゲンブ「分かりますよ。我やシロがタイムジャッカーのクラブキングに襲撃された際に、颯爽と現れ、助けていただきました。幻とはいえ、二度もこの目で見たわけですから、それなりの人となりは察することができます。あの方は浮世離れしているが、それでも現実を捨てることはしない。足は現実の大地に根ざしつつ、目は希望の未来を見つめる、そういう精神の下に生きていると感じさせられました。つまり、半分は真実、半分は妄想という中庸のバランスを重視している御仁なのでございます」

ヒノキ「うむ、そうか。わらわも一度会って確かめたかったが、あの小憎らしいタイムジャッカーの嘘吐きオカマ、ダイアナジャックに足止めを食らっての。散々翻弄された挙句、まんまと逃げられてしまった。正面から戦えば、あの程度の敵は炎で焼き尽くしてくれようものを。ああいうつかみどころのない相手は、どうにも相性が悪い」

ゲンブ「再戦に備えて、対策を立てねばなりませんな。キングの重力操作と、ジャックの虚術を打ち破る方法を」

ヒノキ「わらわは対策済みじゃ。これを見よ」
ウルトラアイ リアルタイプシリーズ ver.[ウルトラ警備隊西へ]
ゲンブ「こ、これは確か新星どのの贈り物の一つでございますな」

ヒノキ「そう。真実を映し出す明鏡戦隊メガネンジャーのリーダー、メガネレッドの変身アイテム・メガネレッドアイズのレプリカじゃよ。これさえ付けていれば、邪悪なインペイダーの扱う虚術などたちどころに見抜くことができたものを。新星どのは近い未来を予見して、わらわにこれを託したのに、わらわが気づかずにダイアナジャックに翻弄されたのは不覚。だが、二度目はこうはいかん。次にあのオカマが現れたら、わらわもメガネレッドに変身して応戦あるのみ」

ゲンブ「なるほど。新星どのの贈り物にそういう意味があったとは。すると、我も威風堂々Tシャツを装着していれば、キングの超重圧迫にも対抗できたかもしれない、ということか」

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キング『クラブキング奥義、超重圧迫グラビトン・プレッシャー!』

ゲンブ『そんな攻撃は効かん! この威風堂々オーラの前ではな』

キング『何だと?』

ゲンブ『さらに! フォームチェンジ! うちゅ〜んTシャツをまとって、大宇宙の無限パワーを宿したスペース・ゲンブ、ここに見参。スペース・ダイナミック・クラーーッシュ!』

キング『うわあ、やられた〜』

ゲンブ『フッ、Tシャツアーマーをまとった我に断てぬものなし!』

キング『くっ殺せ。敗北した者に恥をかかせるな、兄弟。とどめを刺すんだ』

ゲンブ『いいや、戦いはもう終わった、弟よ。お前には、この胸の文字が読めないのか?』

キング『そ、それは、親しみやすさ? 何て温かい文字なんだ』

ゲンブ『そう、戦いが済んだその後は、互いの力量と健闘を称え、後腐れなく親友となる。これぞ、慈愛の精神に満ちたフレンドリー・ゲンブの侍精神というものよ』

キング『うおー、ゲンブ兄貴ー。俺がバカだった。これからは心を入れ替えて、あんたと共に戦うぜ』

ゲンブ『ああ、よろしくな。これにて一件落着でござる』

(流れるエンディングテーマ)

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ヒノキ「おい、ゲンブ。ニヤニヤして、何を妄想しておる。早く正気に戻らないと、なぜか飛んできたキツツキに腹を突かれて爆発するぞ」

ゲンブ「はっ、一体。いつの間にか妄想パワーに取り憑かれておった。我としたことが」

ヒノキ「よいよい。ここはスーパー空想(妄想)タイムじゃからな。現実さえ見失わなければ、そして誰かに気持ち悪がられたり、自分の判断に狂いが生じたりしなければ、害はない。明るい妄想、愉快な妄想で、健全な妄想ライフを送ればよいのじゃ」

ゲンブ「分かったでござる。しかし、屋久島へ向かった粉杉どのやケイP、そしてシロが心配で心配で。よもや石に変えられたり、キツツキに襲われて爆発したりはしていないだろうか」

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それぞれの道(屋久島編4)

久々の長女と父と愉快な仲間たちのOPコント


NOVA「今朝は、プリキュアも、ライダーも、戦隊もないニチアサだ」

翔花「突然、何よ。ええと、11月4日なのよね」

NOVA「ああ、それと昨日は11月3日。俺的にはただの文化の日だったんだが、実はゴジラの日、TRPGの日、マンガの日という、もっとブログ的に宣揚しないといけない日だったんだな。後から知って、ちょっとだけガーンとなってる。ドゴラの日を宣揚した俺が、ゴジラの日を宣揚し損なうなんて、俺のゴジラ愛はドゴラ以下なのかよって」

ケイP『だけど、マスターって今年はゴジラよりも、ドゴラやガメラのことを考える方が多かったんじゃないですか?』

NOVA「それは否定しないけど、ゴジラはこれからいろいろ考えないといけないと思っている。セイリュウの設定的にもな」

ゲンブ「うむ。セイリュウは怪獣王の眷属ってことだからな。コンパーニュでも、ヒノキ三獣士のリーダー格だったが、かつてのファイナルウォーズで裏切って、先代ビャッコのキングシーサーを殺害してから行方不明という話になっている」

シロ「ボクはセイリュウを決して許さない」

NOVA「その辺の決着をどうまとめるかが屋久島編の見どころだと作者的には明言しておく。それとモスラがポイントだ」

ゲンブ「ところで、新星どのに質問がある」

NOVA「何だい、ゲンさん」

ゲンブ「ガメラの日は宣揚しないのか?」

NOVA「ああ、ガメラの日ね。昭和ガメラの初公開は1965年11月27日だ。27日ってことは、翔花の月々の誕生日と同時に祝えるな。ちなみに、平成ガメラの方は第1作が、1995年3月11日公開。その年は阪神・淡路大震災で悪い意味でのメモリアルイヤーだが、何の因果か日付けの方も後の東日本の震災とかぶっちまってる。忘れられないのは間違いないが、素直におめでとうと言いづらい日なのも確かだな」

ゲンブ「うむ、しかも平成2作目では、レギオンとの戦いで仙台市を消失させてしまったからな。3作目は渋谷。今年のハロウィンは、渋谷に百鬼夜行が集まって、街中が大騒ぎになったと聞く」

NOVA「ああいうバカ騒ぎで街に迷惑かけているってニュースを見ると、あそこにガメラやギャオスが飛んできて、大惨事って映像を見たくなるんだが、それって、グリッドマンのアカネちゃんの心理だよな」

シロ「渋谷といえばハチ公。巨大ハチ公が暴れて、ハロウィンに集まったコスプレ魍魎を退治するという話はどうだろうか」

NOVA「インディーズ映画としては悪くないかもしれないけど、グリッドマンで、アカネちゃんに怪獣作って潰してもらいたいものを考えるスレ、なんてのもいいかもしれない。何しろ、彼女は今、怪獣好きのオタクの希望の星というか羨望のアイドルと化しつつあるからな、ダークな方向で。うわ〜、やり過ぎアカネちゃん怖いよ、と言いながら、嬉々として彼女の言動を楽しむ風潮が確実にある」
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翔花「NOVAちゃんは、アカネちゃんのファンなの?」

NOVA「いや、俺は六花ちゃんのファンだよ。だけど、六花ちゃんもアカネちゃんとの対比で輝く感じだからな。振る舞い的にはアカネの方が躁キャラで、テンション高く、そのハイテンションでダークな事を無邪気にしちゃうんだな。まあ、嫌なことがあったら怪獣作って破壊して発散しているわけだし、ある意味、サイコパスとも言われているけど、それに対して、六花ちゃんは真面目で悩みがちな鬱キャラな言動が目立つ。俺的には、アカネちゃんが壊れた非日常で、六花ちゃんが日常を守ろうともがき悩むキャラ。その意味で六花ちゃんの方に感情移入しやすいけど、アカネちゃんのダークなクリエイティブ気質をもっと建設的に発揮できたらなあ、と思ったりもする。怪獣好きの女の子は決して嫌いじゃないし」

シロ「ところで、キングシーサーの日というのはないのか?」

NOVA「メカゴジラの日と同じになるが、1974年3月21日だな。大体、春分の日になるかな。それとは別に4月3日が語呂合わせ的に、シーサーの日と扱われていたりもする」

シロ「4月3日か。来年春まで祝ってもらえないんだな」

NOVA「って、祝ってもらうこと前提かよ?」

シロ「祝ってくれないのか?(涙目)」

NOVA「お、おい、君まで(涙目)を使うのかよ。その時期だと、俺も涙目になっていること確実だよ(涙目)」

翔花「みんなで流行らせよう、涙目の輪って感じだね」

NOVA「そんなのハッピーじゃないからイヤだ。その涙目で、世界が救えるか!」

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時空魔術師の影(屋久島編3)

月と火


コンパーニュの塔の上空。
少し欠けた望月が東天に昇り、西天は燃え上がる夕暮れ時。
二つの光が激しく交錯していた。
かたや月光の黄金、かたや烈火の真紅。
群青色の空は、人知を超えた力が激突する戦場だった。
そしてーー、


ヒノキ「この女、いや、男の娘か。のらりくらり、わらわの攻撃を避けるばかりで、ちっとも埒が明かん。もしや、最初から時間稼ぎが目的か?」

ダイアナ「あら、さすがに気付き始めたかしら。それじゃ、そろそろ撤退する頃合いね」

ヒノキ「そうはさせぬ。月の女神を名乗る女が、わらわをここまで挑発してから逃げるなど、恥を知れい」

ダイアナ「だって、スーちゃん、こちらの予想以上に強いんですもの。そんな幼い少女の姿で、本気モードになっていないのに、あたしをここまで圧倒するなんてね。炎をまとって体当たりを繰り返すんだから、こっちは近寄ることもできない。鏡で幻影作って惑わしても、片っ端から割られていく。おまけに、割れた破片でダメージを当てる策も、破片そのものが高熱で焼失してしまうので、通用しない。正直、こっちはあなたの突撃を幻作って避けるだけが精一杯なのよ。まさか、ここまで恐ろしい相手だとは思わなかったわ」

ヒノキ「ダイヤの光で目をくらまし、多くの幻像で相手を惑わし、隙を突いて仕留めに掛かる。並の相手なら通用したかもしれぬが、このわらわには通じん。全ての幻ごと焼き尽くしてやるからの。ダイヤモンドは強固なれど、所詮は炭素ゆえ、容易く燃える。そなたの放つ月明かりとて、わらわの放つ劫火の輝きには及ばん。冥界へと招待されるのはそなただったようじゃな。おとなしく降参するがいい」

ダイアナ「ええ、降参するわ。スーちゃん、いいえ、花粉症ガールV3の日野木アリナ様。あなたこそ我々、マーキュリー・バットの新たな女王にふさわしい。その強大なお力を、あたしたちのために使っては頂けないでしょうか」

ヒノキ「何? 力では敵わんと見て、懐柔策に出たか? だが断る。この日野木アリナ、おぬしらのような世間を騒がす快盗団、時空犯罪者に協力などせん。ましてや、大切なコナっちゃんの妹御、花粉症ガール2号を過酷な目に合わせたとあってはな」

ダイアナ「それはあたしたちのせいではないわ。諸悪の根源は教祖グロワール。あたしたちの時代に来た粉杉翔花をバットクイーンに改造したのもグロワールの仕業。あたしたちは圧制統治を行うグロワールと戦うレジスタンスの一員よ。グロワールのところから脱走したクイーンを旗印に、反抗活動を行う正義の快盗チーム、それがマーキュリー・バット。もっとも、あたしはクイーンなんて女を信じていないんだけどね。クイーンはグロワールに洗脳された女。いつあたしたちを裏切るか分からない。新たなクイーンを擁立するのなら、あなた様のような正義心に溢れた真の強者こそふさわしい。どうか、あたしたちといっしょに未来へ赴き、グロワールを打倒するのに協力していただけませんか?」

ヒノキ「むむ。その言葉、まこと相違ないか? よもや、詐術を用いて、わらわを惑わそうとはしておらんか?」

ダイアナ「そんなに疑うなら、あたしのこの目を見て判断してくださいな。ダイヤのようにキラキラ光る、澄んだ瞳を」

ヒノキ「自分で、そんなことを言うか? その手には乗らん。どうせ、瞳術の類でわらわに催眠術でも掛けようという腹であろう。わらわを力任せに突っ込むだけの愚か者と見なすでない。力任せの戦術をとるのは、それが最も効率よいからじゃ。技と力と知の三拍子揃ったのがV3たる所以。たやすく言を翻しそうなおぬしの言葉は信用ならん。力を貸して欲しければ、最初から誠意を示して交渉すべきところを、散々挑発して、戦って、勝てぬと見たら、にわかに正義を僭称する。昔から、よく言うじゃろう。嘘つきは泥棒の始まり、と。快盗が泥棒である以上、その言葉が信じられる道理はない。とりわけ、ダイアナジャック、おぬしは全てを虚像で塗り固めたような臭いがプンプンするわ。性別を偽ることも含めてな」

ダイアナ「……そうね。あたしの人生は嘘ばかり。今さら言い繕うこともできないわ。あなた様のような賢明な御方には、何もかも見透かされてしまうのね。分かりました。あなたを女王に擁立するという、虫のいい願いは今はあきらめます。もう少し真っ正直に生きて、あなたを信用させられる女に生まれ変わったら、もう一度、出直して来ます。それまでは、慎んで身を引きましょう。あなたもどうかお元気で」

ヒノキ「おお、わらわの説教が実を結んで、何とか改心してくれたようじゃの。しっかり更生して出直すがいい。達者でな」

ダイアナ「ええ、それではアデュー(ニッコリ)」

ヒノキ「ふむ。いろいろあったが、最後はさわやかな笑顔を残して、旅に出たか。これで万事解決めでたしめでたし……って違う。これでは巧みな言葉に乗せられて、相手をむざむざ取り逃しただけではないか。おのれ、快盗。わらわの善意につけ込んで、真しやかな作り話で惑わしおって。よもや、わらわの大切なものを盗んで行ったのではあるまいな。ハッ、もしかして、コナっちゃんの身に何か?」

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ふたりはタイムジャッカー(屋久島編2)

コンパーニュ襲撃


ヒノキ「さて、コナっちゃんがいなくなると、寂しくなったのう。じゃが、わらわは桜島の異変に備えて、今はここを動くことはできん。九州守護の結界のために、霊力を供しないといけない時期でもあるし。そうでなければ、屋久島クエストにわらわも同行したいのが本音じゃが、まあ管理役としての務めじゃから仕方あるまい」

謎の声「お役目ごくろうさま。しかし、あなたさえいなければ、九州の地に災厄をもたらすことができる。そういうことよね」

ヒノキ「ムッ、何奴じゃ。この結界に守られしコンパーニュの塔に招かれず侵入し、わらわにも気付かれぬとは只者ではあるまい」

謎の声「結界なんて、あたしたちタイムジャッカーには無意味。だって、結界が張られる前の時代に転移して、そこから位置座標を保ったまま時間を越えれば、容易に侵入できるもの。時空転移を自在にできれば、私たちに入れない場所などない」

ヒノキ「なるほど。そなたが新星どのの言っていた敵の一人か。名を何という?」

タイムジャッカー「あら。人に名前を尋ねる前に自分から名乗るのが、この時代の礼儀じゃないかしら?」

ヒノキ「他人の住居に侵入しておいて、礼儀を語るのも片腹痛い。そっちはわらわの名前など、先刻承知であろう。名乗る必要などあるまい」

TJ「そうね。南郷阿里さんだったかしら」

ヒノキ「それは昔の名じゃ。今のわらわは日野木アリナ。ヒノキ様と呼ぶがいい」

TJ「いいえ、ヒノッチ、アリアリ、スーちゃん。どれかを選ばせてあげる」

ヒノキ「ちょっと待て。前の二つはともかく、スーちゃんって何じゃ?」

TJ「だって、あなたは四聖獣の朱雀の称号を持つんでしょう? だったら、スザクのスーちゃんでいいじゃない」

ヒノキ「そうか。確かにザクちゃんよりはマシだな。ザクとは違うのだよ、ザクとは。とにかく、ヒノッチとアリアリはムズムズするので、三つの中ならスーちゃんが一番いい。まるでキャンディーズになったみたいじゃからの」

TJ「キャンディーズ? 何よそれ? あたしの2018年データには登録されていないわ」

ヒノキ「やれやれ。ポンコツ未来人はキャンディーズも知らぬのか。女の子アイドルトリオを語る上で、キャンディーズも語れぬようではたかが知れておる。花粉症ガールも今は1号、2号、V3のトリオじゃから、キャンディーズには敬意を表する次第じゃ」
GOLDEN☆BEST キャンディーズ コンプリート・シングルコレクション

TJ「くっ、これだから年寄りの相手は疲れるのよ。そんな昔の芸能人の情報なんて、このあたしが知るわけないじゃない」

ヒノキ「ふん。キャンディーズも知らないようでは、そなたも女の子アイドル失格じゃ。業界勉強が足りんのう」

TJ「女の子アイドル失格ですって? それは聞き捨てならないわね。このタイムジャッカー、マーキュリーバットの一柱、ダイアナジャック。♦の称号を持つ女。未来のアイドルトップスターを目指している輝かしい美少女戦士。嫌いなものは、しつこいパパラッチ。好きなものはダイヤを始めとする各種宝石よ」

ヒノキ「なるほど、ダイアナジャックか。しかし、解せぬのう。ジャックというのは男の名前じゃが、もしかして、そなたは男の娘って奴か?」

ダイアナ「(ピクッ)いいえ、私はサソリ座の女。思いこんだら命がけ。一途な星の下に生まれたの。体はどうあれ、心は女。本当はクイーンになりたかったのに、バットクイーンに負けたために、女王になれなかったの。トップスターを目指すこのあたしが何て屈辱。だけどマーキュリーバットの任務は果たさないと、愛するあの人に嫌われてしまう。だから、私は使命を果たす。覚悟なさい」

ヒノキ「やれやれ。面倒くさい性格のようじゃな。男でも女でもどっちでもいいが、敵であるからにはそっちの事情は関係ない。タイムジャッカー、ダイアナジャック。この花粉症ガールV3、日野木アリナに勝負を挑んだこと、後悔させてやろう」

ダイアナ「年寄りの時代は間もなく終わるの。月とカボチャに代わって、冥界へのご招待よ!」
ハッピー ハロウィン! (講談社の幼児えほん)

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時空の来訪者(屋久島編1)

旅立ちのプレリュード


ヒノキ「いよいよ屋久島編の始まりじゃ」

翔花「これでコンパーニュの塔を出発するわけだから、ヒノキちゃんの出番も、しばらくなくなるのよね」

ヒノキ「そんなことはない。わらわはいつだってそなたを見守っておる。いざとなったら、コナっちゃんのピンチに飛んで行くつもりじゃ」

翔花「それってNOVAちゃんの役目じゃないかな。私がピンチの時に、颯爽と現れて敵を翻弄した後、とどめは私に任せてくれて、自分はアデューと一言残して去っていくの。そんな格好いいタキシード仮面さまみたいなNOVAちゃんが私は好きです」

ヒノキ「新星どのは確かに神出鬼没に出てくることはあるが、そんなに爽やかで格好いいキャラじゃったかの。出て来るとしたら、『チッ、こっちは仕事と、他のブログ記事と、特撮ヒーローとTRPGの追っかけで忙しいのに、いちいち呼び出すなよな。お前か、俺の貴重な研究タイムな日常を脅かす悪党は? 仕方ない。俺の時間と娘のハッピーを守るために、相手してやる』とボヤキながらじゃと思うが」

翔花「一応、娘のハッピーを守るためなんだよね。さすがはNOVAちゃん。だったら私もアサヒになるよ」

ヒノキ「いやいや、現実の新星どののセリフではなく、わらわの脳内妄想新星どののセリフじゃからな。真に受けてはいかん。それよりも今、アサヒと言ったか」

翔花「うん、ウルトラマンR/Bの湊アサヒちゃん。真の主人公はあの娘だと私は思っているよ。絶対ハッピーになって欲しいよね。次回のハロウィン回も楽しみなんだ」

ヒノキ「屋久島へ行くなら、TVなぞ見れぬぞ」

翔花「うわ、本当だ。だったらR/Bが最終回になるまで、屋久島行きは延期しないと」

ヒノキ「そう言うと思って、新星どのから贈られた時空通信機にワンセグ機能も付けておいたぞ。これで電波さえ届けば、R/Bも見れるはず。一応、こっちでも録画しておくがの」

翔花「やった。もしも大好きなヒーロー番組が見られなくなれば、私は心の光を失って、ダークサイドに転向しちゃうかもしれないんだから。今はアサヒちゃんと、パトレン1号さんと、ウォズ様が私の心の光よ」

ヒノキ「ちょっと待て。アサヒちゃんの可愛さは認める。圭一郎さまを慕う気持ちも同感じゃ。しかし、よりによってウォズが心の光だと? それだけは解せん。ゲイツ派のわらわとしては、ウォズなど認めるわけにはいかん」

翔花「だって、ウォズさん、3人目のライダーになる予定だもん。緑のライダーで、槍持って戦うところはシンパシーを感じるし、忍者とか機械とかクイズの力で戦うそうなの。いかにもNOVAちゃんが好きそうじゃない。役どころも時空を超えた予言者、魔術師って感じでNOVAちゃんみたいなところがあるし、これでメガネをかけていたら最高なんだけどね」

ヒノキ「ジオウには今のところメガネキャラは、ソウゴのおじさんしかいないからの。しかし、ウォズか。こちらとしては、ゲイツとの敵対関係がなければよいのじゃが。その辺は、ソウゴがうまくまとめてくれることを期待するとしよう」

翔花「ところで、アサヒちゃんの新しいお友だちのツルちゃんもいいよね。何だか妹の2号ちゃんみたいで、黒いところも憎めない。今は敵みたいだけど、アサヒちゃんとの絆で感化されたらいいのにな」

ヒノキ「『古き友は言った』は、格言引用の前置きネタとしていろいろ使えそうじゃな。『世界には数えきれないほどの喜びがある。そしてそれは本質的に同じものだ。すなわち、愛することのできる喜びさ。By ミヒャエル・エンデ』といった感じにの」
ジム・ボタンの機関車大旅行 (岩波少年文庫)はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501))はてしない物語 (下) (岩波少年文庫 (502))モモ (岩波少年文庫(127))


翔花「だったら今はこうだね。『新しき友は言った。ハッピーは世界を救う。By湊アサヒ』って」

ヒノキ「ハッピーか。そなたの屋久島修行の旅も、ハッピーな結末を迎えればいいのう、ヒヒヒ」

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剣の世界の成長録3(SW2.5編2章の3)

これが最後のソード・ワールド編?


ヒノキ「とりあえず、ソード・ワールド編はこれで終わりじゃ」

翔花「え、何でよ。キャラを育てて、これからだってのに」

ヒノキ「いや、ゲームで遊んでばかりだと、肝心の花粉症ガールの物語が進展しないからのう。そなたが屋久島へ向かわないといけないのに、いつまでも空想ゲームで足止めしているわけにはいかん」

翔花「だったら、ヒノキちゃんが屋久島探検シナリオを作って、それをみんなのキャラで攻略するようにすれば、ゲームと屋久島編を同時に展開できていいんじゃないかな」

ヒノキ「それだと、ゲームのキャラは成長するが、そなた自身が成長しないではないか。いや、コナっちゃんのTRPGゲーマー技能は成長するのかもしれんが」

翔花「うん、TRPGゲーマー技能が成長すれば、ソード・ワールドにおけるセージ技能で、いろいろな知識も増えて、戦術や戦略なんかも考えられるようになって、空想・妄想パワーも高まって、世界を構築するような神さまにだってなれるんじゃないかなあ」

ヒノキ「じゃが、セージ技能だけだと実戦では戦えんぞ。役立つキャラにするためには『戦士系または魔法使い系技能』をメインにして、『その他系技能』をサブにするのが推奨じゃ。セージはその他系なので、それだけ上げても役には立たん。知識は知っているだけでは役に立たず、実践運用してこそ意味のあるものと言えよう」

翔花「うん。でも、ゲーマーだって職業にならないかな。最近はeスポーツだって盛んだと言うし、ゲームの腕が高まれば勇者にだってなれるかも」

ヒノキ「しかし、どれだけゲームの知識があっても、『執筆技能』が足りなければゲームライターにはなれないのと同様、ゲーム知識はそれを形にする他の技能と組み合わせて、初めて職業として認知される。eスポーツにしても、『観戦競技として面白い魅せるプレイを行う競技者』と、『プレイの様子を実況解説するコメンテーター』と、『ゲーム観戦を楽しむゲーム好きのファン』の三つが揃ってこそ成立するのじゃが、映画やスポーツに比べて、ゲームはまだ新しいエンタメじゃから、社会的に認知されて安定するまではなおもいくつものハードルを越えねばならんのう。一口にゲームと言っても、作品ごとに流行り廃りの多いわけだし」

翔花「ゲームに強い=社会的ステータスが高くなる社会が実現すればいいんだけど、それって今はまだSF小説や映画などでしかないわよね」
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ヒノキ「ゲームというバーチャルな世界が、どれだけ現実に影響を与えるか、それをどれだけの人間が認知するかで、状況は変わってくると言えるかの。まあ、そうなったらそうなったで、ゲーム世界で生き残るための技能は、単なる趣味や遊びじゃなくて、真剣に学ばないといけないサバイバルのための必須スキルになるかもしれん。エンタメ一つとっても、単なる趣味の自己満足でいいのか、それとも読者や客を満足させるだけの質を提供できるのか、プロとしてやっていけるためには、どれだけの素養や技術が必要なのかなどなど考えることが多い。趣味を仕事にできるぐらいの知識や技術、パフォーマンスやエンターテイナー精神など、こういう才能は、自分の楽しみと他人の楽しみをどれだけリンクさせ得るかに掛かっている、とわらわは考える」

翔花「うん。自分も楽しく、周りも楽しく、の精神だね。独り善がりで他人が楽しんでいるものに無頓着でも、自分の楽しみを一定の形ある質で提供できないのも、エンターテイナーとは言えない」


ヒノキ「その辺は、料理人と同じじゃな。自分の作った料理を自分で味見できて美味しいと思えない者、そして自分の舌やセンスが極端におかしくて他人の嗜好を理解し得ない者、他の料理を批判するのに自分がそれ以上の味を提供する技術を示し得ない者は、総じてプロにはなれん。プロの料理人は、美味しい料理をコンスタントに提供し、他の料理を的確に品評し、良いものは良いと認めながら本当に料理を楽しんでいるオーラと、自分の技術に対する誇りと謙虚さを兼ね備えているのが理想じゃからの。
「もちろん、趣味嗜好は人それぞれじゃから、ある者にとっては不味くても他の誰かには美味しいことだって有り得る。この場合でも、優秀な料理人は、自分の料理が甘党とか辛党とか、どういう客層に向いているのかを客観的に知っていることが求められる。自分のポジションや得意な方向性を自覚しなければ、自分を売るこむこともできんからの」


翔花「ヒノキちゃんは、どんな味が好きなの?」

ヒノキ「甘いデザートは大好きじゃが、自分では作れん。わらわが作ると、どうしても口から火が出るほどホットな激辛料理になってしまうからの。辛いのも大好きじゃが、甘辛いという微妙などっち付かずの味は好かん。辛いなら辛い、甘いなら甘いと分かりやすいのがいい、と考えておる。それと同様に、正義は正義、悪は悪と明快に判断できる世界が望ましいがの」

翔花「私は辛いのは好きじゃないな。涙が止まらなくなりそうだし」

ヒノキ「ともあれ、バーチャルとリアルの境界線を考える作品は好きじゃぞ。最近はこれとかな」
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剣の世界の成長録2(SW2.5編2章の2)

前置き的な神様話


ヒノキ「10月と言えば、神無月じゃ」

翔花「神さまがいなくなるの?」

ヒノキ「島根県出雲大社に神さまが集まるという俗信があるためにのう。ただし、日本神話は天孫降臨以前の地神系である国津神と、天孫降臨した天津神の二つの系統に分かれ、前者の代表は大国主、後者の代表は天照大神。そして、出雲大社大国主を祀る神社ゆえ、そこに集まるのは国津神系のみと考える者、また天津神系も付き合いのため共に参加すると唱える者など、諸説ある」

翔花「ええと、アマテラスさんの弟がツクヨミさんとスサノオさんで、それぞれ太陽と月、嵐を司るのよね。そしてスサノオさんが高天原から追放されて、出雲の地でヤマタノオロチを退治して、クシナダヒメと結婚し、その子孫が大国主となった」

ヒノキ「うむ、もちろん文献によって、また解釈によって諸説あるが、一般に流布されている神話だとそんな感じじゃな。一方で、高天原のアマテラスの子孫が邇邇芸命ニニギノミコト)で、九州は日向(宮崎県)の高千穂に降臨し、大国主から国譲りを受けた流れになる」

翔花「ニニギさんって、どういう神さま?」

ヒノキ「稲穂が賑やかに成熟するという意味で、農耕神の位置付けじゃな。そして、彼の妻が木花咲耶(コナハナノサクヤ)。字義のとおり、この国における植物の精霊の女頭領ということになる。そなたも花粉症ガールとして植物精霊の眷属であるならば、一度あいさつに行くと良いじゃろう」

翔花「あいさつといってもどこに? 今の時期だと島根かしら」

ヒノキ「サクヤ様は植物の神であると共に、火の神、山の神としての一面も持ち、富士宮浅間大社のほか各地で祀られるが、九州では宮崎市に木花神社という直系の場所があって、例大祭勤労感謝の日に行われるとのこと。まあ、それまでに屋久島修行が終われば、帰りにあいさつ伺いでもするとよかろう」

翔花「うん、分かった。ところでヒノキちゃんも一応、神さまの系譜なんでしょう? 出雲には行かなくていいの?」

ヒノキ「わらわは一応、巫女精霊として祀られてはいたが元々は渡来系の末席神霊じゃからな。日本古来の神族ではないゆえ、出雲には招待されておらん。まあ、この地を荒らすつもりもなかったゆえ、サクヤ様にはしっかりあいさつ伺いをして、当時の新参者として出迎えてもらった過去もあるし、今の時期はサクヤ様が出雲へ出かけて不在のため、九州守護の任の一翼を担っておる。さすがに全ての神がいなくなれば、各地の安穏が保てないでの。当然、留守居役の名もなき神霊がそれぞれの地元に残っているわけだし、そもそも日本神話とゆかりの薄い善良な諸霊や妖怪が動いておる。まあ、近年、10月末にはハロウィンといって、西洋の物の怪の類がはびこるようになって混沌祭りと化す風潮があるが、それで地脈が乱れないようにするのも大切な仕事といえよう」

翔花「ふうん、ヒノキちゃんも結構大変なんだね。私にできることがあったら言ってね」

ヒノキ「だからこそ、ストレス解消のためにTRPGに付き合ってもらってるのじゃよ、ヒヒヒ」

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