これが最後のソード・ワールド編?
ヒノキ「とりあえず、ソード・ワールド編はこれで終わりじゃ」
翔花「え、何でよ。キャラを育てて、これからだってのに」
ヒノキ「いや、ゲームで遊んでばかりだと、肝心の花粉症ガールの物語が進展しないからのう。そなたが屋久島へ向かわないといけないのに、いつまでも空想ゲームで足止めしているわけにはいかん」
翔花「だったら、ヒノキちゃんが屋久島探検シナリオを作って、それをみんなのキャラで攻略するようにすれば、ゲームと屋久島編を同時に展開できていいんじゃないかな」
ヒノキ「それだと、ゲームのキャラは成長するが、そなた自身が成長しないではないか。いや、コナっちゃんのTRPGゲーマー技能は成長するのかもしれんが」
翔花「うん、TRPGゲーマー技能が成長すれば、ソード・ワールドにおけるセージ技能で、いろいろな知識も増えて、戦術や戦略なんかも考えられるようになって、空想・妄想パワーも高まって、世界を構築するような神さまにだってなれるんじゃないかなあ」
ヒノキ「じゃが、セージ技能だけだと実戦では戦えんぞ。役立つキャラにするためには『戦士系または魔法使い系技能』をメインにして、『その他系技能』をサブにするのが推奨じゃ。セージはその他系なので、それだけ上げても役には立たん。知識は知っているだけでは役に立たず、実践運用してこそ意味のあるものと言えよう」
翔花「うん。でも、ゲーマーだって職業にならないかな。最近はeスポーツだって盛んだと言うし、ゲームの腕が高まれば勇者にだってなれるかも」
ヒノキ「しかし、どれだけゲームの知識があっても、『執筆技能』が足りなければゲームライターにはなれないのと同様、ゲーム知識はそれを形にする他の技能と組み合わせて、初めて職業として認知される。eスポーツにしても、『観戦競技として面白い魅せるプレイを行う競技者』と、『プレイの様子を実況解説するコメンテーター』と、『ゲーム観戦を楽しむゲーム好きのファン』の三つが揃ってこそ成立するのじゃが、映画やスポーツに比べて、ゲームはまだ新しいエンタメじゃから、社会的に認知されて安定するまではなおもいくつものハードルを越えねばならんのう。一口にゲームと言っても、作品ごとに流行り廃りの多いわけだし」
翔花「ゲームに強い=社会的ステータスが高くなる社会が実現すればいいんだけど、それって今はまだSF小説や映画などでしかないわよね」
ヒノキ「ゲームというバーチャルな世界が、どれだけ現実に影響を与えるか、それをどれだけの人間が認知するかで、状況は変わってくると言えるかの。まあ、そうなったらそうなったで、ゲーム世界で生き残るための技能は、単なる趣味や遊びじゃなくて、真剣に学ばないといけないサバイバルのための必須スキルになるかもしれん。エンタメ一つとっても、単なる趣味の自己満足でいいのか、それとも読者や客を満足させるだけの質を提供できるのか、プロとしてやっていけるためには、どれだけの素養や技術が必要なのかなどなど考えることが多い。趣味を仕事にできるぐらいの知識や技術、パフォーマンスやエンターテイナー精神など、こういう才能は、自分の楽しみと他人の楽しみをどれだけリンクさせ得るかに掛かっている、とわらわは考える」
翔花「うん。自分も楽しく、周りも楽しく、の精神だね。独り善がりで他人が楽しんでいるものに無頓着でも、自分の楽しみを一定の形ある質で提供できないのも、エンターテイナーとは言えない」
ヒノキ「その辺は、料理人と同じじゃな。自分の作った料理を自分で味見できて美味しいと思えない者、そして自分の舌やセンスが極端におかしくて他人の嗜好を理解し得ない者、他の料理を批判するのに自分がそれ以上の味を提供する技術を示し得ない者は、総じてプロにはなれん。プロの料理人は、美味しい料理をコンスタントに提供し、他の料理を的確に品評し、良いものは良いと認めながら本当に料理を楽しんでいるオーラと、自分の技術に対する誇りと謙虚さを兼ね備えているのが理想じゃからの。
「もちろん、趣味嗜好は人それぞれじゃから、ある者にとっては不味くても他の誰かには美味しいことだって有り得る。この場合でも、優秀な料理人は、自分の料理が甘党とか辛党とか、どういう客層に向いているのかを客観的に知っていることが求められる。自分のポジションや得意な方向性を自覚しなければ、自分を売るこむこともできんからの」
翔花「ヒノキちゃんは、どんな味が好きなの?」
ヒノキ「甘いデザートは大好きじゃが、自分では作れん。わらわが作ると、どうしても口から火が出るほどホットな激辛料理になってしまうからの。辛いのも大好きじゃが、甘辛いという微妙などっち付かずの味は好かん。辛いなら辛い、甘いなら甘いと分かりやすいのがいい、と考えておる。それと同様に、正義は正義、悪は悪と明快に判断できる世界が望ましいがの」
翔花「私は辛いのは好きじゃないな。涙が止まらなくなりそうだし」
ケイPのキャラ成長
ケイP『翔花ママのアシスタントモンスターとして、アーマーにもなったりするケイPです。最近は、グリッドマンのアシストウエポンに注目が集まると聞いて、自分をアピールするチャンスきたー、と思っている次第』
ゲンブ「うむ、我もアリナお嬢さまの盾であるからして、アシストウエポンには親近感を抱いておる」
ケイP『え、そうだったのですか?』
ヒノキ「そうとも。かつては、アダルトモードになったわらわが、ゲンブの盾ブーメラン、先代ビャッコの爪ソード、セイリュウの鱗鎧を装着し、四神結合パーフェクトヒノキとして巨敵を粉砕したこともあったのじゃが、それも昔話。今となっては、はかなき夢でしかなくなった。まあ、それほどの力を結集しなければ倒せないほどの巨敵が今の世で復活するとは思えんがの」
翔花「だけど、もしも復活するか、別の巨敵が現れたら?」
ヒノキ「そのために、お主やケイP、それにシロが成長せねばならぬのじゃろう。未来を作るのは、年寄りじゃなくて若い力であるがゆえに」
翔花「うう。そんな巨敵が復活しないことを願うんだけど、念のため、その巨敵の名前は?」
ヒノキ「言えん。下手に名前を呼ぶと、噂をすれば何とやら、で復活の契機になるやも知れんからの。仮に復活の兆候が明らかになれば、その時こそ話すとしよう」
翔花「うん、作者がまだそこまで考えていないから、とか、そういうメタな事情じゃないんだね。分かった、巨敵は根源的破滅招来体みたいなものと考えておく。それに立ち向かうには、私もギリギリまで頑張らないといけないけど、困ったときはウルトラマンの力も欲しいってことで」
ケイP『というか、今回は私のキャラの成長話のはずなのに、どうしてウルトラ時空に侵食されているんですか』
ヒノキ「だったら、さっさと能力値の成長ダイスを振るが良かろう」
ケイP『そうします。振った出目は5と6。知力か精神力ですが、とりあえずMPのことも考えて、精神力にしておきます。これで能力値は、器用18、敏捷16、筋力16、生命力18、知力12、精神力8になりました。できれば、敏捷か筋力を上げたかったんですけどね』
ヒノキ「腕輪ドーピングをする手もあるぞ」
ケイP『そんな金はありませんよ。戦士系は装備に金が掛かるんだから。成長は経験点1500点を費やして、ファイター3レベル。これでHPが27、MPが1点上がって11。特技は《魔力撃》。これでマギテック技能を上げることにも意味ができます。将来的には、魔動バイクを作って、ライダー技能を手に入れて、仮面ライダーKを目指すつもり』
ヒノキ「実際は、そなた自身がバイクになるように先日、プログラムされたのじゃがな」
ケイP『さすがに、それはゲームで反映できないじゃないですか。ソード・ワールドのルーンフォークがバイクになったりする追加ルールはないみたいですし』
ヒノキ「というか、プレイヤーキャラがバイクになれるTRPGの方が珍しいと思うがの。GURPS妖魔夜行辺りで、バイク妖怪でも自作すれば別じゃが」
ケイP『とにかく、ソード・ワールドはGURPSじゃないんだから、バイクになるのではなく、バイクに乗る方です。ただし、バイクを作るにはマギテック4レベルが必要だし、ライダー技能はルールブック3に掲載予定でしょうから、当分は先の話でしょうがね』
ヒノキ「では、次に買い物タイムじゃな」
ケイP『実は前回、冒険者セットすら買っていない金欠状態だったんですね。魔動機術に必要なマギスフィア(小)が200ガメルするのを、勘違いして100ガメルだと思っていたから、50ガメル残していたつもりだったんだけど、実は50ガメル赤字だったことが後から判明。さらに、ヘビーメイスの命中修正+1を失念していたので、少し弱いデータで戦っていました。
『今回は、その辺を修正して手持ちの資金は1450ガメルから買い物をするわけですが、新しい武器や鎧を買うには筋力が足りない。剛力の指輪で筋力を1増強してタワーシールドを買うか、怪力の腕輪で筋力を2増強して攻撃力だけ上げるかの選択肢なんですが、楯はいざという時に捨てて両手持ちに徹したいので、前言撤回して腕輪で筋力ボーナスを上昇させます。450ガメル残して、次回があれば、チェインメールを目指すつもり』
★ケイPのキャラクター
ルーンフォークの戦士魔動機士
ファイター3レベル、マギテック1レベル。器用18、敏捷16、筋力16+2、生命力18、知力12、精神8
HP27、MP11武器:ヘビーメイス(命中7、威力20/両手使用時30、追加ダメージ6、C値12)
防具:スプリントアーマー&ラウンドシールド(回避5、防護点6)特技:暗視、HP変換、かばう、魔力撃
特殊装備:怪力の腕輪
ケイPキャラ追加設定
ケイP『ついでに、経歴ダイスも振ってみましょう。まずはBの3ー2』
ヒノキ「何かの大会で優勝したことがある」
ケイP『何の大会? 武闘大会かな? 次はBの6ー4』
ヒノキ「特定の異種族を好んでいる(いた)」
ケイP『これはもちろん花粉症ガールですね。ただし、2号を除く。ぼくをいじめないエルフってことで、翔花ママのエルフキャラに執心しています』
ヒノキ「そなたが2号殿を恐れる気持ちは察するが、そろそろ水に流せんものかの。あの娘も未来で過酷な目にあったと聞くゆえ、わらわとしては気の毒に思えての」
ケイP『大丈夫。2号ママには、マスターとマーク1がいるから、心のケアはしてもらえますよ。では、最後はAの3ー1』
ヒノキ「大怪我をしたことがある」
ケイP『きっと、鞭で痛い目にあったんですね。悪いママ母に虐められていたのを、天使のような1号ママに救われて、今に至る、と』
ヒノキ「まるで、パトラッシュみたいじゃの。では、冒険の動機は?」
ケイP『1ー3、一攫千金を狙って? イメージが合わないので振り直して、4ー6、家族を全て失ったので? 実はみなしご?』
ヒノキ「悪いママ母とは矛盾するようじゃが」
ケイP『そうですね。では、少しアレンジして、悪い魔女に家族を殺されて、自分も殺されそうになったところを、ハルーラ様に導かれた聖女さまが現れて、悪い魔女は逃げて行った。一人になったぼくは聖女さまのお供となって、旅に出ることにした。復讐は望んでいなくて、むしろ魔女に出会ったら恐怖に怯えることになると思う。新華さんが何だか魔女に似ているみたいなので、戦々恐々としつつ』
ヒノキ「何かの大会は?」
ケイP『村のガマン大会ってことで、元々はガマン強いことに定評があったのです。だけど、そんなぼくでさえ、魔女の恐怖には耐えられなかった』
ヒノキ「どれだけ恐ろしいというのか、その魔女は?」
そして屋久島へ
ヒノキ「魔女がどうこうというネタは、ハロウィン用にとっておいて、これでソード・ワールド話も当面終了。次回からは、いよいよ屋久島に向けて旅立ってもらう」
翔花「うん、九九も何とか覚えたよ。これも、シロちゃんがお風呂で九九の練習に付き合ってくれたおかげだよ」
シロ「では、確認するぞ。ボクにちなんで、シロク?」
翔花「24。白虎は西を守護する聖獣だね」
シロ「間違ってはいないが、九九とは関係ない。では、花粉症ガールにちなんで、葉っぱ?」
翔花「64。葉っぱに虫が付いているんだね」
シロ「そんなつまらない語呂合わせは無視して、では屋久島にちなんで、8×9は?」
翔花「72。もう夏は終わったけど」
シロ「こんな感じですが、いかがでしょうか、アリナ様?」
ヒノキ「ふむ。これなら屋久島の試練にも打ち勝つことができるかもしれんが、念のために、シロよ。そなたもコナっちゃんの旅に同行するのじゃ。共に修行に励むがいい」
シロ「はっ。この身に代えて、翔花の身は守ってみせます」
翔花「ダメだよ、それじゃ。どんな危険なめにあっても、私とシロちゃん、それにKPちゃんの3人そろって、ここに帰って、またソード・ワールドを楽しむんだから」
ヒノキ「ふむ、その通りじゃ。シンカリオンのビャッコは生死不明で、愛染マコトもどうなったか知らんが、シロよ、そなたも必ず成長して戻って来るのじゃ。決して止まるんじゃないぞ。そして、屋久島に行けば、セイリュウの手がかりも見つかるかもしれんと予言が出ておるが、決して先走りをせずに慎重に振舞うことじゃ。そなたらの本当の使命は、いつか復活するやもしれぬ巨敵に備えて力を付けることじゃからな。くれぐれも命を軽率に扱うことなく、心して旅立つがよい」
(今話完)