今回は5版のサブクラスでまとめます
リモートNOVA『さて、レンジャー話から派生して、バーバリアンの話にも流れたが、バーバリアンの方は基本的に戦闘キャラなので、戦闘以外の技術職で呪文も使えるレンジャーに比べるとシンプルでいいなあ、と思った。よって、先に話を終えたく思う』
ゲンブ「激怒関係のルールを覚えれば、バーバリアンは難なくこなせるので、ファイターよりも楽だという意見もあるでござるな」
NOVA『ファイターは旧世紀のD&D(AD&D含む)だと特殊能力を持たない戦士で、シンプル極まりない初心者向きだけど、中級者や上級者にはつまらないクラスとも言われていましたからね』
ゲンブ「実際には武器や防具の選択と、オプション行動の戦術を駆使することで、非常に奥の深い職業になれたはずが、クラシックD&Dでは武器がソード、防具がプレートメールとほぼ固定され(有利なので)、突撃用にスピア、遠隔射撃用にロングボウかクロスボウを持てばいい方でござった」
NOVA『コンパニオンルールで、ファイターのオプション行動がいろいろ加わったし、同ルールでは領主の道や騎士道をロールプレイするのに特化していたから(多様性のあるAD&Dにおいて、クラシックD&Dのコンパニオンルールは中世騎士サプリと見なすことも可能)、戦士→騎士というステップアップが日本では一つの王道として根付いた面がある』
ジュニア「騎士以外の選択肢だと、傭兵とか蛮族戦士ですかぁ」
NOVA『騎士という王道に乗る前の低レベル戦士は、ほぼ雇われ冒険者なので傭兵と言えなくもないが、蛮族戦士という類型を日本で定着させたのは、D&Dよりもルーンクエストが先だと思う。最近、新版のボックス・スターターセットが出たようだが』
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シロ「購入予定は?」
NOVA『ルーンクエストは昔ホビージャパンで出たものと、その後、ムック化した90thを今でも持っていて、個人的にはそれで十分だと思っているんだよね。昔のルーンクエストと、今のルーンクエストと、システムや世界観が大きく変わっているようであれば欲しくもあるが、購入しても今の自分には扱いかねるし、それで記事書きするほどの余裕もない。まあ、TRPG者として気にかけているよ、程度のアピールだ』
ゲンブ「ファンタジーRPGで蛮族戦士を語るなら、ルーンクエストのオーランス人が出て来るのが、オールドTRPGファンのたしなみでござるな」
NOVA『ルーンクエストが水野さんのロードスやフォーセリアに与えた影響は結構大きいが、友野さんのルナル世界に与えた影響は意外と小さいらしい。ルナルの世界観を製作時に、友野さんはルーンクエストをプレイしたことも、研究したこともなかったそうで、後から設定の類似をファンの人から指摘されて、逆に驚いたらしい』
ジュニア「ルナルにも蛮族戦士って出てくるのですかぁ?」
NOVA『ルナルの蛮族は、一部のエルフ(厳密にはエルファ)というイメージがあるなあ。まあ、アードというキャラが既存のエルフの高貴な妖精イメージを、野生的な方向にシフトさせて紹介した感じだけど(モチーフはアメリカ・インディアン)、エルフにも異世界の魔法使い風味なハイエルフと、森の野生に順応した(中世人の目から見た)非文明種族としての狩人的なウッドエルフの2つの方向性があって、日本では先に前者がメジャー化した影響で、野生的なのはダークエルフと混ぜられたり、エルフ=猿説が生まれたり、古代文明の継承者だったり、その世界によって様々なエルフ像が派生したわけだ』
シロ「ロード・オブ・ザ・リングの世界観でも、レゴラスが高貴な血筋で、森エルフのタウリエルとは階層が違うという描写が為されていましたね」
NOVA『ドラゴンランスでも、高貴なクオリノスティとシルヴァネスティのエルフの他に、野生的なカガネスティのエルフ種族がいて、種族違いの恋に悩むエルフ王子のギルサナスの物語が印象的だった。ハーフエルフのタニスに、妹に近づくなと言って種族差別をやらかしていた彼が、自らも種族の差のジレンマに悩まされるという皮肉というか、格差を越えた愛情を描写することがラブロマンスって感じで、差別があるからこそ、それを乗り越えることが素晴らしい人間性に通じるって物語を、そもそも差別を描くことが害悪であると言ってしまえば、物語の否定なんだよな』
ゲンブ「物語として描けば差別と言われ、だったら下手に手を出さずに描かなければ、逆に差別と言われ、どっちにしても批判のネタになるのは面倒でござるな」
NOVA『蛮族戦士という言葉にも、過剰反応された時代があったわけだけど(だからAD&D2版ではクラスからハブられた)、西欧の都市を中心とする文明人から見たら、自然を重視するライフスタイルが未開の劣ったものと見なす価値観があって、しかし自然回帰のエコ思想が広がることで価値観の見直しが行われる過程が、TRPGにも影響を与えているのかな、と思える次第』
シロ「文明と野生の境界線で共存しようとするのがレンジャーで、文明よりも野生を重視するのがバーバリアンという理解でいいでしょうか」
NOVA『ああ。その意味でレンジャーはより多様性があって、バーバリアンはより一元化していると考えられるな』
バーバリアンのサブクラス(基本編)
NOVA『では、改めてバーバリアンのサブクラスだ。前にBG3で採用された「狂戦士(バーサーカー)」「トーテム戦士(ワイルドハート)」「荒ぶる魔力」の3つを紹介しましたが、改めてそこから』
①狂戦士の道
基本の激怒能力を強化するサブクラス。
激怒の延長にあるため、新しいルールを覚える必要がなく、バーバリアンの標準サブクラスと言える。
レベル3で「狂乱」の特徴を得て、激怒時に追加の攻撃をボーナスアクションで行える。単純に攻撃回数が1つ増えるだけなので扱いやすいが、激怒後に消耗してしまう。5版の激怒にはデメリットがないが、「狂乱」に達して初めてデメリットが発生する。
レベル6で「考えなしの激怒」の特徴を得て、激怒中は魅了も恐怖も受けない。精神攻撃に弱いのがバーバリアンの弱点だが、その一部を無効化できて戦闘マシンになれる。激怒前にそれらの状態異常を受けていても、激怒した瞬間に解除されるのが強い。
レベル10で「恐怖の存在」の特徴を得て、1アクションで敵を威圧して、魔法的な恐怖状態(判定が不利になる)に追い込める。
レベル14で「反撃の一発」の特徴を得て、近接5フィート内の敵からダメージを受けた際に、リアクションで1回の近接武器攻撃を行える。
NOVA『これにバーバリアン本来の激怒を加えるわけだから、割と分かりやすい戦闘スタイルと言えるな』
ゲンブ「分かりやすいというのは、戦闘中に効果をあれこれ考える必要がないってことでござるな」
NOVA『要するに、「攻撃回数が1回増える」「一部の精神効果が無効化される」「反撃できる」といったボーナス特徴で、使うかどうか迷うのは攻撃1回の代わりに「恐怖の存在」を使うかどうかぐらい。まあ、「恐怖の存在」はアクションを消費するので使いにくいとの意見から、新5版ではボーナスアクションを利用可能で、対1人じゃなくて、対範囲になったり、一部の能力がマイナーチェンジされたそうだ』
シロ「確かに、バーバリアンの場合、精神効果の特殊能力を個人に使うよりも殴った方が早いわけで、旧5版の『恐怖の存在』は使いにくいわけですねぇ」
NOVA『武器攻撃が通用しない相手か、近接距離に敵がいなくて殴れない場合か、あるいはザコ敵がいっぱいで指揮官を恐怖に追い込めば、部隊丸ごと逃げ出すような局面でしか使わないかな。新版の方が暴れながら、追加効果として恐怖をもたらすという使い方ができて、いかにも鬼神って感じのバトル展開ができそうだ』
ジュニア「わざわざ攻撃の手を緩めて相手を怯えさせるのが旧5版で、暴れていれば相手が勝手に怯えるようにできるのが新5版だと」
②トーテム戦士の道
動物の精霊を身に宿すことで、野獣のパワーを扱うサブクラス。
選んだ動物が「狼」「熊」「鷲」の3種類から1つで、各成長段階ごとに違う能力を選択できて、狂戦士よりもヴァリエーション豊かな成長ができる。
レベル3で、まず「精霊探し」の特徴を習得して、2つの儀式呪文「スピーク・ウイズ・アニマルズ(動物会話)」と「ビースト・センス(獣の知覚)」を発動できる。
ジュニア「こちらのバーバリアンは魔法使い寄りなんですねぇ。儀式呪文って何ですかぁ?」
NOVA『5版では、行使に10分以上を要する呪文だな。だから戦闘中には使えないけど、呪文スロットを消費しなくていいので、時間さえあれば、1日に何度でも使える。例えば、仲良しの獣がいれば、ちょっとした精神集中を経た後で、会話可能になるし、その感覚を借りることもできるんだ。ただ、とっさに獣に襲われて、戦闘に突入した状態で会話をしようとしても無理、ということだな』
ゲンブ「そんな場合は、まず殴って、相手を戦闘不能に追い込んでから、時間をかけて会話をできるように儀式する、ということでござるな」
NOVA『それもバーバリアンらしいと思うな。これがドルイドやレンジャーだったら、普通に会話できると思うけど、バーバリアンの場合は、会話をするのに手間暇を要するので、力を示してから話し合うという段取りになりそうだ』
シロ「『オレはお前より強いから、黙ってオレの話を聞け』というのがバーバリアンで、『怖くない怖くない』と相手をなだめることができるのがドルイドやレンジャーだと」
さらにレベル3で「トーテム精霊」の特徴を習得して、狼か熊か鷲の特殊能力を得られる。
・狼:激怒中に、5フィート以内の敵全てに対して、仲間が攻撃する際に有利を与える。群れを率いる狼のリーダーの力を習得。
・熊:激怒中に、[精神]属性以外のあらゆる攻撃ダメージへの抵抗(ダメージ半減)を身につける。タフな肉体の熊の力を習得。
・鷲:激怒中かつ重装鎧を身につけていなければ、動きが素早くなって敵の機会攻撃が不利になり、ボーナスアクションで早足(移動力が倍になっての移動)が行える。高速で飛行する鷲の力を習得。
ゲンブ「熊の力が強いでござるな」
NOVA『1人ならな。しかし、仲間が多ければ、狼も侮れない。部下に弓兵が10人ぐらいいたら、たった1人の敵に対して、バーバリアンが前線に立ち、10本の矢が有利効果付きで放たれるわけだし、ローグの急所攻撃のように「有利」状態で発動する能力を備えている仲間が何人かいれば、それだけで強い。仲間の力を活用する攻撃サポートリーダーが狼で、1人で打たれ強い防御力の塊が熊、そして鷲は戦場を駆け抜けて一気に敵のボス(前に出て来ない)を仕留めるのに有効、とそれぞれの戦闘スタイルがあるわけだ』
ジュニア「狂戦士よりも、こちらの方が能力が多彩で楽しそうですぅ」
NOVA『考えることが多くて、ある程度慣れないと活用しにくいと思うがな』
シロ「移動力の高さで突撃キャラが好きなら鷲とか、死ににくさを優先するなら熊ってところですか。狼は仲間次第というか」
レベル6で「獣の相」の特徴を習得して、追加の狼か熊か鷲の特殊能力を得られる。レベル3と違う動物の能力を得てもいい。
・狼:狼の鋭敏な感覚を得て、速いペースの移動で追跡したり、通常ペースの移動でも姿を隠して移動できる(普通は、追跡は通常ペース、姿隠しは遅いペースの移動が原則)。
・熊:熊の剛力を得て、運搬能力が2倍になり、【筋力】判定が有利になる。
・鷲:鷲の目を得て、1マイル(1.6km)先の景色を100フィート(30m)先のように細部まで細かく見てとれる。さらに「薄暗い明かり」(光源から離れた闇との境界辺り、月明かりなど)でも〈知覚〉にペナルティーを受けない。
シロ「狼は、バーバリアンが追跡や隠密系の技能を習得していなければ、宝の持ち腐れに思えますね」
NOVA『バーバリアンは〈生存〉技能を覚えるので、5版の追跡はそれで賄えるんだが、〈隠密〉は持たないんだな。まあ、背景で犯罪者か浮浪児を選ぶなり、[技術習熟]の特技で習得するなりの手があるが、典型的なバーバリアンならやはり熊を選ぶかな』
ゲンブ「怪力のバーバリアンは分かりやすいキャラ性でござる」
NOVA『狼は割とテクニカルな選択で、熊が無難に強い。鷲は知覚とスピード特化で奇襲向きと言ったところか』
レベル10で「精霊と歩む者」の特徴を習得して、「コミューン・ウイズ・ネイチャー(自然との交信)」を儀式呪文として発動できる。
レベル14で「トーテム同調」の特徴を習得して、追加の狼か熊か鷲の特殊能力を得られる。レベル3やレベル6と違う動物の能力を得てもいい。
・狼:激怒中の戦闘で、大型以下の敵に攻撃を命中させたら、通常ダメージとは別にボーナスアクションで相手を伏せ状態(転倒)にさせられる。
・熊:激怒中の戦闘で、5フィート以内の敵は、目前のバーバリアン以外の敵を攻撃する際に不利を受ける。
・鷲:瞬発的な飛行能力を得る。歩行移動速度で空中移動した後に、着地するか、何かで体を支えないと落下する。
ジュニア「鷲の力で飛べるんですねぇ」
NOVA『まあ、ジャンプ飛行みたいなものだな。これで空中の敵にも斬りつけることができそうだ』
ゲンブ「熊は、味方への攻撃を不利にすることで、敵の攻撃を自分に引きつけるのでござるな」
NOVA『しかし、激怒中なので、敵の攻撃は半分しかダメージが通らないので、いい壁役です。そして、狼は相変わらずテクニカルです。何せ転倒している相手への近接攻撃は有利が得られるので、仲間とフルボッコにできる』
シロ「でも、レベル3の狼でも、周囲の敵への攻撃に有利を与えられるのだから、転倒させる意味をあまり感じないのですが」
NOVA『転倒させると、相手からの攻撃は不利を受けるとか、移動を封じるというメリットもあるが、14レベルの特殊効果としては弱い気もするな。まあ、転倒させることで追加効果が得られる戦況があるのかもしれないが、やはり狼はテクニカルな選択だと思う』
シロ「テクニカルとは、その技単独では強くないけど、他の技とのコンボや仲間との連携で大きな効果を発揮する能力ってことですね」
NOVA『ああ、何にせよ、トーテム戦士のバーバリアンは、狂戦士よりも頭を使うキャラだと思う。10レベルのコミューンはその周辺の土地について情報収集を行える能力で、単純なパワーファイターとは異なるロールプレイが可能だ』
バーバリアンのサブクラス(ソード・コースト編)
NOVA『さて、現在は入手困難な旧5版サプリ「ソード・コースト冒険者ガイド」にも、バーバリアンのサブクラスは収録されていて、ザナサー、ターシャよりも先に紹介しておこう』
③バトルレイジャーの道
ドワーフ語でクルドジャルグ(斧のバカ者)とも呼ばれる狂闘士、それがバトルレイジャーである。
全身に棘だらけの中装鎧スパイクト・アーマーを着込んで、体ごと敵にぶつかって行く暴れっぷりを示すクラスで、ドワーフのみが就くことができる。
レベル3で「バトルレイジャーの鎧」の特徴を得て、棘鎧の扱い方を学ぶ。その鎧(AC14)を装着して激怒すると、ボーナスアクションで5フィート内の敵に鎧の棘で近接攻撃できる。通常どおりに【筋力】修正を得て攻撃が命中すると、棘は「1D4+【筋力】修正値の刺突ダメージ」を相手に与える。また、攻撃アクションで相手をつかむことに成功すると、3点の刺突ダメージを与えることができる。
レベル6で「捨て身の境地」の特徴を得て、バーバリアンの技である「捨て身の攻撃」を使用すると、本来の効果(自分の近接武器攻撃と相手の攻撃がそれぞれ有利になる)に加えて、【耐久力】修正値だけの一時的HPを得る。
レベル10で「バトルレイジャーの突撃」の特徴を得て、激怒中にボーナスアクションとして早足アクションをとれる。
レベル14で「反撃の棘」の特徴を得て、激怒中に5フィート以内の敵から近接攻撃で命中を受けたら、相手に3点の刺突ダメージを与えることができる。
ゲンブ「要するに、ドラクエで言うところの『刃の鎧』でござるな」
NOVA『あまり強い能力とは思えないな。追加で1D4ダメージって、要はダガー1本分だから、割と地味。それよりは、ソード・コースト本で示されたトーテム戦士の追加ルールの方が興味深いな』
②’トーテム戦士(ソード・コースト追加データ)
トーテム精霊の種類が「狼」「熊」「鷲」以外に「虎」と「ヘラジカ」が増えたり、レルムにおける北方蛮族のトーテム獣がどの精霊に対応しているかのリストが掲載。
興味深いのは、植物の精霊「樹霊」を選ぶこともでき、PHBの「熊」と同じ能力ながら、「精霊探し」で得られる能力が、動物会話でなくスピーク・ウイズ・プランツ(植物会話)だったりするマイナーチェンジ版。
・虎:レベル3で、激怒中に跳躍距離が幅跳び10フィート(3m)増加、高跳び3フィート(90cm)増加。
レベル6で、〈運動〉〈隠密〉〈軽業〉〈生存〉のどれか2つの技能習熟を得る。
レベル14で、激怒中に大型以下の敵にまっすぐ20フィート(6m)以上前進し、近接武器攻撃を行うなら、ボーナスアクションでもう1回追加の近接武器攻撃ができる。
・ヘラジカ:レベル3で、激怒中に重装鎧を身につけていないなら、歩行移動速度が15フィート(4.5m)増加。
レベル6で、自分と周辺60フィート以内の仲間(最大10人)の移動ペースが2倍になる。
レベル14で、激怒中にボーナスアクションを使うことで、大型以下の敵1体のスペースをすり抜けることが可能。相手は難易度13以上(初期状態。バーバリアンの成長に応じて変動する)の【筋力】STを行い、失敗すれば足を引っ掛けられて転倒し、1D12+バーバリアンの【筋力】修正値分の殴打ダメージを受ける。
シロ「虎はネコ科ということで、軽業めいた機敏な動きが特徴。一方、シカは移動に特化した能力が特徴と」
ジュニア「走りながら、相手を弾き飛ばしてダメージを与える技が面白そうですねぇ」
NOVA『ヘラジカって、シカの中でも最大サイズなんだな。奈良県などで有名なニホンジカだと、オスの肩高90cmから130cmで小学生の背丈ぐらいだが、ヘラジカの肩高は140cmから230cm。つまり、並みの人間よりも背の高いサイズのシカなわけだ。ニホンジカの体重がオスで50〜200kgなのに対し、ヘラジカは平均体重500kgとのこと』
バーバリアンのサブクラス(ザナサー編)
NOVA『何だかヘラジカ凄えって話になってしまったが、流れを戻して、次はザナサーから3つのサブクラスだ。「嵐の先触れ」「信仰の熱狂者」「祖霊戦士」の3つだが、新5版のPHBに採用されたということで、先に「信仰の熱狂者」から紹介しておこう。なお、新5版のバーバリアン・サブクラスにはもう一つ、全くの新規である「世界樹の道」というのも用意されているらしい』
ゲンブ「トーレム精霊の一種でござるが、樹霊はそれだけで独立したでござるな」
NOVA『植物の力を操る魔法使い寄りのバーバリアンらしいが、手持ちのルールにないものはさておき、ザナサーに専念しよう』
④信仰の熱狂者の道
戦神に命を捧げるバーバリアンの部族。
レベル3で「信仰の怒り」の特徴を得て、激怒中の武器攻撃に神力による追加ダメージを与えることができる(1ターンに1度、最初の命中時のみ)。追加ダメージは1D6+バーバリアンのレベルの半分、ダメージ種別は神の属性に応じて[光輝]か[死霊]のどちらか。
また、レベル3で「神々の戦士」の特徴を得て、蘇生呪文を受ける場合に物質要素を必要としなくなる。なお、一番メジャーな蘇生呪文であるレイズデッドには、金貨500枚の価値のあるダイヤモンドが必要だが、それを入手せずに復活可能ということである。
レベル6で「不屈の狂信」の特徴を得て、神の加護に守ってもらえる。1回の激怒中のST判定の失敗時に一度だけ振り直しが可能。
レベル10で「熱狂の威風」の特徴を得て、周囲の者たちに熱狂を伝えることができる。ボーナスアクションを使って、信仰のときの声を上げると、それを聞いた味方(10体まで)は勇気を喚起され、次のバーバリアンのターンまで、攻撃とST判定に有利を得る。1回使うと、次の大休憩まで使用不能。
レベル14で「死を超える激怒」の特徴を得て、信仰の力が致命傷からも守ってくれる。激怒中にHPが0になっても気絶することなく、戦い続けることが可能。バーバリアンのレベル11特徴「倒れずの激怒」(HP0になっても【耐久力】STで10以上を出せばHP1で立ち上がる)やレベル15特徴「終わらぬ激怒」(気絶するか自分が望むまで激怒状態が維持される)と組み合わせると、非常にしぶとい戦士ができ上がる。
ジュニア「パラディン以上に熱狂的な信仰戦士が作れるのですねぇ」
NOVA『タフなバーバリアンがさらにタフになる、と。なお、新5版では「倒れずの激怒」の効果がHP1で立ち上がるのではなく、HPがバーバリアンのレベル×2まで回復するようになったし、「死を超える激怒」も「神々の激怒」に置き換わって、飛行能力やダメージ抵抗能力、死にそうな見方をリアクションで助けられる神パワーに変更されたらしい』
ゲンブ「さすがは神の戦士でござるなあ。獣も強いが、神も強いと感じるデータかと」
⑤嵐の先触れの道
激怒を魔力の嵐に変える魔法戦士的なサブクラス。
レベル3で「嵐のオーラ」の特徴を得て、激怒とともに海か砂漠か凍土の効果を周囲10フィート(6m)の範囲に引き起こす。また、ボーナスアクションでオーラの効果を再起動できる。
・海:オーラが起動したとき、範囲内の相手1体に1D6の電撃ダメージを与える。相手は【敏捷力】STを行い、成功すればダメージ半減できる。STの難易度やダメージは、オーラの主の成長によって増加する(最大ダメージは4D6)。
・砂漠:オーラが起動したとき、範囲内の相手全員が2点の火ダメージを受ける。ダメージは、オーラの主の成長によって増加する(最大ダメージは6点)。
・凍土:オーラが起動したとき、範囲内の好きな相手に氷の精霊の守りで2点の一時的HPを与える。HP量は、オーラの主の成長によって増加する(最大量は6点)。
レベル6で「嵐の魂」の特徴を得て、オーラを起動していないときでも利益が与えられる。
・海:[電撃]ダメージに対する抵抗。水中呼吸。水泳移動速度30フィート(陸上と同じ)。
・砂漠:[火]ダメージに対する抵抗。酷暑の影響を受けない。1回のアクションで、可燃性の物体一つに触れて、着火させることが可能。
・凍土:[冷気]ダメージに対する抵抗。酷寒の影響を受けない。1回のアクションで、水に触れて、1辺5フィート分の立方体の範囲を凍らせることが可能。
レベル10で「嵐の護り」の特徴を得て、オーラの中にいる仲間に同種の抵抗を与えることができる。
レベル14で「嵐の激怒」の特徴を得て、オーラの力を敵にぶつけることが可能。
・海:オーラ内の敵に攻撃が命中した際、相手に【筋力】STを行わせることができる。失敗すれば、相手は波にさらわれたように転倒し、伏せ状態になる。
・砂漠:オーラ内の敵からの攻撃が命中した際、相手に【敏捷力】STを行わせることができる。失敗すると、バーバリアン・レベルの半分に等しい[火]ダメージを受ける。
・凍土:オーラが起動したとき、範囲内の敵1体に【筋力】STを行わせる。失敗すると、相手は魔法の霜に覆われて、オーラの主の次のターンまで移動速度が0になる。
NOVA「自然環境を操る小技的な魔法が使える戦士って感じで、バーバリアンとしての強さが増すわけではないけど、トリッキーなサブクラスってところですな」
シロ「海か砂漠か凍土で使い勝手が変わるのですね。より破壊的なのは砂漠かな」
ジュニア「海のバーバリアンの水中呼吸は結構便利ですぅ」
NOVA『環境特化型だから、得意環境だと強いという面がある。暑さに強い砂漠仕様も、寒さに強い凍土仕様も、そういう局面では非常に優秀だが、総じて海は単体戦で強く、砂漠は敵に囲まれた状況で強い。凍土は仲間と共に戦うチーム戦用の能力といった感じだが、劇的に強いと言うほどではない。嵐という大仰な名前に負けているというか、元素精霊の加護を受けたトリッキーな精霊戦士と言ったところか』
ゲンブ「オーラの範囲に敵や味方を入れるように、移動に配慮する必要があるでござるな。あと、ダメージを与えるオーラは、激怒状態を始めたときと、再起動を繰り返すことで、じわじわ相手を削ることが可能でござるな」
NOVA『ああ、1発のダメージは低いけど、毎ターン確実にHPを削る技か。あるいは凍土だと、周囲の味方に毎ターン一時的HPを付与できる。一撃の破壊力で短期決戦を考えるのではなくて、長期戦対応型だと』
シロ「後は、選んだ地形がシナリオに噛み合っているかどうかですね。海を選んだのに、冒険の舞台が砂漠だと残念だ」
NOVA『一応、オーラの種類は、レベルが上がるたびに選び直すことができるようだ。だから、DMと相談したり、キャンペーンの物語進行に合わせて、どの種類のオーラを選ぶか考える楽しみもあるってことだな』
ゲンブ「D&Dの術師は、どの呪文を準備するか考えるのも楽しいでござるからな」
NOVA『アンデッドモンスターだらけで、せっかく用意したスリープが役に立たないことも、クラシックD&Dあるあるだった』
ゲンブ「状況や相手に応じた呪文の選択を考え、もしも選択をミスったなら、一晩休んで呪文を選び直すのも中級者の楽しみでござろう」
NOVA『まあ、低レベルの魔術師は選択の余地なく……というのが昔話だが、今は1レベルでも初級呪文3つと1レベル呪文を6つ選ばせてくれる。昔の魔法使いは、リードマジック(魔法読解)と何か一つ攻撃呪文(スリープかチャームかマジックミサイルがお勧めだった)しか与えられなくて、スリープ1発打つだけでお仕事終了な時代もあったわけだ』
ジュニア「それは、もう30年から40年も前の時代ですよねぇ。今の時代のバーバリアンの話に専念した方がいいのではぁ?」
NOVA『おっと、そうだな。魔術師の話はまたいずれってことで。では、続きだ』
⑥祖霊戦士の道
先祖の霊を偉大な戦士として篤く敬う部族のサブクラス。
レベル3で「守護祖霊」の特徴を得て、激怒中に幽霊めいた戦士たちが出現して支援してくれる。各ターンにバーバリアンが最初に攻撃を当てた敵に祖霊がまとわりつき、相手の攻撃を邪魔する。相手はバーバリアン以外の仲間への攻撃に不利を受け、その攻撃がバーバリアン以外の仲間に当たったときは、以降、仲間は同種の攻撃のダメージに抵抗を得る。これによって、バーバリアンとの一騎討ちになるように取り計らってくれるのである。
レベル6で「祖霊の盾」の特徴を得て、激怒中にバーバリアンの30フィート内の仲間の受けた場合、リアクションを消費して、そのダメージを2D6だけ減らしてくれる。このダメージの減少量は、レベル10で3D6、レベル14で4D6と向上する。
レベル10で「祖霊の助言」の特徴を得て、祖霊から情報を教えてもらうことができる。オーギュリイ(吉凶占断)の呪文で、これから行おうとする行動が吉(良い結果)か凶(悪い結果)か、両方か、どちらでもないかをDMに確かめる。または、クレアヴォイアンス(透視・透聴)の呪文で、視覚・聴覚のセンサーを1マイル(1.6km)以内の知っている、または特定できる場所に設置できて、その場所を10分間知覚できる。
レベル14で「祖霊の復讐」の特徴を得て、「祖霊の盾」で減らしたダメージをそのまま[力場]ダメージとして相手に反射できる。
ジュニア「祖霊は、バーバリアンではなく、バーバリアンの仲間たちを守ってくれるんですねぇ」
NOVA『珍しい効果だよなあ。「子孫は立派な戦士だろうから、先祖が守ってやる必要はない。しかし、子孫が仲間のことを気にして自分の戦いに専念できないのは問題だから、こっちはわしらに任せておけ」って感じで、支援してくれるのだろう』
ゲンブ「ゲーム的には、バーバリアンが仲間を適切にガードしてくれる役回りでござるな。それに面白いのは、『祖霊の助言』で得られる情報。占い系の呪文みたいな効果でござるが、たとえばどんな形になるのか、例を示して下さらんか?」
NOVA『オーギュリイは、毒の入ってそうな食事を食べても大丈夫かどうかを聞いてみるのはありだろうな。本当に毒入りなら凶と出るだろうし、毒がないなら吉と出る。宝箱に罠が仕掛けられていないか、野営する場所が安全かどうか、事件の容疑者と思しき男を強引に捕まえても問題ないかどうか、などなど、DMのシナリオに書かれてあることにヒントを出してもらえるはず。
『あるいはランダムで発生することなら、あらかじめDMにダイスを振ってもらって、その結果に基づいて吉凶決めてもらってもいいだろうし、野外マップを歩いていてランダムでドラゴンが出現したら、この道は危険だと判断して、今のはなし、と言うこともありか、と』
シロ「野外マップを歩いて、ランダムでドラゴンが出現だなんて、いつの時代のゲームですか?」
NOVA『クラシックD&Dの青箱エキスパートルールの野外遭遇表だ。都市以外だと8分の1の確率でドラゴンと遭遇するようにできている』

ジュニア「今のD&Dで、それはないでしょう」
NOVA『まあ、ランダム遭遇表なんてものはシナリオに合わせて作るものだと思うが、別に遭遇したからと言って、絶対に戦わないといけないというルールじゃないからな。ドラゴンなんて遠くからでも分かるんだから、見つからないように隠れて逃げるのが普通だろうけど、TRPG黎明期はプレイヤーもDMもそういう判断さえできないケースがあったからな』
シロ「とにかく、祖霊が導いてくれたら、ドラゴンに突然、野外で出くわす事故も防げるってことですね」
NOVA『たぶんな。ご先祖さまは大事にしないと。で、もう一方のクレアヴォイアンスは面白い処理をしているな。自分のよく知っている場所(例えば自宅)に監視カメラを設置しているとか、扉の向こうの部屋(場所がはっきりしている)を障害物をすり抜けて覗き見るとか、そういう使い方ができる。一つの呪文で視覚情報か聴覚情報のどちらかを選ぶとともに、1アクションごとに切り替えることもできる。一度に両方というのは無理っぽいが、どこにセンサーを設置するかがポイントだな。「祖霊の助言」の場合は、センサー代わりに祖霊を現地に派遣して、霊的な交信で視覚または聴覚情報を送って来てもらう形になる』
ゲンブ「ご先祖さまをゴチゾウみたいにパシリ扱いか?」
NOVA『いや、眷属じゃないし。やっていることは同じでも、ここは祖霊にお願いして、敬意を表明したりしながら、うまくロールプレイするってことで。DMが祖霊の役をロールプレイするか、それともゲーム的に事務処理するかはどっちでもいいとして。祖霊キャラに名前を付けて、ロールプレイするのはストーリーゲームとして楽しそうです』
バーバリアンのサブクラス(ターシャ編)
NOVA『最後にターシャ本から2つです。バルダーズゲートに登場した「荒ぶる魔力の道」と、獣の精霊の力を借りるのではなく自身が獣になる「獣の道」を紹介して、一連のバーバリアンの話は終わるつもり』
⑦荒ぶる魔力の道
超自然的な異次元の制御できない魔力に、優れた感受性で取り憑かれたバーバリアンのサブクラス。
レベル3で「魔法知覚」の特徴を得て、1回のアクションで魔力の存在を感じ取れるようになる。使用回数は最初、1日2回で、レベルアップによって増加。最大6回まで使用可能。
また、レベル3で「荒ぶる魔力の奔流」の特徴を得て、激怒した際に1D8を振ってランダムな魔法効果が発動する。
レベル6で「激励する魔力」の特徴を得て、10分間、自分や味方の判定に1D3点加える激励力を獲得したり、味方の呪文スロット1つを1D3レベルの範囲まで回復したりできる。使用回数は「魔法知覚」と同じ回数まで。
レベル10で「不規則な反発」の特徴を得て、激怒中にダメージを受けたり、ST判定に失敗した場合に、リアクションとして「荒ぶる魔力」表を振り直すことができる。
レベル14で「奔流体得」の特徴を得て、「荒ぶる魔力」表の結果を振る際に2回振って、好きな結果を選ぶことができる。
NOVA『ランダムで発動するワイルドマジックの面白さが、このサブクラスの魅力ですな』
ゲンブ「しかし、ランダムだと扱いにくかろう」
NOVA『改めて、荒ぶる魔力表をチェックしてみましょう』
- 影の触手が出現し、周囲30フィート(9m)内の敵全てを打ちすえて、【耐久力】STに失敗すると、1D12死霊ダメージを与える。同時にバーバリアンは1D12の一時的HPを得る。
- バーバリアンは周囲30フィート(9m)内に瞬間移動する。激怒が終了するまで、毎ターン瞬間移動をボーナスアクションで行ってよい。
- 周囲30フィート(9m)内のクリーチャーの隣に自爆妖精が出現し、バーバリアンの行動終了時に自爆する。妖精の周囲5フィート(1.5m)の範囲にいる者は【敏捷力】STに失敗すると、1D6力場ダメージを与える。激怒が終了するまで、毎ターン自爆妖精の召喚をボーナスアクションで行ってよい。
- バーバリアンの手持ち武器に魔力が満ちる。激怒が終了するまで、武器のダメージ種別が[力場]に変わり、軽武器と投擲、長距離射程(18m)の能力が付く。武器を投げた場合、ターン終了時に投げた武器が手の中に再出現する。
- 激怒が終了するまで、バーバリアンの攻撃でダメージを受けた敵は、1回の命中ごとに1D6の力場ダメージを追加で受ける。
- 激怒が終了するまで、極彩色の守りの光に包まれてAC+1。周囲3mの味方も同じ恩恵を受けられる。
- 4.5m周囲に花と蔦が生い茂る。激怒が終了するまで、その地形は敵にとって移動困難地形となる。
- 胸から光線が放たれる。9m以内の敵1体を目標にできて、【耐久力】STに失敗すると、1D6光輝ダメージを与えて、盲目状態にできる。激怒が終了するまで、毎ターン光線発射をボーナスアクションで行ってよい。
ジュニア「激怒と宣言した瞬間、武器に魔力が宿って発光したり、胸からビームが出たり、自爆するスタンドが出現したりするんですねぇ。上手くハマれば格好いいかもぉ」
シロ「怒る、と言った瞬間、触手が出現したり、花が咲き誇るのはギャグっぽいが」
NOVA『実は触手は大当たりなんだよな。1D12の範囲攻撃なんて、低レベルだと破格の効果のうえ、自分も一時的HPを確保できるんだからな。バーバリアンの攻撃回数が増えると、5番の追加ダメージもその分、増えて、状況次第で何が当たりかも変わって来るけど、デメリットが一切ないのがいいなあ』
ゲンブ「実際にワイルドマジック発動表を振る瞬間は、ゲームが盛り上がるところかもしれん。触手キターと喜ぶカニコングの顔が思い浮かぶでござる」
NOVA『カニコングか。嬉々として、荒ぶる魔力のバーバリアンをプレイしそうだ』
⑧獣の道
獣に変身するバーバリアンのサブクラス。
変身できる理由は「ライカンスロープの血を引いてる」「大ドルイドの子孫」「フェイ(異界の妖精)の末裔」「太古の動物の精霊を身に宿している」といった要因が公式に掲載されている。
レベル3で「獣の姿」の特徴を得て、激怒時に「噛みつき」「爪」「尾」のどれかの攻撃手段を備えることができる。
・噛みつき:1D8刺突ダメージ。現在HPが最大値の半分未満のとき、噛みつき攻撃に成功するとHPが2点回復する。回復量はレベルアップによって増加。最大6点回復。
・爪:1D6斬撃ダメージ2回。
・尾:トゲだらけの尾で攻撃、1D8刺突ダメージ。3m以内の敵から命中させられた場合、リアクションで尻尾を振り回して牽制できる。1D8をACに加えることで、相手の攻撃ロールの数字を超えたら、命中をミスにすることが可能。
レベル6で「獣の魂」の特徴を得て、「獣の姿」の攻撃手段が魔法の武器として扱われるようになる。通常武器ではダメージを与えられない相手にも、ダメージを与えることが可能に。
さらに小休憩や大休憩ごとに以下の恩恵を選択できる。
・水棲型:水中呼吸。歩行移動速度に等しい水泳移動速度を得る。
・登攀型:歩行移動速度に等しい登攀移動速度を得る。能力値や技能判定なしに登攀できる。逆さまに天井を歩くことすら可能。
・跳躍型:跳躍距離を〈運動〉技能判定×1フィート(0.3m)分、伸ばすことができる。
レベル10で「怒りの伝染」の特徴を得て、激怒中の肉体武器でダメージを与えた相手に呪いをかけられる。相手は【判断力】STを行い、失敗すると以下のいずれかの効果を受ける(バーバリアンの選択)。
・目標以外のクリーチャーの1体が目標に怒りを抱いて、リアクションを用いて目標に1回の近接武器攻撃を行う。
・目標は2D12精神ダメージを受ける。
この能力の使用回数は最初、1日4回で、レベルアップによって増加。最大6回まで使用可能。
レベル14で「狩りの呼び声」の特徴を得て、仲間との連携を高め合う。激怒する際、【耐久力】修正値の数だけの仲間(9m以内にいることが条件)を選択し、彼らの数×5点の一時的HPをバーバリアンは得る。
一方、選ばれた仲間は、激怒が終了するまで各自のターンに1度だけ、与えたダメージに1D6の追加ダメージを増やすことができる。
この能力の使用回数は最初、1日5回で、レベルアップによって増加。最大6回まで使用可能。
NOVA『ということで、トーテム戦士とも違った、なかなか個性的なサブクラスだと思う』
ゲンブ「『狩りの呼び声』は仲間が多いと強力なバフ効果でござるが、呪いをかける『怒りの伝染』もずいぶんでござるな」
NOVA『普通は2D12の精神ダメージを追加する方が効果的だと思うが、呪われた相手が味方から不意に攻撃されるというのもえげつない。特に敵がこういう呪いを仕掛けて来たら、キツいなあ、と』
ジュニア「ああ。敵が『獣の道』のバーバリアンの能力を使って来ることもありなんですねぇ」
NOVA『そう。プレイヤーキャラには使いにくい限定的な能力も、敵キャラが使って来る可能性もあるから、DM視点で特徴の有用性を読むのも面白い』
ゲンブ「そう言われてみれば、獣の精霊の力を借りるだけならともかく、獣化して牙や爪で攻撃して、相手に呪いまでかけるなどは悪役の所業でござるな」
NOVA『70年代や80年代は、人間が獣化してしまうとNPCとして扱われるのが普通だったな。日本では、ロードスからクリスタニアに移る際に、中世封建制の文化文明を持つ冒険者が獣人たちの文化に初めて接触した際に、モンスターか? と警戒する場面が描写されている。そして、最初の世界紹介リプレイでは、獣人のヒロインはNPCで、クリスタニアの神獣世界の案内人の役割だった。その後のリプレイで、神獣の民をプレイヤーが使えるようになり、クリスタニアらしい個性が構築されていくわけだが』
シロ「大体、90年代からそれまで敵キャラだった存在(吸血鬼や人狼、妖怪など)をプレイできるゲームが増えて来た印象ですが」
NOVA『文明よりもエコに基づく自然の方が大事じゃないか? という反動的な価値観がブームになって、フィクションの世界にも善悪の反転した裏世界(ダークサイド)の魅力や物語が定着していったのが90年代かもしれない。もちろん、それ以前からそういう物語はあったという意見もあるだろうが(デビルマンとか)、90年代に入って顕在化した背景には、世紀末思想とか、悪役を演じることの多いGM視点というのが土台になって、フィクションの世界なら「悪には悪の美学がある」という主張も許される、と』
ジュニア「リアルでは許されないのですかぁ?」
NOVA『「悪の美学」なんて主張するのはイケメンとかダンディとか、誇りやカリスマを持った上流悪役ライバルだろう? 世の中にはそれ以上に下衆いザコ悪役がいて、そんなザコでもザコなりの誇りを持った愛される存在が出て来て……というのも90年代だ。まあ、コミカルな味付けをすることで、毎回倒されるレギュラー悪役にも愛着が生まれるのは、日本ではタイムボカンシリーズに類型が見られるんだが、悪役でも物語のパーツとして重要なのは、RPGが可視化してくれたという意見もある』
シロ「魅力的な悪役が生まれると、今度はその要素をプレイヤーキャラが使えるようにしたくもなる、と」
NOVA『そんなわけで、「獣の道」みたいな悪役っぽいサブクラスは、コアルールには収録されないが、選択ルールで用意されているわけだな。一般層はコアルールで楽しんで、マニア層にはマニア向きのオプションデータを用意するという商売スタイルが確立している。まあ、初期のD&Dでは何が一般向けで、何がマニア向きで、何が一般から叩かれるかという判断ができなくて、野放図に広げて来た時代があるんだが』
ゲンブ「宗教問題と、悪という概念をどう描くかという話でござるな」
NOVA『バーバリアンについても、いろいろと物議をかもしたらしいからな。AD&D2版の基本クラスから排除されたというのもあるが、イギリスの方でも80年代のゲームブックのモンスターデータ集を復刻する際に、未開人的な敵キャラを解説する際に「差別的な意図はない」とわざわざ前書きで述べないといけないぐらい、当時との価値観の違いを考えさせられた』
ジュニア「ドラクエでも、『くびかりぞく』とかモンスター扱いですからねぇ」
NOVA『ドラクエは、魔王の邪気を取り除けばモンスターと共存できるという世界観を、ダイ大やドラクエ5、モンスターズなどで90年代から確立させたからな。逆に、人間の中にも醜い悪役連中や、一般人の中の悪を描いたりしたのがドラクエ6や7だったりする』
ゲンブ「いわゆる価値相対化の話でござるな」
NOVA『TRPGその他のフィクションで、キャラクターの背景の解像度を上げていくことが21世紀の創作手法の一つで、どんな対立軸をテーマにするかが創り手の個性ということになるのかな。そのうえで、まじめにシリアスだけだと肩が凝るので、コミカルさとエンタメをどう配分するかの手法もあるわけだが、シリアス要素は割と時代を越えるけどコミカル成分は流行り廃りが大きいので、古いギャグは「今どきそんなギャグは分からねえよ」というツッコミを入れないと芸にならない』
ゲンブ「老害蘊蓄と、ジェネレーションギャップを題材にしたギャグでござるな」
NOVA『今さら、クラシックD&D時代の話をされても付いて行けない若手と、50周年だからこそ昔のことを語りたいベテランのネタのこすり合いだな』
ジュニア「まさに文明人と未開人のせめぎ合いって感じですねぇ」
NOVA『って、クラシックD&Dの話題をするのは、未開のバーバリアンってことかあ!?』
(当記事 完。バーバリアンの話題はこれで終わり。レンジャー話はまだ続く)