久方ぶりのD&D研究タイム
ヒノキ「ようやく、こちらへ顔出ししたようじゃな」
リモートNOVA『ええ、ご無沙汰してます。2人用ゲームブックの「王子の対決」記事に集中していましたから』
ヒノキ「それと、FFコレクション5じゃったか。おかげでD&Dのクラス考察記事にまで手が回らず、と」
NOVA『ああ、それとシロ君には先月、バースデイケーキを作っていただき、ありがとうございました』
シロ「どういたしまして。翔花に頼まれましたから喜んで。今月の花粉症ガール・バースデイの準備も考えております」
NOVA『そういう親切な心尽くしには、ありがたくて涙が出て来るよ(涙目)』
ヒノキ「泣くほどのことか?」
NOVA『いや、花粉症の影響もあります。3月の頭には喉もやられまして、寒暖差に体が追いついて来なかった時期も』
ヒノキ「むっ、体が悪いのか。養生した方がいいのでは?」
NOVA『今はだいぶ持ち直しましたので、モンク研鑽を始めましょう。ゲンさんは?』
ヒノキ「今年はガメラ生誕60周年ということで、YouTubeでガメラ映画を喜んで見ておる」
NOVA『ほう、それは俺も見ておきたい』
ヒノキ「後にしておけ。せっかくの記事書きじゃ。D&Dのモンク話に集中するんじゃろう」
NOVA『ええ、手持ちの資料は3版と5版ですが、一応、シリーズとしての概要について触れたいと思います。まず、モンクの初登場は、レンジャーやバードよりも早く、オリジナルD&Dの第2サプリメント「ブラックムーア」(1975)でアサシンとともに実装されました』
シロ「つまり、今年がモンク登場50周年なんですね」
NOVA『本当だ。モンクについて語るには良きメモリアルイヤーってことですな』
ヒノキ「ふむ。戦士、魔法使い、僧侶、盗賊、パラディンに次ぐ第6の職業クラスと考えていいのじゃな」
NOVA『当初のモンクのコンセプトは僧侶のサブクラスで、戦士と盗賊の能力を組み合わせた軽装拳士として登場。その後、AD&D1版にも続投しましたが、2版になってバーバリアン、アサシンとともにPHBの基本クラスからは脱落。一応、サプリメントで導入されてはいるのですが、邦訳された分にはないので、日本語プレイ環境では3版からの初登場になります』
ヒノキ「歴史の長さの割には、陽の目が当たるのに時間が掛かったということじゃな」
NOVA『一応、クラシックD&Dのマスタールールにおいて、モンクに準じるコンセプトを持ったミスティックが登場して、参考になりますね』
NOVA『あと、うちのブログ時空で過去に語られたモンク研究記事も挙げておきましょう』
NOVA『昔やったのと同じ話を繰り返しても仕方ないので、今回はサブクラスの話を中心にしていきたいと思います。しかし、まあ、その前に概要ぐらいは語っておくとして』
モンクの概要
NOVA『モンクを一言で言えば、「素手戦闘の得意な武闘家」ということですが、そのエッセンスはコンピューターゲームのウィザードリィの忍者、ファイナルファンタジーのモンク、ドラクエの武闘家などがしっかり受け継いで、90年代の対戦格闘ゲームのブームにも乗って、ゲーム界では人気職の一つになっています』
ヒノキ「D&D3版が翻訳されたのは21世紀に入ってからじゃから、TRPGの本家ルールが公式に邦訳される以前から、亜流がいろいろ世に広がっていたのじゃな」
NOVA『西洋ファンタジーにおいて、素手戦闘の専門家というのは一種の色物ですからね。東洋のエキゾチックさを体現した職業クラスということになりますが、一方で日本のフィクションにとっては、空手家やボクシング、柔道など格闘技を題材にした作品も多く、60年代の後半にはスポ根ブームもあって、和風のファンタジーや現代日本のRPGを考えるなら、武闘家はあって当然ということになります』
シロ「ボクシングなら、海外でも『ロッキー』が70年代半ばからブームになったようですが」
NOVA『ロッキーは、アクション俳優シルヴェスター・スタローンの出世作であり、82年の「ランボー」シリーズと並んで、彼の代表作となるな。ただ、TRPGに直接、影響を与えたとは考えにくい』
ヒノキ「それよりは、「ロッキー」によるボクシングブームの再燃→「リングにかけろ」→「聖闘士星矢」→和製TRPGへの影響という導線を考える方が良かろう」
NOVA『そして、D&Dのモンクは宗教要素や秘密結社と絡む傾向がありますが、日本の場合は宗教と関係しない武術の道というのがあって(敢えて言うなら山岳密教や禅、あるいは神道要素と絡むケースがあるか)、モンク僧とは異なるグラップラーというクラスに分類される作品もあります』
シロ「80年代には『北斗の拳』も流行りましたが、日本の場合は格闘マンガのネタがTRPGに反映されるケースも多かったのでは?」
NOVA『それなら「ドラゴンボール」を忘れてはいけない。まあ、何にせよ、日本にはアメリカ以上に格闘技フィクションの下地が濃厚にあったから、D&Dを始めとするTRPGが輸入されると、そこに格闘家のエッセンスを独自に導入する動きもあったわけだ』
ヒノキ「和製RPGで、格闘家要素を最初に導入したRPGは何じゃろうか?」
NOVA『俺の知る限りは、「ワープス・ファンタジー」が89年で最速だと思います。ワープスは88年に基本ルールが出て、日本のアニメを再現するコンセプトと、強力なヒーローポイント、当時にしては多数のキャラクラスや魔法体系を投入した意欲的なシステムでした。俺は買わなかったのですが、第2版の発売を楽しみにしていたら、93年にデザイナーの方が急逝されて、企画が終わったことが本当に残念です。その後、そのコンセプトは「セブンフォートレス」や「エルジェネシス」などFEAR製ゲームに継承されたとは思うのですが、ともあれ「ワープス・ファンタジー」の武術師(マーシャル・アーティスト)が日本のTRPG武闘家の第1号じゃないかと主張してみます』
ヒノキ「多数のキャラクラスとは、具体的には何種類になるのじゃ?」
NOVA『ファンタジーの基本ルールで15種類。その後のサプリメントを入れると、35種類まで増えたそうです。ワープス関係の資料は俺も持ってなくて、ネットでも情報がなかなかレアなので、現段階で一番詳しいのは↓のnote記事かな、と」
NOVA『もちろん、初期の和製RPG「ローズ・トゥ・ロード」(84年)関係でも、もしかしたら武闘家めいたキャラを作れるのかもしれないですけど、基本ルールにはなかったはず。あっても、後期のバージョンや追加のサプリメントだと思います』
シロ「80年代は、海外RPGの翻訳や模倣に始まり、そこから日本らしいRPGに進化していく萌芽がワープスからFEAR製品につながっていくのが90年代ってことですね」
NOVA『90年代前半にTRPGブームは頂点に達し、後半にバブルが弾けて、冬の時代になった云々という話はさておき、D&D3版はそこからの再生再展開の象徴の一つだったと思う。もう一度、原点回帰だって感じでな』
ゲンブ「95年の平成ガメラ第1作は良い映画でござった」
NOVA『おお、ゲンさん。ようやくお目見えだな』
ゲンブ「おお、新星どの。それは、こちらのセリフでござる。一月以上の間、こっちを放置して、我としては研究成果が無駄に終わるのではないか、とやきもきしていたでござるよ」
NOVA『それは済まなかった。では、ゲンさん登場で、いよいよモンク話を本格的に回すか』
ゲンブ「ところで、以前に基本の3門派については、ウルトロピカルで語っておらぬか?」
NOVA『現ウルトロピカルになる前の、アステロイド観測所時代の話だな。この時期は、犬猫D&DのパグマイアをSNEがプッシュしていて、それに絡めてネコ武闘家がマイブームだったんだ。そして基本の3門派の話をして、いずれその先へつなげようと思っていたわけだが、そのいずれが今なんだ』
ゲンブ「基本フォームの開手門、暗殺拳法の暗影門、気を魔力に変えた魔法武闘家の四大門の3つがPHBに載っているでござるな」
NOVA『ただ、昨年アメリカで出版された新PHBで、どうもモンクは大幅にデータが刷新されたらしいんだな。それを語ったのが、こちらの記事である』
NOVA『モンクの能力の基盤となる「気」という用語が、「フォーカス(集中)」に置き換わったり、全体的に東洋色を抑制して汎用的な武闘家にしようという試みが為されているらしい。日本の訳語がそれを受けてどうなるかが気がかりだが、3つの基本門派(◯◯の道)も「◯◯の闘士」という用語になったそうだ』
ゲンブ「では、旧5版のPHBサブクラスと、新5版の比較をしながら話を進めるとしようか。我は旧5版を中心に語るゆえ、新5版の方は新星どのにフォロー願おう」
NOVA『俺も新5版は断片的な情報しか持っていないので、分かる範囲でな』
基本3門派の進化
①開手門→開手の闘士
ゲンブ「標準王道的なモンクのサブクラスでござるな。気を消費して行う連打に、転倒効果や押し出し、リアクション不可などの効果を加えたり、自己回復の能力を得たり、瞑想によって対個人呪文からの防護効果を得たり、必殺の激震掌を放ったりできる」
NOVA『開手門はモンク界の基本中の基本なので、新5版でも大きな変化はないようだな。自己回復が通常アクションではなくてボーナス・アクションで行えるようになったのが大きいかな。つまり、回復のために手を休めることなく、攻撃しながら回復ができる。回復も大休憩ごとに1回だったのが、複数回の回復ができるようになって、使い勝手が向上したようだ』
ゲンブ「瞑想による防護効果(明鏡止水)が消えて、移動系の疾風速を他のボーナスアクションに追加させる能力に置き換わったようでござるな」
NOVA『明鏡止水という名前は気に入っていたんだが、この防護効果は自分が攻撃すると終了するので、いまいち使い勝手が悪い代物だからな。レベル11になってから、クレリックの1レベル呪文が発動できても、あまり嬉しくなかったのかもしれん』
ゲンブ「必殺の激震掌は、【耐久力】セーブに失敗した相手をHP0に追い込む痛烈な効果でござったが、単に強烈なダメージを与える技に格下げられたそうでござるな」
NOVA『さすがに敵のHPが何百とか何千というのに、一撃でゼロにするというのは破格すぎと判断されたようだ。まあ、そういう相手は【耐久力】も高くて、滅多にセーブを失敗しないのだろうが、それでも20面で1を出すような事故が起こる可能性はゼロじゃないからな』
ゲンブ「20面で1が出るとファンブル(自動失敗)でござるか?」
NOVA『いや、D&Dではダメージが増えるというクリティカル・ヒットのルールはあるが、出目による絶対成功や絶対失敗はないようだ。だから出目1でも能力値修正など加えて難易度を越えたら成功するんだが、激震掌を使えるレベルのモンクだったら、難易度は大体16とか17になるだろう? 【耐久力】ボーナスなんて、最大でも+10だから出目5以下は即死する計算だ。さすがに、どんなに高いHPでも即座に0にできる可能性のある必殺技は、必殺過ぎるだろう、とゲームバランスを考えたらしい』
ゲンブ「新版の激震掌のダメージはどれくらいでござるか?」
NOVA『10D12らしい。つまり、最大ダメージが120点で、期待値65点。これじゃあ、何千というHPを削るには威力不足だな』
ゲンブ「しかし、D&Dで何千というHPは公式に実在するのか?」
NOVA『さすがに極論だがな(笑)。とりあえず、モンスターマニュアルでエインシャントのレッドドラゴンがHP546なので、何百という数字はまだ現実的だが、1000を越えるHPは公式にないチートに近いとも言える。なお、ファンが作ったゴジラのD&Dデータでは、HP615だった。強い悪魔でもHP300代とかが、基本のモンスターマニュアルってことで。サプリメントをあされば、もっと膨大なHPのモンスターは発見できるかもしれんがな』
ゲンブ「とりあえず、D&DのHPは最強レベルでも何百という単位だと理解した。何千という単位は極論ということで」
NOVA『まあ、TRPGだから人間がサイコロ振って処理できる程度の数字が必要だからな。さすがに一卓の5人前後のプレイヤーで何千何万というダメージは処理できんだろう。通常攻撃がせいぜい育てて何十という数字観のゲームだろうし』
ゲンブ「序盤はダメージ10点越えで喜ぶ程度でござるからな」
NOVA『レベル1モンクが2回拳で殴って、10点ぐらい。レベル2で連打で3回殴れると、最大15点越えぐらいになって、レベル5になると拳の一撃のダメージが1.5倍ぐらいになる(D4→D6)うえ、追加攻撃が加わるから20点越えが標準になる。まあ、そう考えると、一撃で100点ダメージというのは、D&D基準だと凄いことになる』
ゲンブ「ドラゴンブレスはそれぐらい出せぬか?」
NOVA『クラシックD&Dだと、ドラゴンのHPがそのままブレスのダメージだったからな。ブレスを受ける前に、奇襲攻撃でどれだけドラゴンのHPを削れるかが勝負だとも言えた。今のD&Dでは、ドラゴンブレスのダメージも減って、さっきのレッドドラゴンで平均91点ダメージ(26D6)で、最大156点といったところか』
ゲンブ「セーブに失敗すると、即死は免れんダメージでござるな」
NOVA『さすがに古代竜と戦うシチュエーションがそう何度もあるとは思えんが、対決を余儀なくされるシナリオなら、火炎対策とか、あれこれ準備を重ねて、勝てる手段を講じるべきだろう。まあ、レベル7以降のモンクやローグは特殊能力の〈身かわし〉で、【敏捷力】セーブに成功すれば、ドラゴンブレスもノーダメージで避けられるわけだが』
ゲンブ「それは、ファイターにはできない芸当でござる」
NOVA『モンクは、肉弾戦での打たれ強さでは重武装のファイターほど強靭ではないが、敵の特殊能力に対して、あれこれ強くて、当たらなければどうということはないというシャアザクみたいなプレイができるからな』
ゲンブ「通常の3倍の移動力とか、まさにシャア」
NOVA『あと、新5版の変化で、凄いなあと思ったのが、飛び道具だけで扱えた矢止め(デフレクト)が、接近戦攻撃や魔法に対しても扱えて、ダメージを減少したり、カウンターできるようになったことだ。つまり、マジックミサイルが飛んで来ても、拳で打ち返したりできる。武器が棍だったら、飛んでくる魔法をバットで撃ち返すようなプレイも可能。まさに野球拳的なキャラも作れる』
ゲンブ「接近戦の攻撃すら弾き返すことができるなら、まさに隙なしではござらんか」
NOVA『全体的に防御性能が上がって、バランスが良くなったって感じだな。その分、一部のピーキーな能力が控えめになった面もあるが、初心者でも扱いやすいクラスになったと思う』
②暗影門→影の闘士
ゲンブ「忍者的なモンクでござるな」
シロ「忍者なら、ボクも話に参加させてもらいます」
NOVA『正々堂々とした武闘家の開手門に比べると、影に潜んだりしながら隠密活動と奇襲に特化したモンクなんだな』
ゲンブ「盗賊とは何が違うのでござるか?」
NOVA『ローグの持つ急所攻撃は持たないんだ。だから、劇的にダメージが加算されることはないが、モンクは元々、連打が得意なので、ダメージは普通に高くなるクラス。弱点は、前衛キャラにしては打たれ弱いので立ち回り方に苦労する(足を止めての打ち合いではなく、ヒット&アウェイの戦場を駆け回る戦法を考慮すべき)職種だったのが、暗影門は隠れることで敵のターゲットを逃れ、ピンチになっても影渡りで瞬間移動できるから、生存率がかなり向上するわけだ』
シロ「盗賊の特殊技能(罠外しや解錠)なんかは持たないですね」
NOVA『盗賊の代役を務めたいなら、その辺の技能は背景を組み合わせて、習得することになるだろうな。モンクの推奨背景は〈医術〉や〈宗教〉の技能を習得できる隠者になっているが、犯罪者や浮浪者上がりの暗影門モンクなら、盗賊的な役割もこなせるわけだ』
シロ「犯罪者の中には、間者(スパイ)も含まれるのですね」
NOVA『犯罪者は、盗賊ギルドなどの裏社会のコネも持つから、その設定を影の僧院や忍者のネットワークと解釈すればいいわけだな。ともあれ、旧5版で面白いと思った暗影門の奥義が〈追い討ち〉で、影に潜んだまま近くの仲間の攻撃に自分の攻撃を加えることができる。つまり、ちょっとした連携攻撃なんだが、新5版からは消えたようだ。その代わり、〈影渡り強化〉で影がなくても瞬間転移できて、即座にボーナスアクションで攻撃ができる自己完結型の能力になった』
シロ「ああ、仲間と連携して、その影から攻撃……というのは、仲間がいないと使えない能力ですが、影の闘士はより孤立性が増して、一人で立ち回れるキャラになったということですね」
NOVA『元々、地味なのが暗影門だったが、強いかどうかで言えば、割と微妙。ただ、敵に回すと非常にウザい隠密キャラだったわけだが、戦闘員というより偵察キャラとして考えると、非常に有能なキャラなんだな。ローグは元々、仲間との連携ありきの戦闘を行うキャラだが、暗影門ニンジャは一人でも相応の戦闘能力を持っている偵察員として有能だと』
ゲンブ「レンジャーとは、どちらが有能でござるか?」
NOVA『呪文も使えて、いろいろ多様性に満ちた活躍ができそうなのはレンジャーなので、プレイするならそっちが楽しそうだと思う。暗影門モンクは、隠密と影渡りによる瞬間転移に特化しすぎて、それしか取り柄がないというか、逆に敵の魔法使いへの暗殺とか、人質救出とか、そういう仕事ではこれ以上ないぐらい大活躍する、と。60フィート(18m)の瞬間転移を何者の妨害も受けずに果たせるって、戦術的には非常に優秀なので、煙玉を投げて姿をくらまして背後に回るとか、いろいろ演出を考えたくなるのは確か』
シロ「同意です」
NOVA『問題は、そういう一つ覚え的な戦術しかできないので、2、3回楽しんだら、飽きるのも早そうだな、と。一芸特化なので、成長しても芸のヴァリエーションが増えないのと、一撃必殺大ダメージ的な派手な大技を覚えないのが、遊んでて面白くなさそうだな、と』
シロ「だから、忍者が派手でどうするんですか?」
NOVA『俺の好きな忍者はこれだからな』
NOVA『忍者って、隠れ忍ぶのも大事だけど、派手にアクション活劇でチャンバラするってイメージもあるのよ。暗影門って隠れることに特化しすぎて、アクション要素を引き立たせるような能力を持たないので、実用的なれど俺の理想の忍者とは忍者性が異なるんだわ』
③四大門→元素の闘士
NOVA『で、俺のお気に入りのモンクのサブクラスはこれ。拳で接近戦を行いつつ、元素魔法でいろいろと派手な術を行使する魔法拳士なんだが、どうもアメリカ人には人気があまり出なかったらしい』
ゲンブ「どうしてでござるか?」
NOVA『理由は2点ほど考えられる。1つは、モンクの拳の技と魔法の呪文が完全に別の要素で、モンクらしさを打ち消しているように見える点』
ゲンブ「魔法を使うモンクは、魔法使いであってモンクっぽく見えないということでござるか」
NOVA『2つめの理由として、本家の魔法使いと比べて、同じ効果の呪文に相当する技の習得が遅く、しかも習得できる個数が少なすぎる点。つまり、魔法使いとしても弱すぎる、ということだ』
ゲンブ「モンクとしても、魔法使いとしても、魅力に欠ける、と」
NOVA『パッとルールを読むと、〈不死鳥の猛火〉という名のファイアーボールを撃てるモンクって強くて、格好いい♪ と思うんだが、それができるのは11レベル。本家魔法使いのウィザードやソーサラーがファイアーボールを撃てるのは5レベルだからな。11レベルにもなれば、もっと強力なレベル5呪文やレベル6呪文が使える状況で、今ごろファイアーボールぐらいで喜んでもらってもなあ、という反応になる』
シロ「でも、攻撃以外の便利呪文が使えるキャラが増えるのは、パーティー全体のパフォーマンスにつながりませんか?」
NOVA『四大門モンクの元素技って、攻撃系がほとんどで、便利技がほとんどないんだ。レベル11で〈風乗り〉と言って、フライ(飛行)の効力を持った魔法を覚えるぐらい』
シロ「攻撃魔法メインなのに、その魔法がレベルの割に威力不足だ、と」
NOVA『だから、新5版の元素の闘士は、旧版とずいぶん変わった能力に改定されたらしい。まず、レベル3において、元素魔法の初級呪文を習得するようになり、しかも元素の力で素手攻撃の射程距離を10フィート(3m)分伸ばして、酸、冷気、火、電撃、雷鳴の属性を付与できるようになった』
ゲンブ「魔法的な飛び道具を拳から放てるようになった、と」
NOVA『あくまで、素手攻撃の延長なので、ダメージは素手攻撃と同じで、旧版みたいな魔法の呪文と同じ性能の拳技ではなくなった。例えば、旧版では〈蛇焔〉という火炎系の技を選んで習得したりしていたけど、これだと、その拳士は火炎攻撃しかできなくなる。火炎への耐性を持つ相手に、氷系の技を仕掛けるような柔軟さは持たないんだ』
ゲンブ「まあ、火炎使いが氷の技を扱うのは変という意見もあろう」
NOVA『しかし、仮面ライダースーパー1のように冷熱ハンドといって、右手から超高温火炎、左手から冷凍ガスを噴射できる拳士もいるし、ついでに彼はファイブハンドを換装することでエレキハンドという電気技を放つことも可能』
ゲンブ「つまり、新5版の元素の闘士は、より柔軟に元素の属性を切り替えて、拳から各種の技を使い分けることが可能になったでござるか」
NOVA『6レベルになると、元素に爆発効果を付与して、範囲攻撃ができるようになる。しかも、射程が120フィート(36m)に一気に伸びて、爆発範囲も半径20フィート(6m)だから、ほぼファイアーボールと変わらない扱いだな』
シロ「何となく、ギャラクティカ・マグナムっぽい拳技ですね」
NOVA『氷技だったら、キグナス氷河みたいなこともできる。そして、11レベルになると、風や水の元素の力を借りて、飛行と水泳の移動能力を得ることもできる」
ゲンブ「陸も空も海も自由自在でござるか」
NOVA『旧版は、空を飛べたけど、水中行動はできなかったからな。行動範囲が普通に広がったと言える。そして17レベルになると、以下の3つの特典が得られる』
ゲンブ「つまり、体を炎と一体化して、辺りを駆け回ると周囲の相手を燃やし、さらに目標の相手を攻撃すると、火炎ダメージの分がさらに加算される、と」
NOVA『凄いのが酸ダメージだな。D&Dにはアシッド・スプラッシュという酸ダメージを放つ魔法もあるが、酸を撒き散らして攻撃って、ほとんどヘドラみたいな感じだぜ。プレイヤーキャラクターの所業じゃないよなあ』
ゲンブ「旧版には、そういう拳技はなかったでござるか」
NOVA『なかったな。モンクの拳に酸の効果が宿るなんてのは、想像するとエグい』
シロ「主人公側が酸攻撃というのは、マジンガーZのルストハリケーンぐらいしか思いつきませんね」
NOVA『とにかく、魔法の呪文に類似した技の拳士である四大門と、魔法元素と自分を同調一体化させることで拳に属性を付与する系の元素闘士は、ずいぶんと異なるサブクラスになったという話だ』
ゲンブ「では、基本3門派の話はこれぐらいにして、次回は旧5版のサプリに収録されたモンク・サブクラスを見て行くでござる」
(当記事 完)