NOVA「う〜ん、こうやって全巻並べると、やっぱり壮観だなあ」
翔花「ねえねえ、NOVAちゃん。グランクレスト戦記って、どういうお話?」
NOVA「そうだな。俺の青春時代の思い出であり、人生の方向性を決めることとなった『ロードス島戦記』の作者、水野良氏が書いた最新作で、先日めでたく完結した。これで、作者も手が空いたので、ロードス30周年を記念して、パーンとディードリットのその後のストーリーを書いてくれるかもしれない。いや、ちょっとした願望なんだけどな」
翔花「う〜ん、私が聞きたいのはそういうことじゃなくて……」
NOVA「え? ああ、2013年末からプロジェクトが始まった『グランクレストRPG』という文庫版TRPGがあってだな。その原作というか、企画は同時並行なんだがな、とにかく小説版のメインエピソードとなった大河戦記小説だ。2013年8月からスタートし、今年はアニメ化もされて、現在、水曜の深夜に放送中だ。俺は春期講習の時期辺りで見るのを断念して、そっちはもういいや、と思っているけどな。原作は連休前に読み終わった。で、早く感想を書かないとって思っていたわけだが……」
翔花「そうね。早く書きたい、でも、なかなか書けない、どうしよう? ってオーラが翔花にも感じられたよ。思い込んだら一気に突っ走りがちなNOVAちゃんにしては、珍しいなって思ってたんだ」
NOVA「いや、これ。本当はな。最近、特撮掲示板に飛び込んで俺をマジギレさせた流の字の奴と、メールで話すネタにしようと思ってたんだ」
翔花「え、あの翔花の名前を間違えて、しかも、たった100回の書き取りさえできなくて、呆れられた人? 今どきの小学生だって、それぐらいの書き取りは毎日やっているよ」
NOVA「ああ、俺たちの時代は、漢字300字、ノート2ページ分が毎日の課題だった。次の日に提出しないと、罰として、倍に増えて600字。それが溜まりに溜まって、6000字ぐらいに達した結果、黒板の隅に栄誉を称えて名前が書かれ続けた『伝説の勇者T』のエピソードもあってな。さすがに授業参観の時は恥ずかしいので、教師の慈悲で消されたけど。とにかく、『6000字の男T』の知られざる逸話は、いつかどこかで語らねばなるまい、と思っていたが、それがちょうど今だとはな。これで、Tも悪霊にならずに済んだわけだ。良かったな、T。今、何をしているか分からんが、もしかして、このブログを読んだりしていたら笑える」
翔花「そんな、Tさんの話はどうでもいいから、グランクレストよ。そっちが大事でしょ?」
NOVA「おお、そうだ。グランクレストは無茶苦茶、大事。もちろん、ロードス程じゃないけどな。それでも大事だし、旬の話題だから、正月に流の字に話を振ってみたわけだ。『お前、昨年の夏にこっちが愛想を尽かして、絶縁宣言したら、その後、たささんにも付きまとって、結局、愛想を尽かされたのかよ。で、正月挨拶を名目に、俺にメールを出してきた、と。正月挨拶というめでたい場だから、邪険にはしないがな。しつこいのは勘弁してくれ。俺は忙しい。どうしてもって言うなら、お前も昔、TRPGをやってたんだろう。当然、グランクレストは知ってるよな。昔、元SNEの水野さんと元FEARの矢野さんのコラボってんで、お前も話題に出して、それっきりだが。お前、自分で話題に出したことをすぐに忘れて、ちっとも話が深まらないので話し甲斐のない奴だと思ってたんだがな。お前に付き合うのは俺のメール説教タイムになって、その癖、お前はちっとも学ばなくていい加減うんざりだから、飽き飽きなんだ。それでも、俺は今、グランクレストの話に付き合ってくれる相手なら、歓迎している。それ以外の話は、お前の受け答えがスカスカで、つまらないから遠慮させてもらう。グランクレストの話に限り、こっちは相手するつもりだ』って文意で、返事したと思ってくれ」
翔花「文意ってことは、そのままの文章じゃないってことよね」
NOVA「ああ、ここの読者向けのあらすじみたいなものだ。一応、彼とのメールでは『ぼく、時々、自分』『あなた、時々、君』で通してきた。White NOVAが一人称、『俺』を使うようになったのは、翔花と掛け合いするようになってからさ。まあ、こっちもハードボイルドのキャラ付けで行きたかったし、リアルの日常会話では『俺』とか『うち』とか状況次第でいろいろ使ってきたからな。ただ、掲示板なんかでは、これまでの人付き合いもあるので、今まで通り『ぼく』で行くって話はしたと思うが」
翔花「今は、ここでのぼく口調はKPちゃんだけどね」
NOVA「ケイPは、35年前の俺、つまり自称・秀の魂も宿しているからな。とにかく、流の字くんには、上述の内容を返信したわけだ。正直言えば、前みたいに延々と付きまとわれて創作話だけでなく、メールで個人的な相談事を持ち込まれるのは辟易していたし、あいつは自分で持ち込んだラーリオス企画を投げ出して逃げた無責任な男だからな。まあ、彼の責任をとれない心理的な事情はこっちも把握しているから、そのことで責めるつもりはない。いずれにせよ俺と彼の縁は、ラーリオス企画が終わった時に切れている。それ以降は、別々に生きて行くはずだったんだ」
翔花「それなのに、どうしてNOVAちゃんに絡み続けるのよ」
NOVA「寂しいんだろうさ。何だかんだ言って、俺はあいつの話を真面目に聞いてやった数少ない男になるみたいだしな。俺は仏を目指して修行したりもしてきたから、『悪縁もまた、これ縁なり』と割り切ることができるわけだし、ちょっとした精神修養なら心得ている。それと正直、あいつを見てると、中学時代の未熟な俺を見ている感じがしてな。『転校生』というハンドルをあいつが使っていた経緯もあって、『教師のNOVA』『仏教徒のNOVA』は見捨ててポイって反応は、簡単にはできない」
翔花「それは私も分かるけど、ペットの躾は最初が肝心よ」
NOVA「いや、ペットじゃないだろう」
翔花「じゃあ、何?」
NOVA「う〜ん、弟子ではないんだよな。俺の弟子は、金払って俺の授業を聞いてくれる教え子だし、仮に創作の弟子だったとしたら、グランクレストの話に付いて来なかった時点で、破門だ。時流を読むセンスが全くないことを証明したわけだし」
翔花「ああ、NOVAちゃんが話題にしたいネタに乗って来なかったのね。せっかくのチャンスを棒に振ったわけだ。だから、翔花のファン第1号になるチャンスも見逃したのも、納得できるところね」
NOVA「ああ。俺の人生経験で言えることだが、人間、等しくチャンスは与えられていると思うぜ。ただ、ここぞという時に、そのチャンスに手を伸ばして、しっかりつかめる者と、チャンスが与えられても応じない鈍感だか不運だか、とにかく残念な奴ってのがいるんじゃないかな。まあ、せっかくチャンスをつかんだのに、諸事情で維持できず、それでももがき続けて、せめて実力だけは伸ばそうと頑張り続ける『努力』と『気合』と『根性』の塊みたいな俺もいるんだがな」
翔花「まるでスーパーロボットのパイロットみたいな精神コマンドね」
NOVA「それがダメなんだ。『必中』がないから、的を定めても攻撃が当たらない」
翔花「だから、グランクレストの話をするはずが、違う話になっちゃうのね。つまり、アレよ、アレ」
NOVA「アレとは?」
翔花「スペシャルDXゴールデンデリシャス……」
NOVA「そ、それ以上言うな。言ったら……」
翔花「言ったら?」
NOVA「自爆」
ドカーーーーーーンッ。
前書き終了
煙が晴れて、中から男が一人。
NOVA「ふう、死ぬかと思ったぜ」
翔花「一体、何やってるのよ。本当にびっくりしたんだから!」
NOVA「フッ、翔花。何年、俺に付き合っているんだ。俺があんなことで死ぬはずが……って、痛い痛い、こら、ムチでペシペシ叩くな。そこはポカポカ駄々っ子パンチをするとこだろ」
翔花「もう。バカバカバカ。NOVAちゃんと付き合って、まだ一年にもなってないのよ。先日、一月めの誕生日を祝ってもらったばかりじゃない。今、ここでNOVAちゃんが死んだら、私と、このブログはどうなるのよ」
NOVA「フッ、その時は翔花、お前がこのブログを引き継ぐんだ。俺がいなくなったら、お前に、2代目White NOVAの称号を捧げよう。そして、この空想(妄想)タイム、いや、ホビー館帝国が5万人の人口を誇る大帝国となり、20年を経て、俺はそれまでに時間を旅するアーティファクトを手に入れ、時間を飛び越え、3人のWhite NOVA継承者を手助けしたとき、ダイナストとしてイモータルへの道を達成することができるのだ」
翔花「それ、どこのクラシックD&Dの話よ」
NOVA「いや、GTライフで最近語った話。20年だぜ。ホビー館は2000年スタートだから、あと2年とちょっとで、条件その1は達成できるんだ。ネットのサイトで人口5万人が何を意味するかは分からんが、訪問客のカウンターなら、とっくに5万人は達成できてるんじゃないかな。いや、カウンターは停止したから、定かじゃないが。1日10人の客がいれば、1年間で3650人。10年で3万6500人。15年で5万人越えは可能という計算になる。まあ、そういう皮算用が成立するかはデータを検証しなければならないが、主観的手応えでは、達成していると考える」
翔花「細かい計算はよく分からないけど、とにかく凄い自信ってことね。NOVAちゃんがそれで納得するなら、私は反対しないけど」
NOVA「元々、ネットのサイトで累計5万人の客人来訪って条件が、俺ルールだからな。そして、ルールを裁定するDM役も俺。元々、仮想ゲームのネタなんだから、俺が納得できれば十分じゃないか。反論があるなら、誰か俺をプレイヤーにして、DM役を務めてくれ。そうすれば、DM裁定には従うさ。俺は場のルールを尊ぶ男だからな。ローフルグッドのパラディンの役割演技もこなした男だぜ」
翔花「うん。NOVAちゃんの正義感や、掟に従う裏稼業・必殺魂は疑わないけどね。それでいて、情に甘いおっさんだってことも」
NOVA「中村主水に憧れる男だからな。後継者を期待されたジャニーズには憧れないが」
翔花「じゃあ、後は時間旅行か。NOVAちゃんなら可能かもね」
NOVA「お、珍しいリアクションだな。どうして、そう思う?」
翔花「だって、NOVAちゃんは、普段から時空魔術の使い手だって言ってるじゃない。未来へ飛ぶ研究だって、実現に向けて頑張っているんでしょ?」
NOVA「ああ、先日、いい検証データが手に入ったからな。過去から現代へ秀が来ただろう? 過去から現代へ来れるということは、現代から未来へ行くことも可能という理屈になる。理論上は、過去に戻ることよりも簡単なはずだぜ。この平成NOVAが未来の俺か、末代のNOVA後継者に召喚されて、彼らを助ければ、そういうことが3回あれば、イモータルになる条件を達成可能という寸法だ。TRPGの世界じゃ遠い夢だったイモータルの座が、インターネットの世界ではもうすぐ手が届くところに来ているのだぞ」
翔花「つまり、翔花が成長して、White NOVA2世を襲名して、まずは平成NOVAちゃんを召喚。その後、翔花の次のNOVAN3せ〜いになって、ガンマンと斬鉄剣の剣豪と、不二子ちゃんを仲間にしたりしながら、銭形の父ちゃんに追われている途中で、平成NOVAちゃんを召喚。その後は、NOVA4世の時代になって、ええと、誰か4世でいいキャラいる?」
NOVA「歴史人物なら、モスクワ大公にして初代ツァーリの称号を持つイヴァン4世が有名だがな。あ、これもNOVAN4世に置き換え可能だが、大変苛烈な暴君だと評判だ。あまり、自分の後継者に認定したくはないよなあ。ランカスター王朝最初のイングランド王ヘンリー4世ってのもいるが、歴史人物ネタだといまいち地味だよな。俺はその辺の話も好きだが、息子のヘンリー5世の方が、ジャンヌ・ダルクの敵役という意味で有名だと思う……って、いつまで無駄話をダベっているんだ、俺たち? 英仏百年戦争の話じゃなくて、グランクレストの話をするんじゃなかったのか?」
翔花「本当に長い前書きだったね」
ようやくグランクレスト(待たせてゴメン)
NOVA「大幅に寄り道、回り道をした気分だが、ここまで読んでくれた読者には申し訳ない。一応、小見出しだけ飛ばし読みした読者のために、ここまでの概要をまとめると、次の3点だ」
- グランクレスト戦記は、ロードス島戦記と縁深い小説である。
- NOVAと腐れ縁の某氏は、グランクレストに関心を示さなかったせいで、NOVAの創作の弟子というか、知人以上友人未満な曖昧な立場から破門された。それなのにNOVAの関心を惹こうと、いろいろ積極的に、それでいて間違ったやり方で接触を試みて、NOVAのストレスを貯めている。月一度のメール交流だけで我慢しておけ。あるいは、ブログコメントぐらいなら応じるぞ。何にせよ、TPOはわきまえて、自爆テロのような突撃はしてくるな。どうして、場に合わせた普通のコミュニケーションが取れないんだ、貴殿は。自らネタになって、笑いを取るためか。それ程までに自爆芸人の称号が欲しいのか。
- NOVAのサイトであるホビー館は、東京オリンピックの年に20周年を迎えるので、それに向けてNOVAはクラシックD&Dのイモータルネタも絡めて、なおも頑張る決意をした。NOVAがここまで頑張って来れたのは、元を正せば、クラシックD&Dとか、ロードス島戦記の影響が大きい。TRPGとの出会いで、文章執筆やコミュニケーション手法、物語鑑賞論など、今のNOVAを構成する多くの資質が芽生え、成長する縁となった。
翔花「凄い。何だか延々と関係ない話を続けているように見えて、こう、まとめて見ると、全てグランクレストとかロードスにつながっているよ」
NOVA「俺の中では、全部つながっているんだよ。ただ、周辺部分をかすめるだけで、的になかなかHitしないだけで。これがブログじゃなければ、ここまでの文章は全部カットして、スタートに戻るところだけど」
翔花「ねえねえ、NOVAちゃん。グランクレスト戦記って、どういうお話?」
NOVA「うおっ、時間が巻き戻った? 翔花、お前、いつの間に時空魔術を習得したんだ?」
翔花「いいえ、時空魔術じゃないし。時間は戻ってないし。単に話を戻しただけだし」
NOVA「つまり、これまでの寄り道・脱線は並列世界の異なる時間軸ということだな。そうか、だったら過去に戻ったつもりで、やり直そう。最初に用意したグランクレストの大まかなあらすじ原稿はこれだ!」
灰色の魔女カーラに導かれた英雄ベルドは、紆余曲折の末、故郷の島マーモの支配を成し遂げ、やがて暗黒皇帝の称号を獲得するようになる。
その後、ロードス全土の覇権を巡っての大戦に挑むが、そこに砂漠の英雄王カシューが現れ、死闘の末に撃退され、覇道の夢は果たせないままに終わる。
ロードス統一を志した英雄ベルドの想いは、やがて後を継ぐ者に託され、新たな物語を紡ぐこととなる。
翔花「あれ、これって?」
NOVA「あ、間違えた。そっちはロードスの原稿だった。グランクレストの原稿はこっちだ、こっち」
虹色の魔女シルーカに導かれた君主テオは、紆余曲折の末、故郷の島システィナの解放を成し遂げ、やがて始祖皇帝の称号を獲得するようになる。
その際、アトラタン全土の統一を巡っての大戦に至るが、そこに砂漠の覇者王ミルザーが立ちはだかり、死闘の末に撃退され、覇道の夢は果たせずに終わる。
アトラタン統一の証である皇帝聖印(グランクレスト)を発現させたテオの想いは、やがて後を継ぐ者に託され、テオ自身はシルーカと共に故郷の島で幸せな隠遁生活を送る。混沌と魔術の失われた大陸で、新たな物語が紡がれるかは分からない。
翔花「え〜と、これって大体、同じ話じゃない? 固有名詞と、最後の展開が違うだけで」
NOVA「ああ、グランクレストはロードスの作者の手によるセルフオマージュ的な要素も備えているわけで。物語のヒロインのシルーカが、第1巻の『虹の魔女シルーカ』というタイトルのおかげで、ロードスの第1巻『灰色の魔女』との類似を指摘されてはいたが、まあ、彼女の性格はカーラとは異なるし、皇帝となるテオも、ベルドとは真逆の性格のため、途中の展開は大分、変わってくる。だから全く同じストーリーというわけじゃないけど、アンチテーゼ的な読み取りをすることは可能だ」
翔花「アンチテーゼって?」
NOVA「対立命題。元となった作品や主張とは、逆の立場や真逆の展開なんかを示し、好対照となるもの。つまり、裏ロードス的な物語としてグランクレストを読むことも可能だ、と」
翔花「NOVAちゃんは、そういう風にグランクレストを読んでいたの?」
NOVA「いや。途中で、砂漠の覇者としてミルザーが出てきたときは、ああ、こいつはカシュー王の悪役バージョンだなあ、と感じたけど、テオの性格が信念を持った純朴な若者で、ベルドよりはロードス主人公のパーンに近い。テオがベルドの立ち位置に相当する、と考えたのは、故郷の島を取り戻す流れと、シルーカがカーラなら、やはりテオはベルドだろう、というキャラ配置ぐらい。まあ、パーンがもしもベルドの立場だったら、というIF戦記っぽい読み方もしていたかな。あるいは、テオをロードス後期の主人公スパークのように考える向きもあるけど、それならシルーカがカーラではなくて、カーラの依代だったレイリアの娘、小ニースとして見ることになって、いまいち繋がらないなあ、と感じる。まあ、カーラの要素はまた、最終巻で判明するんだけどな」
翔花「う〜ん、スパークとか、カーラとか、小ニースって言われても、私にはよく分からないよ〜」
NOVA「俺の今の説明は、ロードスの物語をすでに知っている人向きだからな。ロードスファンだった人は、今からでも遅くはない。グランクレストを裏ロードス、ロードスのアンチテーゼとして読むと、なかなか面白いぜ、という宣伝活動も意図しているわけだ」
翔花「今までは、ずっと何も言ってなかったのに」
NOVA「というか、グランクレストの展開期間は、ここのブログの休載期間と大体かぶるからなあ。ブログ復活の時期と、グランクレスト小説完結、そしてロードス小説30周年というメモリアルイヤーがたまたまかぶった今だからこそ、いろいろ書きたいわけだ」
翔花「ロードス島の話はして来なかったの?」
NOVA「直接的にはな。SNEとの昔の仕事の件をどういう風な距離感で書くか、なかなか見えて来ないで踏ん切りがつかなかったこともある。一つ掘り下げると、どこまで自分で書いてしまうか、自分でもブレーキが掛けられなくなりそうで怖い。まあ、いい思い出だけなら楽しかったで済むんだけど、下手に書くとネガティブな鬱屈したものが込み上げてきそうで、そういうのを外に示すのは、自分が下劣な人間になるようで、プライドが許さないというか、何らかの形で昇華できるようになって、初めて出すべき情報だと思った。自分で自分の話がコントロールできなくなると、関係者にも迷惑を掛けることにもなり兼ねないし、そういう嫌な奴にはなりたくなかったんだな。だけど、過去記事を振り返ると、ロードスを直接書かずに、周辺部を探る形で書いたものはある。例えば、これだ」
翔花「2009年2月5日ね。ドラゴンランスがいっぱい」
NOVA「10年近く前に、ドラゴンランスについて懐かしい気持ちで書いて、また最近、ドラゴンランスとかロードスのことを、いろいろ吹っ切れた気持ちで書けるのは嬉しいね。ただ、グランクレストのことを書かないといけない記事なのに、やっぱりロードスとかに戻ってしまうのは、どうかと思うけどな」
翔花「そっちが心の故郷だからじゃないの? グランクレストが、その発展形であり、アンチテーゼと言うのなら、まずは土台から書いてみたらいいと思うんだけど」
NOVA「それをすると、本当に30年前から遡らないといけなくなって、記事一つじゃ収まりそうにないからな。まあ、俺にとっては、今からグランクレストが売れることよりも、『せっかくの30周年なんだから、ロードスの新作も作りましょうよ』と企画が進められていて、『じゃあ、そうしましょう』と水野さんが了解して作品発表したところ好評を博し、『やはり、時代はロードス復活を求めています』という流れになって、『ロードス島NEO』とか始まってくれたら、NOVAハッピーになれるんだけどなあ」
翔花「ロードス単独じゃなくて、グランクレストとのコラボってのは?」
NOVA「それがPS4のゲームなんだろうな。ロードスの主人公カップルのパーンとディードリットがおまけで登場するなんて、40代の往年のファンを狙っているとしか思えん」
[rakuten:wondergoo:10212629:image]
翔花「NOVAちゃんは買う気あるの?」
NOVA「ないよ。別にパーンやディードリットというキャラにこだわりがあるんじゃなくて、ロードスの世界や物語の方にこだわりがあるから。テオがベルドのコスプレをしたり、シルーカがカーラに取り憑かれたりしたら、感じ入るものもあるが」
翔花「だから、カーラって誰よ。私、まだ聞いてない」
NOVA「灰色の魔女カーラを知らずして、ロードスは語れないだろうが」
翔花「さっきから、ロードスのことを熱く語っているのは、私じゃなくてNOVAちゃんよ。もう少し詳しく」
NOVA「ロードスのカーラは、グランクレストにおいてパンドラとして復活した」
翔花「え、パンドラってパンドラボックス? 我が名はベルナージュ、火星の王妃なり?」
NOVA「いや、グランクレストの古代文明が実は科学の発展した文明でな。もしかすると、火星にまで人類は進出していたのかもしれんが、進化しすぎた科学のせいで滅亡の危機を迎えた」
翔花「あ、それ知ってる。最近、出てきたエボルトって奴でしょ。万丈と一体化した奴」
NOVA「あのな。ビルドの話じゃなくて、グランクレストな。最後の最後で分かる重要なネタバレなんだ」
翔花「パンドラとか、進化しすぎた科学とかが? だったら、ビルドの世界の遠い未来がグランクレストってことも有り得るじゃない」
NOVA「有り得る……かなあ。本当にそうだったら、俺は水野さんを今の倍ぐらいは尊敬するぞ。とりあえず、グランクレストのパンドラは、暗躍する悪の秘密結社の呼称なんだが、裏切りの魔法師集団だと思われていた彼らが、実は魔法師協会の隠密下位機関だと分かって、君主VS魔法師の全面対決に情勢が動くところで9巻は終わり、10巻はそのアトラタン世界の未来を掛けた大戦の結末、世界に隠された秘密の公開、そして皇帝聖印を誕生させるためにテオたちが選んだ運命の選択などで幕を閉じる」
翔花「う〜ん、分かったような、分からないような」
NOVA「分かってないんだろうな、その反応は。じゃあ、ロードスのカーラから改めて説明しておくか。何故、彼女が灰色の魔女と呼ばれているか分かるか?」
翔花「ええと、苗字がグレイさんだから? 本名アン・カーラ・グレイとか?」
NOVA「そりゃ、クラシックD&Dコンパニオンルールの編集者の名前だ。いや、ミドルネームのCがカーラなのかどうかは分かっていないが、何でお前がGTライフのそのネタ分かっているんだよ。有名なカーラのことを知らないのに、よりマイナーなそのネタを知っているなんて、絶対おかしいだろうが」
翔花「いや、私、NOVAちゃんマニアだから。NOVAちゃんがブログで最近、書いた文章はしっかりチェックしているの。だけど、NOVAちゃんはブログでカーラのことを書いていない。だから分からないのよ」
NOVA「それぐらい、ネットで調べろよ。お前だって精霊ネットが使えるんだろう?」
翔花「分かってないなあ、NOVAちゃんは。NOVAちゃんマニアは、そんな世間一般に流布している普通の説明じゃなくて、NOVAちゃんが常識通念に対して、どんな奇妙な解釈を施して、それでもちゃんと筋が通っていて、思わず納得してしまうような離れ業言霊芸に期待しているのよ。きっと、流の字さんも同じ気持ちで、NOVAちゃんに付きまとっているんだわ」
NOVA「それは違うと俺は断言する。あいつがそこまで俺のファンだったら、俺も慕われて悪い気はしない、むしろ不器用だが可愛い奴と感じる時期もあったんだが、あいつは俺の文章の追っかけはしないで、ただただ自分の暇つぶしの話し相手を求めているだけなんだ。自分の話を真面目に聞いてくれるなら、相手は誰でも良かったんだよ。別に、俺の文章が目的じゃなくてな。あいつは自分の理解者が欲しいだけで、俺の理解者にはなろうとしない。そこまで自己中な奴だから、自分のことしか見えていなくて考えていない奴だとメールでさらけ出したから、呆れついでに怒ったんだ、俺は」
翔花「何それ。つまり、私はあなたのことを好きなのに、あなたは私のことを私ほどに想ってくれない。そういう恋愛感情の行き違いみたいなものじゃない」
NOVA「いや、恋愛に例えるな。気持ち悪い。そうだな、ここは創作家のプライドみたいなものか。基本的に創作家は自分の作品を読んで欲しいものだし、自分の内面世界や芸の披露が他に例を見ないほど個性的で、面白い特別なものだと考えがちである。それはいいな」
翔花「うん、要は自己主張とか自己アピールをして目立ちたいんだよね。自分のパフォーマンスを誰かに見てもらいたい。そして、できれば称賛して欲しい。そこまで行かなくても、誰かに自分を見ていてもらい、正当な評価をいただきたい。そんな気持ちだね。私もそんな気持ちをNOVAちゃんに感じているから、よく分かるつもりだよ」
NOVA「ああ、そして創作家の友人同士なら、相手の作品はチェックして、たまにエールを交換し合うのが常識なんだ。少なくとも俺の知る限りじゃな。互いの最近の作品を批評し合って、良好な関係を保つ。これも社交の一つだな」
翔花「じゃあ、NOVAちゃんは流の字さんの作品を評価したの?」
NOVA「当たり前だ。ラーリオス企画という形で、共同企画を進めていた時は、あいつの提出した小説を何度も何度も読んだ。少なくとも、長所や欠点を分析し、推敲し、どうすれば改善できるか指導できるくらいにはな。もしかすると、その時期は、あいつ以上にあいつの作品を読んでいたかもしれない。あいつは基本、書いたら書きっぱなしで、ろくに自分の文章の誤字脱字を直すこともできない、それでいてプロを目指すと夢見ている自己客観視のできない夢想家だからな。せめて論理的思考力とか、他人に対する共感力とか持ち合わせていればコミュニケーションが取りやすかったんだが、あいつは現実が見えず、自分の内面世界の夢想だけに耽溺する未成熟な若造だったんだ。そして、中学時代の俺が正にそんな感じだから、分かったんだよ。あ、こいつは育つ機会から逃げまくって、後ろ向きに、ネガティブになった『俺の別の可能性、アンチテーゼだ』ってことにな」
翔花「つまり、ブラックNOVAちゃんってこと? その流の字さんは? だったら興味出てきたな」
NOVA「やめておけ。あいつは俺の核になるもの、長所になるものを持ち合わせていないことが分かったから」
翔花「何それ?」
NOVA「自分を世話してくれる周囲の人への感謝の想いだよ。あるいは、自分も楽しく周囲も楽しく、というサービス精神とか。自分は一人で生きているんじゃない、だから自分の役割、責任を果たすことで、社会に自分の居場所を見出だして、人を助けられる、喜ばせられる自分を目指すこと。そこが根本的に欠けている。まあ、それは過去からのいろいろな体験の蓄積だからな。身に付かなかったことを今さら、どうこう言っても始まらねえ。だがな、人はいくつになっても、志や目的意識さえあれば、少しずつでも成長していけるんだ。だから停滞していた自分を今からでも改善できるか、それとも今からの意識改革に目を背け、過去を抹消してIF世界の自分をひたすら夢想して現実逃避だけに浸るか、どっちを選ぶかで今後の人生が決まるんじゃないかな」
翔花「そこまで、NOVAちゃんは相手のことを見ているんだ」
NOVA「見えちゃうんだ、仕方ないだろう。もちろん、こちらの思い込みや勘違いの可能性もあるし、あいつの書く文章は断片的で、曖昧なものが多いから、解釈に迷うし、それでも書いた作品を何本か真剣に読めば、あいつの人となりとか想像つくし、底の浅さも最初の数年で分かったわけだ。それができずに文章批評なんてできないし、テキストさえ与えられれば、ある程度の書き手の内面の推測ぐらいは可能だ。もちろん、そいつが多重人格か何かで、文章に見せる自分と、隠している自分が全然異なっている場合は除くけどな。おそらく、俺の心理分析を試みる人間は相当、苦労するんじゃないか。まあ、俺はソーラーNOVAとか、ルナーNOVAとか、多数のキャラ分けで説明しているんだけどな。自己矛盾を起こさずに、自分の中の自分を制御するのは我が事ながら相当の難事だぜ。だから、自分を縛る規範を用意して、そこを基盤にアイデンティティ構築しているわけだ。割とロールプレイの役割演技で自己を保っているところがある。そうじゃないと無軌道に何をしでかすか分からない暴走野郎になって、人付き合いなんてできなくなるからな」
翔花「NOVAちゃんは結構、感情移入するタイプだもんね。それだけ、いろいろな人の心に敏感に、受け入れちゃうところがあったんじゃないかな。だから、受け入れた分、自分を制御できなくなっちゃうとか」
NOVA「だろうな。だから、ある時から何を受け入れ、何を受け入れないかは、自分で取捨選択するようになった。自分にプラスになると考えるものは積極的に受け入れるし、そうでなければ積極的にスルーする、寄らば斬るぞって感じだな。まあ、わざわざ他所にまで遠征して、マイナスを斬りに行くほど暇ではないが。昔ならいざ知らずな。若気の至りって奴だが、隠密人斬り侍ごっこはネットを始めた初期の遊びだったな。すぐに虚しくなってやめたが、議論研究にハマったのは大体その時期辺りだな。何だか、自分が剣豪になった気分で無双体験を味わったり、自分と同格あるいは格上の論者に出会って、なかなかやるな、こいつ、どうすれば上手く切り抜けられる? このまま戦い続けるか、それとも互いに鞘を収める流れに持っていけるか、尻尾を巻いて捨てゼリフ残して言葉だけ勝ち誇って逃走ってのは格好悪いしな。和解に持ち込むのも技量のうちよ、とか、あれこれ修行したりもしてな。まあ、その時の経験も、創作の糧になっていると言えば、なってるな。2ch様々だぜ。表の顔のWhite NOVAと、裏での匿名論者。ネットにハマった人間なら誰でも辿った道じゃないかな、とは思うが、普通はこんなこと、なかなか公開しないから。せいぜい匂わす程度。過去ログ探せば痕跡ぐらいは見つかるかもしれないが、これがNOVAだと特定するのは難しいだろうな。念のため、TRPG関係には、ほとんど書き込みしてない。特撮もな。表ではほとんど見せていない方面ばかり、裏では遊んでいたから、たぶん、この発言がWhite NOVAだよって種明かししても、信じないと思う。あえて、ヒントを出すなら『今みたいな俺口調』だな」
翔花「出たわね、NOVAちゃんの自分語りモード。流の字さんには、そういうことを話したりしたの?」
NOVA「してねえよ。あいつは基本、単純な人間だから、表と裏もないし、他人の複雑な内面を受け止めるほど、人間的器が大きいわけじゃねえ。そういうのは、この間、直接会って確認した。まあ、基本、あいつはストレートないい奴だよ。俺よりよほど真っ直ぐだ。真っ直ぐなんだけど、やり方が下手だし、技術も伴わないのに自分を過大評価しがちな面と、それでいて自信のなさが同居して、一見複雑に思えるがな。難点は、短絡的なのと検証抜きの思い込みで歪んだ正義を振りかざして、年甲斐もなく特攻かますところがあるから、そこは力づくでも抑え込まないと、あいつが自爆する。こっちは危険を察したら、見捨てればいいだけなので、割り切った方が楽なんだけどな。自爆を思い留まらせて、真っ当に生きさせる方が相当困難なミッションだ。だから、俺の前でバカやったら、多少は時間を割いても道理を正すのが俺の仕事だとも思っている。だけど、そればかりだと俺のやりたいことができないし、俺の人生は俺のものであって、あいつのためにあるんじゃねえ。だから、あいつのペースでなく、俺のペースに合わせてもらう必要がある。俺の言葉が欲しければ、俺のブログの文章を何度も読み込むべきだ。あいつを意図した文章も、一般論の形をとって、結構書いているつもりだし、決して、あいつをスルーしているわけじゃないことは、ちゃんと読めば分かるはずだ。あいつに必要なのは、自分の話をTPOわきまえずに、公開された場所で自分のプライベートまでコントロールできずにさらけ出す危険を冒すことじゃなくて、まずは人の気持ちを受け入れられる自分になることだと思うぜ。自分に向けられた文章に気づかずに、読み込まずにスルーしちまう奴が、他人に自分の文章を読ませようと、相手の関心を惹こうとバカな言動を繰り返すのは、あいつの言葉を借りれば『傲慢で滑稽』なんだと考える。おそらく、俺は今の日本、いや世界で一番か二番か三番ぐらいには、あいつに接してきた人間(身内を除けばだが)だと自負するし、これ以上を求めるなら、先に『もっと内面が豊かな話し甲斐のある人間に育て』と言わざるを得ない。こっちにメリット(こちらの欲しいものを的確に察して用意するとか、掲示板で真っ当に振る舞うとか、周囲を明るく盛り上げるとか、鬱屈した感情を所構わずばらまかないとか、俺のブログのプラス方向のネタになるとか)を普通に提供して、WinWinの関係を構築できるようになっていれば、いい人間関係を築けるはずさ」
翔花「う〜ん、NOVAちゃんにそこまで言ってもらえるなんて、私は流の字さんに嫉妬しちゃうな。これでもNOVAちゃんを困らせるようなら、私、絶対に許せない。来年は花粉症バスターで涙目浄化OKにしちゃうんだから」
NOVA「ああ、それだったら共通話題ができるかもな。『花粉症で苦しみながらも、それを明るく笑ってネタにする友の会』略してカフトモとか」
翔花「カフトモ! ええと『花粉症ガール、友の会』でも行けるよね、それ」
NOVA「ああ、今、検索したら、株友達のカブトモはあったけど、寡婦友達とか、カフェ友達はありそうだけど、カフトモはないな。何だかフトモモっぽくて萌える」
翔花「何、変なオチつけてるのよ。NOVAちゃんが、人間の女性に興味がないのは、先刻承知なのよ」
NOVA「それと、フトモモは話が別だ。俺は脚フェチを公言して恥じない男だからな。女性ライダーにライダーキックを受けたら、間違いなく爆死する」
翔花「女性ライダーじゃなくても、ライダーキックを受けたら、普通は爆死するわよ。花粉症ガールみたいに物理攻撃無効属性でも備えていたらともかく」
NOVA「あるいは、俺みたいに瞬間移動で回避するとかな。だけど、相手が女性ライダーだったら、脚に見とれて回避できない自信はあるぜ」
翔花「そんなのは自信とは言わない。でも、いいことを聞いたわ。NOVAちゃんは女性の脚に弱い。今度、特訓して翔花スーパーイナズマキックを生み出さないと。KPちゃんにも何とか電撃技を習得させて、私は何とか飛行能力を身に付けて、合体攻撃で邪悪なNOVAちゃんを仕留めないと」
NOVA「ちょっと待て。俺のどこが邪悪なんだ」
翔花「ネガティブオーラ全開なオシマイダーみたいな人についついかまけてしまって、肝心のグランクレストの話題が蔑ろになってしまうところよ」
NOVA「そうだった。俺は流の字に説教している暇はなかったんだ。それよりグランクレストとロードスの話が大切なんだ。俺からグランクレストとロードスの話をする時間が奪ったあいつが憎い」
翔花「それは、どう考えても逆恨みだと思うけど、さあ、どうするの、NOVAちゃん。このままだと、このブログを読んでいるロードスファンやグランクレストファンの皆さんの怒りが誰に降り注ぐか分かったものじゃないわよ。NOVAちゃんはもちろん、自分の身は守れるだろうけど……」
NOVA「ああ、当然、流の字に向かうだろうな。しめしめ、いい気味だ」
翔花「こらこら、悪霊退散。久々の花粉症バスター!」
NOVA「ハックション。ハッ、俺は一体、何を? ああ、流の字、すまん。俺の時間を、お前のペースで邪魔をするというのはこういうことだ。俺の邪魔をする奴には、不幸が降りかかる。どうも、そういう運気が昔からあるみたいなんだわ。俺がラッキーなんだか、俺の厄が全部、俺の邪魔になる奴を排除する方向で動くのかは知らんが、これが天の道だというなら、まあ、あまり俺の邪魔をしない方が賢明なんだろうな。俺はお前がこれ以上、ネガティブオーラに苛まれて、リアルオシマイダーになる姿は見たくない。あ、オシマイダーというのは、今のプリキュアの敵役な。結構、身につまされる話なので、自己客観視のトレーニングのために見ておいたほうがいい。『ハハハ、今の私はオシマイダーになることはありませんよ。NOVAさんも心配しすぎだなあ。その節はお世話になりました。もうロンリーな自分はオシマイダーです。論理的に生きますよ』ぐらいの気の利いた返し方ができれば、十歩成長と言えるぜ。もう、お前は一歩成長コツコツと、じゃ遅い。十歩成長して大器晩成した姿ぐらいは見せてくれ。それじゃないと、この十年が無駄になる。俺は寄り道は好きだが、寄り道からも何かをつかみ学ぶ男だからな。無駄な寄り道じゃなかったと思わせてくれ」
翔花「結局、こういうことね。げんとくんよりも、流の字さんの方が嫌いになってきたわ。私からNOVAちゃんを取らないで。せっかくグランクレストの勉強がしたかったのに」
NOVA「おお、翔花。そこまでグランクレストの話が聞きたいとは、見上げた心意気。よし、俺はグランクレストを普通に好きな男だが、それよりもロードスの方をより深く長く愛してきた男だからな。わずか一つの記事で終わらせるわけにはいかない。続きは、また今度だ。流の字がおとなしくしていれば、俺はロードスとグランクレストを絡めて、たっぷり語る。語りたいんだよ。邪魔されることなく、気をそらされることなく、思う存分な。それを邪魔する愚か者は、俺の敵だ。絶対に許さねえ。それこそが俺のストレートな感情だ。次回は、カーラとパンドラの関係について、じっくり語ってやる。だが、その前に、もう一つ」
翔花「何なに?」
NOVA「基本的にグランクレストは明るいハッピーエンドで終わって、主要キャラもほとんど死ぬことなく生き残ったんだが、一人だけ、可哀想な娘がいてな。聖女プリシラさん。どうして水野さんが彼女を殺したのか、少し解せないと思ってな。それで、考えているうちに、テオ=ベルドと繋げれば、謎が解けたんだ。ああ、プリシラさんはベルドに想いを託して散った『ファリスの聖女フラウス』のオマージュなのね、と。うわ、繋がったよ、水野さん凄え。こうやってグランクレストをロードスに捧げたのかあ。これに気づいた俺も偉い。これでこそ、『ロードスを愛する者』の資格を得るのには十分だ。この喜びは是非とも、ブログでロードスファンに伝えて、やるなグランクレストって気持ちを分かち合えたら、NOVAハッピーになれるだろうな、とそう考えて記事を書き始めたんだよ。本当に」
翔花「良かったね、NOVAちゃん。本当に伝えたい気持ちを、伝えることができて。それ以外のことはみんな枝葉末節ね。ホビー館20周年も、グランクレストの凄さを分かろうともしなかったのにNOVAちゃんにつきまとう困った人も、全部、ただの寄り道で、どうでもいいことって言いたいのね」
NOVA「いや、そこまで割り切るつもりもないが、優先順位ってものがある。ホビー館20周年はまだ先があるから、じっくり折を見て触れていけばいいし、つきまとう奴は、『まず相手の好きを受け入れないと自分の話も聞いてもらえない。特撮掲示板で俺が書いたビルド感想も読まずに、俺とビルドの話をしたいなんてバカを言うなよ。ビルドを、俺を釣る餌に使うな。俺をまともに釣れるのは、話題の良し悪しじゃなくて、己の筋道通った見識と、俺への共感ある言動と、嘘間違いを自分で正せる謙虚さだ。まずは自分の見識を高め、まともな検証作業もできるようになって、根拠もない独り善がりだけの思い込み過多な自分から抜け出せないと、その度に無駄な説教で人の時間を浪費させるだけ。そういうのが嫌なんだ』と主張して、話をまとめるぞ。俺は独り善がりな奴の書く間違いだらけの駄文じゃなくて、壮大な歴史ロマンを感じさせる話とか、緻密なストーリー構築で全てを知った時におおって気持ちになる話とか、トリッキーなミステリーとか、熱くてクールで時にコミカルなヒーロー活劇とか(でも、脚本とかテーマは結構、緻密で深い)を読んだり見たりして、味わって、友人と語り合いたい。ロードスやグランクレストには、それがあって好き。今回の結論としては、それでいい」
翔花「うん、続きを楽しみにしているよ。あと『翔花伝』もね」
NOVA「ああ、毎週木曜の夜は、『翔花伝』を書いていきたい。金曜夜だと、秋以降は牙狼の再開と被ってペースが崩れるだろうし、週初めは掲示板書き込みに時間を割かれがち。週末休みは私用で外出する時間も確保したいし、結局、木曜がベストという結論になった。スギ花粉の精霊の話なんだから、やはり木曜だろう、という意味づけもあるし」
翔花「NOVAちゃんもいろいろ忙しいだろうけど、お仕事と一緒に体を壊さずに頑張ってね。迷惑かける人の相手は無理してしなくていいんだから」
(完)