久しぶりのTRPG研鑽
NOVA「しばらくぶりです」
ヒノキ「ずいぶんと時間が空いたのう」
NOVA「その間に、ソーサリー2巻『罠の都カーレ』と、FF31巻『最後の戦士』の攻略記事なんて書いていました」
ヒノキ「で、ゲームブックに夢中になっていたから、こちらは一月半も放置しておった、と」
NOVA「まあ、それはさておき。今回は前から書きたいと思っていた、ファンタズム・アドベンチャー(略してPA)の話です」

ケイP『このゲームは1988年の夏に出版された、昭和末期のTRPGだッピ。A4版150ページのムックスタイルで出版されて、値段は2800円。当時は文庫RPGのT&Tが1000円弱で出て、ボックスRPGのD&Dやクトゥルフなどが5000円ほど。その中間に当たる価格帯のゲームとして、非常に盛りだくさんな設定で、密度の濃い作品として登場したッピね』
NOVA「とにかく、このゲームは、基本ルールに掲載されている種族の数が、今なお最多数のRPGとして知られている。何せ、約80種類だ。もちろん、サプリメントを入れたら、D&Dや、T&Tのモンスターモンスター、それにソード・ワールドや、GURPS関連、あと女神転生の悪魔PCなど、それを越えるゲームは見つけられるかもしれない。でも、80種類もプレイ種族があったとしても、それを全部使いこなすことは不可能だと思うので、無駄なデータの多いゲームということにもなりますが……」
ヒノキ「まあ、それを言うなら、TRPGのサプリメントの多くは、無駄なデータでできているのではなかろうか。今のソード・ワールドでも、例えば蛮族PCのデータは、蛮族プレイをしないユーザーには無駄と言えよう」
NOVA「それでも、追加データが出版されると、実プレイで使う使わないに関わらず、購入したくなるのがTRPG者のサガなのですよ。で、たまに面白いデータを見つけて、読むだけでニヤニヤしたり、その中でもツボにハマったものは、こういう記事ネタで紹介したり」
ヒノキ「で、ファンタズム・アドベンチャーといえば、膨大な数の種族じゃな。特筆するネタは何かあるか?」
NOVA「そうですな。大体、このゲームの種族を語るなら、宇宙人の末裔のタフィボーゼ(3本腕、3本脚、頭が胴の下にあるという異形種族)がまずネタに上がります」

NOVA「友野さんの異種族談義記事でも紹介されているので、良い記事として挙げておきましょう」
NOVA「PAは、種族ごとに設定されている種族値と、個人値の2つで能力値を表すシステムなんですが、種族データの代表として、とりあえず人間(ヒューマン)を挙げておくと比較対照的に分かりやすいですな。
「ヒューマンは、腕力5、耐久力5、勇敢さ6、機敏さ5、知性5、自我5で、ほぼ平均です。わずかながら、勇敢さが高くて、〈狂暴化〉〈行動〉*1〈スパイ〉〈突撃〉〈勇気〉といったスキルを高くしやすいです。それに比べると、タフィボーゼは人間よりも臆病で、ドワーフ並みに鈍重で、自我に欠けるという種族になりますね」
シロ「能力値の自我は何に使うんですか?」
NOVA「〈印象〉〈嘘〉〈嘘の発見〉〈詐欺〉〈取引〉といった感じの交渉系能力だな。他のゲームでいえば、カリスマとか魅力度に相当する感じ。つまり、タフィボーゼは臆病で、交渉ごとが苦手だから、引っ込み思案な種族と言えよう」
ヒノキ「こんな化け物然とした姿なのに、性格はシャイなのじゃな」
NOVA「知性は普通にあるので、自分がこの世界(モノカン)では異形の余所者だと分かっているから、あまり目立った行動はしないように心がけているのかもしれないです。なお、視覚・嗅覚・聴覚はヒューマンが4という基準になっていて、タフィボーゼは普通に目は見えているんだけど、臭いが分からず、煙でむせることがない。さらに音も難聴ということで、非常にコミュニケーションが取りづらい。ロールプレイするのが難儀な種族です」
ヒノキ「どちらかと言えば、NPCというか敵キャラ種族として扱う方が良さそうじゃのう」
NOVA「他に、PAで種族ネタを掘り下げると、それだけで話題が尽きることはないと思うのですが、このゲームの異形種族を3つ挙げるなら、タフィボーゼ、知性あるスライムのスリッジ、昆虫人間のスラス(カマキリ顔、4本腕、〈両手利き〉スキルを標準装備して、2本の武器を巧みに使いこなす)になるかな。
「なお、能力の最高値は10、最低値は1なので、それを並べるだけでも、種族のイメージが見えてくるかもしれませんな」
- 腕力10:(腕力10の種族はいない。最大腕力9がジャイアント、次いで8のドワーフ)*2
- 腕力1:スリッジ、トレント、ピクシー、ブラウニー
- 耐久力10:ジャイアント
- 耐久力1:エルフ、ピクシー
- 勇敢さ10:ゴブリン
- 勇敢さ1:エルフ、ガーゴイル、ラビットマン
- 機敏さ10:エルフ
- 機敏さ1:(機敏さ1の種族はいない。最小機敏さ2がジャイアント、次いで3のスリッジ)*3
- 知性10:エルフ、ブラウニー
- 知性1:オーク
- 自我10:フェルゼンティ(ネコ人間)
- 自我1:(自我1の種族はいない。最小自我2がタフィボーゼ、ゴブリン、ハーフリング、次いで3が犬人間のアヌビン、カエル人間のクローカー、ブラウニー)*4
NOVA「ざっと、こんな感じですな。この世界では、オークとゴブリンのイメージが少し違っていて、オークは類人猿みたいな種族で、意外と臆病。ゴブリンの方が外見はがっしりしていて、勇敢だけど姑息な嘘はつかない戦士系に設定されています」
シロ「今は、どちらかと言えば、ゴブリンが小鬼で、オークがタフな戦士って印象ですよね」
NOVA「PAでのオークは人間に近い原始人のような設定。ゴブリンは小鬼ではなくて、オーガーのような大鬼種族に設定されていますな。あまり、この辺の細かいデータを比較することはなかったけど、ゴブリンがミノタウロスよりも大柄に設定されているとは。
「基本身長が、人間の40に比べて、オークが45、ゴブリンが72。大柄な種族だと、トレントの120、ジャイアントの105、スラスの91、セントールの90に次ぐのがゴブリン。どちらかと言えば、ゴブスレにおけるロード種がPA世界では標準的なゴブリンになっている模様」
*1:判定に成功すれば、アドレナリンの作用によって、行動スピードを高められるスキル。
*2:サプリメントだと、オーガー、ストーンジャイアント、ユニコーンが腕力10の種族として追加されている。
*3:サプリメントだと、チェンジリング、モッカーが機敏さ1の種族として追加されている。
*4:サプリメントには、チェンジリングが自我1の種族として追加されている。






