花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

時空魔術師の贈り物(コンパーニュの塔編5話)

日野木アリナと弥生ウルシェードのちょっぴりマニアック談義


ヒノキ「やっぱり戦隊の赤といえば、今はパトレン1号、圭一郎さまが一推しじゃ」

弥生「つまり、ルパンレッドはお気に召さないと?」

ヒノキ「軽薄な若造はどうもな。前作だと、よっしゃラッキーより、伝説大統領を推奨するのがわらわのスタイルだし。赤であれば何でもよいというわけではないのじゃ。そこには熱きヒーロー魂と、チームを率いる責任感が伴わないと。もちろん未熟な若者が成長するスタイルの赤を否定するわけではないが、マジレッドのような末っ子赤よりも、ゴーゴーファイブのマトイ兄さんの方がしっくり来る」

弥生「なるほど。では、ヒノキ様的には、うちのキョウリュウジャーのキング、ダイゴさんはいかがでしょうか?」

ヒノキ「ああ、お主の憧れの御仁じゃな。もちろん、推しじゃ。近年のスーパー戦隊では、海賊のキャプテンと並んで、威厳や強さを兼ね備えた主役赤と言えるな。2010年代の主役赤トップ3に入る逸材と言えよう。わらわ的にはマーベラス、キングのダイゴ、圭ちゃんでほぼ固まった感じじゃな。来年のスーパー戦隊で、貫禄あるスザクレッドでも登場しない限りはの。ところで、お主は、今回の新ライダーのジオウはどう思う? わらわとしてはゲイツの方が好みじゃが」

弥生「王になりたいなんて、身の程を知れって感じですね。だったら、ダイゴさんみたいに強き竜の者を目指さないと。とりあえず、龍騎編でどういう振る舞いを見せるか、で評価が変わるかもしれませんが、今のところはダメ人間としか思えません。彼が王になれば、やはり力に翻弄されて世界が滅びるのではないでしょうか。仮に、僥倖で力を得たとしても、それを制御する精神性あってこそでしょう。歴代平成ライダーで王になる資格があるとすれば、私的にはメンタルの強い五代雄介さんか、イマジンを従えた野上良太郎さんか、天の道を行く天道総司さんが適任かと思われます」

ヒノキ「なるほどな。わらわ的には、あのソウゴという若造の言っているのは、子供の王様ごっこと変わらない妄言と認識しておる。同じごっこ遊びなら、TRPGのルールブックでも購入して、まずはゲームマスターとして少数のプレイヤーを管理したり、あるいはゲームの中で領主キャラを演じたりして、王の苦労とかそういう物を学べよ、と言いたいが、今のままだと『王様になれば、やりたいことが何でも叶うよ』と思い込んでいるだけで、見ていて何だか痛々しいと思うわけじゃ」

弥生「なかなか辛辣な意見ですね」

ヒノキ「一度でも、責任ある立場として、他者を真面目に管理したことがあれば、誰でも思うことじゃろう。憧れる立場や対象があるのはいい。じゃが、そうなるためには自分の能力や置かれた環境を客観的に見ながら、足りない部分を補う努力が必然であろう。ソウゴが今後、王であることを真摯に考え、相応の哲学を身につけたりするならば大成するかもしれぬが、他者から力を奪うだけの所業を続けるのならば、逢魔時王と化すのも必然かも知れんのう。要は、力を手に入れるのが先か、心が育つのが早いかで運命が変わると思うのじゃ」

弥生「ソウゴ君の性格的には、それほど悪い子には見えないのですけどね」

ヒノキ「大きな事件を起こした犯罪者の知り合いが、よく言うセリフじゃのう。事件を起こすのは、性格的に良い悪いの問題だけでなく、持てる力と他者との人間関係にどう折り合いを付けて行くかを学び、社会性に見合った能力バランスの問題もあろう。独り善がりの善意だけで行動する人間が、周囲の意向や立場を配慮することなく、身勝手な論理で突き進んだ上、分不相応な、しかも破壊的な力を手に入れてしまえば、暴走するのも必然。せめて、周りにブレーキとなってくれる友人知人でもいれば、話は別じゃがの」

弥生「つまり、仲間との絆が大切だと?」

ヒノキ「厳密には、良識ある仲間との絆じゃがな。類は友を呼ぶで、仲間まで力を崇拝する暴走野郎が集まった場合、それはただの犯罪者集団になるだけじゃ。一人の時より、なおさら性質が悪い。じゃからこそ、未熟なソウゴの暴走スイッチを、ツクヨミゲイツがどれだけ抑えられるか、確固としたブレーキ役になれるかがポイントじゃと、わらわは考える。もちろん、他人事として捉えた場合は、ブレーキを踏んでばかりでもドラマとして面白くないので、ウォズのように火に油を注ぐ加速装置も楽しそうじゃがな。この場合、リアル視点で見る場合と、フィクションとして、娯楽創作物としてカオスな状況を楽しむ場合とでは、評価基準も変わってくるのは当たり前じゃろう」

弥生「いわゆるドジっ娘メイドの格言ですね。『遠くで見る分には可愛くて萌えるけど、自分の身近でドジられたんじゃ、たまらないよ』ってことですか。その発言が市原悦子声だったりしたら、命の危険すら感じますが」

ヒノキ「……そのネタ、今の若者にどこまで通じるものかのう?」

弥生「あれ? 司令の周りでは、ごくごくありふれたネタだとお聞きしましたけど」

ヒノキ「そんな物、限られた必殺マニアの間だけじゃ」

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