花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

ゲーム書籍と、岳飛伝最終巻の感想

さて、連休も終わったので、通常モードでブログ記事を書いていきたいと思います。
まずは、読了書籍の感想から。


なお、連休の間に、いろいろと本を買ったので、読まないといけない、いや、読みたい本が増えております。ルールブックやら雑誌系を除くと、購入書籍は以下の通り。
最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜東大・角川レクチャーシリーズ 00 『ロードス島戦記』とその時代 黎明期角川メディアミックス証言集
アルマダ 上 (ハヤカワ文庫SF)アルマダ 下 (ハヤカワ文庫SF)

上の二冊は、アメリカと日本それぞれのTRPG黎明期の資料にもなる、伝記あるいはインタビュー集。


前者は、D&Dの生みの親の一人であるゲイリー・ガイギャックス氏の波乱万丈な生涯を書き綴った本。2年前に出た時は、特に食指をそそられなかったのだけど、ブログでD&Dのことをあれこれ書いている今現在では、この本を買って読まないでどうするのよって気になりました。まあ、衝動買いって奴ですな。


一方、後者は、ぼくがTRPGを知るきっかけの一つになった『ロードス島戦記』がいかに生まれ、展開して行ったかを、SNEの安田均社長、ロードス作者の水野良氏、それから編集者の人など、関係者へのインタビューを中心にまとめた貴重な歴史資料本。当時を生きた人間として、知っていることも多いけど、初めて知った話も多く(安田社長がTRPGと出会う前の前歴とか、TRPG紹介の盟友とも言うべき角川歴彦さんとの出会いとか、水野良氏が安田社長と出会う前の前歴とか、興味深く拝読中)、何というか、自分の80年代から90年代の思い出もあれこれ蘇ってきて、いろいろ感じ入る本だったり。一言で言えば、青春時代の思い出って奴ですな。
おまけと言えば何ですが、ラノベ黎明期という位置付けの『ロードス島戦記』以外に、ラノベ中興期の牽引役という扱いの『ハルヒ』との比較対照的な意図も込められているようで、後半はそっちに展開するようです(まだ、そこまでは読めていない)。


下の小説は、最近、映画を楽しんだ『レディ・プレイヤー1』(原作の邦題は『ゲームウォーズ』)の作者アーネスト・クラインの新刊。
映画も楽しんだけど、原作はもっと楽しんだ自分としては、買わない手はありません。今回は、映画『スター・ファイター』(1984)を思い起こさせる、「アーケードゲームで高得点を出したゲーマー主人公が宇宙パイロットにスカウトされて、宇宙戦争に参加するようになる」という、そのまんまな設定。
まあ、似たようなシチュエーションとしては、『電磁戦隊メガレンジャー』(1997)や、『スパロボOG』のリュウセイ・ダテ(2002)が見せてくれているので、自分にとってはお馴染みなパターンなんだけど、こういうのは設定だけを見てパクリがどうこう言うのではなく、そういう設定を使って中身のストーリーがどう展開されるかを論じるのが批評というものだと考えてます。
何だか、似たような設定を使った作品を見つけては、二番煎じとなじるだけで批評した気になっている人間はネットでも時折見るけど、せっかくそういうのを見つけて知識を誇るのなら、もっと両者の描き方を比較対照して、類似点と相違点まで分析した上で、自分の好みはどうこうとか、どっちも好きとか、そういう話にまとめないと不毛だと考えますな。

ぼくは『スター・ファイター』が好きだったし、
メガレンジャー』を初めて見たときは、「どこかで見た設定だな。一体、何だっけ?」と迷いつつ(当時はインターネットを始める前だった)、あれこれ記憶をほじくり返して、「そうそう、スター・ファイターだった。何で、好きな作品なのにタイトルを忘れるんだよ、自分。俺の作品愛はその程度だったのか」と思い出したのに自己嫌悪しちゃう意識高すぎ面倒くさい奴だったし*1
スパロボOG』をやった時は、「また、このパターンかよ。よくあるよなあ(出会ったのは、まだ3回めなのに)」と思いつつ、「まあ、ゲーム好きの主人公が実戦で活躍する話は、ゲーマーの夢だよね。リュウセイも早々に、ゲームと実戦の違いを知って、フザケた性根を叩き直されるし、って、うわ、テンザンが出やがった。こいつ、リュウセイのアンチテーゼかよ、鬱陶しいわ。さっさと逝ね」などと考えながら楽しんでプレイしていたし、
結局、ゲームをヴァーチャル・シミュレーターと考えるなら、今後ますます増えていくSFシチュエーションだろうなあ、と実感する次第。パクリと切り捨てちゃうと、そこから発展性はないけれど、歴史学・文化学的な視点では「文化の受容と発展・継承の流れを読み解く格好のテキスト」となるわけで、そこから洋の東西の違いを論じるなら比較文化学になるし、製作年代の違いを論じるなら文化史を語ることになる。
そこまで踏み込んだ意見を出せてこそ、マニア(あるいは一流のオタク)と、ぼくは考える。まあ、その称号に何の意味があるかは知らないけれど、それで自尊心が満たされるなら大事だな、と。


ともあれ、『アルマダ』はまだ読めてないし、本当はこの機に『ゲームウォーズ』についても語りたいし(映画の映像の凄さとか、原作は日本製のロボいっぱい出て凄いとか、だけじゃなくて、作者の80年代愛や、TRPGを初めとするゲーム愛とかを機を見て語りたい。いや、この原作に今の自分のブログはかなり影響を受けているわけだし)、それでも、今回の記事の主目的を考えるなら、ここまでの話もただの前書き、寄り道に過ぎないし、


……ということで、ウォーミングアップ終了。ウォーミングアップだけで、記事を終えてもいい文章ですな。

*1:今なら、「よし、紆余曲折はあったが、思い出したな。さすがは俺だ。何だかんだ言いつつ、途中で道に迷っても、必ず目的は達成する男だ!」などと考えるようになったけど。そうじゃないと、企画立てたり、経営者なんてやってられない。必要なところで、自分を持ち上げたり、慢心で突き進みかけたのをブレーキ踏むのもスキルのうちと心得る。

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