チャプター5の終わり
NOVA「長かったスパロボYも、そろそろ終盤に入って来たかな、と思える今日この頃だ。今回はメインシナリオばかり3話。あとはチャプター6でメインシナリオ8話分、チャプター7でメインシナリオ9話分……って17話もあるのかよ」
ヒノキ「思ったより、先は長かったようじゃのう」
NOVA「ここまでは、1チャプターでメインが5話から6話だったから、残り10話ぐらいのイメージで考えていたんだ。今回で3話分なので、メインだけで残り20話。サブシナリオはDLCを除けば、それほどないので、全部で15話ぐらいで終わるかな、と思ってたら、25話もあるような感じだ。ここまで61話だったから、3分の2は突破したが、まだまだ先が長いと分かって、うんざりしている自分と、ワクワクしている自分の両方がいる」
ゲンブ「とりあえず、クリアしないといけない障害を整理してみるでござる」
NOVA「敵勢力別に分けるとこうだな」
- 冥帝連合:ライディーンの妖魔帝国、マジンカイザーのミケーネ、コン・バトラーのガルーダから成る。敵の規模はそれほどでもない(名あり敵が少ない)が、怨獣ミドロがどれぐらい脅威かによる。
- 怪獣優生思想:ダイナゼノンの敵。怪獣使って襲ってくるけど、エーアデントに対しては意外と好意的で、いずれ味方になるのも分かっているので、ゴジュウジャーのブライダンを見るような感覚で見てる。厄災に相当するのはゴジラウルティマである。
- アンドロメダ流国:ゲッターロボアークの敵。序盤から出て来て、新しいユニットを用意するわけでもないので、マンネリで飽きた。将来はゲッターにボロボロにされる哀れな勢力だと(プレイヤーには)分かっているので、かわいそうな物を見る目で見てる。ストーリーとしては、未来世界のゲッター軍団の描写をどう見せてくれるか、楽しみ。その後、カムイの裏切りと和解、ゲッター聖ドラゴンとの決着まで、怒涛の展開を味わうつもり。
- デビルガンダム軍団:ウォンとウルベのコンビがデビルガンダム復活を目論んでいる。だけど、鍛えに鍛えたドモンさんに一蹴される予定。しかし、それよりも楽しみなのは、東方不敗マスターアジア大先生の参入である。もう、それだけでチャプター6は楽しみでならない。
- ポセイダル軍:エルガイムの敵。NOAHSの主軸勢力として、よく見るが、そろそろザコに思えている。以前は手強いと感じていたネイやギャブレー、13人衆が熱血や魂をかけた必殺技で、2撃か3撃で落とせるようになった。クワサン・オリビーの説得フラグも普通に立てているので、あとはポセイダルのオージがどれだけ強いか、だけど、ギワザとポセイダル、倒すべきボスが2人いる組織の層の厚さは健在。今回はストーリー本編にフル・フラットは登場しないけど、寄り道シナリオに顔見せ的に出るようだ。ともあれ、エルガイムは前作30でのストーリー再現が濃厚だったので、今作はオリビーの説得イベントを除くと、ストーリーそのものは割と淡白に思える。
- ドレイク軍:ダンバインの敵。ドレイクがラー・ヴァルの天帝ヴァルベルムと仲良し覇王コンビなので、敵組織の大物の立ち位置。HP75000のウィル・ウィプスが現在、トップ3に入るタフなボス。トップ2は8万越えの天帝機と、暗黒大将軍。だけど、ゴジラ様に比べると、ザコにしか思えない現状。しかし、いずれも組織の中心人物だから、周囲に群がる部下の物量が大変なんだよな。ドレイク軍は、ポセイダル軍同様、名のあるパイロットの人材層が厚い。バーン、トッド、ジェリル、アレン、フェイの5人がローテーションで出て来て、そこに客将ラバーンもいるはず。ビショットは出ないけど、ショット・ウェポンの動向を気にしつつ。
- Gガン以外のガンダム系:Zガンダムからは、ヤザンと黒幕のシロッコ。SEED系では、ロゴスのロード・ジブリール。ガンダムWはエンドレスワルツが今記事で終わるので、意外と人材がいない感じ。ハマーンも出ないし、シャアのネオジオンは味方だし、Gガンの盛り様に比べると、今作では地味な扱い。組織のトップが暗躍ばかりしているので、前に出てくるのがヤザンだけというのが地味な理由。水星魔女も、決闘イベントを除けば、敵の操る機体としては登場しないし、もう新しいイベントはないだろうね。ここで、シャディクやエランが敵として立ちはだかるとか、もう一度アスティカシアが攻められて、スレッタが生身の兵士をガンダムの手のひらでパッチンする原作再現イベントがあれば、びっくりする。
- ジルクスタン残党:ギアスの敵。一応、NOAHSに所属しているが、組織規模が小さいので、国王と山賊の2人が寂しく死に場所を求める程度。
- ウィンダミア:マクロスΔの敵だけど、原作では和解する。宰相ロイドの暴走と、白騎士との決着をどう描くか。空中騎士団の6人とどう決着をつけるか、その生死も含めて、クライマックスの演出を期待したく。
- ウルガル:MJPの敵。前作30に比べると、ストーリー的な影が薄い。NOAHSに参入していないから、他の作品とのクロスオーバーが描かれていないのが最大の要因。コーディネーターの遺伝子を盗み出して、何をする気なのかが気になるところ。
- ゴジラSP:敵組織ではないけど、現在の地球を紅塵でむしばむ勢力になっている。でも、ラドンやクモンガ以外に、もう一体の怪獣が欲しいなあ、サルンガとか。
- ラー・ヴァル:オリジナル敵。ザコがかなり手強い。だけど、チャプター6では天帝のワンマン組織だったのが、天賢ネグシスによるクーデターで内部崩壊するらしい。天帝機はチャプター5の最終シナリオで普通に倒せるぐらいの強さなので、ラスボスたり得ないんだけど、チャプター6はいろいろとどんでん返しがあるようだ。
ヒノキ「組織が大枠12もあるのだから、1話で1つ倒しても、相応の話数になって然るべきじゃろう」
NOVA「そうですな。では、まずチャプター5を終わらせましょう」
再生・増殖・進化する悪意(62話)
NOVA「ザコテロリストを蹴散らしていると、ウォン・ユンファの声が聞こえて来て、デスアーミー軍団が出現。さらにグランドマスターガンダムが複数現れて、その1体に乗っているのがウルベ・イシカワ。これから復活したデビルガンダムの力で世界を征服するのだとアホなことを言ってるウルベに、魂の石破天驚拳でツッコミ入れたら、呆気なく吹っ飛んで行って、ザコボスもいいところやな、と思ったシナリオです」
ヒノキ「そんな身も蓋もない紹介でいいのか?」
NOVA「いやあ、ウルベのGMガンダムはHP5万近いと思っていたら、今さら2万代なんて、ドモンさんの敵じゃないですよ。キング・オブ・ハートにケンカを売るなら、もっと強くないと」
シロ「その昔、ウルベさんは第12回ガンダムファイト決勝大会でマスターアジアに瞬殺された過去を持つといいます。その再現だと思えばいいのでは?」
NOVA「ドモンも今やシンを始めとする多くの弟子を持つ身だからな。アレンビー、シン、スレッタ、グエル、シオンの5人で、シャッフル・ジュニアを結成するのも一興」
シロ「誰がどの役をするのですか?」
NOVA「キング・オブ・ハート候補は、アレンビーかシンだが、ここはシンに任せて、アレンビーにはブラックジョーカーがいいと思う」
シロ「アルゴの後継者ですか?」
NOVA「別に後継者じゃなくても、シャッフル・ジュニアは別グループでいいんじゃないか。イメージとしては、先代ブラックジョーカーが声優・水谷優子の女性キャラで、マスターアジアを除くシャッフルのリーダー格なので、アレンビーなら務まるだろう、という判断。おまけにリボンやフープを使ったトリッキーな戦闘スタイルは、いかにも道化師ジョーカーって感じだしな」
ヒノキ「残りは、スレッタ、グエル、シオンの3人じゃが」
NOVA「スレッタは、ジョルジュのジャック・イン・ダイヤがふさわしい。ローゼスビットと、GUNビットの類似性ゆえにな」
ゲンブ「すると、後はチボデーとサイ・サイシーでござるが」
NOVA「チボデーはコロニーボクシングのチャンピオンだから、元ホルダーという称号持ちのグエルさんにクイーン・ザ・スペードを任せる。そして拳法の機敏な動きをマネできるのは、オーラバトラー乗りのシオンだけだろう。何せサイ・サイシーは(今作では無理だけど)分身できる。シャッフル・ジュニアで分身可能なのは、デスティニーとオーラバトラーだけだ」
ゲンブ「すると、グエル殿にはボクシングのトレーニングをしてもらわないと」
NOVA「いや、先代クイーン・ザ・スペードはボクサーじゃなくて、ナイフ使いだ。そして、グエルさんのダリルバルデもビームクナイを装備している。さらにチボデーとグエルには2つの共通点がある」
ゲンブ「と言うと?」
NOVA「チボデーには、チボデーギャルズという取り巻きの女性4人がいる。グエルの方は、4人もいないけど、フェルシーとペトラの後輩2人はグエルを慕っているので、複数の女の子に慕われているチャンピオンという点で近いと思われる」
シロ「数多くの女の子だったら、シャディクには5人の部下の女の子がいますから、より相応しいのでは?」
NOVA「いや、彼の陰謀気質はシャッフル同盟とは相入れんだろう。チボデーもグエルも心根は真っ直ぐだし、それにどちらもテロリストに捕まったことでトラウマを抱えているという共通点がある」
ヒノキ「チボデーは……(検索で調べて)なるほど、幼少期にサーカスでピエロの姿をしたテロリストに襲われて、母親と生き別れになったのか。グエルの場合は……第1シーズンのラストから、第2シーズンにかけてじゃな」
NOVA「で、よく見ると、前髪をピンクのメッシュにした髪型がよく似ている。俺の中では、グエル以外にチボデーの後継キャラはいないと見た」
シロ「本編と関係ない妄想話はそれぐらいにして……」
NOVA「いや、関係なくはない。デビルガンダム絡みのシナリオと知った俺は、この回の出撃メンバーにドモンとレイン、アレンビーと、シャッフル4人に加えて、シン、スレッタ、ボブ(グエル)、シオンをメンバーに加えて挑んだんだ。しかし、うっかりチボデーを入れ損ねてしまっていた」
ヒノキ「肝心のチボデーを入れ忘れてどうする?」
NOVA「何だか、代わりに五飛が混ざってしまったんだよな。五飛は次のシナリオに出撃確定するのに。彼のナタクがGガンダムの機体に見えてしまったのが原因かもしれん」
ゲンブ「攻略は、そのメンツで問題なかったのでござるか?」
NOVA「趣味のメンツで問題なく、クリアできたよ。敵が弱かったのもあるし、ウルベがドモンに瞬殺されるぐらいのザコボスだったからな。ああ、一応、ポセイダル軍のネイ、アントン、ヘッケラーがいたっけか。この人たちも、もはや強敵とは思えなくなったなあ。たぶん、チャプター5で一番簡単なシナリオだった。
「それなのに、このシナリオでセイヴァースさんがスポット参戦で、自軍の応援に来てくれた。敵なら手強いが、味方だと自分で操作していいので、経験値泥棒になることもなく、いい削り役になってくれたよ。ありがとう、セイヴァースさん。また会う日まで」
Gガン関係の裏事情
NOVA「シナリオ終了後に、こっそり見守っていたマスターアジアの姿を目撃し、フラグは順調に立てているなあ、と感じた。ドモンでウルベを倒すことがフラグだったんだが、まさか一蹴できるとは思わなかった。
「そして、NOAHSの本拠地で、ロード・ジブリールとウルベが負け犬悪役同士で、詰り合っています。元々、ウルベはこの段階で表舞台に出るつもりはなく、DG細胞の件はまだ切り札として温存する予定だったのが、勇み足で正体を明かしてドモンたちに宣戦布告しちゃったらしいんですね。『脳にまでDG細胞が回ったのか?』と揶揄するジブリールに、ウルベは『お前にもDG細胞を感染させてやろうか? 新しい世界が開けるぞ』とか挑発し返す。さらに、『後方にふんぞり返って、部下を戦わせているだけの男に、戦いの極意は分からんよ。そのうち、天帝に愛想を尽かされないように気をつけるんだな』と。天帝は体を張って戦う人間が好きらしい。
「そして、Gガンの敵と、デスティニーの敵が初共演でいがみ合っているのを見て、ポセイダル軍のネイが『こんな連中が地球の代表とは、地球人の闘争本能は度し難い。ウィンダミアの奴らが毛嫌いするのも納得できるというものだ』そうで。でも、そいつら地球代表じゃなくて、負けたボンクラ敵なんで、いっしょにしないで欲しいんですけど」
シロ「でも、ウルベさんの声ってカミーユだし、ジブリールの声ってドモンのお兄さんですよね。ドモンさんでジブリールを倒したくありませんか?」
NOVA「それは弟子のシンに託したいが、カミーユVSウルベは試してみたい。次の機会には、Zガンダムも出撃させよう」
ヒノキ「とにかく、敵キャラ同士のクロスオーバーも一興ということじゃな」
廻り続ける世界(63話)
NOVA「次のシナリオは、エンドレスワルツの完結編だ。敵はザコのサーペントの大群に、NOAHSの無人兵器の助っ人軍で、ボスキャラが一体もいないという点で楽勝かな、と思いきや、あるトラブルがあった」
ヒノキ「何があった?」
NOVA「ルルーシュがイベント出撃のはずなのに、初期メンバーから外れているんだよ。ルルーシュのかく乱2発が、攻略を簡単にする秘訣なのに、ルルーシュがいないとは……と初手で焦った」
シロ「他にも、かく乱役はいるでしょう?」
NOVA「ダイナゼノンの夢芽が、かく乱を1回使える。さらにコン・バトラーの小介が1回使えるようになっていたので、これで2回はまかなえるな、と。彼らはサブパイロットなので、精神ポイントが少ないんだ。だから普通に2回使えるルルーシュの安心感は結構、大きかったんだな、と実感した」
ゲンブ「アシストコマンドでも、かく乱は使えたはず」
NOVA「レイナが使えるけど、アシストコマンドのかく乱は、敵ターンに増援が出現した時の保険みたいに考えている。初手はルルーシュのかく乱というルーティンに慣れていたから、それが使えないと、代替手段では若干の不安が生じるわけだ。イベントが進んで、ルルーシュが復帰するまで頑張ろうって思ったね。今までのスパロボプレイで、早くルルーシュ来ないかなあ、と、ここまで待ち遠しく思ったのは初めてだ」
ヒノキ「それで、ルルーシュは何をしに行ったんじゃ?」
NOVA「五飛と仲良くなるために、マリーメイア軍に反抗する一般市民の姿を見せに行ったんだな。五飛は今作では、皇帝として上から人々を見下ろし策謀で騙すルルーシュの姿しか知らない。実際のルルーシュは確かに策謀家だが、下からレジスタンスを率いる庶民派の革命家で、皇帝の子の血筋を利用したのは、TV版の終盤のみ。それまでは皇帝に対する叛逆を是として、反権力の立場だったから、五飛はかなりルルーシュという人間を誤解していたことになる。まあ、ルルーシュだけでなく、一般市民を弱者と誤解して、弱者の戦う心意気というものを理解できていなかったというのは原作アニメどおりだったんだが、ここでは五飛とルルーシュがそれぞれの視点で、マリーメイア軍の暴力に対して立ち上がる人々の姿を見て感動し、こういう弱者を守るために自分たちの力を使わないと、と決意するまでの筋書きなわけだ」
シロ「エンドレスワルツのテーマですね」
NOVA「リリーナも完全平和主義について、考えを改めるんだな。ガンダムWはノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)的な考えが底辺にあって、トレーズはその思想の体現者であったんだが、エンドレスワルツでは、ノブレス・オブリージュでは守れない一般人の矜持、市民の闘争による完全平和の獲得まで描いてみせた。TVでは、厭戦気分の蔓延で戦争を抑える上からの理屈で物語が終了したのに対し、それでも終わらない戦争に対して、平和を勝ちとる弱者の誇りを提示する。言わば、完全平和のための身を削る戦いを描いた作品。
「そして弱いことを理由に、誰かを戦わせる卑怯な弱者を五飛は嫌い、完全平和主義では惰弱な市民が、戦う者を迫害し、居場所を奪うという世相に否を示したわけだ。しかし、彼は兵士の代弁者を気取っていたけど、兵士である前に人間だという良識を見失っていたのと、自分の鍛えた武術、武力を持て余したまま、勝手に自己満足して勝ち逃げして逝ったトレーズへの憤りを昇華できないまま、自分の感情を正当化するための理論武装だけはしっかり構築して、他者を批判する面倒くさい奴になった」
ゲンブ「五飛どのの正義論は、歪に見えるのはどうしてでござるか?」
NOVA「これは、多くの誤解を招いているんだが、五飛って正義正義って口癖のように言っているけど、『正義とはこういうものだ』という自分の答えは持っていないんだよ。『俺が正義だ』とも言ってないし、『◯◯に従うことが正義だ』とも言わない。むしろ逆なんだ。『お前のやっていることは正義なのか!?(難詰的な質問)』『お前の正義を俺は認めない(否定)』のどちらかの文脈で、正義という言葉を使う。だったら、お前の正義はどこにあるんだ? と逆質問されると上手く答えられないキャラ、それが五飛だ」
シロ「ああ、だからヒイロに、『俺たちはあと何人殺せばいい?』と質問されて、絶句したんですね」
NOVA「これが開き直った悪役なら、『お前がここで死ねば、もう誰も殺さなくて済むぞ。だから死ね』とか応じるけど、五飛の場合は、他人に質問して、否定するくせに、他人の質問に自分の答えを返すことを避けるか、誰かの意見に責任をとらせるようなズルをする。自分自身で理論構築せずに、感情論に理屈を付けるんだ。こういう相手に対しては、理屈抜きのシンプルな情に訴える生の質問が効果的だ」
ヒノキ「自分が答えを持っていない質問を、真摯な気持ちで尋ねるのではなく、相手を詰るつもりで問いかけて、答えられない相手を論破した、と言い張るのが五飛じゃな」
NOVA「哲学者のソクラテスの手法ですな。上手く使うと、頭が良さそうに見せかけられるけど、そこから何らかの真理や知見が得られない水掛け論に終始すると、子どもの口ゲンカと中身は大差ない。ともあれ、五飛は『正義や体制に対して、懐疑的なキャラ』『正義とは何かを追求するけど、誰にとっての正義か、という観点が甚だしく主観的で、一般論に到達できずにいるキャラ』『彼に正義を教えてくれるはずの人物は、しばしば彼の前で死んでしまうので、死者の魂に心を引きずられがちなキャラ』ということで、正義が何かを分かった上で主張しているわけではないということです」
ゲンブ「五飛どのについては、彼の正義論が歪なのは、彼自身に明確な答えが見出せずにモヤモヤしているから、ということでござるな」
NOVA「というか、ガンダムWという作品そのものが、正義という概念への懐疑がテーマだと考えますね。ガンダムシリーズそのものが、正義のスーパーロボットという概念を、国家間の戦争はそう単純じゃないというリアリズムを突きつけたわけだけど、Gガンダムは国家の代表たるガンダムファイターというスポーツ的正義(愛国心)の分かりやすさと、友情や愛という少年マンガ的なエンタメに仕上げた。
「それに対するTV版ガンダムWは、流動的な世界情勢に翻弄されながら、自分の守るべき価値観は何かを模索する少年たちの流浪の物語。しかし、その中で価値観を見出せないまま終わったのが五飛ということで、ガンダムパイロットの内面をさらに掘り下げて、それぞれの物語に一応の結論を付けるための大きな花火を打ち上げたのが、エンドレスワルツです」
シロ「平和は強い心で守り続けないといけない、という完全平和主義の理念を描いたとも言えます。平和主義者の守るための戦い、という一見矛盾した論理への回答ですね」
NOVA「平和を脅かす敵への闘争は、必要悪とも言えるわけで、その矛盾をどう受け止めるかのドラマでもあった。ゲームでも戦争と平和のせめぎ合いが今回は濃く描かれている感じだな。ただ、戦争がなくても、破局に対する備えは必要との学びは得られる。生き残るための戦い、守るべきものを守る強さというのは否定できないと思う」
ヒノキ「小難しい哲学話はそれぐらいにして、ゲームの話に戻らんか?」
NOVA「では、見出しを改めて」
赤い彗星の参入
NOVA「さて、先行参入を逃したので、ようやく登場のシャアさんです。マリーメイア軍の宇宙からの増援をネオジオン軍が防ぎ止めて、総帥自ら我らの助っ人に参戦してきましたよ」
ゲンブ「赤い彗星は強いのでござるか?」
NOVA「いや、それほどでも。サザビーの改造がまだ十分でないので、今回はまだ活躍できず。本領発揮はこれからですが、敵のサーペントが陸戦機体なのは幸い。シャアのサザビーは空の敵への攻撃がBなので、地上では弱い。とりわけヘビーメタルやオーラバトラー相手だと不利なので、地形適応を何とかしないといけないな、と」
ゲンブ「これからの育成次第だと」
NOVA「ただ、シャア自身は強いですし、諸事情でこのマップは出撃メンバーが1.5軍や2軍を選抜しましたからね」
ヒノキ「どうしてじゃ?」
NOVA「原作再現って奴です。このシナリオの出撃機体は、ウイングゼロ、デスサイズ、ヘビーアームズ、サンドロック、トールギスIII、ノインのトーラス、それに前回、出し損ねたチボデーのマックスター。あとはギアス勢からカレンの紅蓮と、スザクのランスロットが強制出撃で、他にスタメンのダイナゼノンとグリッドナイト、ルーングラッヘ、コン・バトラーV、ジェットジャガーといったところですか。ウイング勢はゼロを除けば、1軍がいない。あと、アレンビーはしっかり出撃させて活躍してますね。でも、ウイング勢は5段階改造まで施しはしたものの、1軍としては扱っていません。とりわけ、ノインのトーラスは危うく落とされそうになったなあ、とか、いろいろ苦戦したシナリオでした。だから、シャアが来たときは、少し楽になったと思えました」
ヒノキ「つまり、敵をなめて掛かったから、あまり強い機体を出撃させなかった、と」
NOVA「サーペントはザコですが、HP15000もあって、一撃ではまず落とせないタフネスさを誇る強機体。魂をかけたMAP兵器ローリングバスターライフルでも落ちないという。おかげで、アシストクルーのリリーナを入手できませんでした」
ヒノキ「リリーナを取り損ねたじゃと?」
NOVA「このシナリオでヒイロが敵機を5機落とすことも条件だったのですね。マップ兵器の攻撃力が十分なら、3機を巻き込んで2回撃ち放ったから、それで十分だったのに、どちらも削った1機ぐらいしか落とせず、HPの残った敵は他の味方で処理したから、ウイングゼロの撃墜数が意外と伸びなかったようですね。ウイングゼロの武器改造を5段階で終わらせず、10段階ぐらいしておけば良かったとか、反省材料です」
シロ「ヒイロで5機落とすという条件に気づいていなかったんだから仕方ないですね」
NOVA「知っていたけど、マップ兵器があるから楽勝と思い込んで、強く意識していなかったのが悪かったですね。まさか、魂のマップ兵器でHPが残るとは誤算でした。ザコのHPは大体、1万前後なので、1万5000もあって倒しきれないのも問題だったし、とどめをウイングゼロの反撃に任せず、他の味方で刺してしまったこともミス。そんなわけで、このシナリオは原作どおり1.5軍のメンバーを出撃させて、そこそこ苦戦はしたものの、後から来た五飛やルルーシュ、それにシャア総帥のフォローもあったし、アレンビーやジェットジャガーの活躍もあって、楽しくプレイしたのでした」
ゲンブ「楽しめたのは何よりでござるな」
NOVA「でも、この記事を書くにあたって、攻略サイトをチェックしたら、リリーナが加入すると書いてある。でも、うちのデータにはリリーナがいない。よく見ると、リリーナは隠しアシストクルーだそうで、取り損ねて残念って気分を今、味わっている次第」
ヒノキ「リリーナ嬢には何ができるのじゃ?」
NOVA「精神コマンド『希望』を使えます。指定した味方機のHPを50%回復し、状態異常を治して、さらに努力と幸運をかけてくれる。味方では現在、チャム・ファウだけが使える稀少コマンド。まあ、あったら便利なコマンドってぐらいで、必須って程でもないので、実害はないのですが、せっかく助けたリリーナがエーアデントには加わらないのが残念です」
シロ「まあ、彼女には新国連の立て直しなんかを頑張ってもらいましょう」
輝く夜に花咲いて(64話)
NOVA「リリーナさんとは別れを告げて、チャプター5の最終シナリオです。男主人公だと、『孤独な月が照らす道』というサブタイトルだそうですが、兄貴の機体はルーンドラッヘ孤月という呼称で、新必殺技を会得するんですね。女主人公の機体はルーンドラッヘ輝夜なので、技名と演出が違うだけで、性能は同じ。威力は6000代の後半で、7000には達しませんが、ゴッドバードには匹敵しますので十分強いですな。もう1段階、エーアデントとの合体攻撃で7000越えになりますので、まだまだ伸びしろがあると思えるのも嬉しい」
ヒノキ「チャプター5の最後だと、重要イベントが目白押しじゃろうな」
NOVA「ええ。朧の調査によって、行方不明だったエチカやフォルテたちの父、八神テツロウ博士の居場所が判明します。中国の重慶にある遺跡に引き篭もっているようですが、結果的にその遺跡にラー・ヴァルの軍勢も押し寄せてきて、博士は天帝ヴァルベルムに殺されてしまいます」
シロ「死んだと思っていたら生きていて、再会したと思ったら、あっさり殺されるわけですか。それは残念ですね」
NOVA「研究バカで親の情のないマッドサイエンティストみたいな父親だったので、フォルテは嫌いだったみたいだけどね。死ぬ前に、いろいろ教えてくれた情報は以下のとおり」
- 1万2000年以上前に栄えた超古代文明、怨の一族がこの遺跡を作った。怨の一族は、人類を進化させる存在イヴォルバーとも呼称され、博士はその研究を続けていたが、研究を奪おうとする輩がいたので、3年前に死を偽装して、世を欺いて研究を続けていた。
- 怨の一族は、人間の精神力をエネルギーに変えるヴィルの力で進化の道を歩んでいたが、1万2000年前の災厄で滅亡するに至った。博士はヴィルを研究して、その力を秘めた金属ヴィル・メタルを開発し、それを利用した機体がルーンドラッヘ。また、そのシステムをさらに大型化した究極のシステムがエーアデントと、その中枢であるニーラカナイである。
- NINJAのクロスとフォルテは、ルーンドラッヘのヴィル・システムに適合する人間として、八神家の養子に迎えられた。クロスは八神ヤイチが本名。フォルテは八神ヤチヨが本名。養子になる以前の経歴は不明(記憶を抹消されたか、物心のつく前の幼少期に連れて来られたか)。クロスはNINJAの修行を強要されたが、フォルテの方はクロスほどの才能を期待されておらず、自分から志願して兄の後を付いて行き、努力で追いつくまでに至った。
- エーアデントを制御するコントロール・システムとして、イヴォルバーの生き残りの少女イザナが14年前に発見された。遺跡の中のカプセルに幽閉されたイザナは、外見年齢が16歳だが、精神年齢は2歳ほどで、超能力の使用の際のショックで精神を閉ざしてしまった。
- 博士はイザナの遺伝子から、人工的にクローンを生み出して、31番めに成功した実験体がエチカである。エチカはニーラカナイの制御コアの役割を果たすべく造られて、14歳の誕生日にヴィルを扱うのに十分な肉体的な成長を遂げたということで、監視役であった研究助手のアニーナを通じてエーアデントを起動させた。
- 博士の目的は、エチカを新人類の指導者として成長させること。そのための護衛として、NINJAの朧を派遣するが、もしもエチカが暴走して制御できなくなったら、その殺害まで命じてある。
シロ「エチカは人間でない人造のクローンで、その源は怨の一族という古代種族だった、と」
NOVA「それを知って、当然ショックを受けるエチカだけど、博士は意に介さない。父親であるという役割よりも、研究者であるという役割を優先して、娘たちを自分のヴィル研究のための駒としか見なさない考え方なんだな」
ヒノキ「ところで博士の目的は?」
NOVA「エーアデントと制御コアのエチカを利用した人類の進化ですけど?」
ヒノキ「それは分かる。何のために、人類を進化させようというのか?」
NOVA「そりゃあ、自分の研究の行き着く先として、見たくないですか? 人類の進化って。言わば、怨の一族の可能性に魅せられて、取り憑かれた? 学者の好奇心と言ってもいいかもしれませんが」
ヒノキ「わらわの言いたいのは、1万2000年前に超古代文明を滅ぼした厄災について、今もそれが出現するであろうことを博士は予見しているのかどうかということじゃ。仮に、人類が滅亡の危機に瀕するから、それを解決するために、人類は強く進化しなければならない。そのためにエーアデントを作り、滅びの日に向けて準備してきたのだ。何を犠牲にしても、人類の種の存続は最優先で果たさなければならないという目的意識であれば、ひどい父親であろうと大義名分は成り立つ。その辺はどうなのじゃ?」
NOVA「そういう目的は一切示してませんね。怨の一族が滅びた理由については、ちっとも掘り下げてくれなかったから。ムトロポリスや早乙女研といった世界を守るという意識を持った民間研究所とやり取りをしたわけでもないですし、どこかで研究発表したわけでもなし。完全にヴィル研究のための研究以外の方向性が見えていません」
ヒノキ「やれやれ。純粋な研究者と言えようが、自己完結し過ぎじゃ。周りがちっとも見えておらん」
NOVA「で、博士の助手のアニーナ先生は、エチカの家庭教師なんですが、博士の言葉に疑念を挟むことなく、『エチカお嬢さまは八神博士の作った最高傑作ですわ。本当に素晴らしくて惚れ惚れしちゃいます』と物扱い。自分の人格を認めていないような発言に、信頼していた者から裏切られたかのようなショックを受けるエチカですが、そこに救いの主の天帝が現れる」
ゲンブ「天帝は救いの主なのでござるか?」
NOVA「少なくとも、八神博士よりはカリスマ性があって、先が見えている。まあ、未来人だから当然だけど、戦わなければ生き残れない。強くあれ、という思想だな。ただし、そのために戦いを強要し、弱者を切り捨てることを是とするわけで、博愛精神とは真逆の考えだけど、軍国主義の権化といってもいい」
ゲンブ「敵ボス自ら乗り込んで来る、と」
NOVA「彼の目的は、進化を示す超人類だな。未来の破滅を知っているから、それに対抗するための手段としてイヴォルバー研究に興味を示すんだ。戦うものには敬意を示し、エチカに対しても『親書は読んだ。エーアデントごと自分のところ(NOAHS)に来い。悪いようにはしない』と勧誘をしてくる。もしも五飛がその場にいれば、『お前は正義なのか?』と問いかけて、『無論だ。余は正しい。余が行動せねば人類は滅ぶ。大義は余にあり。正義を求める強者なら、余について来い』と応じて、五飛はフラフラと付いて行きそうだ」
シロ「って、五飛さんはNOAHSにいたんですよね。天帝に会ったことは……」
NOVA「ないぞ。ジルクスタン残党といっしょだったが、地球人は天帝と直接面識がなくて、セイヴァースとかネグシスとかを介していたからな。天帝自ら乗り出して来て、相手を説得しに来たのは大変珍しいことだ。それだけエチカを重要視していたと言っていい。
「一方、八神博士は天帝が自分の研究を奪いに来たと思って、非常に取り乱す。存外に小物だったことが分かるな。ここで天帝が自分の研究の協力者になる可能性を考慮できれば、運命が変わったかもしれないが、自分の研究を奪われまいとする考えで拒絶に走った。その時、眠っていたイザナが目覚めて、状況がさらに混迷する。天帝はイザナがイヴォルバーのオリジナルだと知ると、そちらに興味を移して連れ去ろうとする」
ゲンブ「博士はどうするでござる?」
NOVA「天帝の威厳に抗えず、『弱者はただ奪われるのみ』と一蹴される。さらにイザナもまた、博士に実験材料として扱われた怨みから超能力を発動させて、博士の精神を崩壊させたようだ。ここでイザナはエチカに問いかけるわけだ。お前は私の分身みたいなものだが、どうしたい? と。選択肢は2つ。話し合いたいか、拒絶したいか」
ヒノキ「それによって何が変わる?」
NOVA「チャプター7の終盤ルートが2つに分岐します、拒絶ルートの方が対話ルートよりも難易度が上がるので、今回は対話ルートを選びました。すると、つまらんとか言われて、イザナは天帝とともに行くことを選びます。まあ、拒絶しても、この場での結果は同じでしょうが。イザナの超能力によって、遺跡は崩壊、崩れゆく瓦礫からアニーナ先生はエチカを庇って負傷。天帝とイザナは先に脱出し、フォルテは兄のクロスのおかげでエチカやアニーナ先生を連れて脱出に成功しますが、八神博士は遺跡の崩壊とともに命を落としたことになります」
ヒノキ「実に長いイベントだったのじゃ」
NOVA「戦闘マップの本番はここからです。天帝の機体はHP8万越えのエンディーノス。2回行動が可能な初ボスですが、思ったよりもHPが低いです。HP24万のゴジラ様に比べれば、ザコですね」
ヒノキ「比べる基準が違いすぎる」
NOVA「なお、このマップには、HP7万5000のドレイク艦や、HP5万弱の女天騎士システィスも登場して、倒さないといけないので、与えなければいけない総ダメージは、名あり敵だけで20万越えです。最初は天帝機だけ落とせばいいような勝利条件でしたが、結局は全滅させないといけません」
シロ「厳しいシナリオですか?」
NOVA「チャプター最後なので敵が強いのは分かっていたから、こちらも2軍なんかは出さずに、最強の布陣で対応した。だから、相対的には前のシナリオよりは簡単に攻略できたと思う。かく乱使ってザコの攻撃はいなして、数減らししつつ、マップの離れたところにいるエーアデントを天帝が狙って来るのを、どう妨害するか。
「ここでカイゼルグリッドナイトが役立った。この機体はダイナゼノンとの合体直後に覚醒が掛かるので、2回行動ができる。よってエーアデントに天帝が襲って来る直前にいち早く駆けつけて来て、目の前に立ちはだかり、勇気のダイナミックキャノンで4割近いダメージを与える」
ゲンブ「すると、カイゼルグリッドナイト1機で撃墜できそうでござるな」
NOVA「それでも、天帝は2回行動してくるので、完全に止めることはできずに、エーアデントが狙われてしまうんだけどな。まあ、ひらめきで回避はできるので、被害はないんだが、2回攻撃で大ダメージが来るので、精神ポイントが枯渇する前に、天帝機を撃墜しなければならない。
「あと、これも大きなイベントだが、エチカの決意と、ノーヴィー艦長とオペレーターのミナの過去話が挿入される。父親博士の人格と最期にショックを受けたエチカは帰艦しても戦意が回復せず、ノーヴィー艦長に指揮権を委ねようとするのですが、艦長は『お嬢さまがやる気を出さなければ、エーアデントは本領を発揮できません。そして、あの天帝機は本気で相手しないと勝てる相手ではないのです』と訴えるわけですな。と言うのも、艦長はかつて連邦軍の宇宙艦隊勤務で天帝機と遭遇して、部隊が全滅した過去があったのです」
ヒノキ「そりゃあ、トラウマになるな」
NOVA「艦長が物語序盤で、やる気をなくしていたのは、天帝に部隊を全滅させられたからだけじゃありません。かろうじて生き残った彼は、連邦上層部に宇宙からの侵略者の脅威を訴えたのだけど、ろくに取り合ってもらえなかった。今にして思うと、その時にはラー・ヴァルのスパイが連邦上層部に入り込んで、抵抗戦略を封じ込めていたのだろう、と後からミナさんが打ち明けてくれるのですが、とにかく艦長とミナさんにとって天帝は因縁の相手で、エチカに奮起を要請するんですな」
シロ「それでエチカは立ち直るのですか?」
NOVA「エチカがショックなのは、親が自分を愛してくれていなかったことと、自分の存在意義を見失っていたことが大きな原因。そして人間じゃない自分が誰からも受け入れられないんじゃないかという恐怖。だけど、そこに負傷から立ち直ったアニーナ先生が激励します。『お嬢さまが素晴らしいことは、ずっと近くで見てきた、このわたくしが一番知っています。人間かどうかはどうでもいい。お嬢さまは自分の決意で、世界の平和と未来のために過酷な戦いを続けることを選択した。その心根の真っ直ぐさ、美しさこそが、最高の宝だと考えます。お父上はああいう人だから、お嬢さまの心を理解していなかったけど、お嬢さまの素晴らしさはわたくしが、そしていっしょに戦う仲間たちが、そしてお嬢さまを国の代表に選んでくれた国民の方たちがよく知っていて、愛してくれているのです』
「その言葉を受けて、エチカが立ち直る、と。エーアデントやNINJAなどのボディガードなどは、すべて父親の八神博士が用意してくれたものだけど、エーアデントを独立国にして、その代表に選ばれたのは自分自身が成し遂げたこと。父親の傀儡ではない自分の意義がここにある。だったら何としてもエーアデントを守らないと。
「エチカは意を決して、自分の中の力を解放し、第3の目の開いた人でない姿をさらけ出します。『こんな私でも、みなさんは受け入れてくれますか?』と。パイロットたちの反応は当然イエス、と。恐竜帝国との交流や、怪獣ゴルドバーン、そしてジェットジャガー、種族や外見よりも心が大事ということは、部隊のみんなには浸透していたし、普段は人間だけど変身できるのはヒーローみたいなものと理解する者もいるわけで、エチカを拒む者はエーアデントにはいない、と」
シロ「それはやる気が出ますね」
NOVA「そういうドラマを経て、高揚した気分で、天帝の攻撃をいなした後は、カイゼルグリッドナイトだけじゃなくて、後から駆けつけてきたライディーンやコン・バトラーVの協力もあって、天帝機を撃墜。しかし、天帝機はすぐに復活。
「そこに気絶モードから兄に叩き起こされたフォルテが復帰。天帝と一騎討ちするイベントバトルの末に、命懸けの新必殺技が炸裂。命を懸けたつもりだけど、死ぬ死ぬ詐欺ってパターンでフォルテは健在。兄曰く、お前の体力と精神力は極忍技の負荷にも耐えられるようになっていた、とのこと。あとは覚悟の問題だったわけですな。
「天帝はそれでイザナを連れて撤退。後の始末は、盟友ドレイクと忠義の女騎士システィスに任せるそうですが、ここまで来ると、ほぼ消化試合ですな。ドレイク艦は、ゲッターアークと、ドモンさんと、ダブルマジンガーで攻めれば落ちますし、システィスも他で削った後、フォルテの新技で落とす。力押しなら、負けはしないって気分です」
ヒノキ「チャプター5のラストは、爽快感のままに終わった、と」
NOVA「長くなったので、チャプター5のエピローグから、続くチャプター6は、次回の記事にて」
(当記事 完)

