恐竜帝国への招待(52話)
NOVA「メッサーの葬儀などを行なって、平和への誓いを改めて噛み締めたエーアデントで、チャプター4は終了した。チャプター5に入ると、新たに4つのサブシナリオと2つのメインシナリオが加わったので、サブシナリオから先に攻略していく。
「1つ目に選んだのは、ゲッターアークのシナリオだ。原作6話『竜の末裔』、7話『ゲッター同盟軍』、8話『竜の血 人の心』を元にした話で、かつての仇敵であった恐竜帝国との同盟関係と、カムイの背景について描かれるエピソードだったり」
シロ「前のアークシナリオは、24話でしたね」
NOVA「一応、チャプター3の最後(42話)にアンドロメダ流国のテリトリーの未来宇宙に飛ばされたことがあったんだが、あれは原作にないエピソードだったし、ゲッターシナリオというよりは、NOAHS出現シナリオだったからな」
ヒノキ「久しぶりのゲッターシナリオということか」
NOVA「その間に、こっちは本当にいろいろあったんだが、早乙女研究所は前に地獄の釜を開いて、ゲッター戦を一時的に暴走させたダメージから回復していないことが隼人の口から語られる」
ゲンブ「原作では直後の話になるのが、スパロボでは間にいろいろな作品エピソードを挟むので、まだ回復してないんかい? って気になるでござるな」
NOVA「ともあれ、早乙女研の現在の敵は、インセクターとも呼ばれるアンドロメダ流国なんだが、こいつらはゲートを使って時空転移して来るから、その本拠地も分からず、出現した敵を倒す対症療法しかできなかったんだな。しかし、恐竜帝国との共同研究で、敵の本拠地に飛ぶゲートの開発が行われていたことが、原作でもこのエピソードで語られる。
「本作では、42話で敵の本拠地にエーアデントが飛ばされたことで、一気に解析が進んだという事情が付与されているな」
シロ「一度めは突発的な事故だったけど、その経験から科学研究が発展することもあるんですね」
NOVA「恐竜帝国の科学は、地球人以上だからな。滅亡に瀕した種族が生存のために、帝王統治の元、地上侵略の悲願のために軍事力を中心とした技術発展に勤しんできた背景がある。ただ、地上はゲッター線が降り注いでいて、それは恐竜人にとっては致命的なので、防護耐性を整えなければ、地上を支配できないという事情があって、そっちの研究も進められてきた」
ヒノキ「まだ地上侵略を目指しておるのか?」
NOVA「地上侵略を始めたのは、帝王ゴールだ。彼がゲッターロボとの戦いで倒された後は、TVアニメだとそれで恐竜帝国滅亡となったわけだが、コミック版では滅亡せずに再び深海に潜伏して、再起の機会を待つことにした。その後日譚が、『ゲッターロボ號』における女帝ジャテーゴの侵攻だ。ジャテーゴは、地上支配を目論むプロフェッサー・ランドウの元にスパイを送り込み、彼の侵略計画に協力させるとともに、自らも壮大な計画を準備していた」
ゲンブ「自ら前面に出ていたゴールと違って、ジャテーゴはより巧妙だったのでござるな」
NOVA「まあ、號の物語はランドウがメインの敵で、その背景に恐竜帝国があったのは、コミック独自の後付けだけどな。そこから物語は真ゲッターおよび、流竜馬の再登場につながり、主役メカおよび敵組織の変化を伴う急展開を見せて、いわゆる『ゲッターロボサーガ』に拡大展開する。その結果、ジャテーゴの地球環境改造計画で地上の人類はあわや滅亡に追い込まれたものの、真ゲッターの奇跡みたいな能力で、核ミサイルや恐竜帝国の環境改造装置(デビラ・ムウ)を融合吸収して、地球に害あるものは全て火星まで運び去って、號の物語は終了した」
ヒノキ「しかし、恐竜帝国はまだ滅びていなかったのじゃな」
NOVA「滅びたのは、好戦的なジャテーゴ一派だけであり、穏健派のゴール3世の統治する恐竜帝国が健在だったことがアークで語られる。かつての帝王ゴールは、恐竜人が地上で生活できるよう、地上人との混血を作る計画も実施しており、さらった地上人に自らの胤を仕込んで、混血の息子を産ませた。それがカムイの出自だ」
シロ「さらった女性との間でハーフを作るって、まるでガヴのショウマみたいですね」
NOVA「今のタイミングだと、そういう連想になるな。おまけにカムイのフルネームは、カムイ・ショウだし、ショウマと関連づけることもできなくはないが、この後、カムイは自分のルーツが地上人なのか、恐竜人なのかで非常に悩むことになるな。混血で迫害を受けたガヴと違って、カムイは恐竜帝国の希望とも言える新人類として民から慕われる一方で、母違いの兄に当たるゴール3世からは、複雑な関係となっている」
ゲンブ「ゴール3世は悪役なのでござるか?」
NOVA「カムイをスパイとして、神隼人のところに送り込んだ。隼人はそれを承知で、カムイを受け入れて、厳しく鍛え上げた。地球と恐竜帝国の共通の敵として、宇宙からの侵略者であるアンドロメダ流国の存在があって、互いに技術協力をして共同戦線を張ることになっている。だから、恐竜帝国もゲッター線を用いたゲッターザウルスを開発し、ゲッター線に耐えられるパイロットを選出した。アーク本来の世界観では地上も過去の戦いで荒廃していて、地上人と恐竜人が協力しないと共に滅びかねない厳しい環境となっていたんだ」
ゲンブ「つまり、呉越同舟みたいな状況、と」
NOVA「ゴール3世は、カムイの母親を人質にして、母との平和な生活を餌にして、自分の命令には逆らわないように仕向けた。カムイは隼人とゴール3世の関係をつなぐ連絡員として働き、アンドロメダ流国との戦いに勝った後で、隼人を暗殺するよう指令を受けている。そうすれば、地上で恐竜帝国に対抗できる人間はいなくなって、目的達成できるというのが現帝王の目論見だ」
ヒノキ「狡猾な悪党なのじゃな」
NOVA「先帝の失敗から学んだ結果だな。恐竜帝国は同盟者だが、100%の信を置ける相手ではない。ただ、帝王の思惑は別として、カムイの状況に親和的な恐竜人もいっぱいいて、彼が地上人と恐竜人の融和の象徴と考える若者たちも多いようだ」
ゲンブ「統治者、支配者の思惑と、民の願望が異なっているのでござるな」
NOVA「そういう背景事情があるのを、スパロボYでは『過去の戦いを知らない新世代の若者たちは、恐竜帝国の民とも差別感情なく、仲良く付き合える』というシーン演出をした。とりわけ、マクロスΔの世界観だと、人類が宇宙に進出して、ゼントランや他の星系の異星人とも普通に接しているし(ミラージュやチャック、アーネスト艦長、それにフレイアは地球人以外の血筋に連なっている)、差別感情を露骨に示すのは敵キャラであるという作品方向性が示されている、と」
ヒノキ「そういうストーリー事情があるなかで、どういうゲーム展開なのじゃ?」
NOVA「恐竜帝国との提携は秘密裏に為されたのだけど、アンドロメダ流国や冥帝連合にバレたので、それぞれの勢力が攻めて来るのを迎え撃つ展開となった。戦場が完全に水中なので、ゲッターカーンや主人公機、ライディーン、ガンダムデスサイズ、サンドロックを除けば、水中適性がBの機体がほとんどなので、不利な戦いを余儀なくされる。とりわけ、水中適性CのVF機や、ビーム兵器が主体の宇宙世紀MSは役に立たないので出撃させるな、となる。まあ、ゴッドガンダムは素の能力が高くなり過ぎたので、水中適性Bでも圧倒的な破壊力で問題なく戦っていたし、コンVなんかも機体適性が低くても、武装の威力は変わらないので、敵の攻撃は『ひらめき』で回避すれば、不利を気にせず戦える。結果的には、回避主体のユニットが割を食う戦いだったわけだ。名のある敵がガルーダだけとあって、不利な環境でのスーパー系ザコキャラ退治祭りといったところか」
ゲッタータラクの出現
NOVA「アークのアニメで、最もゲッターマニアにとってのサプライズは、黒い真ゲッターことタラクの登場だろう。原作コミックには登場しないし、アークが深海に赴いている間、地上がアンドロメダ流国のインセクターの襲撃を受けている状況で、それを蹴散らすように出現した謎の黒いゲッター。OVAの真ゲッターでも行方不明の流竜馬が宇宙からブラックゲッターを駆って帰ってきて、メタルビースト相手に暴れ回ったことがあるが、それを彷彿とさせる黒い機体の先代ヒーローだ」
NOVA「アークの5話までは、日本の早乙女研究所周辺の狭い範囲の物語だったが、6話以降は急にワールドワイドに世界観が広がって、日本以外でもインセクターの襲撃があることが描かれている。その中で、アメリカを守るべく戦っていたのが、アメリカ製可変スーパーロボット・ステルバーのパイロットだったシュワルツと、そのパートナーになっていた昔のゲッターチームの一員、橘翔で、彼らの登場もアニメオリジナル。原作コミック版のゲッター號を読んでいたゲッターファンは、彼らのその後が描かれたことを喜びつつ、火星に飛び立って行方不明になっていた真ゲッターとメインパイロットの號の再登場に感じ入ったものだ」
シロ「コミック版の読者を喜ばせるサプライズだったんですね」
NOVA「そして、スパロボDDでは、アークに次いでタラクが実装されて、プレイヤーが普通に扱える。一方、Yの方ではゲスト出演のNPCでしかなく、DDに比べて戦闘演出も地味だな。チャプター4の戦線ミッションで先行登場していたのを見かけてはいたが、本編ではここが初出。よりによって、水中で適性のないゲッター1かよ、とツッコミを入れるところだが、タラクは1人乗りゲッターで変形機能がついてなさそうなので、ゲッター3の登場はなし。獏の兄タイールが真ゲッター3で戦っている姿が一度は見たいんだけど、彼はコクピットに乗ってるだけで、戦闘シーンはないからな。まあ、それを言うなら、真ゲッター2パイロットの流竜馬も見てみたいけど。スパロボでも、號、竜馬、タイールの組み合わせの真ゲッターは登場した試しがないわけで、タイールはともかく、竜馬がゲッター2のドリルで暴れている姿はいつか再現して欲しい」*1
ヒノキ「ゲッターは各機体をパイロットが入れ替えたりできんのか?」
NOVA「武蔵が単独でゲッター1に乗って自爆したケースは有名ですけどね。隼人がゲッター3に乗って大雪山おろしをすることも理論上は可能だと思いますが、さておき。苦手な水中でも気にすることなく、果敢にトマホークで斬り込んでくるバーサーカーみたいなタラク。どんどんダメージを受けて行って、これでタラクの撃墜が敗北条件になっていたら嫌だなあ、と思いながら、やがてHP0になったタラクさん。このまま撤退するのかと思いきや、気合を入れると、HPフル回復して、なおも暴れ続ける不死身のタラクさんでした。ザコ敵ならともかく、うっかりガルーダさんを倒されないようにしましょう」
シロ「タラクさんは経験値泥棒だと」
NOVA「まあ、30と本作は、経験値や撃墜数を戦線ミッションで稼げる分、過去のスパロボほど恨みがましい目で見ることはないんだけどな。それでもボスキャラを倒されるのは、物語的に美しくない。やはり、ガルーダのトドメはコンVで刺したいのが人情ってものだ」
ゲンブ「それで敵を全滅させるとどうなるでござるか?」
NOVA「用事が済んだら、タラクさんは何も言わずに去っていく。その正体はまだ不明のままだ。真ゲッターといえば、拓馬や獏にとって父親や兄にまつわる機体なので、聞きたいことはいろいろあったんだけどな。ともあれ、原作ではこの後、完成したゲート装置でアンドロメダ流国のある宇宙に乗り込むゲッターアークだけど、スパロボでは装置が完成するのに時間が掛かるということで、今回は装置完成のための必要データを届けるだけで終わった。カムイの事情と恐竜帝国について描かれただけで、物語は先送りになった、と」
バイストンウェルの意思(53話)
NOVA「NOAHSのせいで世界が戦乱に巻き込まれる状況を憂えたシーラ様が、この悪意の源がどこにあるのかと確認するために、バイストンウェルのジャコバ・アオンに会いに行こうという話だ。そもそも、一度は死んだはずのドレイクや他のオーラバトラー乗りの事情も確認したいという思惑があってな」
シロ「やはり死んだキャラが復活した事情は気になるところですね」
NOVA「そもそも、バイストンウェルは魂の安息所とも言われ、要するにあの世の隠れ里みたいな異世界だ。この世での悪意や憎悪が浄化されて、死後の安らぎを得る天国みたいな場所だが、地上の悪意が持ち込まれて平和だった地に戦乱がもたらされたために、フェラリオの長ジャコバ・アオンの霊力で、全てのオーラマシンが地上に放逐されたという経緯がある」
ヒノキ「天国だけど、霊体ではなくて、きちんと肉体を持って、ファンタジー文化的な生活を送っている、と」
NOVA「イデオンの最後の因果地平ともまた違う概念だが、この世で死んだらバイストンウェルに行くという異世界転生ものの走りみたいな設定だ」
ゲンブ「バイストンウェルで死んだら、どうなるでござるか?」
NOVA「さあ。また別の世界に転生させられるのかもしれないな。そして、TV放送直後の裏設定によると、ペンタゴナ・ワールドはバイストンウェルの天空界に隣接する次元とのことだけど、今回はその裏設定を取り込んだらしい。つまり、ペンタゴナのダバ・マイロードも、バイストンウェルの聖戦士と縁ある者。また、カミーユも地球の聖戦士認定される」
ヒノキ「カミーユはガンダム主人公だけでなく、聖戦士でもあるのか?」
NOVA「まあ、Zガンダムの設定は、ガンダムの続編だけでなく、ダンバインやエルガイムの後番組として、思いきり影響を受けているのも事実だし、Zガンダムがオーラバトラーの一種だというのは、ファンからネタとして言及されるのが多かったのを、スパロボが採用した形になる。本作のカミーユは、シロッコとの決戦の後、廃人になっていた間、その魂はバイストンウェルに迷い込んでいたらしい」
シロ「廃人設定……ってことは、劇場版ではなくて、TV版設定ってことですよね」
NOVA「どっちにしても、エマさんが生きていることが最大の謎だけどな。まあ、スパロボではエマさんの死が描かれたことはないけど。ずっと健在か、最初から死んだことにされているかのいずれかだ。エマをレコアと戦わせると、イベントが発生して相討ちになるということもないし」
シロ「とにかく、カミーユの魂はバイストンウェルに飛ばされた後、再び地上に戻って来たってことですか」
NOVA「そして、カミーユだけが地上の悪意の元凶が分かるらしい。まあシロッコの伏線だろうと推測できるんだけど」
シロ「カミーユの魂を、シロッコが連れて行って、バイストンウェルに至った。それで、シロッコも後から出てくるわけですね」
NOVA「次元の境界線があやふやになっていて、バイストンウェルも不安定になっているとか。それもこれも戦いを求める地上人の心のせい、とジャコバ・アオンはこちらを責めるのだけど、シーラ様が反論するわけだな。戦いを求める悪しき心と、平和を求める善き心を混同するな、と。『悪しき心が勝てば永遠に戦いは続くけど、善き心が勝てば戦いは終結する。悪と戦っているという理由だけで、善き心を頭ごなしに否定しないで欲しい。私たちは必ず戦いを終わらせてみせる』と宣言するわけですな」
ヒノキ「まあ、敵のNOAHSが戦いを広げると宣言している以上、戦わずに降伏すれば、戦いのない平和な世界になるとも考えられんしのう」
NOVA「フェラリオの長は、極端な平和主義者だから、バイストンウェルに戦いを持ち込んだ=地上人は好戦的で、バイストンウェルの住人が毒された、と考えていますからね。それに対して、シーラ様は善悪の論理を提示したわけだ。戦いを止めるための武力は、平和主義者にとって否定されるべきものかどうかの哲学問答と言ってもいい。結局のところ、ジャコバ様にとっては、せっかく魂の安息の場に来たカミーユの魂が、またも地上に戻って戦争している姿が信じられないらしい」
ゲンブ「それでも、カミーユ殿は戦いを続ける、と」
NOVA「『俺を支えてくれる魂が大勢いますから』と霊媒師発言するカミーユに、ジャコバ様も反論できず、シーラ様や聖戦士の覚悟を承認することにした。地上のことは関知できないから、彼らに任せるしかない。平和を守ってくれるよう祈るのみ、と」
ヒノキ「これで、フェラリオの長は、聖戦士の戦いを黙認することになったのじゃな」
NOVA「しかし、もう一人、戦いの元凶がいるそうで、エチカお嬢さまが召喚されて、『お前だけは、地上に返すわけにはいかん。戦火を広げる元凶の一人だからな』と言い放つ」
シロ「人間じゃない化け物呼ばわりされたり、戦いの元凶と呼ばれたり、いろいろと過酷なヒロインですね」
NOVA「エチカの正体はまだ明言されていないけど、エチカの弁明は『エーアデントの民の平和と安全のために、戻らないといけない』というもの。己の野心のためではなく、周りの人々のためと宣言する彼女を、『お前はドレイクと同じ覇王の器だ。それでも戦いを続けると言うのか』と問いただす。それに対するエチカの決意は『戦いの先に、平和と幸せの未来が待っていると信じていますから』というもの。ジャコバ様は、そうであればいいが……と嘆息しつつ、『わしにはこれ以上、関われん。希望をそなたに託そう』とお嬢さまも送還することで、会話パート終了」
ヒノキ「ようやく戦いじゃな」
NOVA「まあ、何だかんだ言って、戦うのがゲームの本分ですから。敵は、NOAHSのライバルキャラたち(Zガンダムのヤザン、ダンバインのトッドとバーン、エルガイムのギャブレー)で、それに対抗するべく、カミーユは『ウェイブライダー突撃』を、ショウはハイパーオーラ斬り以上の新技『オーラシュート』を習得します」
シロ「ビルバインの最強技は長らくハイパーオーラ斬りだと言われて来ましたが、XとTにおいて隠し武装のオーラシュートが最強技として実装されていたんですね」
NOVA「必要気力や消費ENが多すぎて使いにくい武器だと思うな。ともあれ、エルガイムだけ武装のパワーアップがないのがツッコミどころだが、まあ普通に強いからいいかな、と」
ヒノキ「聖戦士の武装パワーアップシナリオじゃが、エチカが戦乱の元凶の一人と言われてしまったのが気がかりじゃのう」
NOVA「彼女だけではありません。次のシナリオでは、ワルキューレの歌にもそういう懸念が発生しますから」
紅い災厄(54話)
NOVA「このシナリオで、ついにゴジラの影が見え隠れします。とりあえず、伏線として、見逃した『未来への警告』をチェックしておきます」
NOVA「気になっていたのは、ゴジラSPのヒロイン、神野銘の動向です。李桂英にスカウトされて、特異点と破局の研究をするのですが、『紅い災厄』ではすでに研究を始めていて、それについてエーアデントのユンと意見交換していたわけですが、『未来への警告』を未プレイだと、どういう経緯で研究を始めたのかが分からず、唐突感を覚えたわけですな」
ヒノキ「ジェットジャガーのパワーアップができなくて残念だ、と言っておったのう」
NOVA「それについては、チャプター終わりにパワーアップイベントがあったので、後からのフォローはあったと思います。まあ、神野銘がアシストクルーとして加入できるかどうかのフラグ立てに失敗した可能性はありますが、とりあえずストーリー的にはおおよそ補完できたと考えます」
シロ「それで、銘さんはどういう研究をしていたのですか?」
NOVA「紅塵にまつわるものが重要な一点だが、破局を回避するための時間巻き戻しに関する研究も、ユンとの会話の中で示されていた。その理論をAIのPP(ペロ2)が学習することで、ジェットジャガーがPPと融合して、時空制御の能力を獲得して、ゴジラウルティマ退治の切り札になるような終盤。とにかく倒されてはリセット、倒されてはリセットを繰り返して瞬時にパワーアップを遂げていく過去の段取りをシミュレートした末に巨大化まで果たすという、よく分からない理屈ですが、本作では『復活のルルーシュ』の予言で6時間限定で似たようなことをしていますし、アンドロメダ流国も、ラー・ヴァルも未来から来て、自分たちの敗北をリセットするために暗躍していますし、時間の巻き戻し理論が各作品で物語の世界観を彩っています」
ゲンブ「なるほど。時空魔術でござるな」
NOVA「特撮だと、仮面ライダーカブトのハイパーカブトとか、仮面ライダー電王やジオウなど、時間遡行ヒーローは類似例が見られますし、スパロボではRにおいて破滅する未来を回避しようとする物語が描かれました」
ヒノキ「そこにゴジラSPも関連づけようということじゃな」
NOVA「もちろん、銘の研究はまだ断片的なもので、ユンとの会話で理論を紡ぎ上げている途中ですが、ゴジラSPは若き天才科学者2人の会話によるSF科学理論が散りばめられて、怪獣出現の謎や打開策を紡ぎ上げる過程が面白い作品です」
ヒノキ「それで、スパロボではそれをどう表現しておるのじゃ?」
NOVA「ユンと銘の遠距離通話で、怪獣出現の謎と時間や多元世界の概念が伏線的にポツポツ語られた程度ですが、本作はそこに古代遺跡やワルキューレの歌などが複層的に混じっていて、もしかするとワルキューレの歌に含まれる生体フォールド波が怪獣出現を活性化させる可能性が語られていました」
シロ「歌が怪獣の眠りを覚まさせる、と。よく分かります」
NOVA「モスラやシーサーはそうだもんな。今回の舞台はニュージーランドのクライストチャーチ。ワルキューレの野外ライブが予定されていて、その設営からリハーサルまで日常劇が展開されるんだけど、そこにラドンの群れが出現」
ヒノキ「ラドンしか、怪獣はおらんのか」
NOVA「今回からクモンガも登場しましたよ。しかも、ラドンはマップ南から来たので、そちらに注意を向けていると、クモンガは北の海から出現。その近くには、ワルキューレの舞台があって、彼女たちがピンチになったところを、オニジャとムジナの怪獣が救出するというイベントあり」
シロ「え? 怪獣優生思想が味方になってくれた?」
NOVA「どうも、彼らはワルキューレの歌のファンになったらしい。サインを欲しがったりもしていた。あと、ダイナゼノンの怪獣は、人間の情動から生まれるものというのが原作設定で、その情動を増幅させる機能がエーアデントにはあるらしく、だから怪獣優生思想はエーアデントの住人として日常生活をエンジョイしながら、情動が溜まった頃合いに怪獣を解放しているというのがスパロボ設定だ」
ヒノキ「だから、エーアデントでは原作よりも数多くの怪獣が出現しておるんじゃな」
NOVA「ただし、彼らにもルールがあって、エーアデントの市内では怪獣を暴れさせないように務めている。あくまでエーアデントの周囲に出現させるように、彼らなりの気遣いをしているんだ。自分たちの住んでいる街には被害を出さないようにな」
ゲンブ「しかし、外からエーアデントを破壊してしまえば、結果は同じではござらんか?」
NOVA「まあ、エーアデントを防衛するロボット軍団に防がれているから、母艦が被害を受ける可能性はほとんどないけどな。とりあえず、ダイナゼノンを始めとするロボット軍団と戦うことが、彼らの娯楽になっているのかもしれないし、あるいはエーアデントに蓄積された負の怨念をこういう形で発散してくれているのかもしれない。何にせよ、エーアデントを本気で破壊してしまえば、自分たちの楽しい生活も壊してしまうと最近、気付いたようで、その矛盾をどう解消したらいいかのドラマが始まったような。怪獣は暴れさせたいが、街での暮らしやワルキューレの歌なんかは尊びたい。どうしたらいい?と」
シロ「だったら、エーアデントに攻めてくる敵と戦えばいいんじゃないですか?」
NOVA「良くないだろう。連中が経験値泥棒になるのは我慢ならん。しっかり、怪獣を召喚して、経験値と資金と撃墜数を進呈してくれるのが彼らの仕事のはず。負の情動をそういう実利に換えてくれるのが、ゲーム的な彼らの役割だと思う」
ヒノキ「ストーリー的には、ラドン襲来なんかに便乗して、面倒ごとを増やす連中にしか思えんのじゃが」
NOVA「腐れ縁で、時々、良いこともしてくれるので憎めない敵役なんですな。さて、クモンガが海から出現すると同時に、大量の紅塵で海が赤く染まり、そこにゲートが出現して、アンドロメダ流国の軍勢が出現した。しかし、当の兎猿猴はどうして時空が歪んでゲートが発生したのか分からん、と言って、もしや……と言いながら、逃げていった。彼の配下だけを置き土産に残して」
ゲンブ「前門のラドン、背後からクモンガの急襲。サイドから怪獣優生思想の怪獣。アンドロメダ流国は?
NOVA「ラドンの最初の出現ポイントから突如湧いて出た。しかも、こいつら、互いに攻撃したりはせず、全部こっちを狙って来やがる。おかげで経験値などのいい餌だ」
ヒノキ「自軍がある程度育っていれば、敵の大群は良い稼ぎになるからのう」
NOVA「頑張って敵を全滅させると、屋外コンサートは急遽、エーアデント市内に会場を切り替えて、待ち望んでいたファンの喝采を浴びた。しかし、怪獣の活性化にワルキューレの歌が関わっている可能性はぬぐい去れたわけではない」
ゲンブ「歌えば怪獣が出現するとなれば、困った事態でござろうな」
NOVA「作品は違うが、マクロスFのランカの歌とバジュラの関係がそうだったからな。最終的には、バジュラが敵なのではなくて、バジュラを兵器に利用しようとする陰謀が背景にあったわけだが、それはさておき、異変に気づいた兎猿猴が沖の海に出ていくと、こんなのが海上に姿を見せて、例のBGMが流れ始めた」
ヒノキ「ゴジラがとうとう出現したのじゃな」
NOVA「ニュージーランド近海だが、人類はまだ怪獣王の出現に気づいていないってことで」
(当記事 完)
