花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、TRPGの魔法研鑽を展開予定。

冒険ファンタジーな戦隊考古学2(ボウケンジャー特集)

プレシャス争奪の物語

 

ヒノキ「前回のマジレンジャーに続き、今回の戦隊考古学はボウケンジャーの話を中心に語るのじゃ」

ハイラス「考古学というタイトルにふさわしい題材でござるなあ。考古学といえば、第一に恐竜、第二に古代文明の遺跡でござろうから」

セイリュウ「恐竜は古代生物学、遺跡は古代史に絡むが、どちらも現代には滅びた未知なるロマン、そして失われた力の象徴を示していると言ってもいい。発掘という作業と、欠片の修復という作業にも関連してくる」

ジュニア「ところで、ボウケンジャーにも恐竜が絡んでくるんですよねぇ。確か敵組織が恐竜関連だったと聞きますぅ」

ヒノキ「リュウオーン率いるジャリュウ一族じゃな。ボウケンジャーの敵組織は、最大4種類あって、それぞれ過去の戦隊の要素とカラーリングを強調している。ジャリュウ一族は赤い恐竜もしくは伝説獣をモチーフにした組織。他に青い忍者モチーフのダークシャドウや、白いメカモチーフの古代文明ゴードム、そして後から登場した妖怪風味の異種族アシュがゴードムにサイボーグ改造された黒いクエスター・コンビがいる。それらボウケンジャーの敵役は総称してネガティブ・シンジケートと呼ばれているが、決して一枚岩ではなく、協力もすれば対立もする複雑な関係じゃ」

ハイラス「ネガティブ・シンジケートとは、非常にマニアックな設定なのでござるな」

ヒノキ「つまり、ボウケンジャーは30周年作品らしく、歴代スーパー戦隊モチーフの敵と戦っていたことになる。ゴウカイジャー以前では最大級の盛り上げ方と言ってよい」

 

ボウケンジャーのロボ話(with以降の多数合体ロボ)

 

ヒノキ「そして、ボウケンジャーはある意味、最高のヴィークル戦隊と言えよう。これ以降はヴィークルのみならず、動物要素を混ぜたりして、純ヴィークルとは言えなくなったからのう」

セイリュウボウケンジャーのロボは、アルティメットダイボウケンまでで10台合体。そこに3台合体のサイレンビルダー、5機合体のダイボイジャーが加わって、ヴィークル系が18機に、大剣人ズバーンが加わって、19の巨大戦力がある計算で、この時点で最大機数になる。アルティメットダイボウケンを、戦艦メカのゴーゴーボイジャーに載せるボイジャーアルティメットダイボウケンが15台合体で、とうとう伝説のダイラガーに追いついた形になるわけだ」

ヒノキ「劇中では、ボイジャーダイボウケンは登場したが、アルティメットはボイジャーと合体してはいないはず。ボウケンジャーの合体最大数は10台までじゃ」

セイリュウ「むっ、そうであったか? その気になれば、できそうな気もしたが」

ヒノキ「だったら、2作後のエンジンオーG12がその時期の最大合体総数とは言えんじゃろう」

ジュニア「現在の戦隊ロボ最大合体機数はいくつですかぁ?」

ヒノキ「うむ、一応、ゴッドキングオージャーが20体合体で最大となっておるが、あれは細かいパーツが大分水増しされて数えられているからのう」

 

セイリュウ「元々のキングオージャーからして、5体合体のはずなのに、ゴッドクモ2体、ゴッドテントウ2体、ゴッドアント1体が水増しされて10体合体ということになっているからな。何だかズルいというか」

ヒノキ「では、どの合体がベストなのか、以下の動画から、セイリュウの意見を聞こうではないか」

セイリュウ「うむ。まず、キュータマジンのように、合体パーツが分離メカの一部のボール(コクピット部分)しかないのは、美しさを感じないな。同じ理由で、合体パーツがキューブになって脚部に積み重なっているだけのワイルドトウサイドデカキングも、面白みがない。こう見ると、アルティメットダイボウケンの10台合体が芸術的に思えるなあ」

ハイラス「今の合体システムは、20年前に劣るということでござるか?」

セイリュウ「合体ロボのコンセプトが変わったと言ってもよいか。昔は1号ロボがコアになって、その周りにアーマーや武装が取り付けられて行って、スーパー◯◯合体というパターンがあった。それに比較的忠実なのは、シュリケンジンとドンオニタイジンだと思うが、シュリケンジンはいまいち人型とは異なるデザインをしているし」

ヒノキ「神輿の座椅子に小型ロボが腰を下ろす、収納合体的なコンセプトじゃからのう」

セイリュウ「やはり、デザイン的にはドンオニタイジンがベストだろう。次点がキラメイジャーのグレイトフルフェニックスだが、これは1号ロボのキラメイジンとは違う追加ロボだし、ここでは勘定に入れまい。キラメイジンのパワーアップはないのか?」

ヒノキ「武装の換装形態はいろいろあるが、スーパーキラメイジン的なものはないので、合体機体数はさほどでもない。他には、近年の一つのパターンとして、コアメカが後から追加されて、1号ロボの合体パーツが四肢などの部位パーツになって、新たな最強合体スタイルとなるものがある。ワイルドトウサイドデカキングもそうじゃし、ゼンリョクゼンカイオーもそうじゃろう」

ジュニア「新発売のメカを中心にした合体の方が、購買意欲を高めるってことですかねぇ」

セイリュウ「1号ロボを蔑ろにする合体は、好みではないのだがな。その意味では、ドンオニタイジンは、ドンモモの個性ありきのロボなので、蔑ろにされることはなかったのがいい」

ヒノキ「レッドが新型ロボに乗り換えて、従来の1号ロボは他の仲間が操縦して、それに6人めが1つのロボを請け負って、終盤戦は常時、3機のロボが出撃する体制がいいと思うのう。合体総数は少なくてもいいので、3機のロボが並び立つ戦闘シーンがわらわの好みじゃ」

セイリュウ「10機以上のロボが全合体するような豪華仕様は、戦術やドラマの自由度を減らすこともあるな。例えば、今のゴジュウジャーは巨大戦を担当するのが1名だけで(最近、2号ロボのグーデバーンが加わって、2人合体体制になったが)、他の4人は等身大戦を続けている。誰が搭乗者になるかで、武装および戦闘スタイルが変わるテガソードは面白い試みだが、従来の3人ないし5人で力を合わせて、巨大戦を行うというパターンが見られなくなって、戦闘シーンが錯綜しがちなのが、利点なのか難点なのか、よく分からんのが現状だ」

ヒノキ「一度、テガソードが分身して、面白い巨大戦になったが、そもそもゴジュウジャーは巨大戦が物語の重点には置かれておらんじゃろう。テガソードもロボとしてだけでなく、変身アイテムとしても使用できるので、それで画面に映っていれば、販促効果は満たせるじゃろうし」

ジュニア「前作も、ブンドリオが巨大ロボのコアでありながら、等身大でも目立っていましたからねぇ」

ヒノキ「合体前の分離メカを喋らせるなどして、単に戦力としてだけでなく、キャラクターとして売り出すのが、近年は定着したと言えるかもしれんのう」

セイリュウ「で、ロボとしては近年のCG過多の作品より、ミニチュアや着ぐるみスーツで頑張ってる方を推すのだがな。それと、やはり合体シークエンスを細かく段取りを見せてくれるロボがいい」

ヒノキ「それと、合体ソングは、宙明さんの作曲がベストじゃな」

ジュニア「だったら、ゼンカイジャー以降はベストになれないじゃないですかぁ」

ヒノキ「近年の新しい試みは、新鮮で面白いと思う一方で、個人の心に焼きついた伝統を大事に思う気持ちも大切なのじゃ。まあ、ゼンカイマジブルーンは、マジレンジャーボウケンジャーをオマージュした2体なので、前回と今回の記事ではポイントが高いと言えよう」

ジュニア「ゼンカイジャーは、初期メンバーのモチーフが『ジュウレンジャー』『ガオレンジャー』『マジレンジャー』『ボウケンジャー』なので、今回のテーマにもちょうど噛み合いますねぇ」

ヒノキ「ふむ。すると、今から全力全開で、ゼンカイジャーの話に行くか」

ハイラス「15年も先に飛ばさずに、ボウケンジャーの話を終わらせて欲しいでござる」

 

車の戦隊の話

 

ヒノキ「ボウケンジャーは、冒険者の戦隊であるとともに、車の戦隊としても語るべきなのじゃ」

セイリュウ「車といえば、『ターボレンジャー』『カーレンジャー』と来て、次に『ゴーゴーファイブ』『デカレンジャー』のロボのモチーフでもあるな」

ヒノキ「そして、レッドのマシンが大型ダンプというのが新機軸。ダンプはこれまで、ゴーグルファイブのイエロー機、カーレンジャーのグリーン機で使われて脇役専用機と思われていたが、まさかの主役機に抜擢」

セイリュウ「そう言えば、昭和戦隊ではレッドの機体が飛行メカというパターンが多かったが、平成では流れが変わったのだな」

ヒノキ「レッドが地上車で、他の仲間が航空戦力なのは、昭和ではフラッシュマンのみなのじゃ」

ジュニア「転機は、やはりジュウレンジャーですかねぇ。レッドがティラノで地上用。空中戦はピンクのプテラノドンしかできない」

ハイラス「そこから空中はヒロインの役割になるでござるな。星鳳凰やホワイトカークが飛行型」

ヒノキ「まあ、ダイレンジャーでは気伝獣・龍星王も空を飛べるし、四星合体・天空気殿も空中対応していて、普通に空中戦はできる。カクレンジャーもツバサマルという強力な飛行ユニットが付くので、空は問題ない」

セイリュウ「空中戦が無力なのは、カーレンジャーだな。しかし、この作品で車のヴァリエーションが一気に増えた。消防車やパトカー、救急車、ダンプカー、ブルドーザーといった働く車のヴァリエーションが増えたことで、ゴーゴーファイブにつながる」

ジュニア「ゴーゴーファイブは、レッドがハシゴ車という新機軸でしたねぇ。ラダーアームが面白いギミックでしたぁ」

ヒノキ「ゴーゴーファイブは、当時のアイデアの宝庫じゃ。後は、前作のギンガマンから引き続き、グリーンが空中戦担当になる。グリーンの機体がロボの頭部を担当するのも新しい」

セイリュウ「続くガオは、イエローが空中戦担当で、赤が空という昭和の定番が絶対ではなくなっている」

ヒノキ「とは言え、ハリケンレッドは空忍じゃし、マジレンジャーでもレッドが空に親和性が高い(フェニックスやファイヤーバード)。むしろ、フェアリーだったピンクや、ガルーダだったイエローが、マジレジェンドだとマジライオンの一部でしかない。マジレジェンドが活躍できなかったのは、メンバーが巨大戦では持ち前の能力が発揮できない形態に変身したからなのでは? どう見ても、マジライオンよりもマジドラゴンの方が対応力も強さも上のモチーフに思える」

セイリュウ「マジレジェンドの話はもういいから、ボウケンジャーの機体の話に進もう。青が空中機で、桃が潜水艦というのは初のパターンだな」

ジュニア「確かに、従来なら青が水系で、ヒロインが空を担当する感じですかぁ?」

ヒノキ「青が空なのは、アオレンジャー以来じゃな。ピンクヒロインが海担当なのは、コン・バトラーのバトルマリン以来? まあ、ブルーヒロインなら、水担当なのもありじゃったが、ボウケンジャーは各色の担当分野もちょっとした冒険をしていたと見える」

ハイラス「こういう色ごとの得意ジャンルの変遷も考えてみるのは面白いでござるな」

 

現代冒険TRPGの話と物語の類型

 

ヒノキ「ボウケンジャーみたいな現代社会の世界観で、お宝探しのできる冒険を行うTRPGとして、当時、いい資料になるな、と思っていたのが、この作品じゃ」

セイリュウ「しかし、20年前ならともかく、今は現代の冒険ゲームなどありふれているだろう。わざわざそんな化石のような作品を引っ張り出さなくても……と言うのが良識だろうが、ここは考古学記事だったな」

ヒノキ「そう。化石を発掘するのが考古学というものよ、ヒヒヒ」

セイリュウ「で、わざわざTRPGのシステムを紹介するということは、そういう話に移るのか?」

ヒノキ「いや、さすがにじっくり一つのTRPGシステムを解説すると、記事が一つで済みそうにないからのう。とにかく、『ブルーローズ』はお宝争奪戦に特化したTRPGで、PCが所属する学術団体ブルーローズと、他の4つの敵対組織が設定されていて、いろいろとボウケンジャーの設定に関係近そうと感じたまでじゃ」

ジュニア「お宝探しって、TRPGの基本じゃないですかぁ? 最初のD&Dもダンジョンに入って、モンスター退治して、お宝を探すゲームでしょ?」

ヒノキ「基本はそうじゃな。なお、TRPGのシナリオパターンはいろいろあるが、山本弘さんは昔に7つの分類を示しておる。それによるとじゃな」

 

  1. 退治型:敵を倒すのが目的
  2. 捜索型:何かの物品を探し、入手するのが目的
  3. 救出型:敵に捕まった誰かを助けるのが目的
  4. 脱出型:捕まった状態から逃げ出すのが目的
  5. 輸送型:物品や人物をある場所に運ぶのが目的
  6. 調査型:事件の手がかりや情報を調べて謎を解くのが目的
  7. 競技型:何かの競技で勝利するのが目的

 

ヒノキ「多くの物語では、これらの要素の何かを主軸にしつつ、他の要素との組み合わせでいろいろなヴァリエーションを見せておる。さらに細かく分けるなら、生存型(サバイバル。過酷な環境で生き延びることが目的)や、防衛型(ディフェンス。予想される敵の襲撃から場所あるいは物品・人物を守ることが目的)などを付け加えることも可能。そして、多くの戦隊や日本のヒーローのストーリーの土台は、防衛型になる」

ハイラス「敵が攻めて来たから、迎え撃てってパターンでござるな」

ヒノキ「街で怪人が暴れている。やっつけて平和を取り戻せって退治型と組み合わさることも多い。今のゴジュウジャーは、それに競技型(ナンバー1バトル)と救出型(怪人の中に取り込まれた人がいる)という特徴がある。どうも力押しでは怪人を倒せなくて、ナンバー1バトルという儀式を経ないと、中の人間を助けられないどころか、撃退不可能という設定らしい」

セイリュウ「そういう世界観のルールのようだな。戦隊のエピソードの中には、なぜか『今回は野球で対決だ』とか『サッカーで勝負だ』とか『料理で決着をつけてやる』とか妙なこだわりを持った怪人がいて、わざわざ相手の流儀に乗る話もあるが、それを毎回の定番にしたのがゴジュウジャー。世紀末のメタルヒーロー亜流作品『カブタック』や『ロボタック』風味という者もいる」

ジュニア「前作のブンブンジャーは、運び屋ということで輸送型にスポットを当てて、ボウケンジャーは捜索型にスポットを当てた戦隊だということですねぇ」

ヒノキ「調査型のデカレンジャー、捜索型のルパンレンジャーVS防衛型のパトレンジャーなど、さまざまなストーリー構成のパターンがあるのが、物語を分析するとよく分かる。これと日常生活からの距離感という軸を加えるという分析の仕方もある」

ハイラス「と言うと?」

ヒノキ「当初のゴレンジャーは、秘密戦隊というタイトルのように、イーグルという対黒十字軍防衛組織の中の特別チームという設定だった。当初は、スパイアクションを念頭に置いていて、秘密戦隊の名のとおり、黒十字軍もゴレンジャーのメンバーが誰なのか分かっていなくて、その正体を探る回もあったのじゃが、何しろゴレンジャーは敵の前で変身しているから、顔や正体はバレバレで、秘密戦隊という言葉はすぐに有名無実のものとなる。ただし、それでも一応は秘密なのじゃ」

セイリュウ「どこの誰かは知らないけれど、誰もがみんな知っている、ということだな」

ヒノキ「ヒーローの名前は有名だが、その正体は不明という意味じゃな。ゴレンジャーの場合は少し違って、メンバーの名前や、イーグルに所属していることは黒十字軍も知っている。しかし、ゴレンジャーの秘密基地がどこにあるのか、メンバーの住所はどこで、普段はどこにいるのかが分からないという意味で、ゴレンジャーの私生活を襲撃することは不可能。まあ、作戦決行していたら、ゴレンジャーが邪魔しに現れるから、わざわざ誘き寄せたり、プライベートを襲撃する必要もないということじゃな」

セイリュウ「そもそも、ゴレンジャーに日常生活はあるのか?」

ヒノキ「劇中では、基地に通じる『スナック・ゴン』にたむろしていて、江戸川総司令がゴンのマスターをしている。基地にいるか、外でパトロールに出ているか、ゴンでカレーその他の食事をしながら、世情や事件について雑談しているかの3パターンがゴレンジャーの日常。ゴンも基地の一部と見なすなら、ゴレンジャーはいつでも公務に励んでいて、自宅とか趣味に励むシーンはほぼ描かれていない」

セイリュウ「まあ、キレンジャーのカレー嗜好や、子どもとのなぞなぞ遊びがちょっとした趣味みたいなものか」

ハイラス「公的な組織所属型の戦隊は、基地やカモフラージュ施設にいるのが日常でござるな。プライベートシーンは描かれなくても、物語はほぼ成立する」

ヒノキ「そのパターンが、ジャッカー、バトルフィーバーと続くが、バトルフィーバーになって初めて、戦士の公務外の日常の顔が描かれた。例えば、バトルフランスは普段が美容師をしているし、初代コサックはパチンコ好き。ゴレンジャーのスナック・ゴンに相当するメンバーの溜まり場にスナック・ケニヤが設定されたが、そこのマスターはフィーバー隊とは無縁で、普段は正体を隠匿する戦隊であることも、前半では強調していた。よって、カモフラージュとなる表の顔も各人別々で、まとまりの悪い戦隊第1号ということになる」

ハイラス「ゴレンジャーよりもよほど秘密戦隊していたでござるな」

ヒノキ「それだけに、敵にメンバーの正体がバレてからはハードな話になって、後半は特定個人が襲撃のターゲットになる回も多発した。メンバー2人が物語半ばで負傷交代、もしくは殉職した戦隊はこれ一つだけじゃ」

セイリュウ「戦隊の最初の殉職者は、2代めキレンジャーの熊野大五郎で、転任した初代キレンジャーの大岩大太が出戻ることになる。バトルフィーバーでは、ミスアメリカとバトルコサックがそれぞれ2代めに交代した」

ヒノキ「以降は、サンバルカンのバルイーグル、バイオマンのイエローフォー、それに黒騎士ブルブラック→ヒュウガと、リュウソウジャーなんかが戦士の代交替をしたと言えようか」

ジュニア「それを言うなら、今のゴジュウウルフも2代め呼ばわりされていますし、ユニバースのシンケンレッドも緒乙さんから、ファイヤキャンドルさんに交代しましたねぇ」

 

ハイラス「話がいささか錯綜しているようでござるが、ボウケンジャーの話はどうなったでござるか?」

ヒノキ「うむ。ボウケンジャーデカレンジャー同様、公務で戦隊をやっているチームであるゆえ、そのストーリーもミッションという形で『プレシャス獲得』というフォーマットが決まっておる。元々、戦隊は公組織に所属する調査および戦闘チームという形式で始まったから、ボウケンジャーはその点でも、スパイアクションめいた原点回帰な戦隊と言える」

セイリュウ「でも、デンジマンから『宇宙の科学が背景に出てきて、公的機関とは異なるチーム』が出てきた後、ゴーグルファイブで『民間の科学者が結成したチーム』となり、公的機関に所属する系、宇宙科学の継承者系、民間科学者の私設機関系、そしてジュウレンジャー以降のファンタジー系の大きく4つに分かれて、作品によっては、それらの要素が組み合わさったりもしている」

ヒノキ「デカレンジャーは宇宙科学と公的機関の組み合わせで、ボウケンジャーは一応、サージェス財団が民間系にも関わらず、その影響力が世界の各国に支部を抱えるなどワールドワイドに大規模なもので、半ば公的機関のように扱われている面も大きい」

セイリュウ「メンバーの中に、元スパイとか、自衛官とか、その道のプロフェッショナルが設定されているのも特徴だな。前作マジレンジャーや次作のゲキレンジャーが割と日常生活を中心としたドラマや、魔法ないし拳法の修行をしている未熟さを強調した戦隊であるのに対し、最初から強いのがボウケンジャーだ、と」

ヒノキ「もっとも、ボウケンジャーもブラックとイエローが当初は新人隊員で、彼らのミッションを通じた成長を描いた側面もあるのじゃ」

ハイラス「ともあれ、組織に所属してミッション形式の公務で事件に関わる戦隊もあれば、もっと私生活を重視して個人的な事情からやむなく戦いに身を投じた戦隊もある、と。それが各戦隊の作風でござるな」

ヒノキ「ボウケンジャー以降の公務系戦隊だと、ゴーバスターズ、キュウレンジャー、パトレンジャーぐらいになるかのう」

ジュニア「王様戦隊は、公務ではないのですかぁ?」

ヒノキ「国王というのは確かに公務と言えなくもないが、あれは組織のメンバーではなくて、国家という組織の長同士が同盟を結ぶという変わり種じゃからのう。一応、宇宙ファンタジーに属していて、キュウレンジャーからの発展系と見なしても良かろう」

セイリュウキュウレンジャーの中にも、亡国の王子やら大統領やらがいるからな。あとはブンブンジャーも公的機関との絡みが多い民間チームだった。この辺の設定も、シリーズが長く続くにつれて、いろいろな要素を取捨選択しながら、だんだん複雑化しているのも感じる」

ハイラス「ゴジュウジャーは、神に選ばれた民間戦士のチームでござるな」

ヒノキ「まあ、ジュウレンジャーと同じファンタジー戦隊の系譜で問題なかろう。チームとしてのまとまりの悪さでは、ドンブラザーズの次にバラバラなのではないかのう?」

セイリュウ「バラバラの個人が戦いを通じて、関係性を深める話が良いのではないか?」

ヒノキ「最初から共通の目的を持ったチームとして活動して、最初は任務とかライバル意識でギスギスしていたのが、次第に結束を深める流れもいい。ボウケンジャーはそういう傾向の戦隊じゃ」

セイリュウ「強烈な牽引力を持ったリーダー・レッドと、それに反発する一匹狼風のブラックという構図は、ジェットマンを踏襲したとも言えるが、その一匹狼を主役レッドにしたのがゴジュウジャーで、他のメンバーの方がそれぞれ人生経験・社会経験の先輩で……という構図も面白い」

 

ヒノキ「ともあれ、ボウケンジャーについて、最後にまとめると『お宝の争奪戦』という要素を戦隊物語に本格的に導入したのが、最大の功績と言えようか。それが海賊戦隊や快盗戦隊を生み出すワンステップになるし、『宇宙最大のお宝につながるキーアイテムとしての、レンジャーキーの争奪戦』が現在の『戦隊リング争奪戦』につながるわけで、この作品の要素が後の戦隊に受け継がれて、物語を進化発展させたというのを読み解くのが、考古学の醍醐味と言えよう」

ハイラス「で、次はシンケンジャーが旬のようでござるが?」

ヒノキ「うむ。動物系戦隊に絡むゲキレン、ゴーオン、シンケンジャーまでを一つながりとして、次の記事ネタにしようかのう」

(当記事 完)