花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、TRPGの魔法研鑽を展開予定。

アニマル&ファンタジーな戦隊考古学2(世紀末編)

前回は忍者戦隊まで

 

ヒノキ「ドルイ道の話からスピンオフ的に前回から始まった戦隊考古学じゃが、アニマル&ファンタジーに絞るにしても、旧世紀の話が終わらなかったとは想定外じゃ」

セイリュウ「そりゃあ、動物にかこつけて、昭和の母艦の話まで寄り道してたらなあ」

ジュニア「それに最後は海を越えて、パワーレンジャーの話まで突入しましたよぉ」

ヒノキ「こうなったら覚悟を決めて、D&Dに負けず劣らぬ歴史を持つ戦隊街道を突き進まねばなるまい」

ハイラス「まさに獣の道でござるなあ」

 

ヒノキ「それで前回中途半端に終わった94年の『忍者戦隊カクレンジャー』なんじゃが、これも戦隊史的には重要な意義がある」

ジュニア「どんな意義ですかぁ?」

ヒノキ「戦隊といえば、それまではレッドがリーダーというのが常識じゃったのが、ここで初めて、ヒロインのニンジャホワイト鶴姫がリーダーという革命が起こる」

セイリュウ「まあ、白がリーダーなのは、ジャッカーの行動隊長ビッグワンが前例とも言えるがな」

ヒノキ「ビッグワンは例外じゃ。あれは追加戦士であり、司令であり、OB戦士でもあるが、普段は単独行動というか、必殺技の時だけ飛んでくる召喚ヒーローの役割でもある。スパロボに例えるなら、単独ユニットではなく、気力を溜めて使える大技ビッグボンバーの演出でのみ登場するような扱い。それじゃないと、ゲームバランスが崩れるほどのチートキャラじゃろう」

ハイラス「確か、その行動隊長どのはカクレンジャーとも共演したのでござるな」

ヒノキ「いや、カクレンジャーと共演したのは、同じ役者の参謀長の方な。次作のオーレンジャーとのVSシリーズの話じゃ」

セイリュウ「現在も続く戦隊VSシリーズの始まりだな」

ヒノキ「そちらはオーレンジャーが主体なので、今はさておき。カクレンジャーの革命は、隠大将軍にある」

ジュニア「と言うと?」

ヒノキ「戦隊史上で初めて、レッド以外の機体が頭部に来た。リーダーの鶴姫を象徴するかのように、彼女の操る超忍獣ゴッドカークが頭部を構成する。レッドの超忍獣ゴッドサルダーは右腕で、ブルーのゴッドロウガンの左腕と対を為す。つまり、『お前は私の片腕だ』とボスに言われる腹心扱いじゃな」

ハイラス「モチーフ動物も、鶴、猿、狼、熊、蛙と、初物尽くしでござるな。胸に顔を持つロボは数多いが、クマが胸というのはレアなのでは?」

セイリュウ「言われてみれば、ゴッドクマードが胸というのは他になかなか類を見ない。基本的に胸に来るのは、ライオンやトラなどのネコ科猛獣が一番人気で、次にトリ科か、恐竜あるいはドラゴンが2番めを競っている。クマ顔が胸に来るロボは隠大将軍ぐらいでは?」

ハイラス「クマに変身できるドルイ道のわしとしては、隠大将軍が推しになったでござる」

ヒノキ「しかも、隠大将軍は背中に大型トリメカのツバサマルを翼合体させることで、スーパー隠大将軍にパワーアップする。背中に飛行ブースターを付ける合体システムは、マジンガーZ以降、定番ではあるが、戦隊ロボではこれが初。飛行形態に変形して空が飛べる戦隊ロボはそれまでも数多く、またロボが人型のまま飛べるケースも珍しくはなくなったが、背中に翼を装着して、いかにも空中戦対応型です、と子どもにも分かりやすくアピールできる翼合体は、わらわの推しじゃ」

セイリュウ「まあ、そなたは空の大怪獣の眷属だからな。空推しなのも無理はない」

ヒノキ「1号ロボの無敵将軍も、人型5体合体という戦隊ロボ初トピックがあるし、日本のお城をモチーフをしたボディデザイン、肩にシャチホコ、そして象徴的な鶴カブトと、何よりも実際に燃えている火炎将軍剣など語るネタの宝庫じゃが、無敵将軍を構成する五獣将が分身した獣将ファイターもまた素晴らしい*1

ジュニア「五獣将って、何だかゴジュウジャーのロボみたいですねぇ」

ヒノキ「カクレンジャーはまだユニバース戦士として登場していないので、今後の出演が楽しみじゃのう」

 

ジュニア「ところで、カクレンジャーには貴公子ジュニアというキャラが登場すると聞きましたぁ。どんなキャラですかぁ?」

ヒノキ「……そなたの想像するようなキャラじゃないことは言っておこう。妖怪大魔王の息子で、ヘビメタロックの衣装で楽器をかき鳴らし、オネエ言葉で話す敵幹部で、遠藤憲一さんが演じた色物キャラじゃ。何というか、忍者とか妖怪、和風といった世界観を根底から覆すようなキャラじゃったのう」

 

そしてニンジェッティ

 

ヒノキ「カクレンジャーでトピックと言えば、鶴姫の父親が太陽戦隊のバルイーグルという話があってのう」

ハイラス「何と。ワシの戦士の娘が、鶴の戦士でござったか。それゆえにリーダーなのでござるな」

ヒノキ「さらに鶴姫はかつてトリ年の神様に選ばれた三姉妹のうち、花を司る前歴があってのう。年若いとは言え、戦士の素質は十分だったのじゃ」

ハイラス「なるほど。つまり、カクレンジャーサンバルカンと世界観のつながりがあった、と」

セイリュウ「いや、ただの役者つながりのネタを膨らませただけだが。この時点の戦隊史で、公式に世界観がつながっているのは、ゴレンジャーとジャッカー、そしてデンジマンサンバルカンだけだ」

ヒノキ「じゃが、ターボレンジャーを助けに歴代戦隊が助けに来たこともあったではないか」

セイリュウ「本編ではなく、番組開始前のスペシャルイベント回に過ぎん。が、翌年、オーレンジャーカクレンジャーが応援に駆けつけたことで、戦隊の世界観は毎年、つながりを量産していくことになる」

 

ヒノキ「さておき、一方で最初から毎年、世界観がつながっているパワーレンジャーは、第3シーズンを目前に、第1シーズンのボスのリタが、第2シーズンのボス、ロード・ゼッドに惚れ薬を飲ませ、晴れて2人の悪ボスが結婚して、ますます強大な悪の勢力を結成したのじゃ」

ジュニア「まるで、ブライダンみたいな感じですね。敵のボス2人が結婚するなんて」

ヒノキ「そして、強力になった敵組織は、リタの弟リトも参入して、日本では大神龍を除いて、ほぼ無敵を誇った大連王、改めサンダーメガゾードを大破させるに及んだ」

ハイラス「そんなにロボを破壊して、大丈夫なのでござるか?」

ヒノキ「まあ、日本でも最終回付近で、ロボが壊されるのは、去年のブンブンジャーでもあったではないか」

ジュニア「ユニバース大戦でも、戦隊ロボが破壊された歴史が描かれていますねぇ」

ヒノキ「それでも時に修理され、時に奇跡の力で復活するなど、完全に大破して再生不能というケースは少ない。しかし、パワーレンジャーのサンダーメガゾードは、第3シーズンの序盤に大破してしまい、そこから新たな力を求めてニンジャクエストが開始されるのじゃ。なお、少し流れは違うのじゃが、そのニンジャクエストをテーマにした劇場版パワーレンジャーもある」

ヒノキ「日本では、第1シーズンの翻訳版が放送されている間に、第3シーズンの内容に基づいた劇場版が先に公開されたので、グリーンレンジャーのトミーがホワイトレンジャーになってリーダーをしていたり、戦隊メンバーの半数が違うキャラに変わっていたり、物語の背景がよく分かっていないファンが当時は多数だった。

「まあ、ジュウレンジャー(トミーだけダイレンジャー)がカクレンジャーのロボを操る3作品を混ぜた話だってのは前評判で分かっていたにせよ、第2シーズンを後から補完し、それから第3シーズンの日本未放送分はインターネットで視聴したり、ストーリーのあらすじを調べたりしながら、パワレン考古学を研鑽したマニアもいたらしいが」

ジュニア「時空魔術師さまも、そうみたいですねぇ」

ヒノキ「劇場版のメタリックなレンジャースーツや、CGのニンジャメガゾード(隠大将軍)を見て、アメリカが作るとこうなるのかあ、と新兄さんも感心していたら、TV版とは全然違うことに後から知ったようじゃ。2000年初頭は、日本でパワーレンジャーの旧作映像を見られる機会も今に比べて少なかったからのう」

セイリュウ「今だと、YouTubeを探すと、普通に見つかるものが多い」

セイリュウ「とりあえず、第2シーズンの後期OPから、日本ではレアだった第3シーズンのOPバージョン違いをいろいろ並べてみた。これで、第3シーズンのストーリー展開の理解にもつながろう」

ヒノキ「第2シーズンの大イベントは、ダイノゾードからサンダーゾードへの進化、トミーがグリーンレンジャーからホワイトレンジャーに進化してリーダーに認定、メンバーの半数が交代ということが分かれば、味方側はOKじゃろう。問題は第3シーズンじゃ」

セイリュウ「まず、サンダーゾードが破壊されて、異星の戦士ニンジャー(日本のニンジャマン)から新たなパワー、ニンジェッティを授けてもらい、ニンジャスーツからレンジャースーツに2段変身するヒーローに進化する」

ジュニア「ニンジャマンって確か、青二才って言われると怒る『やってやるぜ』な人ですねぇ」

ヒノキ「日本ではな。まあ、こっちでは未熟な弟子キャラという設定じゃが、パワレンではずいぶんと出世して、レンジャーコインの製作者であり、ニンジェッティの師匠格になっている。つまり、ゾードンの知り合いの武芸師範ってところじゃな」

ハイラス「ええと、パワレンでは隠大将軍が1号ロボになっているのでござるな」

ヒノキ「理由は、無敵将軍が従来の搭乗型ロボではなく、カクレンジャーが巨大獣将の術で変身してから合体する映像にある。つまり、無敵将軍の映像はカクレンジャーの映像と込みでないと使えないのじゃ。コクピット部分だけ差し替えれば済むタイプのロボと違ってのう」

ハイラス「つまり、ジュウレンジャーのスーツのままでは映像素材的に、無敵将軍をフル活用できなかった、と」

ヒノキ「そこで先に扱いやすい隠大将軍を持って来る。次いで、原典では無人機であったツバサマル(ファルコンゾード)をトミーの専用機という形に位置づけられた。劇場版では、ゴッドカーク(ピンククレーンゾード)にトミーとキンバリーが同乗するシーンもあって、カクレンジャーでもパワレンでもホワイトがリーダーという形を上手くつなげたことになる」

ハイラス「しかし、白虎の戦士が鳥型メカに乗るのは、戦士のモチーフと機体モチーフがバラバラでござるな」

セイリュウ「それを言うなら、マンモスの戦士が獅子やらガマやらに乗るのもツッコミどころだが、まあ劇中では搭乗機体がカエルだと聞いて、不満を漏らしたブラックが、童話の『カエルの王子さま』を持ち出されて、何だか納得したというネタがある」

ヒノキ「日本の忍者だと、ガマを呼び出すという文化があるのじゃが、アメリカにはないので、強引なこじ付けが必要だったのじゃな。ともあれ、ニンジェッティ(忍術)とも称されるニンジャパワーを授かったパワーレンジャーの6人ではあったが、途中でヒロインのピンクレンジャー・キンバリーが交代することになる」

ジュニア「すると、初期メンバーで残ったのはブルーだけになるのですねぇ」

ヒノキ「追加戦士のトミーが最も武芸に長けたリーダーとなって、当初は運動音痴という頼りないガリ勉設定だった青のビリーが、戦闘経験を積んで技が上達し、知性はサブリーダーというポジションも占めるようになる。第3シーズンのビリーは、メガネも外してイケメン的に描かれることも増えた。

「そして、キンバリーに代わるヒロインとして登場したのが、キャットの愛称を持つキャサリン。最初は敵の女スパイとして送り込まれ、リタの魔法でネコ娘に変身したりもする」

セイリュウ「キャサリンは、初代ピンクレンジャーのキンバリーからパワーを引き継いだ後、ZEO(オーレンジャー)とターボ(カーレンジャー)までピンクレンジャーを担当し、その途中でキャシーにパワーを引き継いだ。それと一昨年の2023年にパワレン30周年を記念したメモリアル作品『Once&Always』に出演していたのだな」

ヒノキ「ええと、機械人間となったロボ・リタが襲撃してきて、初代イエローレンジャーのトリニーが死亡? その娘のミンが新たなイエローレンジャーとして、青のビリー、黒のザックを中心とするレンジャーと共に戦うスペシャル編ということか」

セイリュウ「赤と桃は2代めのロッキー、キャサリンが担当したみたいだ。初代の人たちとトミーは諸事情で出演できず、回想シーンなどでの出演。一応、物語の中では、ジェイソン、キンバリー、トミーの3人はロボ・リタに捕まったから、ビリーとザックが2代めの面々を召集したようだ。アダム(2代めブラック)とアイーシャ(2代めイエロー)も変身しないけど、同窓会的に出演しているのだな」

ヒノキ「故人となったトリニー役とトミー役の俳優に捧ぐ、との献辞が付けられたようじゃのう。この作品自体を企画したのは、ビリー役の俳優とも聞く。ともあれ、話を戻して、キャサリンのネコに変身する敵の女スパイという設定は、日本のカクレンジャーにも『花のくの一組』というキャラがいて、アイデア源はそこなんじゃろうが、それが味方のヒロインを継承するというのがパワレン独自の設定じゃな」

セイリュウ「しかし、その後、リタの父親マスター・ヴァイル(妖怪大魔王)が出現し、その強大な魔力でレンジャーたちは全員、子どもにされてしまう。変身能力を失い、忍者ゾードの召喚もできなくなった彼らは、元の姿に戻るためにZEOクリスタルを探すことになる。それを妨害する敵から子供たちを守るために、ゾードンが異星から召喚した忍者戦士がエイリアン・レンジャー、すなわちカクレンジャーのスーツの助っ人チームということになる」

ヒノキ「その時期の10話分は、主題歌まで『GOGOエイリアンレンジャー』と歌う別バージョンで、シリーズ最大の異色作と言える。ともあれ、エイリアンレンジャーの登場で、彼らが巨大化合体する無敵将軍(ショーグンメガゾード)の映像も使えるようになり、以降は毎年、戦隊スーツを新調する伝統も生まれた」

ジュニア「ZEOクエストの結果、新たなZEOパワーをゲットして、オーレンジャー原作の『パワーレンジャーZEO』に続くんですねぇ」

ヒノキ「ZEOのメンバーは基本的に前作を受け継ぐが、ZEOクエストの途中でイエローのアイーシャがターニャにパワーを引き継いでメンバー交代。また、ビリーがZEOクリスタルのパワーに頼らずに、自分の発明機械で大人の姿に戻れたために、結果的にZEOパワーを継承せずに変身しない技術サポーター役となる。リーダーのトミーはホワイトからレッドになり、レッドのロッキーがブルーに格下げ。ブラックのアダムはグリーンを担当して、新布陣となったわけじゃが、今回のパワレン話はこれぐらいにして、本家のオーレンジャーに移ろう」

 

戦隊20周年記念の超力戦隊

 

ヒノキ「オーレンジャーは20周年メモリアル作品ということで、ゴレンジャーのアオ、およびジャッカーの行動隊長ビッグワンを演じた宮内洋氏を司令役(三浦参謀長)に起用した。宮内氏はその前にメタルヒーロー物のレスキューポリスシリーズ(90年のウインスペクター、91年のソルブレイン)で正木本部長を演じて、ヒーローをバックアップする特撮界の大物俳優として活動し続けたんじゃが、戦隊VSシリーズのおかげで、カクレンジャーと知り合いだったり、ヒーローとしての心構えが成っていないカーレンジャーを厳しく特訓したり、と作品の枠を越えて大活躍していたのも印象深い」

ヒノキ「オーレンジャーもいろいろとトピックの多い戦隊じゃが、今の目で見ると、特撮好き声優としても名高い関智一氏が、初めてレギュラー出演した戦隊ということになる。敵組織のマシン帝国バラノイアの皇子ブルドントで、最初は子ども声を出していたが、物語後半には成長してラスボスのカイザー・ブルドントとなって、愛の力でラブラブ攻撃を行う強敵となる」

ハイラス「それって、石破ラブラブ天驚拳なのでは?」

ヒノキ「うむ。前年のGガンダム主人公のドモン・カッシュの次のキャラじゃな。93年に声優デビューして、翌年にガンダムの主人公、その翌年に戦隊のレギュラーにしてラスボスというジャンル的出世街道を邁進していたのだが、その際に共演していた執事ロボ・アチャ役の肝付兼太氏と親交を深めたこともあって、ドラえもんスネ夫役の後継者の地位も勝ち得ることに」

セイリュウ「1995年以降は、毎年、あるいは隔年で特撮関係の仕事をしており、2010年以降は特撮作品に登場しない年がないという特撮ヒーロー御用達声優となっておる」

ジュニア「関智一さんの戦隊デビュー作が、オーレンジャーってことですかぁ」

ヒノキ「さて、オーレンジャージェットマン以来の軍隊系戦隊じゃが、古代文明絡みでファンタジー要素も内包していて、戦隊モチーフではないのに、ロボ的に動物モチーフを採用しておる」

セイリュウオーレンジャーロボを構成するのが、鳥型戦闘機スカイフェニックスと、緑の牛グランタウラスと、青い獅子ダッシュレオンだな。黄色い土偶戦車ドグランダーと、桃色のモアイ戦車モアローダーは動物ではないが」

ヒノキ「あくまでテーマは古代文明を源流とする超力なので、超力モビルは古代文明を象徴する聖獣と偶像をモチーフにしている。その関係で、巨大な母艦ロボとしてキングピラミッダーも登場する」

ハイラス「獣はあくまで、古代文明にまつわるもので、自然回帰の象徴ではない。ドルイ道とはつながらない」

ヒノキ「ストーンヘンジや聖樹でも絡んでくれば別じゃが、超力の源流は古代ケルトではなく、古代エジプトやムー、そして日本の縄文時代などの系譜になる」

ジュニア「でも、レッドパンチャーやオーブロッカー、タックルボーイは全然系譜が違いますねぇ」

ヒノキ「その辺は、過去の戦隊の系譜を受け継いだロボ群じゃ。ただ、タックルボーイは玩具的に次作のカーレンジャーの車ネタの原型という意見もある。作品世界ではなく、あくまで玩具の系譜で、次作のモチーフを試験的に絡めてみた、ということかもしれん」

セイリュウ「オーブロッカーは、前作のカクレンジャーの無敵将軍を受け継ぐ、人型ロボの五体合体システムを踏襲している」

ヒノキ「各戦士の象徴となるアイマーク(★◻︎△二⚪︎)の形態に変形するロボで、これらのアイマークは各人の個人武器にも取り入れられ、秘密戦隊ゴレンジャーの要素をも踏襲しておる」

ハイラス「ファンタジーと言えば、ガンマジンとやらが独自の世界観を醸し出しているでござるな」

セイリュウ「遺跡から発掘された神像が、鍵を持つものの願いを叶えてくれて、心強い助っ人になってくれたり、トラブルメーカーになったりする独特のキャラクターだ」

ジュニア「機械系の戦隊のはずなのに、何でもありの世界観なんですねぇ」

 

ヒノキ「そして、ドルイ道と言えば、敵組織のマシン帝国バラノイアの方にも見受けられる」

ハイラス「はっ? 機械帝国のどこにドルイ道が?」

ヒノキ「敵怪人がマシン獣と呼称されるのは、ただのネーミングとして戦隊の伝統に則っただけじゃが……」

セイリュウダイナマンの進化獣辺りから、敵怪人が生物の遺伝子をモチーフにしたバイオモンスターの傾向が出てきた。機械系のロボット敵怪人と、合成生物的なバイオ系の敵怪人に区別されるようになったな」

ヒノキ「◯◯獣的な怪人名称は、チェンジマンの宇宙獣士、フラッシュマンの獣戦士、マスクマンの地帝獣、ライブマンの頭脳獣、ターボレンジャーの暴魔獣、ファイブマンは系譜違いで飛ばして、ジェットマンの次元獣までつながって来る。ファイブマンの銀河闘士、ジュウレンジャーのドーラモンスター、ダイレンジャーのゴーマ怪人、カクレンジャーの妖怪は、獣という言葉を排除したが、ここでオーレンジャーの敵怪人がマシン獣と総称されて、獣復活じゃ」

ハイラス「しかし、獣と言っても、所詮は機械でござろう。ドルイ道とは異なる」

ヒノキ「ここで、バラノイアの幹部勢だが、基本的に犬モチーフなんじゃな。皇帝バッカスフントはダックスフント、皇妃ヒステリアはテリア犬、皇子ブルドントはブルドッグ、その嫁のマルチーワ姫はマルチーズ+チワワじゃろう。オーレンジャーの敵幹部は犬+車がデザインモチーフにあるようで、人間に愛玩されたペットやマシンの反乱という意味を持たされておる。その出自は、古代地球文明で作られた労働マシンのバッカスフントが仲間のマシン獣を率いて反乱を起こしたものの鎮圧されて、宇宙に逃れた後に、時間をかけて強大な帝国を築いて1999年に地球に帰還したものらしい」

ジュニア「1999年? ジュウレンジャーの放送年は1995年ですよねぇ。実は未来の話だったのですかぁ?」

ヒノキ「戦隊の歴史では、1999年設定は、オーレンジャーゴーゴーファイブの2作あって、時空がねじれた影響だと考察してある書物もあるが、とにかくバラノイアの皇族は犬型ロボット、機械化されたドルイ道と見なすことも可能なのじゃ」

 

次の獣戦隊はギンガマン

 

ヒノキ「で、オーレンジャーの後は、カーレンジャーメガレンジャーと続くが、獣モチーフからは離れて、それぞれ宇宙系だったり、IT科学系戦隊だったりで、個性的な作品じゃが、今回のテーマからは割愛して、1998年の『星獣戦隊ギンガマン』に飛ぶ。久々にファンタジー作品の王道じゃ。ドルイ道的にも、ギンガの森出身の伝説戦士が星の獣と協力して、宇宙海賊バルバンと戦う王道戦隊。その後の戦隊や平成ライダーで活躍する小林靖子女史が初メインライターを務めた傑作戦隊じゃ」

セイリュウギンガマンの星獣は当初、メカではなく、生物感を強調した体表で造形されていたのだな」

ハイラス「うむ、まるで怪獣映画をも思わせる皮膚感覚は、それまでの動物モチーフのメカとは一線を画するデザインでござる」

ヒノキ「それが5話で入手した自在剣・機刃(キバ)の力でパワーアップして、7話で銀河大転生してメカ風味の銀星獣に変身する。それによって、巨大ロボットのギンガイオーに星獣合体することができるようになったのじゃ」

ジュニア「1号ロボの登場が7話とは遅かったんですねぇ」

ヒノキ「当初の企画ではロボは出さずに、巨大怪獣の星獣だけで続けようという案もあった程で、当然、玩具会社からは却下されたのじゃが、星獣の生物っぽさとロボのメカ要素を折衷させて、銀星獣に転生するというアイデアが生まれた。3年後のガオレンジャーのパワーアニマルとはまた違ったアプローチの仕方が興味深い」

ハイラス「モチーフとしては、ライオン、飛竜、ゴリラ、狼、ヤマネコでござるが、ゴリラが戦隊初登場になるでござるな」

ヒノキ「カクレンジャーのサルダーに続いてのサル科じゃが、その後、ゴリラが主流になり、サルの方がレアになる。続いて、オーレンジャーのグランタウラスに続く牛型メカの重星獣ゴウタウロスが黒い牛というキャラクターでガオレンジャーにつながる*2

ジュニア「そう言えば、赤い獅子というモチーフも、ギンガマンが最初ですねぇ。それまでの獅子は、ライブマンが黄色で、ダイレンジャーが緑で、オーレンジャーが青だった」

ヒノキ「レッドは空の戦士で鳥モチーフが多かったのが、ライオンというモチーフが初めて紐づけされて、ガオに受け継がれる。次に、鋼星獣という設定が印象強い」

ハイラス「ギガライノスはサイ、ギガフェニックスは猛禽類、ギガバイタスはサメがモチーフでござるな」

ヒノキ「元は生物だったのが、敵に機械兵器として改造されたのが、ギンガマンのおかげで心を取り戻して、助っ人メカとして協力してくれるという設定じゃ」

ジュニア「ギンガマンはロボを乗り換えることなく、ずっとギンガイオーで戦い続けるのですねぇ」

ヒノキ「1年間ずっとメインを張り続けたギンガイオーは、当時から人気も高かった。合体ロボ玩具のDX超合金というブランドが、戦隊ロボではジェットマンジェットイカロスで途絶えていたのじゃが、ギンガイオーで復活。大々的にCMで宣伝し、CM専用のロボソングも作るほどの熱の入りようじゃった」

セイリュウ「戦隊ロボ史では、1号合体ロボが初の剣技以外の必殺技を使うというトピックがある」

ヒノキ「ガルコンボーガンじゃな。基本的には初期が剣技必殺技で、2号ロボやスーパー合体で砲撃戦や、パンチ・キックなどの肉弾戦でトドメを刺すように進化する。一方でギンガイオーはその逆で、先にガルコンボーガン、続いて強化後の超装光ギンガイオーで銀河大獣王斬りを必殺技とするようになった」

セイリュウ「他には、ロボソングでも、五星獣の歌と、ギンガイオーの歌の2種類が作られたり、カーレンジャーに続いて、佐橋俊彦2作めの戦隊BGMが印象深い」

ヒノキ「カーレンジャーは作風がコミカルじゃが、変身やアクションBGMが妙に格好良くてな。そのギャップがハマる。一方、ギンガマンはさらにBGMも発展して、マカロニウェスタンな曲調も、黒騎士のフラメンコな曲調もいい」

ハイラス「フラメンコ?」

ヒノキ「スペインの闘牛からの連想らしい。これが妙にハマる」

ヒノキ「鋼星獣に話を戻すと、元はそれぞれ一体の生物だったのが、改造されて5台の車両や空戦メカに分離させられたのが痛ましい設定で、5体の獣が合体するギンガイオーとは逆のアプローチ。これは玩具ロボとしてのヴァリエーションを必要とするための設定じゃが、当時は玩具デザイン上の制約で、生物がパーツごとに分離するのは避けようという約束事があったらしい。例外は、ジュウレンジャーのジュウマンモスの顔がシールドになるぐらいじゃったが、ギンガマンの鋼星獣からそういう縛りもなくなったようじゃ」

セイリュウ「ガオキングのシステムは生物なのに、無茶な変形をしたりするからな」

ヒノキ「生物らしさを作り手がどう解釈してアプローチするかが面白い。また、ドルイ道的には、ロボではないがギンガマンの指令役として、知恵の樹モークと、木の実の妖精ボックのキャラ性が特筆すべき点じゃろう」

ハイラス「樹木が司令でござるか」

ヒノキ「その辺がいかにもファンタジーじゃな。どちらもネーミングネタが『木』じゃし、他にはギンガピンクのサヤが『花』の属性を持った戦士というのも、戦隊では初じゃ。強いて言えば、ダイナピンクが立花レイという名前で花をモチーフにしたネーミングであり、バラを模した武器を使うが、戦隊ヒロインは音楽や鳥モチーフが多く、属性も風や空をイメージとし、武器は弓かバトン、リボンといった感じじゃが、ギンガピンクはnネコ科で爪を武器とし、植物を属性とする違ったアプローチで、女戦士の幅を広げるのに貢献したと言えよう」

セイリュウ「花と言えば、花忍キャプター3が思いつく」

ヒノキ「花の忍者だと、カクレンジャーの敵の『花のくノ一組』に立場を奪われてしまった感じがするのう。そして、ネコに変身するという彼女たちの属性を、ギンガピンク・サヤが踏襲したのかもしれん」

ジュニア「敵キャラのモチーフがアイデア源となって、ヒーロー側に継承されることもあるんですねぇ」

ヒノキ「逆もまた然りじゃが、ギンガピンクといえば、パワーレンジャーでもまたトピックがあるんじゃが、それを語るには前作のメガレンジャー(イン・スペース)から語らねばならぬので、また機を改めよう。今回はこれにて、世紀末編を終了し、次回はいよいよガオを中心とする新世紀編へ突入じゃ」

ハイラス「これで、ようやく半分に到達でござるな。先が長い」

(当記事 完)

*1:五獣将は城の石垣をデザインしたアーマーパーツのため、アクションには向かない。しかし、忍者らしいアクションを巨大戦で実現するために、類似デザインでアーマーを排除した軽量スーツの獣将ファイターが登場し、巨大戦でも等身大戦に匹敵する軽快アクションが披露された。前作の龍星王並みの派手な巨大アクションが集団で行われる12話は圧巻である。

*2:戦隊牛メカは、ライブマンのバイソンライナーが元祖になるが、当時は4つ足走行が最先端技術なので、ランドライオンのみに採用されて、追加戦士のメカはトレーラーだった。そこから獣メカの特撮表現技術が向上していき、やがてCG中心のガオレンジャーに至る進化の歴史が注目点と言える。