花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、TRPGの魔法研鑽を展開予定。

D&Dクラス話の整理(魔法使いウォーロック編)

昨年のレンジャー話を受けて

 

リモートNOVA『ヒノキ姐さん、おめでとうございます』

ヒノキ「おお、新兄さん、おめでとう。先日、アッキーに空想タイムの主の座を譲ったそうではないか」

NOVA『ええ。しかし、メガネンジャーの司令の座までは譲ってませんよ』

ヒノキ「そのまま新兄さんが消える訳ではないということじゃな。それを聞いて安心した。で、今日は何用じゃ?」

NOVA『ええ。D&D話ですけど、昨年末にレンジャー話を終えたので、次の話題を考えようと思いまして』

ヒノキ「確か、こちらの記事でこれまでの経緯を語っておるのう」

ヒノキ「レンジャーとバーバリアンを語ったから、これで一切語っていないのは、ソーサラーだけということにならんか?」

NOVA『いえ、実は新5版や旧5版のサプリメントのサブクラスで語っているのが、ファイター、ローグ、アーティフィサーだけで、パラディンやモンク、バード、ウォーロックドルイドは語ったと言っても、PHBの範囲だけ。そこでこれらの中途半端なものを先に、簡単に処理しておこうと思いました』

ヒノキ「どれだけ時間が掛かりそうじゃ?」

NOVA『一職一記事を想定していますが、俺一人では手に余りますので、コンパーニュの面々の手を借りたい。俺とヒノキ姐さん、そして三獣士の5人で一職ずつ片付ければ、何とかなるはず』

ヒノキ「うむ、5記事じゃな。それでウルトロピカルに勝てるなら、望むところじゃ。で、誰が何を担当する?」

NOVA『ゲンさんがモンク、シロ君がバード、ジュニア君がパラディン、ヒノキ姐さんがドルイド、俺がウォーロックでいかがでしょうか?』

ヒノキ「ふむ。ゲンブはマッスルG太郎でグラップラー経験者じゃからモンク。シロは魔法の使える盗賊でバード、ジュニアはプリースト魔法の使える戦士でパラディンという考えじゃな」

NOVA『さすがは、ヒノキ姐さん。的確な読みです』

ヒノキ「わらわとお主の仲じゃからな。それぐらい読めずして、どうする? お前さんの気まぐれな行動を読むのは難儀じゃが、理性的な判断をしているなら読むのは容易い」

NOVA『で、今回は言い出しっぺの俺がウォーロックを語ります』

ヒノキ「今月末の雑誌の表紙絵はまだのようじゃのう」

NOVA『画像が出たら、また知らせます。で、D&D伝統の魔法ルールですと、いわゆる魔法使い系と僧侶(神官)系に分かれて、前者を秘術系(アーケイン)、後者を信仰系(ディヴァイン)、そして新5版でPHBに採用された超能力系(サイオニクス)の3体系に大きく分けられます』

ヒノキ「超能力はオプションルールであったため、基本は秘術と信仰の2体系と考えると良いな」

NOVA『で、秘術系の魔法使いは「呪文書(グリモア)」を研究して魔法を習得する知性派キャラが当然だったのですが、3版から「いや、魔法使いの皆がみな、頭でっかちに勉強しなくてもいいんじゃない? バカでも魔法を使えるっしょ」と考える派閥ができたわけですよ』

ヒノキ「おバカな魔法使いか。知識はあっても判断力(知恵)がないとか、その類か?」

NOVA『いえ、書痴じゃない魔法使いがD&D以外では普通なのが世紀末から21世紀の風潮なんですよ。例えば、「スレイヤーズ!」のリナ・インバースが呪文書を読んで、コツコツ勉強している光景が思い浮かびますか?』

ヒノキ「わらわは知ったうえで、思い浮かばんと言えるが、例が古すぎて多くの読者には『知らないから思い浮かばん』と言う者も多かろう。もっと若い子にも分かる例は挙げられんか?」

NOVA『ならば、魔法少女の例として、プリキュアを挙げておきましょう。プリキュアの中には確かに知性派キャラもいますが、プリキュアの力は勉強で習得したものではない。基本的に、妖精との契約で会得したものです』

ヒノキ「プリキュアの力は、秘術系というよりも、信仰系ではなかろうか?」

NOVA『まあ、妖精が神に匹敵するシリーズもありますけどね。しかし、神さまにしてはアレな妖精もいるし、妖精は信仰を失って弱体化した神という学説もありますが、プリキュアの多くはD&Dのルール的に当てはめるなら、ドルイドウォーロックに該当すると考えられるのですよ』

ヒノキ「ああ。ウォーロックは外部の存在との契約によって魔法を使うクラスじゃったな。その外部の存在が神で、信仰を旨とするのがクレリックなどのプリースト。悪魔とか妖精とか神とは別種の存在と契約して、秘術魔法を使うのがウォーロックという分け方か」

NOVA『とにかく、勉強しなくても偉大な力を持つ何かと契約して、魔法を使えるようになったのがウォーロック。多くの魔法少女はウィザードではなく、ウォーロックと解釈するのが今のD&Dですね』

ヒノキ「それなら、バカでも魔法使いになれるわけじゃな」

NOVA『ええ。ウォーロックに大切なのは【知力】ではなく【魅力】です。契約相手との交渉能力や寵愛を受けるのが大事ということですね』

ヒノキ「まあ、魔法少女にとって大事なのも、頭の良さよりも可愛さじゃからのう。【魅力】の欠ける魔法少女なぞ、存在価値すら疑われよう」

NOVA『それはさておき、戦う魔法少女の走りとも言われるセーラームーンは、実はウォーロックでもない』

ヒノキ「そうなのか? てっきり黒ネコのルナと契約して変身できるようになった、と思うておったが」

NOVA『それはきっかけです。元々は「星の加護を受けた古の戦士の生まれ変わり」という設定です。プリキュアとは少し違っていて、普通の女の子が自分の意思で契約して変身というわけではないのですね。より運命に選ばれた特別な存在なのがセーラー戦士なので、プリキュアは誰でもなれると公式で言われていますが、セーラー戦士には誰でもなれるわけではありません。キュアノヴァは理論上あり得ますが、セーラーノヴァは俺が古の戦士の生まれ変わりでない以上はあり得ません』

ヒノキ「で、セーラー戦士ウォーロックではない。ならば何じゃ?」

NOVA『D&Dのルール的には、天性の魔力を宿した魔法使いがソーサラーに分類されます。そちらも【魅力】で呪文を使いますので、セーラー戦士ソーサラーであっても何の問題もない』

ヒノキ「まとめると、こうなるわけじゃな」

 

  • ウィザード:呪文書で魔法を研究した知性派の魔法使い。D&Dの伝統的な魔法使いと言えば、これ。メイジ、マジックユーザーとも言われる。
  • ソーサラー:「竜の血脈」「荒ぶる魔法」など先天的に強い魔力を宿した、天性の魔法使い。魔力の操作のためには、知力ではなく魅力が必要である。D&D3版のPHBで初登場。D&D4版ではPHB2で追加採用されて、5版で基本クラスに復帰。
  • ウォーロック:「外部の偉大な存在」との契約によって、秘術を扱えるようになった魔法使い。魔力の操作のためには、知力ではなく魅力が必要である。D&D3版のサプリメント『秘術大全』で基本クラスとして初登場。その後、D&D4版のPHBでコアクラスに昇格し、5版でも引き続き基本クラスとなる。

 

改めてウォーロック

 

NOVA『以上がD&Dの秘術魔法クラスの基本です』

ヒノキ「プリキュアセーラームーンに例えるのが基本とは思えんが、伝統的な呪文書マニアな頭でっかちとは異なる魔法使い像をD&Dも模索した結果が、ソーサラーウォーロックじゃな」

NOVA『その世界にどのような魔法体系があるかが、ファンタジーRPGの基本の一つと考えますし、D&Dも多様な魔法使いイメージを反映できるシステムにアップグレードする必要に駆られたんでしょうな。そもそもD&D以前のファンタジー小説で、普段から呪文書を読みふけっている魔法使い像を俺は知りません。『指輪物語』のガンダルフは呪文書なんて使いませんし、呪文書設定はどちらかと言えば、ラブクラフトとかの現代オカルト作品の方に源流があると思われ。

『まあ、ゲーム的には「魔法の呪文を記憶」というシステムから、「呪文の記されたデータ本を読む魔法使いプレイヤー」のイメージとかぶせられたのかもしれませんし、そこから魔法使いの学院というファンタジー観が成立。D&D以前だと、学院の図書館で学ぶ知識階級というのは、貴族や聖職者、科学者以前の錬金術師、もしくは学者ぐらいで、リアルに魔法学院が存在しない以上(どこかのオカルティスト団体が密かに作っていれば別)、歴史とD&Dを代表とするゲームの要素を組み合わせたのが、魔法学院の設定になるでしょうな』

ヒノキ「日本でそれをメジャー化したのは、『ハリー・ポッター』シリーズじゃと思うが、それ以前はもっぱらゲームジャンルで発展したイメージじゃのう、魔法学院というのは」

NOVA『こういうページをチェックすると、D&D以前は『ゲド戦記』がメジャーどころになりますか。ただ、『ゲド戦記』でもゲドの師匠オジオンの呪文書は登場しますが、魔法使いにとって呪文書が大事という設定ではない。ゲドは呪文書なしに魔法を使えますし、ウィザードに呪文書が必須というのは、やはりD&Dが起源なのかな、というのが自分の知識の範囲になります』

ヒノキ「オジオンは呪文書を使うウィザードであるが、ゲドは似て非なるソーサラーなのかも知れぬ。……とまあ、D&D的に解釈すると、個々のキャラによって魔法を使う手法が異なるのやも知れぬのう。ただ、昔のD&Dでは、そこまで個別の魔法の使い方にまで細かくルール設定できなかっただけで、今のD&Dはヴァリエーションを広げたのじゃろうな」

NOVA『で、今回はウォーロックですが、ウィザードやソーサラーに比べて、HPが高く、軽装ながら鎧も身に付けられるので、魔法戦士向きという特長がありますね。逆に、使える呪文の種類や数が少なく、その代わり呪文スロットの回復が早いという長所もある』

ヒノキ「それだけ聞くと、ウィザードとは違った運用が求められるクラスということになりそうじゃのう」

NOVA『基本は使用回数無制限の初級呪文エルドリッチ・ブラスト(略称EB)を連射するだけでも仕事ができますね。呪文の使用回数については、1レベルでウィザードがレベル1呪文を1日(大休憩ごとに)2回使えるのに対して、ウォーロックはレベル1呪文を1戦闘か2戦闘(小休憩ごとに)1回使えるという差』

ヒノキ「大休憩は睡眠を含む8時間の休憩で、小休憩は1時間ほどの休憩じゃったな」

NOVA『小休憩は昼休みや夕方に食事をとるぐらいのイメージですね。まあ、DMが許すなら、戦闘のたびに小休憩をとることができても構いませんし、時間制限のあるシナリオでない限りは、HPが削られたから自力回復のために小休憩を気楽にとっても構わないと思います。もちろん、小休憩のたびに、ワンダリングモンスターの出現判定を行うDMもいて、運が悪いと「休憩しようとするのにモンスターが邪魔してくる」局面も多いとか』

ヒノキ「忙しいブラック企業の場合、昼食をとろうと思ったら緊急の仕事の案件が入って、対処に慌ただしくなって、ろくに休憩がとれなくなるというケースもあると聞く」

NOVA『リアルの話はさておき、小休憩が気楽にとれる環境だと、ウォーロックは強いですね。1レベルじゃそれほど大きな差は出ませんが、5レベルになるとこんな感じです』

 

  • ウィザード:レベル1呪文4回、レベル2呪文3回、レベル3呪文2回の計9回の呪文を1日ごとに使える。
  • ウォーロック:レベル3呪文までを2回、1小休憩ごとに使える。

 

ヒノキ「たった2回しか使えんのか」

NOVA『ええ。しかもウォーロックの呪文使用回数は、レベルごとにスロットが分かれていないので、レベル1だろうとレベル3だろうと合わせて2回しか使えません。小休憩が多くとれる環境下なら、戦闘のたびに最大火力を2回叩き込めるのがウォーロックで、一方のウィザードは1日単位で使う呪文を考えないといけない。よって、後先考えずに呪文を連発して息切れが早いけど回復も早いのがウォーロック。いかにも短距離ランナーって感じですね』

ヒノキ「すると、ペース配分をしっかり考える駅伝やマラソンランナーみたいなのがウィザードということか」

NOVA『ウィザードの方が管理する呪文の数が多くなるので、じっくり計画的に使い方を考える人向き。その場の勢いで魔法をバンバン使いたい場合は、ウォーロックの方がいいのかも知れません。仮に呪文がネタ切れになっても、初級呪文は打ち放題なので、怪光線EBで攻撃参加はできますからね。あとはレベルが2以上になれば習得できる妖術の選択によって、ウォーロックはいろいろなアレンジができます。とりあえず選べる2つは、EBの威力を上げる《苦悶の怪光線》と、ディテクトマジックを回数無制限で使える《魔力を見通す目》が無難かと思います』

ヒノキ「つまり、ウォーロックは呪文が少ない分を、別の特殊能力である妖術で補うクラスじゃな」

NOVA『呪文の専門家のウィザードやソーサラーに比べて、呪文以外で覚えるルールが多いのがウォーロックなので、初心者向きとは思いませんが、一度、使える能力を選んでしまえば運用は割と力技でイケる感じに思えます。そして、レベル3になると「契約の恩恵」といって、契約相手から3種類の贈り物をもらうので、どれを選ぶかで大体ウォーロックのキャラ付けが決まりますね』

 

  • 鎖の契約:ファインド・ファミリアーの呪文で、使い魔を生み出すことができる。
  • 剣の契約:魔法の近接武器を生み出すことができる。魔法戦士向き。これと妖術の《影の鎧》を習得すると、前衛で戦いやすくなる。
  • 書の契約:専用呪文書である『影の書』を入手し、好きなクラスから3つの初級呪文を習得できる。クレリックドルイドの術を習得するのがお勧め。初級呪文は使用回数無制限なので、単純にできることのヴァリエーションを増やすことが可能。

 

NOVA『旧5版の「契約の恩恵」は3択のどれか1つを選ぶルールでしたが、新5版では改変されて、これらは契約妖術と呼称されて、妖術と一元化されたようです。おかげで、使い魔を持った魔法戦士とか、複数の恩恵を取得することも可能になったとのこと』

ヒノキ「選択の自由が増したということなら、良い改変じゃのう。改変されて不自由になったら苦情も出るじゃろうが」

NOVA『で、ウォーロックのサブクラスは、契約相手をどういう存在にするかなので、それを旧5版サプリも合わせて見ていきたいと思います』

 

ウォーロックの契約相手

 

①アーチフェイ

 

 新旧PHB所収のサブクラス。

 フェイワイルド(妖精境)の大妖精から力を授かる。

 幻影や催眠系の呪文が追加されて、相手を惑わすことが得意になる。

 ウォーロックの基本サブクラスでは、最も邪悪っぽくないので、プリキュアっぽさを求めたいなら。

 

②フィーンド

 

 新旧PHB所収のサブクラス。

 下方次元界(いわゆる地獄)の悪魔関連から力を授かる。

 闇や炎の呪文が追加されて、破壊的な魔法使いとなれる(ファイアボールも、ウォーロックはこのサブクラスでないと使えない)。

 一方で、悪魔は防御的な加護も施してくれ、敵を殺すと一時的HPを得たり、願うことで判定にボーナスを付けてくれたり、任意の攻撃属性への抵抗を一時的に付加してくれる。

 強力なので、単純な強さを求めたければ。

 

③グレート・オールド・ワン

 

 新旧PHB所収のサブクラス。

 いわゆるクトゥルフ系の旧神っぽい存在から力を授かる。

 精神や思考に関わる呪文が追加されて、狂気のパワーで相手を翻弄する。

 人気のある色物系だが、精神的な効果に耐性のあるアンデッドやゴーレムみたいな相手には弱い。

 まあ、そういう相手なら、普通に怪光線EBでダメージを与えられるのがウォーロックだが。

 

NOVA『以上の3つが、旧5版の基本サブクラスですな。安定して強いのはフィーンドだと考えますが、光属性のウォーロックがいいという人のために、新5版のPHBに追加されたのが次です』

 

④セレスチャル

 

 ザナサー本から新PHBに格上げされた追加サブクラス。

 上方次元界(いわゆる天界)の天使や聖なる生き物から力を授かる。

 光の呪文や回復関係の呪文が追加された、プリースト風味の魔法使い。

 信仰ではなく契約に基づく関係なので、教団に所属しているわけではなく、布教をするわけでもない。よりプリキュアっぽいのはこっちかも。プリーストでキュア系呪文が使える魔法少女だから。ユニコーンもセレスチャルな存在なので、今のわんだふるも行けるし。次のアイドルはどうなることやら(たぶん芸能関連はバードかな?)

 

ヒノキ「新兄さん、話をいちいちプリキュアに向けなくてもいいのでは?」

NOVA『しかし、俺の中ではウォーロックプリキュアがよく噛み合うのですよ。まあ、さすがに次のサブクラスは噛み合わないと思いますが』

 

⑤ヘクスブレード

 

 ザナサー本所収の追加サブクラス。

 シャドウフェル(影界)の力を帯びた呪いの魔剣と契約して、魔力を授かった魔剣士。

 武器戦闘および氷系の術が追加されて、魔剣で斬り倒した敵から一時的HPを得たり、スペクターとして復活させて戦わせることができる。

 強いけど、死と呪いを振りまく魔剣士キャラなので、プレイヤーが使うのをあまり推奨できない。まあ、NPC専用とするか、邪悪プレイを許容できるキャンペーンであれば。

 

ヒノキ「なるほど。ろくな契約相手じゃないのう」

NOVA『これなら、まだ悪魔と契約する方がいいんじゃないかと思えますね。フィーンド契約のウォーロックは、悪魔の力を正義に活用することが可能だと思いますが、ヘクスブレード契約は呪いを振りまいて死者の尊厳を脅かしている時点で、能力そのものが非道いなあ、と』

ヒノキ「目的が手段を正当化するケースもなくはないじゃろうが、この場合は正義を名乗る余地がないと言おうか」

NOVA『5版サプリには、他にも変な契約相手がちらほらと』

 

⑥アンダイイング

 

 ソード・コースト本所収の追加サブクラス。

 定命の者が死を超越した存在(死の神の加護や、ネクロマンシーの秘術でリッチと化した者など)と契約して、不死性の一端を授かった魔法使い。

 死や病気、命にまつわる系統の術が追加されて、死や亡者に対する抵抗力を備える。

 あくまで不死者と契約しただけで、自身が死をばらまくことを良しとしているわけではない。目的はあくまで死に抵抗し、打ち勝つことである。そのまま死の神に直接仕えたりしたら、悪堕ち街道まっしぐらなんだろうけどね。

 

ヒノキ「契約相手は悪党っぽくても、ウォーロック自身は悪事を為さないケースか」

NOVA『例えば、吸血鬼の王と同盟してはいるけど、共通の敵が世界を滅ぼそうとする邪神で、吸血鬼の立場としては人間が絶滅してもらっては困るという事情で、人間の勇者(目的のためには手段を選ばない気質)に死の力を委ねたとか、そんな感じでしょうか』

ヒノキ「ロールプレイが複雑すぎる。そんなシナリオに付いて来れそうなのは、よほどのマニアじゃろう」

NOVA『サプリには、アンダイイングの例に挙がっている1人が、ドラゴンランスのフィスタンダンティラスっていうことで笑いました』

ヒノキ「確か、レイストリンを赤ローブから黒ローブに導いた古の大魔法使いじゃったか」

NOVA『レイストリンはウォーロックではなくウィザードだと思うのですが、3版以降のレイストリンのデータを知らないですからね』

ヒノキ「ネットで探してみてはどうか?」

NOVA『そう思って探しました。このページで3.5版のを見つけましたよ』

NOVA『小説「ドラゴンランス伝説」の成長した段階で、レイストリンは「ウィザード7レベル/上位魔法の塔の魔術師(黒ローブ)7レベル/ロアマスター8レベル/アークメイジ5レベル」で合計27レベルとなってます』

ヒノキ「D&Dで27レベルとは凄くないか?」

NOVA『版にもよりますが、3版と5版のPHBでは最高20レベル。それ以降はエピックレベルと言って、英雄叙事詩のような超越者という評価ですね。ともあれ、「上位魔法の塔」云々はドラゴンランス専用のクラスなので、他の上級クラスと違って俺はデータを持っていません。ただ、5版のドラゴンランスサプリで「上位魔法の塔の魔道士」が背景情報として扱われるようになって、専用特技も用意されたり。基本はウィザードかソーサラーで、ウォーロックは特殊みたいですけどね』

ヒノキ「レイストリンがウォーロックという可能性は少ない、と」

NOVA『彼は普通にウィザードでしょ。呪文書へのこだわりが尋常ではないし、ウォーロックと兼職するには【魅力】不足だ(13必要だけど10しかない)』

ヒノキ「単にアンダイイングの契約に、フィスタンダンティラスの名前が例として挙がっただけで、レイストリンがそういう契約をしたわけではない、ということじゃな」

NOVA『ドラゴンランスへの脱線はこれぐらいにして、残り2つはターシャ本からです』

 

⑦ジンニー

 

 ターシャ本所収の追加サブクラス。

 アラブ風の四元素の上位魔神から力を授かる。

 風のジン、火のイフリート、水のマリード、土のダオから1つを選び、それぞれの属性に応じた呪文を使えるようになる。

 指輪やランプなどに封じられたジンニーがささやかな支援をしてくれたり、願いを叶えてくれるので、アラジンの気分になれる。

 

ヒノキ「なるほど。いわゆるハクション大魔王じゃな」

NOVA『その例で分かる若者は珍しいでしょう』

ヒノキ「ならばアクビ娘の方がいいかのう? こういうのもあるのじゃが?」

NOVA『そっちは来年で20周年かあ。令和キッズには分からなくても、ミレニアムキッズだったアラサー世代なら分かるかも。本家本元は1969年……と2020年だと!?』

NOVA『って、5年前にリメイクされた作品があったのか? 気づいていなかったや。これだと令和キッズでも分かるじゃないか。歴史はくり返すと言ったところか。(Wikipediaで調べながら)へえ、初代カンちゃんの孫のカン太郎のところに魔王とアクビちゃんが帰ってくる話か。アクビガールは知っていたが、2020はまったく知らなかったので感じ入ってる俺がいる』

ヒノキ「瓢箪からコマと言ったところじゃな。まさかD&Dの話をしていて、ハクション大魔王のリメイクアニメに行き当たるとは」

NOVA『いや、まあ、俺は別にハクション大魔王マニアってわけじゃないけど、花粉症でクシャミはするし、アラビンドビンハゲチャビンの呪文ぐらいは唱えられる魔法使いなのに、よもや知り合いの大魔王さんが俺の知らないところでご帰還されていたとはつゆも知らず』

ヒノキ「さすがに全てのアニメをチェックする男じゃないだろうから、そう気に病むでないわ」

NOVA『主役がアクビで、俺の知らないうちに弟ができていて、おならで壺から飛び出すだと? 大人がマジメに見るには下品なギャグなので、たぶん見ても楽しめなかったかもしれないか。それよりも最後のサブクラスに進もう』

 

⑧ファゾムレス

 

 ターシャ本所収の追加サブクラス。

 ファゾムレス(計り知れぬ深きもの)と契約し、力を授かる。

 ファゾムレスは水の次元界に縁あるか、海底に潜む触手生物か、タコかイカかクラゲの類であり、海関連の魔法と特殊能力、そして触手を生み出し操る力をもたらしてくれる。

 海ヘビやクラーケンなどの海中の魔獣などを契約相手にすることもできるし、触手系の色物ウォーロックをプレイしたいのであれば。

 

NOVA『カニコングが喜びそうなサブクラスだ』

ヒノキ「ケイPもそうではないか?」

NOVA『俺は確かにドゴラの幼生体だったケイPと契約しましたが、俺が主で、あっちが従の関係だから、別に触手を崇めているわけではありませんよ』

ヒノキ「触手は確かに色物じゃが、よく見るとアクアマンみたいな海中特化型のサブクラスじゃな」

NOVA『つまり、ゲッター3!』

ヒノキ「つまり、ゲッター3の伸びる蛇腹アームは触手の一種なのか?」

NOVA『いっしょにするな、とツッコミを入れる向きもあるでしょうが、海と触手は非常に相性がいいことに改めて気付かされた』

ヒノキ「海と言えば、こういうプリキュアもあったのう」

NOVA『トロピカルージュを触手といっしょにしないでもらいたい……と言いたいですが、ファゾムレスの説明に「マーフォークの半身(デミゴッド)」も挙がってるんですな。マーフォークと言えば、人魚も含まれるし、他に海属性だと、こういうヒーローも含まれる』

ヒノキ「触手を使うヒーローという珍しい例じゃのう」

NOVA『とにかく、ファゾムレスと契約したウォーロックは呪文とは別の特殊能力として、触手を召喚して攻防に使うことができるし、14レベルになると、触手を利用した海の瞬間移動ゲートを作ることもできる。記述を引用すると面白い』

 

 君は水中に通じる一時的な通り道を魔法的に開くことができる。1回のアクションとして、同意する最大5体までを瞬間移動できる。君たちは無数の触手に絡みつかれて消え失せたかと思うと、君が見たことのある1.5km以内の水中(最低でも池サイズ)またはそこから9m以内の場所に出現する(一部編集)。

 

NOVA『とにかく、触手好きは大喜びのサブクラスですな、ファゾムレスって』

ヒノキ「ところで、ファゾムレスってファンタジー界隈でも聞かぬ単語じゃが、どんな意味じゃ」

NOVA『ファゾムってのが水深を表す単位みたいですね。1ファゾムが両手を左右いっぱいに広げた長さで6フィート(約1.8m)。日本では1尋(ひろ)に近いとか。で、ファゾムレスとは「ファゾムで測定できないほどの深み、計り知れない」という意味になってます』

ヒノキ「D&Dから学ぶ英単語ってことじゃな。とにかく、触手がイメージ悪いということなら、『水のムチ』とか『水流リボン』って感じにアレンジするといいのかもしれないし、今年はヘビ年じゃから、海ヘビを召喚する水の魔術師ってキャラも一興かもしれん」

NOVA『サプリの追加クラスって、時々妙な色物キャラが存在していて、コアルールの範疇じゃ考えられない当たりネタがあったりするんですね。これを語るだけでも、面白いな、と』

ヒノキ「では、次は何を語ろうかのう。わらわのドルイドはトリを飾りたいとして、三獣士をどういう順で見ていくか」

NOVA『ダイスで決めますか。20面を振って、大きい出目から順番で』

ヒノキ「では、振ってみよ」

 

ゲンブ「20面でござるか。いかにもD&Dらしい。(コロコロ)8」

シロ「ボクは12ですね」

ジュニア「リウは……17? いきなりですかぁ?」

NOVA『知性派キャラを示すチャンスだな。では、関連ルールとサプリをコンパーニュに置いておくので、頑張って研鑽してパラディンのサブクラスを解説してくれ』

ジュニア「責任重大ですが、頑張りますぅ」

(当記事 完)