4人のキャラ
NOVA「さて、ヒノキ姐さんまでコンストラクション・データを作って来たので、後はクイックスタートで作る背景情報その他を決めて行くだけだな。一応、全員、名前までは決めているんだっけ?」
翔花「うん。わたしの名前は飛彩ユイ。伝説の聖闘少女と呼ばれたルーンナイトよ。所属組織アイギスより、奈落を殺す秘密任務を帯びた特殊工作員で、食べるの大好き14才。転校生として学園に潜入する任務とかも果たしたりします」
翔花「NOVAちゃん、好きでしょ、こういうの?」
NOVA「上手くキャラとして機能するならな。次は晶華」
晶華「私は、サポート中心のアーティスト少女、神名晶羅。通称はアキラでいいわ。音楽に魂を注いだギターマニアで、普段はただの中学生をやってます。ある日、事件に巻き込まれて、私のギターの音色に惹かれた半吸血鬼のお姉さんに助けられたの。そこからクエスターのことを知って、魔法の才能を見出されて、音楽と魔法を組み合わせた独自のマジック・ミュージックの修行中。私の曲を聞けえ、と、みんなに愛と勇気と希望を送れるアイドルが夢です」
ダイアンナ「そんなアキラを助けて、クエスターの世界に導いた先輩枠のディオーネ・J・ブランシュタードだ。彼女の曲の信奉者で、この美しいものを守るために奈落と戦うことを自らの使命と心得ている。半吸血鬼で己の良心を蝕む闇の血の衝動に抗いつつも、彼女の曲を聴くと心が癒されるというか、アキラこそが我が魂を癒し、光に導く聖女と勝手に心酔している。基本はクールだけど、アキラと彼女の音楽に対してヤンデレ感情をストレートに示して溺愛する過保護お姉さんだ。アキラを傷つける者はあたしの敵だ、死ねッと凶悪な闇のオーラを発動させたりもする」
晶華「ええと、そんな重い愛を示されて戸惑いながらも、私の曲を褒めちぎってもらえるので悪い気はしない。ただ、学校にまで来て、騒動を巻き起こしたこともあって、頭を抱える日常だけど」
NOVA「そちらがすでにカップリングとして成立しているんだな。最後にトリを飾るヒノキ姐さん」
ヒノキ「わらわは伝説の勇者にして救世主となるはずのマスター・ユイを守るために、未来から派遣された忍者バイク・ロボのニンバー19(ナインティーン)じゃ」
翔花「愛称はニンニンね」
ヒノキ「違う、ニックだと言っておろうが……と呼称を修正するのが定番ギャグとしておこう。あっ、他は女性キャラだが、ニックは男性人格にしておこう。ロールプレイとしては、1人称がワタシと無機質的な話し方をする。『マスター・ユイ。どうやら奈落のようです。排除しますか?』とバイクが提案して……」
翔花「『そうね、ニンニン。奈落は殺す。任務を遂行するわ。ルーンフィールド発動! ルーンメタル装着!』って応じる」
ヒノキ「『ワタシの名前はニンニンではなくて、ニックです……とにかく、バトルフォーム起動、メタルアーマー装着! ブレイクガン、および右腕レーザーソード、左腕スラッシュブレイド準備OK。敵性体複数を排除にかかります』」
翔花「『ザコの始末は任せたわ、ニンニン。わたしはボスを斬る!』……って感じで、クールに決める」
NOVA「って、そこまですでにキャラと関係が固まっていれば、背景設定なんて決める必要がある? と思いたくもあるが」
ヒノキ「まあ、それはそれとして、ランダムに決まる背景情報を元にキャラを膨らませる楽しみもあるってことで」
みんなのシャードはどんな色?
NOVA「さて、アルシャードのパーソナルデータは、まず各人のシャードの外見を決めるところから始まる」
ダイアンナ「シャードとは何だ?」
NOVA「君たちクエスターに力と加護を与えてくれる神秘の結晶、奇跡の宝石とでも言おうか」
ダイアンナ「奇跡の宝石、ミラクルジュエルか。それはいいな(瞳キラキラ)」
晶華「アナちゃんは宝石が大好きだもんね」
ダイアンナ「ああ。宝石のためなら、仲間だって平気で裏切るぞ」
晶華「って、裏切らないでよ」
ダイアンナ「大丈夫だ。アッキー様は、あたしにとって宝石そのものだからな。名前に『晶』の字が入って、キラキラ輝いているし。アッキー様を裏切ることは絶対にしない」
翔花「わたしは?」
ダイアンナ「初代さまは、アッキー様の双子の姉として尊敬はしているが、もしもアッキー様と初代さまが戦うようなことがあれば、あたしは喜んでアッキー様に味方する」
ヒノキ「だったら、わらわは対抗して粉っちゃんを支援するまでじゃ。どうやら、ダイアンナとはここで決着をつけるべきじゃな」
ダイアンナ「日野木アリナ、アッキー様のためにもお前を倒す!」
晶華「こらこら。何を物騒なことを言ってるのよ。私とお姉ちゃんは仲良しなんだから、アナちゃんとリナ老師が戦う理由なんて、どこにもないのよ」
翔花「そうね。花粉症ガール4人が仲違いするなんて、それこそ当ブログ時空が崩壊しちゃうんだから」
NOVA(一瞬、花粉症ガール・ロワイヤルなんてイベントを想像してしまったんだが、ブログ時空が崩壊しそうなので、ボツ案にしよう)
ヒノキ「ん? 新兄さん、今、何か良からぬことを考えなかったか?」
NOVA「い、いや、それよりもシャードについて決めよう。翔花、とりあえず2Dを振れ」
翔花「はあい。(コロコロ)6」
NOVA「緑だ」
晶華「お姉ちゃんのイメージカラーどおりね。私は……4」
NOVA「太陽のようなオレンジだな」
晶華「当たりね。リナ老師は?」
ヒノキ「わらわは赤がイメージカラーなので、3が出ればいいのじゃが……7じゃな」
NOVA「青です」
ヒノキ「まあ、プレイヤーのわらわとキャラのニックは必ずしも同一存在ではないからのう。ニックのシャードは無難に青でいいじゃろう」
ダイアンナ「あたしは……やはり7だ。日野木アリナと同じ色とは……」
ヒノキ「不服なのか?」
ダイアンナ「色がかぶると面白くない」
晶華「だけど、ディオーネさんは氷の魔法使いなんだから、青でもイメージどおりじゃない?」
ダイアンナ「確かに。アッキー様がそう言うのなら、青は青でも氷のような青白色ということにしよう。こんな感じでな。🧊」
ヒノキ「だったら、わらわは忍者っぽく濃いめの青だな」
NOVA「次にシャードの形が決まる。同様に2Dだ」
翔花「12なんて出ちゃった」
NOVA「それは……20面体だな」
翔花「まるで、サイコロみたいね」
晶華「お姉ちゃん、そういう感想が出るのはTRPGマニアの証拠よ。普通の人がサイコロみたいって言うのは、6面体だけなんだから」
NOVA「20面体ダイスを標準に使うのはD&D系だな。ソード・ワールドやアルシャード、それにファイティングファンタジーなんかは6面しか使わない。クトゥルフだと、パーセントダイスがメインだし」
翔花「でも、20面体って、コロコロ転がる様子が刺激的よね。暇なときは、シャードを転がして遊びたくなる」
晶華「大事に扱わないとダメじゃないの。私のオレンジ・シャードは……8」
NOVA「直方体だ」
晶華「これじゃ、サイコロにはならないし」
NOVA「別にシャードはサイコロじゃないからな。四角柱の棒型シャードだって普通にある」
晶華「こんな感じかな」
ヒノキ「わらわは7じゃな。さっきから無難な目ばかり出おる」
NOVA「丸いボール型です」
ヒノキ「青い球体。まさに地球のイメージじゃな」
ダイアンナ「あたしは3だ」
NOVA「12面体だ」
ダイアンナ「これはレアな感じだな。一応、12面体ダイスもあるみたいだが」
NOVA「TRPGゲーマー的にも、12面体って特徴が薄いんですよね。正多面体は4面、6面、8面、12面、20面の5種類なんだけど、D&D的には4面はダガー、6面はショートソード、8面はロングソードって感じに武器のダメージダイスに対応している。だけど、12面体って何に使うか、イメージが固まってなくて」
ヒノキ「一応、現D&Dでは、ファイターのHPを決めるヒットダイスがD10で、それよりタフなバーバリアンがD12を使うが?」
NOVA「今の武器リストだと、バトルアックス(D8)より強い最強のグレートアックスとか、騎兵槍のランスがD12なんですね。それと剣系最強のグレートソードが2D6で、同じ最大ダメージ12でも、ダメージにムラがある斧系と、安定して7が出やすい剣系の違いが面白いな」
翔花「ダイス蘊蓄はそれぐらいにして、次振るね。シャードの場所表を見て、(コロコロ)3が出たから髪飾り? わたしのユイちゃんは、緑の20面ダイスを髪飾りにしているキャラだったの?」
NOVA「嫌なら振り直してもいいぞ。自分で選ぶのも可」
翔花「いいえ、全てはダイス神の思し召し。20面体の髪飾りをファッショナブルに付けこなしてみせる。これこそ伝説の聖闘少女の証と誇らかに煌めかせながら」
晶華「まあ、ティアラの一部だと思えばいいよね。わたしは防具に付いているんだけど、アキラの防具はマジックバリアリングなのよね。つまり普通に指輪型で、問題ない」
ダイアンナ「ところでギターを弾くときに指輪って邪魔にならないのか?」
晶華「私は気にしないタイプかな。むしろシャードの指輪を付けている方が音が良くなったって感じているので、普通に付けている」
ヒノキ「わらわは4なので、イヤリングか。バイクに変形する忍者ロボがイヤリングとはイメージが合わないので振り直して、6。ペンダントじゃな。胸部にカラータイマーみたいに設置していよう。バイク形態ではフロントカウル部分に青く輝いているってことで」
ダイアンナ「あたしは9で、普通に指輪だな。12面体宝石の指輪で薄青い宝石がキラキラしてる。ゴージャスでお気に入りなのだ」
ライフパス1(飛彩ユイの場合)
NOVA「シャードを決めたら、次はライフパスだ。出自、経験、境遇、そして邂逅とコネを順に決める。振るダイスはD66だ。これはもう、キャラごとに一度に決めてしまおう」
翔花「じゃあ、わたしから決めるね。まずは出自で、(コロコロ)31」
NOVA「神の恩恵。あなたは美の女神に愛されて、この世に生まれてきた。『美形』の特徴を持っている」
ヒノキ「さすがは粉っちゃん」
晶華「超絶美形主人公ってところね」
翔花「それじゃあ、邪悪な魔法使いみたいで印象悪いんですけど。まあ、わたしは伝説の聖闘少女で、勇者で、将来は救世主になる予定らしいから、美形でも全然問題ないよね。パーフェクト・ヒロインって感じ?」
晶華「その美形、分けて欲しいかも」
翔花「次、行くわ。経験表は63」
NOVA「生ける伝説。あなたは特定の業界において何らかの成果を上げて、名が知られている。『名声』の特徴を持っていて、コネを持つ人物への情報収集判定に+1する」
晶華「お姉ちゃんがどんどん凄い人になっていく!」
翔花「文字どおり、伝説の聖闘少女が事実になったわね」
ダイアンナ「美形で名声を得て、次は何だ?」
翔花「境遇表ね。43」
NOVA「探索。あなたは探している。それはあなたの理想を具現化したものである。クエスト『理想の追求』を差し上げよう。飛彩ユイは己の理想を諦めたりはしない」
翔花「わたしの理想……そうね、食べるの大好きだから、究極の美味ってところかしら」
NOVA「ちょっと待て。伝説の美形聖闘少女がグルメで、食の追求に余念がないってか?」
翔花「ダメ?」
NOVA「ダメとは言わんが、イメージってものがな」
翔花「だったら、理想は『みんなの笑顔。そのための美味しい食事。食のもたらす幸せを打ち壊す奈落は許さない。奈落を倒して、みんなの幸せを守って食べる御馳走は何よりも美味しい。お前を倒した後で、ランチタイムだ』って感じね。口癖は『そんなの朝飯前ね。さっさと終わらせて、食事にするわよ』とか」
NOVA「……最後に邂逅を決めて下さい」
翔花「32」
NOVA「同志。フューネラル・コンダクター社のブラック・ロータスというキャラと、共通の目的を果たす盟友関係を結んでいる」
翔花「フューネラル・コンダクター社って、どういう会社?」
NOVA「葬儀社だ。対奈落の抹殺を裏の業務としていて、そこのエージェントは葬儀人(アンダーテイカー)と呼ばれている」
翔花「わたしはルーンナイトだから、アイギスの折田志織理お嬢さまに仕える身だけど、他所の組織と関わってもいいの?」
NOVA「伝説の救世主候補なんだから、どこの組織もユイちゃんには注目していて、機会があればコネを結びたかったんじゃないかなあ。その中でブラック・ロータスはクールなエージェントにして、フィクサーなんだけど、以前に奈落退治の仕事で関わったことがある。その際の打ち合わせで、お互いのグルメ嗜好が分かり合って、食事の話でいつになく盛り上がったということにしておこう」
翔花「グルメの同志ってことね」
NOVA「そう。ブラック・ロータスの仕事は美味しい食事とセットになることが多いので、美味につられたユイちゃんは、そちらとの縁も強くなったのだ。言わば、アイギスとフューネラル・コンダクター社の折衝任務も担当している形になる」
翔花「両組織は別に対立しているわけじゃないから、協力して奈落退治に当たっても問題ないわけね」
NOVA「アイギスから命令を受けて、ブラック・ロータスから追加の情報提供をしてもらいながら、奈落退治の仕事を行うのが飛彩ユイのこれまでの生き方だった、と。コネは『折田志織理(主人)、ブラック・ロータス(同志)』の2つってことで」
ライフパス2(神名アキラの場合)
晶華「次は私ね。お姉ちゃんは何だか凄い人になったんだけど、私は平凡な女子中学生を目指します。出自は53」
NOVA「探究者。あなたの親は探究者である。そのことは知っていても知らなくてもいい」
晶華「探究者ってクエスターなのよね。ええ? そんなの知らなかった。ごく普通の家庭だと思っていたら、親が密かに奈落退治を頑張っていたってこと?」
ダイアンナ「どうやらアキラはその血筋ゆえに奈落に狙われたってことだな。それをあたしが助けた、と。まさか、この娘が有名な伝説のクエスターの後継者だったとはな」
晶華「平凡な女子中学生ライフがいきなり崩れていく!」
NOVA「とにかく、特徴は『情報:魔法』でクエスター、奈落、シャードに関する情報収集判定で+3できる」
晶華「家の書庫に気づけば、魔法の専門書がいっぱいあったのね。次は経験表。12」
NOVA「ジャーナリスト。あなたはマスコミ関係の仕事をしている」
晶華「していません。位を逆にして、21だと?」
NOVA「学校関係者。生徒、もしくは教師や用務員などの職員として学校生活を送ってきた」
晶華「うん、私はただの音楽好きな中学2年生。あの日、奈落に襲われるまでは、魔法とは無縁の生活を送って来たの」
NOVA「特徴は『情報:噂話』で、街やネット、学校に関する情報収集判定に+3できる」
ヒノキ「何も知らんはずなのに、情報に関する嗅覚は凄いものがあるのう」
晶華「全部が曲作りのネタなのよ。流行物に対する情報感度が凄いのが私、神名アキラってことで」
NOVA「考えてみれば、神名って苗字の時点でクエスターっぽいんだが? 親がクエスターだから、娘にシャードっぽい晶羅って名前を付けたとか?」
晶華「ダイス目の偶然とは言え、そんな伏線になっていたなんて。次は境遇ダイス、振ります。また12」
NOVA「略奪。あなたは大事なもの、人、思い出を奪われた。償いをさせなければならない。クエスト『奈落に報復する』」
晶華「そんな過酷な人生のつもりはないんだから。21だと?」
NOVA「継承。あなたはあなたを導いてくれた師匠からその技、力を受け継いだ。クエスト『力の伝承』。あなたも誰かを助け、師匠の力と精神を継承していかなければならない」
晶華「その方がまだマシね。ええと、私の両親は、私を助けるために奈落と戦い、そして行方不明になった。家に隠された書庫から、私は父親がクエスターだということを知る。母親は世界的に有名な天才バイオリニストで、父親はうだつの上がらないただの無職のYouチューバーだと思っていたんだけど、実は密かに『正義のヒーローとして活躍してた』ことを後から知る。
「で、奈落は母さんの中にある霊力を狙って襲って来たんだけど、父さんはそれを阻止するために戦い、母さん共々行方不明中。私もまた奈落に狙われたんだけど、ディオーネさんに助けられて、今は彼女の屋敷にかくまわれながら、魔法の修行中。失踪した父さんたちの痕跡を追い求めながら、学業と音楽活動とクエスター活動の忙しい日々を送っています」
ヒノキ「それでも学業は諦めないんじゃな」
晶華「学校に行くのをやめたら、普通の生活から背を向けることになってしまうもの。これ以上、失いたくないから、日常を守るために頑張ってるの。いつか父さんや母さんと元の幸せな家族生活を取り戻すために」
NOVA「あくまで復讐ではなくて、両親の痕跡を追うのが目的ってことか」
晶華「うん。両親は必ず生きている。どこの次元の狭間に飛ばされたかは分からないけど、クエスターとして奈落退治を続けていれば、必ず再会できるって信じてる」
NOVA「では、邂逅表を振ってくれ」
晶華「65」
NOVA「殺意。奈落の騎士レイスナイトに対し、何かイヤな黒い感情が胸を染めて、憎悪の心がよぎってくる」
晶華「『お前が私から、父さんと母さんを奪った。決して許さない!』って感じ?」
翔花「それって復讐者よね」
NOVA「だったら『フフフ、そのむき出しの憎悪。素晴らしい。お前も奈落の力に染まるがいい』とレイスナイトは言うんだろうな」
ダイアンナ「それは邪魔するぞ。『いかん。その力に身を任せては。アキラはアキラであることを思い出せ。お前の曲は光を呼ぶものだ。憎悪ではなく、父母の愛を力に変えるんだ!』と闇堕ちしかけてるアキラを正気に戻させようとする」
NOVA「『ええい、半端者の吸血鬼もどきが邪魔をするでない。この小娘が闇に染まりしとき、お前もまた自らの闇に飲み込まれることだな』と、レイスナイトは不吉な言葉を口にする……って展開にできそうだが」
ヒノキ「そこまで話を続けるつもりはあるのか?」
NOVA「いや、単発ミッションのつもりですが、伏線だけは張っておけば、いずれ何かに使えるかも、と思って」
晶華「とりあえず、普段は秘めたる闇を感じさせないようにポジティブに生きてるんだけど、そのレイスナイトとやらが出現したときだけは、闇に引きずり込まれそうになる因縁の仇敵ってわけね」
NOVA「きっと、普段はその憎悪の記憶を魔法で封印されているんだな。ええと、他には魔法使いのマーリンから魔法の簡単な手解きを受けたってことにしよう。彼は父親の師匠でもあり、アキラの父譲りの才能と暴走した時の危険性を察しているってことで。コネは『マーリン(師匠)、レイスナイト(憎悪)』って形だな」
晶華「マーリンさんは、魔法の師匠だけど、音楽の師匠ではないのね」
ライフパス3(ディオーネ・J・Bの場合)
NOVA「では、ついでにディオーネの方を先に決めよう」
ダイアンナ「出自は51だが」
NOVA「兄弟姉妹が2D6人いる」
ダイアンナ「ややこしいので、ボツだ。15だと?」
NOVA「有名人。あなたの両親もしくは先祖は、人々に名の知られた偉大な人物だ。特徴『人脈』を持ち、あなたが登場しているシーンへの登場判定が+2される」
ダイアンナ「ええと、自分の登場判定ではなくて、自分以外のキャラの登場判定ってことか?」
NOVA「つまり、ディオーネがそこにいると、皆がその気配を感じて集まりやすくなるのだ」
翔花「『この気配は? 確かディオーネさんね。半分こ吸血鬼の。分かりやすいオーラを振りまいているんだから』って感じ?」
ダイアンナ「放っておいても、下々の者が勝手に集まって来る。有名人の辛いところだ……ってことか」
NOVA「プレイ中は単独行動でピンチの時でも、仲間が駆けつけやすくなるのが便利だけどな」
ダイアンナ「問題は、誰かを誘惑しているときでも、部外者が偶然、通りすがって興醒めになりやすいってことだ」
NOVA「人から誘われる機会も多いってことで、次は経験表」
ダイアンナ「52」
NOVA「ディレッタント。趣味に時間を費やし、気ままに暮らしている。生活には困っていない」
ダイアンナ「そりゃあ、有閑貴族だからな。だから、今はアキラのストーカーが自由にできる。放っておくと、奈落に付け狙われて、闇堕ちしかねん危なっかしい娘だから、あたしが守ってやらないと」
晶華「余計なお世話です……って言いきれない背景事情になってしまったのよね。守りたかったら勝手にどうぞ。私は自分の生活と、お父さんたちの謎を追うのに忙しいんだから」
ダイアンナ「だから、協力してやると言っている。闇の世界の情報収集のコネはいろいろあるからな」
NOVA「ディレッタントは、特徴『博識』を持っていて、書物やネットなどの情報収集判定に+1できます」
ダイアンナ「次は境遇だな。66」
NOVA「渇望。あなたは力を求めている。武力、地位、財産、名声、知識、とにかく力に焦がれている。クエスト『世界征服』」
ダイアンナ「と言うことで、あたしはとんでもない野心家だったことが判明しました。ええと、アキラの秘めたる音楽の才は、あたしの世界征服計画にとって大変重要な鍵だということで、アキラを手に入れた者が世界を征服できる。奈落に狙われるのも当然」
晶華「あなた自身が奈落の使徒みたいになってるじゃない!?」
NOVA「ええと、そのクエストで本当にいいのか?」
ダイアンナ「ダイス神の思し召しだからな。ええと、この場合の『世界征服』とはアキラの魅惑の音楽が世界中で聞かれて、彼女がトップスターに君臨すること。あたしは彼女の曲のスポンサーになって、彼女をトップアーティストに育て上げることが夢なの。それを邪魔する奈落は許さない。彼女の音楽が奈落に汚染されて、呪いの曲になってしまえば、世界の損失。だから、あたしは彼女の祝福の音楽が世界に広がるように全身全霊をかけて彼女を守り、プロデュースするつもりよ」
晶華「何だか、私の曲がとんでもない大事になってるんだけど?」
ヒノキ「そこだけ、何だか芸能人RPGになっているんじゃが?」
ダイアンナ「まあ、あくまで推しの躍進を願うファンの妄想に過ぎないのだが、有閑貴族の妄想なので人脈と財力はそこそこあるため、ただの妄想で済まないというか、クエスター活動の合間に行き当たりばったりの芸能プロデュース活動をしているってことで」
晶華「私の夢を応援してくれるスポンサーだと思えば、蔑ろにはできないんだけど、いろいろと暴走しがちなお姉さんなので、振り回されていると思います」
ダイアンナ「最後に邂逅ダイスだが、芸能プロダクションの関係者と知り合いになれないか願いながら(コロコロ)24」
NOVA「借り。彼には借りがある。あなたの中では、それはまだ生きている……ってことで、ヨーロッパの貴族ユリウス・ナインライブズという『世界征服を狙うプリンス(財閥指導者)』に助けてもらった」
ダイアンナ「そんな奴に借りはない。世界征服を狙うキャラは、あたしの周りにもう1人はいらん」
NOVA「だったら、上級ルールにある追加コネ、豊城瑠璃伽(ホウジョウ・ルリカ)という女性キャラに置き換えることもできるが?」
ダイアンナ「それは何者だ?」
NOVA「邪悪な黒魔術を極めようとする教会のシスターだ。己の魔術研鑽のために奈落の力をも利用する一方で、奈落の使徒というわけでもなく、クエスターと奈落の双方を敵に回して、我が道を生きる孤高の魔女といった存在だな。外見的には金髪、白肌、赤目のダンピールにも通じたところがあり、善悪を超越した狂科学者的なメンタルの美少女(外見年齢19才)と思っていい」
ダイアンナ「では、闇に通じるコネとして、彼女と知り合いになろう。借りがあるってことは、彼女から何かを要求されることもあるのだろうな」
NOVA「瑠璃伽さん曰く、『神名アキラさんという娘がいて、奈落が彼女を狙っているって噂を聞きました。彼女の音楽に秘めたる力が光に向かうか、闇に向かうかで、世界の命運が決まるという占いも出ています。良ければ、彼女を奈落の手から助けてあげて下さい。その方が、世界は今よりも楽しくなりますから』と依頼して来たとしよう」
ダイアンナ「なるほど。アキラを紹介してくれたんだな。だったら、それは借りになる。しかし、その瑠璃伽は何を考えているんだ?」
NOVA「アキラの曲が奈落に奪われると、彼女の魔術研究にとって不都合なことになる……ってことは推測できるな。それ以上は分からないが、少なくともアキラの身を案じて、ディオーネに依頼したのは流離のシスター瑠璃伽という線で」
ダイアンナ「流離のシスターってことは、教会組織に身を置いているわけではないのか?」
NOVA「同じ現代日本ファンタジーでも、ナイトウィザードではキリスト教的な聖法王庁という組織が設定されていて、教会の聖職者がキャラクタークラスとして存在しているんだが、アルシャード・ガイアのブルースフィアでは背景がギリシャや北欧神話によるためか、キリスト教会的な組織はあまりクエスターや奈落の戦いに絡んで来ないんだな。ミスティックという退魔士的な宗教家クラスは設定されているんだが」
ダイアンナ「つまり、教会という組織そのものは奈落に対しては無力だと?」
NOVA「クエスターを支援する組織は、ブルースフィアのキリスト教会内には公式に見られない。だから、シスター瑠璃伽の暗躍も教会は黙認せざるを得ないわけだ。もちろん、彼女も教会が自分の行動を邪魔しない限りは組織を潰そうとまではしていない。一応、表向きは敬虔なシスターとして布教や退魔活動を行なってみせているので、彼女の黒魔術研究も退魔活動の手段として教会内からは批判されていない」
ダイアンナ「だったら、誰が彼女を批判しているんだ?」
NOVA「マーリンを初めとする魔術師連盟だな。だから、ディオーネはマーリンにアキラを預けたんだ。マーリンの庇護下なら、シスター瑠璃伽が迂闊に手を出さないだろうと見越してな」
ダイアンナ「対立する両者との間で、ずいぶんと危ない橋を渡っている気がするんだが?」
NOVA「君の恩師は、ブライアン・ゴールディ教授だ。彼はダンピールにして、魔術師連盟の日本支部幹部なんだ。よって、ディオーネのコネは『ブライアン・ゴールディ(恩人)、豊城瑠璃伽(借り)』ということにしておこう」
ダイアンナ「教授があたしの魔術の先生で魔術師連盟との接点に当たり、一方、教会とか奈落関連の裏情報に詳しいのはシスター瑠璃伽。対立する表と裏の両者の間を、うまく泳ぎながらアキラの助けになろうと頑張っているのが、あたしってことだな」
晶華「私はそういうややこしい背景も知らずに、ディオーネさんの過干渉ぶりに戸惑うばかり……というか、どうしてディオーネさんの背景設定を決めているのに、私の音楽が世界征服に必要とか、魔術師同士の対立劇に巻き込まれていたりとか、勝手にいろいろつながって来るのよ?」
ダイアンナ「不服か? アキラの曲は奈落も惹きつけられるぐらい魅惑的なんだが?」
翔花「すると、アキちゃんの周辺にいれば、奈落狩りもはかどるってこと?」
ヒノキ「格好の囮もしくは餌ということじゃな」
晶華「シクシク。どうして、こんなことに(涙目)」
ライフパス4(ニンバー19の場合)
ヒノキ「最後に、わらわのニックじゃが、出自は64」
NOVA「サラリーマンですが」
ヒノキ「ボツ。46は?」
NOVA「権力者」
ヒノキ「それも何だかおかしい」
NOVA「おかしいのはヒノキ姐さんのキャラの方ですよ。未来から来たロボにふさわしい出自なんて、なかなかピッタリ合うのなんかないでしょ。自分でしっくり来るのを出自表から自由に選んで下さい」
ヒノキ「そうか。では……11の異世界生まれにしておこう。正確には未来じゃが、特徴は『情報:異世界』で、世界樹、シャードなどに関する情報収集に+3できるってことで」
NOVA「まあ、そんなところでしょうな。次に経験表」
ヒノキ「56」
NOVA「傭兵。あなたの人生は戦場とともにあった。戦場こそがあなたの生きる場所だ」
ヒノキ「まあ、戦闘サポートのために作られたロボじゃからのう」
NOVA「特徴は『戦友』で、傭兵や兵士に対する情報収集に+1です」
ヒノキ「それは少し違うので、アレンジしよう。特徴は『戦闘マシン』で、戦闘行為や敵性体、奈落の怪物に関する情報収集に+1というのはどうじゃ?」
NOVA「まあ、いいでしょう。戦闘用プログラムが搭載されているのでしょうな。次は境遇表」
ヒノキ「52」
NOVA「実験。あなたには何らかの実験が施された。クエストが『虚無感』で、心の奥底にくすぶる虚しさをできるなら捨ててしまいたい」
ヒノキ「25だと?」
NOVA「正義。あなたは人を救いたいと思っている」
ヒノキ「それじゃ。ニックは正義のロボなのじゃ」
NOVA「クエストは『人を救う』。あなたは困っている人を放ってはおけない」
ヒノキ「良心回路が搭載されておるのじゃな」
NOVA「最後に邂逅表ですが」
ヒノキ「43」
NOVA「同行者。何度か共に旅をしたことがある。なかなか楽しい旅だった……ということで、高坂橙子と出ましたが」
ヒノキ「それは確か、カラオケボックスチェーン『フォーチュンサービス』の女社長で、別名が占い師の『橙のティファナ』じゃったな」
NOVA「ええ。クエスター支援組織で、異世界ミッドガルドとも強い関わりがあります。ティファナの正体は古代種族アルフであり、アルシャードの世界創造にも関わった神にも近い種族ですね。アルフの多くは、自分たちの世界ウートガルドを閉ざして、他の世界には関わらなくなりましたが、中には世界を奈落から救うための活動を陰から支援している者もいるのです。とりあえず、ティファナは未来から来たロボであるニックを拾ってくれ、この時代の常識をレクチャーしてくれました」
ヒノキ「アイギスに紹介してくれたのも、彼女だとしよう」
NOVA「他のコネとしては、何か希望がありますか?」
ヒノキ「メカじゃからのう。メンテナンスをしてくれるメカニックのおやっさんがいれば助かる」
NOVA「では、おやっさんではありませんが、サジッタ社の技術顧問であるお姉さんのアルミナ・エッシェンバッハも紹介されたことにしましょう。彼女もまた異世界出身で、魔動工学の技術者です。アルケミストのチャンバースタッフも彼女の研究の産物であり、また同社はかつて魔術師連盟に所属していた工房組織という背景もあり、異世界の技術にも関心を示しながら、表の顔は玩具会社なんてやっております」
ヒノキ「異世界出身の技術者なら、メンテナンスなんかも任せられそうじゃな」
NOVA「ということで、コネは『高坂橙子(同行者)、アルミナ・エッシェンバッハ(ビジネス)』を差し上げましょう。一応、ニックの所有権、管理権は橙子ことティファナにあり、彼女の伝手でアルミナにメンテナンスを依頼したり、アイギスに出向してユイの相棒を務めている形です。本来、サジッタ社とアイギスは異世界技術の扱いをめぐって仲が決してよろしくない組織なんですが、ティファナが仲介することで、何とか折り合いを付けているのが現状です」
ヒノキ「仲が悪いとは、どういうことじゃ?」
NOVA「ブルースフィアは魔力の源であるマナの豊富な世界なんですが、マナが枯渇すると奈落が発生しやすくなることが分かっています。ですから、魔術師連盟はマナの使い過ぎを警戒して、魔法の秘密を隠蔽することを旨としています。また、アイギスも魔動技術の隠蔽に賛同していますね。こちらは異世界技術や古代技術には危険な物も多く、うかつに解放すると大惨事につながるので、しっかり管理して封印も辞さないという姿勢です」
ヒノキ「しかし、サジッタ社は魔法や超技術を解放しようとしているのじゃな」
NOVA「全面解放とまで行かなくても、研究は大いに進めるべきだし、行き過ぎた秘密主義、保守的な姿勢は閉鎖的で弊害になるという立場ですな。まあ、クエスター支援組織と一口に言っても、クラスごとに立ち位置が異なるわけです。その中で、対奈落という意味ではクエスターの立ち位置はブレないわけですが、組織の中には奈落の力を利用して権力を得ようというナインライブズとかタナトスとかがあって、彼らとコネを持つと話がややこしくなりやすい」
背景話のまとめ考察
翔花「それにしても、キャラの背景って、いろいろ決めるのはややこしいのね」
NOVA「個人的には、キャラのコネを構築する邂逅表が一番ややこしいと思うな。出自や経験、境遇はあまり複雑なことを考えなくてもいいが、コネ周りのルールはブルースフィアのNPCや所属組織の知識がないと、初心者ではよく分からないだろうし」
ヒノキ「逆に、キャラ作りを通じて、背景世界を少しずつ勉強することもできる。ところで、コネは最初に2つ決めておくのか? ルールブックの記述だと1つのはずじゃが」
NOVA「ええ。それはランダムで決まる1つと、そのクラスに相応しいとGMが考えるもう1つの計2つをオリジナルで取り入れました。と言うのも、コネってランダムに決めると、そのキャラクター・クラスで当然、持っているはずの人物とは関わらない可能性がありますので」
ヒノキ「むしろ、このキャラクター・クラスの推奨コネとかを一覧にして欲しかったものじゃのう。ルーンナイトなら、アイギスの折田志緒理を知らんはずはないじゃろうし」
NOVA「魔法使いなら師匠キャラが欲しいでしょうし、異世界キャラなら異世界に詳しい人間のコネがある方がプレイしやすい。ただ、それとは別に、ランダムに思わぬ人間関係が構築される楽しみもあるわけで、今回はプレイヤーとGMがクエスターとNPCの関係性をあれこれ話して、世界観への理解を深める時間も取りたいな、と考えたんです」
晶華「でも、殺意を持った相手(レイスナイト)のコネなんて、取りたくもなかったわ」
NOVA「プレイしにくいと思ったら、他のコネに変えてもいいんだぞ」
晶華「コネって情報収集に使うものでしょ? レイスナイトからどうやって情報を仕入れるって言うの?」
NOVA「その辺は、プレイヤーとキャラクターは別物という演出を上手く見せることだな」
晶華「どういうこと?」
NOVA「レイスナイトは奈落側の情報に詳しそうだよな。シナリオに登場する奈落の怪物について知りたいとする。プレイヤーはここでレイスナイトから情報を仕入れたい、と宣言するんだ。すると、レイスナイトはキャラクターの前に姿を現す。当然、キャラは警戒して、ロールプレイで敵対反応を示す。そんなキャラにレイスナイトは挑発しながら、『今のお前では、あの怪物には勝てん。なぜなら、彼奴には◯◯の秘密があるからだ。生き延びたければ、その秘密を探ることだな。彼奴ごときに遅れをとるような期待外れなマネをしてくれるなよ、クエスター。お前を狩るのは、我が将来の悦楽。しかし、それは今ではない。お前がもっと強くなってからでないと面白くない』って感じで、情報を教えて姿を消す」
晶華「ああ、何故か情報をベラベラ話すだけで、本気で邪魔して来ない因縁の敵キャラってことか。将来の強敵にはなりそうなんだけど、物語を進めるための情報源にはなってくれる。そういう敵キャラの役割を上手く利用しろってことね。なかなかテクニカルなんだ」
翔花「わたしはもっとストレートな協力者がいいな」
晶華「私とアナちゃんは、敵キャラとのコネで裏情報を調べる役どころか。光ルートのお姉ちゃんと、闇ルートの私たち。何だか狙ったみたいね」
NOVA「言っておくが、俺が意図的にそうしたんじゃないからな。お前たちが振ったダイス目がたまたまそういう背景を引き当てたに過ぎん」
晶華「とにかく、私はただの音楽好きの陽キャラ中学生を意図していたのに、思いきり闇の因縁に巻き込まれているし」
ダイアンナ「その中で光り輝くのが、太陽サンサンって物ではないか。主人公たる者、逆境にも負けず、立ち向かわないと」
晶華「主人公は私じゃなくて、お姉ちゃん。そのはずだったのに」
翔花「まあ、W主人公と、そのサポーターたちの光と闇のストーリーってことで」
NOVA「では、次回にキャラデータをまとめて完成だ。その後は、屋久島のガイア様のところでプレイを行うってことで」
翔花「あっ、でも、来週公開のドンブラ映画は見に行くんだからね。ドンブラを見ないと、わたしが闇堕ちしちゃうんだから」
(当記事 完)