花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

屋久島ブログの新生

業務連絡的な何か

 

リモートNOVA『ヒノキ姐さん、頼みがある』

ヒノキ「何じゃ、新兄さん、やぶからぼうに? 少し忙しくバタバタ動いておったようじゃが、プーチンの件か?」

NOVA『プーチンは関係ないはず。いや、teacupのサービス終了とか、東映アニメーションのコンピュータ障害がプーチンの仕掛けた陰謀だってなら、話は別だが』

ヒノキ「魔王プーチンが、ダイ大やプリキュアの物語を封じるために陰謀を企てたという妄想物語を考えるのも一興じゃのう」

NOVA『いやいや、現実の戦争をそういう風に茶化すのもどうかと思うぞ。何にせよ、今のプーチンはコロナと同じくらい、全ての悪いことの責任をなすりつけても許される空気はあるがな。フィクションが80年代のリメイクをする風潮は懐かしいなあ、と歓迎するが、リアルまで80年代の世界観にまで戻さなくても、と思う』

ヒノキ「ともあれ、神霊的には、ああいうのは『魔に取り憑かれた人間』という設定で、祈りの力で調伏しないといけないという話になる」

NOVA『祈るだけで世界平和が実現できるって信仰を素直に受け入れることができれば幸せですけどね。まあ、世の中にはそういう役割や立場の人間もいますし、書くことに願いを込めて世界を変えるとか、歌うことで世界を良くするとか、それぞれの人間の信念とそれを表明する手法は種々色々です。そういう人の真心や善意にまで批判する気にはなれません。自分がそれに与するかどうかは別として』

 

ヒノキ「それで、頼みとは何じゃ?」

NOVA『まずは、これを見て下さい』

ヒノキ「何と。アステロイド宮殿が崩壊するというのか?」

NOVA『ええ。このまま放っておくと、ダイアンナやアストの居場所、住む世界が失われてしまう危機でした』

ヒノキ「うむ。それは何とかしてやらないといけないのう」

NOVA『まあ、一週間ほどの突貫作業で、頑張って何とかしたんですけどね。うん、仕事で本格的に忙しくなる前に、何とかした。今は心身ともにボロボロな気分です(バタンキュー)』

ヒノキ「お、おい、新兄さん。死ぬな。ザオラル

NOVA『フッ、俺を呼ぶなら大魔道士と呼んでくれ』

ヒノキ「……そういう冗談が言えるうちはまだ大丈夫なようじゃな」

NOVA『ええ。今の俺はリアルとフィクションの区別が常にも増して付きにくくなっています。いわゆるドンブラ脳の初期症状かな、と思ってますが、人が鬼になって、祭りだ祭りだと騒ぐ桃太郎が出てきて、世の中がヒステリックに騒然としていて、何が正気で何が狂気なのかの境界線が怪しいなあって思っているのは、俺だけでしょうかね』

ヒノキ「事実は妄想よりも奇々怪界なり、ということじゃな。まあ、とにかく、自分の管理する世界だけでも維持しようと、新兄さんは頑張って来た、と。それで、わらわは何をしたらいいのじゃ?」

NOVA『俺といっしょに屋久島へ行って、ガイア様にあいさつして欲しいんですよ。これからは、屋久島もブログのメイン舞台になって、ここから独立スピンオフ展開を見せるって。アステロイド宮殿と屋久島の渾然一体となった新世界を誕生させるべく、あれこれ言霊魔術を駆使している最中ですが、肝心のガイア様の許可を得ないといけませんからね』

ヒノキ「普通は許可を得てから、作業を始めるものじゃろう」

NOVA『いや、ある程度、既成事実を作ってから、改めて挨拶うかがいすることも社会的慣例としてはありますよ。逆に言えば、「何の準備もしていないのに、頭の中の構想だけぶちまけて、人に手伝って下さいと言って、手伝わせるだけ手伝わせて、自分は大したこともせず企画を投げ出した迷惑な人物」を知っていますから。世の中は、「仕事をしない、できない大言壮語」な人間よりも、「すでに半分以上の仕事を終えてから、説得力のある認可を求めて、相手に迷惑を掛けないようにする企画主」を重宝します』

ヒノキ「つまり、ここまでの作業はできているから、後は神さまが認可してくれるだけ、という段階に入っておる、と」

NOVA『ええ、そうです。事が事だけに、神さまに対して「あなたの領域に、宇宙から宮殿を飛来させるから受け止めて」と言っても、「ちょっと待って。そんなの無理。却下よ却下」と断られるのが目に見えています』

ヒノキ「少なくとも、わらわのコンパーニュ上空に、アステロイド宮殿が飛んで来たら、侵略と見なして即刻撃墜する意思を固めるがのう。もしも頼みに行ったところで、ガイア様に断られたら、どうするつもりじゃ?」

NOVA『もう遅い。時は動き出しているのですよ。あなたが拒もうと、すでにアステロイド宮殿は屋久島に向けて飛んでくる。この事実は変えられない。だったら、もう覚悟を決めて、いかにスムーズに物事を成就させて、お互いにWinWinな状態を構築できるかを考える方が、建設的というもの。大丈夫、あなたにご迷惑はかけません。全ては、この時空魔術師にして言霊魔術師、花粉症ガールの父にして、ウルトラマンキングの茶飲み友達のShiny NOVAにお任せを……と説得してみます』

ヒノキ「ウルトラマンキングの茶飲み友達……とまで言われたら、何だか説得されそうなわらわがおる」

 

人への頼み事な話

 

NOVA『まあ、コネの利用ってことですね。実際、アステロイド宮殿はこの世界においてウルトラ一族の出張観測所の役割も持ってますし、時々、セブンさんやゼロさん、グレンファイヤーさんが立ち寄ったりしていますから。そういう場所と縁を結ぶのは、ハッピーになれる良縁だと思うんですよ』

ヒノキ「うむ。前言は撤回しよう。アステロイド宮殿が飛んで来て、それを撃墜しようなどと言ってしまえば、わらわがTACやMACの高倉長官みたいに思われてしまう」

NOVA『自分の管理する場所を守るためには、時に司令は非情な決断をしないといけないこともありますからね。まあ、主人公視点では悪しき権威の象徴に見えがちですが。そして、権威のプレッシャーに負けない主人公のひたむきな努力、ギリギリまで頑張る姿を通じて、努力が実る奇跡が生まれるカタルシスこそがドラマツルギーって奴です。

『何にせよ、相手に何らかの負担を要求する交渉ごとの局面で大切なのは、自分が過剰に相手に迷惑を掛けないようにするという確約と、自分が事態を解決できる力と責任感を有しているという信頼関係ですね。力が足りないから協力してくれ、と言うのはいいけど、その足りない力がどれだけで、相手がどれだけの負担を引き受けることになるのかが読めていなかったら、交渉にならない。

『100万円の借金を返すのに、自分は10万円しかない。残り90万円を貸してくれ、と要求するのは、よほどの担保や信用がないと無理、となる』

ヒノキ「そんな時は、どうすればいいのじゃ?」

NOVA『定番セリフは「働いて返すから」ですし、その人間が十分に働ける力を持っていて、マジメにコツコツ働くと信用されていれば、それと90万円が相手にとっても負担にならないだけの財力を持っているなら、融通してくれるかもしれない。まあ、普通は「10万円なら貸してもいいが、90万円はなあ。とりあえず、他を当たれ」となる』

ヒノキ「他に頼れる相手がいないんです、と泣きつかれたら?」

NOVA『話にならん、と切り捨てる。頼れる相手がいない=そんな人間に投資しても、益にはならんと言うことだからな。この場合の最適解は、「10万円貸してくれる相手を9人見つけてきて、それぞれから少しずつ借りて、個々の負担を減らすための努力を自分がする」ってことだと俺は考えます。

『90万円を貸してくれる裕福な人間はいないけど、10万円ぐらいなら貸してくれるだけの人間は複数、知り合いにいるというのは、その人間のコネ作りの能力を信じてもいい、という話になる。少なくとも、「他に頼れる相手がいない」と言う孤立した人間よりは、「わずかなりとも手助けしてくれる複数の人間と縁を維持している」人間の方が信頼に値するわけで』

ヒノキ「まあ、金の話はともかく、憐れみを乞うだけじゃ世の中は渡れんということじゃな」

NOVA『そりゃ、そうでしょう。少なくとも俺は、楽しい人間だから付き合いたいのだし、哀れな人間と付き合いたいとは思わない。今はたまたま不幸でも光る可能性を持っているなら助けたいと思うし、その可能性を自分から台無しにしてしまいがちな人間は厄以外の何者でもないと考えたりします』

ヒノキ「可能性を台無しにする、とは?」

NOVA『この場合の「台」とは、仏の座る「台座」を意味します。台座を無くすというのは、「相手の面目をつぶす、立場を崩す、居場所や立ち位置を尊重しない」ということで、誰もが自分の培ってきた能力や立場、居場所を大切にしながら、それを固めたり、広げたり、新たな可能性のために飛躍したり、とにかく自分のアイデンティティーを構築しながら、人生を生きているんだと思うんですよ』

ヒノキ「うむ。しかし、不幸にも自分を支える土台が崩れて、呆然とすることだってあるのう」

NOVA『そこから、新たな自分に目覚めるかどうかのドラマもありますが、人生経験、積み上げてきた個々のドラマを大切に生きている人間が、互いの積み上げてきたことを尊重し合えるなら、程よい友誼を保てると思うし、積み上げが不十分なら未熟に思えるし、100%理想どおりとまではいかなくても自分の積み上げてきたものをしっかり自覚し、誇れるものとして考えられることこそ確固とした自尊心。未熟でも頑張って自分作りをしている人間は輝いているし、自分の未熟さから目を背けるために他を攻撃することで自尊感情を満たす人間は……輝いておらずに、つまらない。お前の誇りは何だ、という問いに真正面から答えられるのが、尊敬できる人間かな、と』

ヒノキ「新兄さんにとってのそれは?」

NOVA『そりゃあ、ホビー館とか関連ブログ、掲示板は全て誇りと言えるでしょう』

ヒノキ「ならば、それを全て壊してしまえば、絶望してファントムを生み出すのじゃな(ニヤリ)」

NOVA『ちょ、ちょっと、ヒノキ姐さん、まさか?』

ヒノキ「ヒヒヒ。いかなる大魔道士、ウィザードと言えど、誇れる何か、希望の可能性を失ってしまえば、心が砕けて闇堕ちするものよ。新兄さんとて例外ではない」

NOVA『くっ、まさか。ヒノキ姐さんがファントムの手先だったとは。心を許した俺が甘かったぜ』

ヒノキ「……とまあ、冗談はさておき」

NOVA『ヘッ、冗談?』

ヒノキ「そう、冗談じゃよ。わらわはファントムのフェニックスさんが好きで、今でも太陽を見るたび、フェニックスさんが帰って来ないかのう、と思ったりするほどじゃが、別にファントムを生み出したいとは思わん。TRPG好きの女の子じゃからして、新兄さんのTRPG愛がある限りは、わらわも新兄さんの味方じゃ。新兄さんが絶望してファントムになったり、妄魔時王になったりしてもらっては困る。だから、そう簡単に絶望してくれるなよ」

NOVA『まあ、絶望しない方法は、「たった一つしか誇りを持たない生き方」ではなくて、「マルチに誇りを広げること」ですからね。これがダメでも、俺には別の楽しみがあるし、大事なものはいっぱいある。一つの台座が崩れても、それだけで全てが台無しになったりはしないってことだと思います。まあ、それでも、自分があれこれ積み上げて来たものはいろいろと守りたいですが』

ヒノキ「うむ。守りたい物を持つ人間の可能性は光り輝いておるからのう。よし、その心意気に感じ入った。ガイア様への挨拶は、わらわも同行しよう」

NOVA『ありがとうございます』

 

地母神への頼み事な話

 

 屋久島にて

 

ガイア『なるほど。滅びる世界を維持するために、屋久島に封印されたモスラの力が必要ということですね』

NOVA「いえ。モスラの力までは求めていません。俺が頑張ったら、割と何とかなる程度ですから。ただ、ここの環境が少し変わるので、そのことをご了承頂ければな、と」

ガイア『環境が変わる? どういうことですか?』

NOVA「これまでは割と閉鎖的な聖地だった屋久島が、全力全開なオープンワールド、ウルトロピカルな島宇宙と呼ぶ場所になります」

ガイア『ウルトロピカル? それは何か?』

NOVA「具体的には、これです」

NOVA「『Shiny NOVAのGTライフ』は、屋久島と融合して新世界『ウルトロピカルな⭐️GT島宇宙』に生まれ変わるのが、俺の描いた未来図なのですが、それにはガイア様の加護が必要になります」

ガイア『私の加護?』

NOVA「ええ。とあるTRPGでは、ガイアの加護はあらゆる願い事をかなえることができるとか」

ガイア『これですね』

アルシャードセイヴァーRPG上級ルールブック (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

アルシャードセイヴァーRPG ブルースフィアワールドガイド (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

 

NOVA「どうして、それを?」

ガイア『次元ドルイドがいろいろと教えてくれました。そなたが異世界の力を観測するのに、しばしば借り受けるTRPGの原理の一つだと』

NOVA「そうですか。それなら、話が早い。ガイアの加護は奇跡を起こす。今回のアステロイド宮殿の大移動は、不安定な物。俺だけの力では、動かすことはできても維持ができません。それではアクシズ落としと同じで、隕石落下の衝撃で地上が大変なことになる。それを緩和して、屋久島上空の静止軌道にアステロイド宮殿を留めるには、俺の時空魔術とガイア様の大地の加護が組み合わさらないといけない。ガイア様がそれを許可して下さらないなら、俺は地上の被害を減らすためにもアステロイド宮殿を破壊しないといけません」

ガイア『時空魔術師よ。そなたの交渉術は回りくどい。そのような小賢しい駆け引きに時間を割かずとも、そなたはただ願うだけでいい。ガイア様、お願いします、と』

NOVA「ガイア様、お願いします(m0m)」

ガイア『よし、その願いは確かに聞き届けました。代償は、この屋久島で神前TRPGの儀を行うことでいいでしょう』

NOVA「ええ? 今すぐは無理ですよ。『妖精女王ズ』と『魔神ハンター』を終わらさないことには、新たにキャンペーンを立ち上げる余裕はありません」

ガイア『そうですか? 単発では犬D&Dパグマイアの「ワンデルヴァー」、それにキャラだけ作った「屋久島ヴァグランツ」なるものがあるそうではありませんか。別に長大なキャンペーンではなくともかまいません。ウルトラマンアースの面々や、屋久島在住の民たちの力を借りれば、何らかの面白いイベントが展開できるものと考えますが、そうでなければ新世界を立ち上げる意義はないのでは?』

NOVA「いや、俺としてはGTライフで展開していたD&Dやパグマウの研鑽記事以上のことは何も考えていないんですが」

ガイア『今すぐ、何かをせよ、とは言いません。しばらくは世界がつながったことで混乱することもあるでしょう。心の準備をするだけの時間は与えるゆえ、じっくり計画は練りなさい。ただ、二つの世界をつなげる以上は、そなたも開けた心で一層の精進をすることを期待しますよ』

NOVA「分かりました。とりあえず、目前の仕事をあれこれ片付けてから、ドンブラ脳で考えてみることにします」

ガイア『ドンブラ脳? 何ですか、それは?』

NOVA「ガイア様は、ドンブラをご存じない? これです」

 

ガイア『戦う鬼の戦士なら見たことがあります』

 

NOVA「まあ、TRPG屋久島ネタと言えば、昔、こういうリプレイもありましたが」

退魔生徒会屋久島奇譚―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (integral)

 

ガイア『人の文化には疎いゆえ、何の企画をするかは任せます。暗い世相に希望の光を灯すような面白い儀式を期待しております。そのためなら、屋久島を解放してもよいということで』

NOVA「ありがとうございます。では、以降は、ウルトロピカルな島宇宙で会うことにしましょう」

ガイア『ええ。ウルトラマンアースの2人を迎える準備を整えねば』

(当記事 完)

 

 

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