花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

マッスル太郎と、女暗殺者(SWミストキャッスル2ー6)

冒険者レベル3になって

 

太郎(ゲンブ)「前回でようやく、冒険者レベルが3になったでござる」

ヒノキ「初期レベルがグラップラー2レベル、エンハンサー1レベル、スカウト1レベルで、ずっと冒険者レベルは2のままじゃったからのう。レベル2から3になるのに、第1部で6話、第2部で5話を費やして、ようやく11話めでレベルアップとは。『ソード・ワールドとは何てレベルアップの遅いシステムだろうか』と誤解する読者も多かろう」

太郎(ゲンブ)「実際は、冒険を1、2回すればレベル3まで上げるのは可能でござるな。経験点1500でできることなので」

ヒノキ「だが、ミストキャッスルの仕様冒険者レベルが高ければ、ランダムで登場する敵が強くなり、判定の目標値も高くなる』のと、ソロプレイなので『戦闘も、探索も、知識判定も、回復も全て一人でこなさなければならない』という事情が相まって、ここまでメイン技能の成長を遅らせてきた、ということを再確認しておこう」

太郎「ここまでのプレイで、エンハンサー1レベル分、スカウト2レベル分、セージ1レベル分、マギテック1レベル分、レンジャー1レベル分を成長させるのに、経験点5000を費やしてきたでござる。これを全てグラップラーに注ぎ込めば、今ごろはレベル5になっているはず」

ヒノキ「ただ、それだと戦いはできても、探索活動も知識判定もままならない完全脳筋キャラになっていたろう。仲間がいれば、1人が戦闘特化でも、探索役と知恵袋と回復補助役を分担できるのじゃがのう」

太郎「いないものは仕方ない。ともあれ、今後の成長としては、セージ技能を上げて知識判定に成功しやすくすることと、MP不足を補うためにマギテック技能を高めることでござろうか。他に、コンジャラー技能があれば、ゴーレムを作成することで敵の攻撃の的を分散することもできようが、そこまでするかどうかは先の話としておこう」

ヒノキ「ともあれ、3レベルになったことで、新たなクエスト『夢薬販売委任状の入手』が提示された」

太郎「夢薬?」

ザバーラ『麻薬の一種さ。こいつを手に入れれば、いい商売のネタになると思ってね』

太郎「麻薬の密売人になるつもりでござるか?」

ザバーラ『人聞きの悪いことを言うでないよ。密売というのは、禁じられているものをこっそり売ることさ。だけど、この霧の街では、麻薬は別に禁止されていない。販売するのに許可がいるってだけでね。だから、許可証を手に入れれば、堂々と扱えるってわけだよ』

太郎「しかし、麻薬はやはりよくない」

ザバーラ『だったら、麻薬商人をぶっつぶすかい? そうなったら、こっちが犯罪者だ。良いか悪いかの基準は、時と場合、所によって変わるんだよ。人族基準ではダメなことも、蛮族基準だったら許される。この街が蛮族の支配下にある以上は、そのルールに合わせて、あたしたちも生き方を考えなければならない。お上が許しているものを、良くないと訴えるのは自由だが、それで規制を増やすのも強権を振りかざすのと変わりない。自由や解放を主張するなら、自分の正義に合わないからって、他人の自由を規制することが矛盾しているということを理解しないとね。世の中は決して善悪二色で割り切れるほど単純じゃないんだよ』

太郎「……まあ、いい。とにかく、麻薬窟に行けばいいのでござるな。そちらに行く用事もあったので、ちょうどいい」

ヒノキ「固定ミッションがあるので、新たにランダムミッションは受けられない。今回はクエストだけじゃ。まずは、女暗殺者マリリン探しを頑張るがよかろう」

太郎「未明に拠点を出発して、2マス南の剣闘士の宿舎に着く。そして、右隣の?マスを開示するでござるよ」

ヒノキ「そこは追い剥ぎ小路じゃ。ついでに剣闘士の宿舎の南は、それらしさを考慮して闘技場にしておこう。宿舎と闘技場が遠いのも不自然じゃしの」

 

追い剥ぎ小路(8日め、昼)

 

●霧の街のマップ(2-6話時点、青字は宿泊可能)

 

    牧場    ー 娼婦街ー ?

     l                  l  l

  路地裏     ー 施療院泉の広場ー?

     l                  l  l

常夜回廊ー 涸れ井戸ー 神殿跡 ー?

     l                  l        l           l

     港ー   三色の天幕ー庭園ー翡翠の塔ーー叫び

                   (拠点)      l                   屋 の門

                           l         l          l    l

       ダルクレム神殿 ー骨の川ー 処刑場ー市場ー?

                           l         l   l         l

         剣闘士の宿舎 ー 追い剥ぎー?   ?

          l          小路

                           l   I

                       闘技場ー麻薬窟ー?

太郎「追い剥ぎ小路とは、また物騒な名前でござるな。警戒を強める」

ヒノキ「すると、馬に乗った追い剥ぎが現れた。『へえ。蛮族の奴隷がここに入って来るとはな。ここは浮民の町だ。お前らみたいな豚どもがうろちょろしていい場所じゃないんだぜ。有り金、持ち物、全て置いて消えな』」

太郎「魔物知識判定は9」

ヒノキ「馬に乗った追い剥ぎは3レベル。本体のHPは25で、馬のHPは28じゃ」

太郎「馬に罪はないので本体狙いでござるが、その前に会話をしておこう。ビシッと指を突きつけて言う。お前は3つ間違っている。1つ、私は蛮族の奴隷ではなく、名誉蛮族、すなわち人族の奴隷だ。蛮族に従ったつもりはない」

追い剥ぎ『ええい、蛮族だろうと、名誉蛮族だろうと同じことだ。お前の主人は、蛮族に頭を下げているだろうがよ。俺たちは自由を愛する誇り高い浮民なんだ。決して、蛮族どもに頭を下げたりはしない』

太郎「その心意気やよし。だが、この私を豚呼ばわりは許せんな。そいつが間違いその2だ。この鍛えた筋肉が目に入らぬか。決して贅肉や脂肪ではないぞ。我が名はマッスル太郎。通りすがりのお笑い芸人さ」

追い剥ぎ『通りすがりだと? それに、あの筋肉……もしかすると?』

太郎「3つ。どれだけ御託を並べようが、お前のやっていることは所詮、追い剥ぎに過ぎん。蛮族相手ならいざ知らず、同じ人族の私に対して無法を働くとは、自由と正義の名において、こらしめてやらねばならないようだ。お笑い芸人の怒りを思い知るがいい」

 

 マッスル太郎は、先制判定こそ逃したものの、相手の槍と馬の蹄の攻撃を難なく回避し、2ラウンド目の反撃で追い剥ぎをきれいに撃退した。ただし、戦利品はピンゾロを振ったのでなし。

 

太郎「フッ、この程度の力で、追い剥ぎを続けるとは命がいくらあっても足りんぞ。あの上位蛮族ヒューリカとやり合った男の力を見くびるな。授業料として身包み剥いでやろうと思ったが、それだとお前たちとやっていることは変わらんからな。そのまま大人しく返してやろう。忘れるな、ただの通りすがりの恐ろしさを」

追い剥ぎ『つ、強え。だが、兄貴の力はこんなものじゃないぞ。覚えてやがれ』

太郎「覚えてやがれって、兄貴って誰だよ、でござる。名前ぐらい言ってから行けよ」

ヒノキ「追い剥ぎは慌てて馬に乗って逃げて行った」

太郎「チッ。これ以上、面倒に巻き込まれないよう、こちらも退散するとしよう」

ヒノキ「追い剥ぎを撃退したので、★1つ進呈じゃ」

 

麻薬窟の女暗殺者(8日め、夕方)

 

太郎「麻薬窟の区画に入ると、いきなりイベントがスタートすると見た。ボガード3体との大立ち回りになることが予想されるので、ここはマッスルマスクを装着して、仮面レンジャーとして振る舞うとしよう」

ヒノキ「ふむ。すると、路地を若い女が駆けてくる。女は『お願い、追われてるの。かくまってちょうだい』と言って、物陰に身を潜める」

太郎「その女は娼婦街で逃げた女でござるか?」

ヒノキ「そんな感じじゃの。やがて、ボガード3体が現れて、『怪しい女が来なかったか?』と聞いてくる」

太郎「怪しい女? 怪しい男なら、ここにいるが……と言いつつ、高らかな笑い声を上げるぞ。『フハハハハ、か弱い女を追い回す悪党ども。この私に声を掛けた身の不運を呪うがいい。我が名は仮面レンジャー。人族の笑顔のために戦う者だ!』」

ボガードA『何? 仮面レンジャーだと? まさかこやつがあの噂に聞く……』

ボガードB『知っているのか、雷電?』

ボガードA『ああ、飛燕。先週、処刑場で風の旅団の首領を助けに現れた謎の仮面だ。まさか、こんなところで出くわすとは』

ボガードC『それだけじゃない。泉の広場で縊(くび)り屋モ・ルゲを倒した男も、怪しい覆面を着けた暗殺拳法の達人と聞く。もしかすると、それもこやつの仕業かもしれん』

太郎「縊り屋モ・ルゲか。確かに奴を倒したのも、この私だ。お前たちも同じ目に会いたくなければ、大人しくこの場を立ち去るがいい、と腕組みして上から目線で威圧するでござる」

ボガードA『ええい、愚か者め。モ・ルゲなど、我らボガード四天王の中でも一番の小者よ。残された我らはボガード三面拳。我が名は雷電!』

ボガードB『同じく飛燕!』

ボガードC『同じく月光!』

太郎「ええと、だったら私は剣桃太郎を名乗ればいいのでござるか? 念のため、聞くが伊達臣人はどうなった?」

ボガード雷電『女暗殺者に殺された』

太郎「あ、それが兄貴ってことでござるか。ならば、お前たちも兄貴の後を追わせてやろう、と言いつつ、改めて魔物知識判定。達成値6だと何にも分からん」

ヒノキ「一応、雷電がリーダー格ということぐらいは分かってもいいぞ(ただし、月光が一番強い真のボスであることは内緒じゃ)」

太郎「とにかく、1対3では不利だが、こちらもレベルアップして能力的には有利なはず。先制判定は……8」

ヒノキ「こちらからじゃな。三面拳は次から次へと、仮面レンジャーに連続攻撃を浴びせてくる。命中は11じゃ。3回避けるがいい」

太郎「回避は6だから、5が出れば避けられる。ダイス目は6、4、10。くっ、一発命中した」

ヒノキ「ダメージは13じゃ」

太郎「防護点は3なので、10点くらった。残りHPは20」

ヒノキ「飛燕の攻撃はさらに続く。ボガードには特殊能力『連続攻撃』があるからのう。さあ、避けられるものなら避けてみよ」

太郎「さすがに9が出たので、回避成功。では、こう言おう。三面拳とやらがどれ程の物かと思ってみたが、ヒューリカ程ではないな。ならば、こちらからも行くぞ。マッスルベアー! そして、ビートルスキン! そして、飛燕に攻撃。一発目、15」

ヒノキ「もちろん、命中じゃ」

太郎「ダメージは14点」

ヒノキ「11点くらった(残りHPは10点)」

太郎「さらに、もう一撃。15点」

ヒノキ「飛燕は倒れた」

 

ボガード雷電『バカな。飛燕がわずか一撃で!』

ボガード月光『いや、今のは二撃だ。目にも見えない連続攻撃だが、盲目の私には音で分かった』

太郎「え? 月光って目が見えないのでござるか?」

ヒノキ「元ネタの原作ではの。ただし、耳が発達しているので、ゲームデータ的には何の影響もない、ただのフレーバー設定じゃ。では、2ラウンド目。こちらの攻撃じゃ。避けてみよ」

太郎「そう何度も当たってはやれないでござる。ダイス目は9と……4かよ」

ヒノキ「月光の攻撃が当たった。ダメージは14点」

太郎「防護点は5になってるから、9点くらった。残りHPは11点。しかし、ここでポーションインジェクター起動。補助動作で回復するでござる。HP6点回復で17点。まだまだ戦える」

ヒノキ「いや、その前に月光の連続攻撃を避けねばの」

太郎「あ、済まないでござる。回避は成功した。では、月光に反撃。どちらも命中して、ダメージは11点と14点」

ヒノキ「ならば、合計19点ダメージで、月光はまだ健在と(剣のかけらで強化されているので、こいつだけ最大HPは36。残り17点じゃ)」

太郎「倒しきれなかったか。では、3ラウンド目。回避ダイスは、くっ、また4。それから11。連続攻撃はかわしたが、ピンチでござる」

ヒノキ「ダメージは10点じゃ」

太郎「すると、5点くらって、残りHPは12点。月光への反撃はどちらも命中して、ダメージは……よっしゃあ、クリティカル来たー。合計22点。思いきりオーバーキルか?」

ヒノキ「いや、そいつがボスキャラでHPが高い。最大HPの3点超えじゃが、必殺のクリティカルをくらった月光は見開き2ページの大画面で、ドゴーンと吹っ飛んだ」

 

ボガード雷電『ま、まさか、月光までもが倒されるとは。この男、本気でたった一人で、我ら三面拳を全滅させるつもりか?』

太郎「さあ、残りはお前一人だぞ」

ボガード雷電『くっ、しかし、お前とて傷だらけのはず。この一撃が当たれば!』

太郎「遅い! 回避成功。練技の持続時間切れだが、さらにマッスルベアーをもう一回使って攻撃。ピンゾロ、出目4。これじゃ当たらない」

ボガード雷電『ワハハ、お前も限界が近いようだな。くらえ』

太郎「ぐわっ、回避の出目3だと? だが、ここで倒れるわけにはいかん。俊足の指輪を割って、達成値+2。避けた。その勢いで反撃。両方命中して、ダメージは15点と13点」

ボガード雷電『バ、バカな。恐るべし、仮面レンジャーよ! 飛燕、月光、そして兄貴、仇を討てなくて済まなかった。ぐふぉっ!』

ヒノキ「こうしてボガード三面拳は全滅した」

太郎「ハアハア、持てる力を使い尽くしての死闘であったでござる」

ヒノキ「報酬は330G分の戦利品と、剣のかけら3個じゃな。さて、太郎が激戦の末、ボガード三面拳を全滅させたのを見て、マリリンが物陰から出てきた」

 

マリリン『ありがとう。助かったよ。まさか、噂の仮面レンジャーに助けてもらえるなんてね。確か、あんたは風の旅団の助っ人らしいけど……』

太郎「風の旅団は無関係だ。あの時はたまたま偶然通りすがっただけで」

マリリン『だったら、モ・ルゲを倒したのも本当にあんたかい?』

太郎「確かに私だ。しかし、そう言う君も、こいつらの兄貴分を殺したそうだが?」

マリリン『あたしはただ不意を突いて、毒の刃を急所に当てただけさ。あんたみたいに真正面からは戦えない。たった一人で、三面拳を倒してしまうなんて大したもんだ』

太郎「まだまだだ。これじゃヒューリカには勝てない。私の目標は奴なんだ。そのために鍛えていると言ってもいい」

マリリン『そうかい。ヒューリカがあんたの的か。だったら、「月の娘」のお姉さまに協力してもらうといいわ。娼婦街で、このハンカチと同じ物を持っている人に見せて、マリリンの紹介だって言えば、会わせてもらえるわ。こんなお礼しかできなくて悪いんだけど』

ヒノキ「そう言って、マリリンは太郎に『蜂の刺繍入りのハンカチ』を渡した。これで彼女の所属するレジスタンス組織『月夜蜂』に接触するツテができて、ミッション終了じゃ。★1つを進呈しよう」

太郎「ミッション終了? いや、マリリンに伝えなければならないことがある。実は……長屋のミランダ婆さんから、あんたの無事を確認してくれって頼まれて来たんだ」

マリリン『ミランダ婆さんが? それで、あたしを止めに来たってことかい?』

太郎「止めても止まらない。婆さんはそう言っていたよ。私も止める気はない。ただ、一つ忠告しておこう」

マリリン『何?』

太郎「暗殺業を続けるならば、素顔をさらすな。せめてマスクを着けろ。顔がバレたら、身近な者に迷惑が掛かる」

マリリン『あ、ああ、確かにその通りだ。あたしもあんたを見習って、マスクを着けるよ、仮面レンジャー。仮面の女暗殺者、名前は何にしようかな?』

太郎「キラービーでいいんじゃないか」

マリリン『キラービーか。だったら、それで行くよ。アハハハハ』

 

 こうして、霧の街に謎の仮面の女暗殺者キラービーが暗躍するようになったのである。
 

(当記事 完)