花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

マッスル太郎と、もう一通の手紙(SWミストキャッスル2ー3)

袋小路長屋(1日め、夜)

 

ヒノキ「前回は手紙の配達任務先の露天市場で、ミランダという老婆に出会い、夜も暗いからという理由で、家まで送ってやろうという話になったのじゃな」

太郎(ゲンブ)「うむ、困っているお年寄りは見過ごせない。ちょっとした親切心でござる」

ヒノキ「ただし、老人に親切にして、一夜の宿を借りようという下心も込みじゃがな」

太郎「ゲーム的には、拠点以外に宿泊できる場所を確保しなければ、街の探索がやりにくいでござるからな」

ヒノキ「未明に出発して、安全に行動できるのは朝、昼、夕方の3つだけ。夜までに帰って来ようと思えば、最大4ブロック分までしか進めないことになる。もちろん、徹夜によるペナルティーとか蛮族とのランダム遭遇のリスクを恐れないならば、どんどん探索範囲を広げてもいいのじゃが」

太郎「まずは拠点の近くを探索し、それから宿泊場を確保できたら、遠くまで足を伸ばす。それが無難でござろう」

ヒノキ「さて、露天市場の北の袋小路長屋に入ったところで、イベントが発生する。日も落ちた頃合いで、2体のレッドキャップ(赤毛のゴブリンみたいな小柄蛮族)が太郎と老婆に絡んで来るのじゃ」

太郎「魔物知識判定は12が出たでござる」

ヒノキ「弱点まで見抜いた。データも知っていていいぞ」

太郎「レベル2、HP18の雑魚蛮族でござるな。弱点を見抜いて、こちらの命中もプラス1される。何だ、お前たちは? と誰何する」

レッドキャップ『お前には用はない。おとなしく引っ込んでいろ、ルーンフォーク。オレたちの目当ては、その婆あの方だ』

太郎「婆さんに何の用があるってんだ?」

レッドキャップ『今日の昼間、風の旅団の連中が処刑場で暴れたんだが、その婆さんが風の旅団と関わりがあるって情報が入ってな。ちょっとした取り調べをしようってことだ。それとも何か? お前も風の旅団の仲間か?』

太郎「いやいや、私はただの無関係なお笑い芸人。だが、困っているお年寄りは見捨てておけない親切な男さ。ここは一つ、私の芸で笑わせてあげるから、それに免じて通してはくれないだろうか」

レッドキャップ『芸だと? ふざけるな。お前の芸など一分の価値もないわ。ええい、面倒くさい。たたんじまえ』

太郎「私の芸に一分の価値もないだと? それは芸人に対する最大の侮辱。芸人の恐ろしさ、見せてくれよう(ゴゴゴゴゴ)」

 

 先制判定のダイス目は振るわず、レッドキャップの攻撃で8点のダメージを受けたものの、その後の反撃は順調で、2ターンで2体を瞬殺。50G分の戦利品を獲得した。

 老婆ミランダを無事に守ったことで、★1つゲット。

 

ミランダ『へえ。お笑い芸人ってのは、そこそこ腕が立つんだね』

太郎「みんなを笑顔にするのが仕事ですからね。それはともかく、風の旅団がどうこう言っていたのは本当なのですか?」

ミランダ『……完全に無関係とは言えないが、ここでする話でもないだろう。まずは、あたしの家に来ておくれ』

太郎「分かりました。ミランダさんの後について行きます」

 

ミランダの打ち明け話

 

太郎「それにしても、このシナリオはやたらと、女頭目が出て来るでござるな? ザバーラと言い、ウルスラと言い、今度はミランダ婆さんと来た」

ヒノキ「ザバーラはシナリオでは男タビットだったが、わらわがロールプレイしやすいよう、女に改変したのじゃがな。トホテル氏は男じゃが、もしも救出に失敗して処刑されたら、副団長の女性が風の旅団の頭目になるので、確かに女性リーダーがそこそこ多いと言えよう。ただし、ミランダ婆さんは組織の長ってわけじゃない」

太郎「だけど、風の旅団に関係があるって……」

ヒノキ「その話を、ミランダが太郎にしてくれる。何でも彼女はこの浮民たちの長屋の長老みたいな立場で、住人たちの良き母親分という立ち位置だ。『浮民の母』とも称されていての。ただし、戦闘能力は皆無な一般人だから、荒事に巻き込まれたら抵抗できないじゃろう」

太郎「つまり、レジスタンスのリーダーってわけではないのでござるな。ええと、確認すると浮民というのは、特定の保護者を持たない一般の人族。この街は蛮族に支配されているから、蛮族や名誉蛮族の保護下にある奴隷の方が、浮民よりも立場が上。つまり、ブラック企業のサラリーマンの方が、フリーターよりも生活が安定しているようなものでござるか」

ヒノキ「例えとして適切かどうかは分からないが、奴隷は主人のために働くかぎり、その身分は保証されて、むやみやたらに虐殺されることはない。少なくとも、主人の社会的な立ち位置が、奴隷にとってもステータスとなる。しかし、浮民は支配蛮族にとっては家畜も同然。娯楽や食餌のために殺されてもやむなし、という立場なのじゃ。一応、ヤーハッカゼッシュの法の下では、むやみやたらな浮民狩りは禁じられておるのじゃが。少数の跳ねっ返り蛮族が、街の治安を守るためとか理由をこじ付けて、たまに浮民に襲い掛かったりする程度で」

太郎「浮民狩り! そんな物もあるのでござるか」

ヒノキ「結局、蛮族社会は弱肉強食なのじゃ。一応、戦争しているわけではないので、無軌道な殺戮を奨励してはいないが、弱い人族を虐げることで自分の強さを誇示しようとする蛮族もいるし、それに抗う人族がレジスタンスを結成したりもする。ここは、そういう街だということをミランダさんは浮民視点で語ってくれた」

太郎「そんな浮民の代表が彼女でござるな」

ヒノキ「いやいや、そこまでの影響力はない。彼女はただ、この長屋の住人たちに慕われているだけで、それは権力とかじゃなくて、ただ親切で面倒見が良くて、親を亡くした子供たちの面倒を見たり、住人の良き相談役になって知恵を貸したりする程度。そして、彼女が育てた若者たちの中に、風の旅団などのレジスタンスの関係者がいるらしいんだけど、そういう人たちは長屋から出て行って、今の彼女とは距離を置いている状況だ」

太郎「はあ、なるほど。ミランダさんの養い子が家出して、レジスタンスになっているようなものか。もしも、ミランダさんを捕まえて、処刑するということにでもなれば、レジスタンスを引きずり出せるとでも考えたのかな?」

ヒノキ「雑魚蛮族の浅知恵じゃろうがの。組織を上げて彼女を確保するつもりなら、太郎一人で成敗できる数ではないだろう。とにかく、そんな話をミランダ婆さんの家で、食事を振る舞われながら語ってくれたと」

太郎「おお、ここでも一宿一飯の恩義ができた。ならば、このマッスル太郎、何とか力になりたいと言いながら、しかし今はザバーラさんのところで働いているわけで、主人の許可がなければ、勝手に仕事を引き受けるわけにもいかない。事務所の許可なく、勝手に副業をしたら、裏世界のゴタゴタに巻き込まれて、マスコミのスクープにさらされて、社会的に抹殺される危険が……」

ヒノキ「『マッスル太郎、テロリストを支援する』とか、そんな感じの噂が流れたら、大変なことになりそうじゃのう」

太郎「だから、荒事に関わりそうな時は、仮面レンジャーに扮するわけでござるな」

ヒノキ「この辺はグリーンアローもイメージしておる」

太郎「つまり、アローと太郎をかけた高度なギャグ。はい、アローじゃないと〜」

ヒノキ「戯言はさておき、これでミランダのところで宿泊可能になって、さらに、ミランダのところでミッション受注フラグが立った。その気があれば、レジスタンス関連の固定ミッションを始めることができるが、まずは今の手紙配達ミッションを終える必要がある」

太郎「とりあえず、一晩休ませてもらって拠点に戻ろう。ここにはまた来ると思うので、仕事の話はまたその時にでも」

 

もう一通の手紙

 

●霧の街のマップ(2-3話時点)

 

    牧場       ー     ?  ?

     l                  l  l

  路地裏     ー 施療院泉の広場ー?

     l                  l  l

常夜回廊ー 涸れ井戸ー 神殿跡 ー?

     l                  l        l           l

     港ー   三色の天幕ー庭園ー翡翠の塔ーー叫び

                   (拠点)      l                   屋 の門

                           l         l          l    l

       ダルクレム神殿 ー骨の川ー 処刑場ー市場ー?

                           l         l   l         l

          剣闘士の宿舎   ー  ?   ?   ?

                           l

                           ?

 その後、太郎は長屋で一晩の睡眠をとり、翌朝出発して、夕刻に拠点の天幕に戻った。ここまでで★4つを確保し、収入も救命草1つと50G、そして剣のかけら2個と、蛮族退治の経験点60点をゲット。

 ただし、経験点の清算はミッション達成時に行うため、もう一つの手紙を施療院のウルスラのところに届けるまでは成長できない。

 お金の清算のみ行い、1245Gになったが、魔香草3つを購入して残り945G。また買い物分と剣のかけら2個をザバーラポイント230点に変えて、1312点になった。

 

太郎「800Gはザバーラに預けて、手持ち金145Gで、3日めの未明に天幕を出発するでござる」

ヒノキ「すると、朝には施療院に到着。手紙をウルスラに渡すと、返事を書くから待っているように言われて、昼前には出発できるようになった」

ウルスラ『ところで、太郎さん。ムコソール草って名前の薬草を聞いたことはないかい?』

太郎「ムコソール草ですと? 確か、露天市場の薬屋さん、ハーベイ君のところで売っていたでござる。1つ100Gだとか」

ウルスラ『10個手に入れてくれたら、報酬として100Gと、★1つ。それから情報無料券を1枚、進呈するんだけどね。こいつはミッションじゃない、クエストだ。達成はいつでも構わない』

太郎「ちょっと待ってください、でござる。ムコソール草10個で1000Gですよ。それなのに報酬が100Gって少なすぎるではござらんか」

ウルスラ『だから、情報無料券を付けてやろうって言うんだ。情報の価値は最低250Gから最高2500Gまでいろいろさ。ある人物の居場所や特定の魔物の弱点、霧の街の奥深くに隠された秘密までいろいろあってね。探索が進めば、いろいろ必要になることもあるだろう』

太郎「うう、探索が進めばね。だけど、今は特に欲しい情報があるわけでなく、それよりも金が欲しい。3000Gのブラックベルトを買いたいのに、1000Gを払って100Gの報酬とは割に合わないでござる。せめて、ムコソール草がただでもらえるイベントがあれば良いのでござるが」

ウルスラ『薬草だから、どこかに生えているかも知れないね』

太郎「それはともかく、何であなたはそんなにいろいろな情報を知っているのですか? ただの施療院の主人じゃないのでは?」

ウルスラ『さあね。患者といろいろ話していると、自然に噂話が入って来るのさ。今は、そういうことにしておいてくれ。今のあんたの力量じゃ、これ以上の深入りは危険だろうし』

太郎「うわ、釘を刺されたでござる。絶対、この人も裏がある。だが、今はまだ探れない。だから、手紙の返事だけ受け取って、さっさと退散するが賢明かと」

ヒノキ「では、返事を受けとって★1つ進呈。しかし、施療院を出た後で、イベントが発生する。上位蛮族が出現するのじゃ」

太郎「上位蛮族?」

ヒノキ「1dを振れ」

太郎「3」

謎の男『よう、兄ちゃん』

ヒノキ「そう声を掛けてきた男は、いかにも厨二病って感じの少年じゃ。漆黒の髪をヤマアラシのように逆立て、真っ黒な長衣にヒョロっとした痩せぎすの体を包んでおる。特徴的なのは、胸に眼を象った白い模様が描かれ、同じ模様の布が両目を覆ってもいる」

 

上位蛮族、出来損ないのヒューリカ

 

太郎「ええと、魔物知識判定をしてもよろしいか?」

ヒノキ「どうぞ」

太郎「11」

ヒノキ「太郎はバジリスクという存在を噂で聞いたことはあったが、目の前の男がそれだとは気付かなかった。ただ、怪しげなコスプレをした少年だが、その威圧感は伝わってくる」

謎の男『確か、マッスル太郎と言ったよな。お笑い芸人という珍妙な職業だとか』

太郎「よく、ご存知で。私の名前も少しは売れてきたのでしょうか?」

謎の男『今はまだ、知る者ぞ知るってところかな。オレの名前は知っているか?』

太郎「いいえ。よろしければ、自己紹介などしていただければ」

謎の男『オレの名前はヒューリカ。人によっては「出来損ない」という者もいるが……お前、今、笑ったな!?』

太郎「いや、笑っていませんよ」

ヒューリカ『いいや、確かに笑った。何しろ、お笑い芸人を自称する男だ。他人を嘲笑って仕事しているんだろうが』

太郎「そ、それは誤解です。お客様を笑うのではなく、芸を見せて笑ってもらうのが私の仕事。見て下さい。マッスルパワー!」

ヒューリカ『……見ていいのか?』

太郎「はい?」

ヒューリカ『オレがこの目隠しを外して、お前をまともに見たら、お前は石になるぜ。意思を持った石かは知らんが、マッチョなルーンフォークの石像はさぞかし見ものだろうな。剣闘士の宿舎に飾ってやるのも一興か?』

太郎「そ、そいつは困ります。石になんて、なりたくな〜いし」

ヒューリカ『プッププ。今のは、石と、な〜いしを掛けた高度なギャグか。よし、お前は面白い。石になって喋れなくなるのはもったいない。今のギャグに免じて、石にするのは勘弁してやる。その代わり、ウルスラから託された手紙をオレに渡せ!』

太郎「え? ウルスラさんからの手紙って何のことですか?」

ヒューリカ『トボけるんじゃねえ。目隠しをしていても、バジリスクの目は節穴じゃねえんだぜ。お前がザバーラのところの奴隷で、最近ウルスラのところに出入りしていることは分かっている。オレの見たところ、ザバーラとウルスラは手を組もうとしているようだな。その証拠が、お前の持つ手紙だ。

『悪いことは言わねえ。お前みたいな雑魚じゃオレには勝てねえ。だが、お前の芸は惜しい。バルバロス(蛮族)にはあまりない笑いのセンスってものを、オレは高く買ってやることにした。お前も芸人なら、その手紙を渡して、オレを笑わせてみせろ。それを渡す=オレを笑わす。どうだ、お前に負けない高度なギャグだろう』

太郎「はい、アルトじゃないと〜。ええと、アリナ様。このヒューリカという男が面白いキャラだというのは分かりましたが、手紙を渡すとどうなります?」

ヒノキ「ミッション失敗で、経験点が半分じゃ」

太郎「そんな。では、どうすればミッションが成功できるのですか?」

ヒノキ「戦って勝つか、逃亡判定に成功するかじゃな」

太郎「バジリスク相手には勝てないでござる」

ヒノキ「だったら、逃亡判定を成功させるんじゃな。目標値は7+モンスターレベルじゃから15となる」

太郎「それって、相手が8レベルだと明かしてるでござるな。戦う気は完全に消滅した。逃げるなら、基準値4だから、ダイスで11を振らなければいけない」

ヒノキ「まあ、振るだけ振ってみよ」

太郎「うおー、5」

ヒノキ「ダメじゃ、そりゃ。ヒューリカは即座に回り込んで、目標値17と言って殴る」

太郎「そんなの6ゾロクリティカルじゃないと避けられないでござる。もちろん命中」

ヒノキ「ダメージは24点」

太郎「ぐはあ、防護点2を減らしても、22点くらって、残りHPは5点でござる」

ヒューリカ『へえ、今の攻撃はクリーンヒットしたと思ったけど、まだ気絶しないとはね。さすが、その筋肉は伊達じゃないってところか。だけど、次に殴られたら死ぬぞ。殴られて死ぬのと、石にされるのと、手紙を渡してオレを笑わせるのと、お笑い芸人さんはどれを選ぶのかな』

太郎「くぅっ、涙を呑んで、手紙を差し出すでござる」

ヒューリカ『なるほど。ただの脳筋ではなかったわけだ。どれどれ、手紙には何て書いてあるかなあ? ……って、何だ、これは? ただの白紙じゃないか。おい、マッスル太郎。こんな物でオレの目をごまかせると思うのか!?』

太郎「い、いや、ウルスラさんから預かった手紙の返事は確かにそれでござる。芸人魂に賭けて、嘘はつき申さん」

ヒューリカ『ふうん、ルーンフォークに魂なんてものがあるのかは知らないけど、これ以上、弱い者イジメをしても得るものはなさそうだな。おそらく、お前みたいな目立つ雑魚は囮として使われたんだ。本当の手紙は、お前じゃない、もっと有能な誰かの手に委ねられたに違いない。

『やるじゃないか、ウルスラ。このヒューリカ様に一杯くわせるとは。だが、いずれ尻尾をつかんでやるからな。アハハハハ、マッスル太郎、雑魚にしては面白い男だったぜ。次に会ったら、もっと技に磨きをかけて、オレをいっそう笑わせてくれよ。じゃあな』

ヒノキ「そう言いながら、ヒューリカはこれ見よがしに手紙をビリビリに破いて踏みにじってから、ニヤリと笑みを浮かべて去って行った。止めようとするかの?」

太郎「そんな気力はとてもないでござるよ。紙片をかき集めてから、ズタボロの体を引きずりつつ、拠点へ戻る。もう、これ以上の災難はないであろう」

 

ミッション失敗

 

ヒノキ「拠点に帰り着く直前に、太郎は一人の顔見知りのグラスランナーに遭遇するのじゃ」

太郎「グラスランナーの知り合い……と言うと、確か吟遊詩人のニルスでござったな。もしや、こ奴が本当の手紙の配達人?」

ニルス『やあ、マッスル太郎。ずいぶん酷い目にあったみたいじゃないか。生きていたのは幸いだったよ。友だちとしては傷だらけなのは放っておけないので、薬草ぐらい使ってあげるよ』

ヒノキ「そう言って、ニルスは手慣れた所作で薬草治癒をしてくれた。14HPを回復するといい」

太郎「うう。癒してくれたのはありがたいが、囮にされたらしいので、渋い表情を浮かべるでござるよ」

ニルス『蛮族にやられたんだね、可哀想に。だけど、命あっての物種って言うじゃないか。さあ、お笑い芸人らしく、笑って笑って』

太郎「お笑い芸人は笑わせるのが仕事であって、自分が笑う仕事ではござらん。そう言って、無邪気に振る舞うグラスランナーを置き去りにする」

ヒノキ「ニルスは『じゃあ、またね』と、あくまで陽気さを崩さない。そんなわけで、ザバーラの天幕に帰り着いた」

太郎「ただいま、でござる」

ザバーラ『おや、思ったより元気そうじゃないか。帰り道に襲撃されたと聞いたんだが』

太郎「どこかの親切なグラスランナーに薬草治癒してもらったでござる」

ザバーラ『そうかい。それでウルスラからの返事はどうなった?』

太郎「この通り、と言って、バラバラの紙片を示す。バジリスクのヒューリカという男に襲撃された顛末を語って」

ザバーラ『ふむ。まあ、ウルスラのところとは手を結ばないって決めたから、手紙を奪われても実害はないんだけどね。あたしは連中の厄介ごとに巻き込まれるのはゴメンだ。君もこれに懲りて、ウルスラとは関わらない方がいいだろう』

ヒノキ「と言うことで、手紙配達のミッションは失敗。ここまでで★6つをゲットしていて、成功していれば経験点1200点じゃったが、失敗なので700点に、魔物退治の60点を加えて、760点。報酬はミッション失敗なのでなし。成功していれば、900ザバーラポイントをゲットできたんじゃがの」

太郎「900ザバーラポイント! それは大きい。でも、この手紙配達ミッションは、必ず上位蛮族と遭遇するようになっているのでござるな」

ヒノキ「そうじゃ。しかも、上位蛮族はレベル7以上の強敵ばかりなので、このミッションは序盤だと逃げることでしか成功できない。失敗するのを覚悟して、★はあまり貯えずに経験点減少は最低限にして、逃亡判定が成功すればラッキー。逃亡できなければ、あっさり降伏することで死なないように立ち回るのが攻略テクニックと言えよう」

太郎「あまり、すっきりしない終わり方でござるが、今後への伏線はいろいろと仕込まれた感じがする」

ヒノキ「確かに、風の旅団とか、ミランダ婆さんとか、ライバルとなるべきヒューリカとか、いろいろ出てきたしのう」

太郎「ヒューリカ相手に1対1で勝てるのだろうか?」

ヒノキ「今のレベルだと厳しいが、レベルを最低でも5以上に上げて、それからウルスラからヒューリカの弱点情報を買うことで、少しは有利になれるかも知れんのう」

●マッスル太郎のキャラデータ(青字は成長部分)

 

ルーンフォークの練体拳闘士(冒険者レベル2)
グラップラー2レベル、エンハンサー2レベル、スカウト2レベル、セージ1レベル、マギテック1レベル、レンジャー1レベル(残り経験点1290)

所持金:945ガメル(ザバーラポイント1312点)

器用21、敏捷12+1、筋力23+1、生命力21、知力15、精神7
HP27、MP10

武器:チェインスティック(命中6、威力15、追加ダメージ+7、クリティカル値11、2回攻撃)
防具:クロースアーマー(回避4、防護点2)

特技:追加攻撃、武器習熟A/格闘

練技:マッスルベアー、ビートルスキン

所持品:冒険者セット、ヒーリングポーション3本、スカウト用ツール、救命草3つ魔香草3つ、保存食1週間分、俊足の指輪、剛力の指輪、マギスフィア(小)、ポーションインジェクター

 (当記事 完)