花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

ゴブリンスレイヤー12巻の話(その2)

まずはリプレイ話からどうぞ

 

NOVA「今回は、ゴブスレ12巻の話がメインだが、その前に前置きだ。公式で『ロードスRPGのリプレイ連載』が始まったぞ」

ヒノキ「何と。あの伝説のRPGのリプレイの続きが読めるのか?」

NOVA「いや、リプレイの作者は水野さんでも高山さんでもない。今のロードスRPGのメインを張る川人忠明くんのサポーターである杉浦武夫くんだ」

ヒノキ「確か、新兄さんの見習い時代の同期だったという御仁じゃな」

NOVA「ああ、俺がスペシャルマンに相当するなら、彼はテリーマンに相当する男だ。今のところ主役は張ってないが、モンコレの加藤くんのサポートを長年務めてきた名サポート役。アクの強い大雑把な相方の女房役として、真面目にコツコツデータ検証しながら決して出しゃばることなくバランスを取れるクールなメガネのナンバー2という印象が強い」

ヒノキ「ほう。それは是非ともメガネンジャーに欲しい人材じゃのう」

NOVA「いやいや、特撮キャラでも、アニメキャラでもない現実の人間をメガネンジャーに誘うなら、俺はまず友野さんを誘わないといけないじゃないか。あの人だったら、もしも戦隊に誘われたらノリノリで参加しそうだがな。昔、SNEの新人戦隊をネタにしたマンガの1シーンで友野レッドの役だったし、自分自身でも執筆戦士ショウブレードを名乗っていたほどのヒーローマニアだし、俺のヒーロー好き属性の師匠、モデルケースの一人でもある」

ヒノキ「ほう、新兄さんの師匠は友野さんと断言するか」

NOVA「別に師匠は一人じゃなきゃいけないってわけでもないしな。それなりに長い人生の中で、直接間接の影響を受けて、この人みたいになりたいな、と感じた人はみな師匠と言えるんだぜ。ただ、俺のこの場でのメインウエポンは、特撮ヒーローとTRPGなどの創作と思っているから、その両方で大きな影響を受けたのは友野さんと言って恥じない俺がいる。

「もちろん、TRPGで一番の師匠は安田社長ということになるし、リプレイや小説では水野さんの影響の方がはるかに大きい。というか、人間は一人で成長するわけじゃないから、その時その時にどんな人物に憧れて、その生き様やセンス、価値観の一分なりとも自分の中に取り込めるか、いろいろなジャンルで自分のツボを突いてくれる人や作品、架空キャラを大切にできるかで、その幅が決まって来るんじゃないか。

「例えば、俺の本職の塾講師の面では当然、尊敬できる教師像を見せてくれた諸先輩方もいるわけだし、別々の人間をモデルケースにしたら個々で矛盾も出てくるんだが、それを自分の培った価値観と総合させて折り合わせながら、取り込んで行く。悪く言えばツギハギだらけなんだが、自己のオリジナリティーはどんな人のどんな要素を咀嚼して、自分の個性に肉付けしていったか、どんなツギハギを自然に自分の血肉に変えていったか、で形作られると思うんだ」

ヒノキ「プロのマンガ家や映画監督などは、アシスタント時代や助監督時代を経験した者も多いから、手伝いをしながら作風の影響などを受けることも多いと聞くのう。アマチュアの場合は、誰々の作品の影響を受けたと語る者もいるじゃろう」

NOVA「単純に、誰々の作品が好き、とかそういう想いでもいいんだ。そして、自分の中の創作魂に火をつけた作品があれば、それが創作活動の第一歩になる。ただ大事なのは、アマチュアならただのマネでも、ツギハギでも構わないし、それを二次創作として同人誌の形で発表する世界もある。

「だが、本気でプロを目指す場合は『誰が見ても分かる猿マネじゃダメで、自分の作品が何の影響を受けて、どこから自分のオリジナリティーとして工夫したか、自覚的でなければならない』ってことだな。この場合の工夫とは、技術面や表現手法の違いということもあるし、違うジャンルの勉強をしながら、元ネタにない要素、自分が得意とする別ジャンルの知識と組み合わせるとか、アレンジの妙とか、いろいろあるわけだが、『確かに○○の影響を強く受けているが、それに加えて、こういう部分が新しく、この作品の色である』と自他共に認められる作品ならいいんじゃないか。というか、それを作っている本人が分かってないといけないし、そこを自己アピールしていかないとダメなのが今の時代だろうと考える」

ヒノキ「スポーツのコーチや、雑誌の編集者に素質を認められて、『お前の才能を俺が引き出してやる』とか導いてくれるケースはあるのかのう?」

NOVA「そりゃ、10代や20代で光る才能を持った天才なら、もしかするとあるかも知れないが、どちらかと言えば、そういうのは昭和時代のノリだな。バブル崩壊以降、インターネット以降の平成はITが発達して、創作の才能ある個人はネットでも自分の作品を発表して活動しているわけで、目に見えない未来の才能ではなく、自分で自分をプロデュースできる現在の才能がよりどりみどりなんだよ。

「新人賞をとって将来有望かと思われたら、その後が続かないケースもあるわけで、出版社もそういうリスクを冒すよりは、すでに自己プロデュースできる人間、後はイラストレーターとか商品の本として装丁するだけで完成する作品を、プッシュしたい。逆に言えば、自分で自分をしっかりプロデュースできない人間をわざわざ育てる苦労は、今の時代の流行じゃないということだな」

ヒノキ「『ネット小説で大人気の作品が待望の単行本化』という売り文句なら、編集部としては一定の採算が見込めるわけじゃな」

NOVA「新人賞を開催して才能を発掘するよりも手間が掛からないし、自己プロデュースの中には当然、自己管理(作品発表ペースの計画性や、意欲の維持、読者の反応に対する対応など)ができるかもチェックできるからなあ。自己管理もろくにできない、お荷物作家は社会人としても当然、面倒を見きれないわけだよ。プロ作家は遊びでやっているわけじゃなくて、商品を作っているわけだから、納期までに商品を納めるとか、自分の作品の売りはこれだと企画プレゼンできるとか、編集者の求める製品企画に応じた上での自分の職人芸へのこだわりとか、そういう社会性を求められる。

「体力に問題ある、メンタル面に問題があるなんて個人のネガティブな資質は、多くの社会人は関わりたくないし、もしも、それをアピールするのなら、『それも自分の個性であり、創作としての武器、持ち芸になっている大事な要素だから』と昇華してみせて、初めて作品を作る人間として受け入れられる。『自分は弱点があるからこそ、それを逆手にとって、他にない面白い作品が作れる。この弱点は、自分の武器であり宝だ。トラウマ万歳』 ここまで振り切ることができれば、それはネタとしても面白い。そこまでできないのなら、まあ、弱点をアピールするメリットはないな。同情だけでは、仕事も人付き合いもできないわけで」

 

ヒノキ「で、新兄さんの知る杉浦くんとは、そういう人なのじゃな」

NOVA「違うよ。杉浦くんは真っ当な社会人だ。途中から別の人間絡みの話に踏み込んだよな。プロの創作とは何か、というテーマで、12年前の俺に考えるきっかけを与えてくれた人間に対する当て書きじみた感じで。まあ、趣味の創作なら、ここまで踏み込むことはないんだが、俺もプロとしてやって行けなかった未練を長年、引きずった男だからな。どうしても、そういう話に夢中になりがちだ。

「まあ、俺が脱落した道を、俺の知り合いが俺の分まで頑張って歩んでいる姿に、俺は感じ入って応援するだけだ。こいつはステルスマーケティングじゃなくて、あの時期の友だち、同志をヨイショしたい俺の真心と思って欲しい。ロードスファンなら、読んで損ない話だと紹介しておくぜ」

www.4gamer.net

 

そしてゴブリンスレイヤー

 

NOVA「杉浦リプレイの感想は、また後の機会に語るとして、他にはゴブスレの動画リプレイも展開中だなあ。現在で6話まで続いている」

www.4gamer.net

NOVA「動画リプレイだから、文章リプレイと比べても、ビジュアル的な楽しさはあるんだが、製作に時間が掛かるようで展開が遅い感じだなあ。街での情報収集に時間を取られて、ようやく次回からゴブリン洞窟に踏み込むことになると思う」

ヒノキ「わらわ達のリプレイと、どっちが面白いか勝負といったところじゃのう」

NOVA「そんなに煽らなくても、どっちも面白いってことでいいじゃないか」

ヒノキ「まあ、面白いものが多くても、読者としては損しないじゃろうしな」

NOVA「ただし、うちのリプレイは必殺シリーズネタが分からない読者には、ハードルが高いので、読む者を選ぶ傾向がある。おそらく、初心者お断り。逆に言えば、このリプレイを読んで面白いと感じてくれる人間は、NOVAの良い友人になれるし、そもそも読みもしない人間とは、TRPGの話をしても楽しめそうにないだろうな」

ヒノキ「間違いなく言えるのは、プレイヤーキャラが負けると令和が終わってしまうリプレイなど、他に類を見ないということじゃろう。そんなバカなことを考えるのは、新兄さんぐらいじゃ」

NOVA「そいつは褒め言葉と受け取っておくよ。さて、リプレイ話はこれぐらいにして、小説最新刊の感想だ。前回は、俺が第3章をヨイショしたんだから、今回はヒノキ姐さんの一推し、これが王道ってものを挙げてくださいよ」

 

ヒノキ「ヒヒヒ。わらわが挙げる王道は第2章『女の子だって冒険したいっていうお話』じゃよ。この短編の主人公は女神官で、彼女が妖精弓手と女騎士と魔女という変則女性チームの一員として、暗黒の軍勢に襲撃された辺境の城塞を救うために奮戦するという話。そして、敵ボスのペリュトンを倒すために、武力だけでなく、知恵を駆使した謎々対決に持ち込む機転が女神官の成長ぶりを示していると言ってよい」

NOVA「この巻で、女神官ちゃんは青玉等級に昇格したんだよな。TRPGのルールブックによると、青玉等級になるには冒険者レベル4と達成冒険数7回が必要とのこと。先日、令和を守って黒曜等級になったばかりの俺たちにとっては、また引き離された形になるわけだ」

ヒノキ「ふむ。わらわたちもあと5回の冒険をせねばの」

NOVA「そのリプレイを誰が書くって言うんだよ」

ヒノキ「もちろん、新兄さんじゃろう」

NOVA「半年に1度の現状ペースだったら、俺たちが次の鋼鉄等級になるのは一年後、青玉等級になるのはさらに一年半を要する計算になる。それだけあれば、女神官ちゃんは次の翠玉等級に達しているだろうさ」

ヒノキ「もっとリプレイの執筆ペースを上げてもいいんじゃぞ」

NOVA「それが本職で金になるなら喜んで書くが、現実は他にもやりたいことや、やるべき仕事を抱えての余暇の楽しみだからな。先に、追加ルールや公式リプレイの続きが出て欲しい。ともあれ、女神官ちゃんは武力よりも知恵で状況解決を図るのが、らしくていいよな。

「ゴブスレさんも相応の武力を持っているが、ここぞと言うところでトリッキーな計略で状況打開を図るキャラだったりする。その弟子みたいな立ち位置の女神官ちゃんも、師匠譲りの計略と、師匠とは異なる神の加護と、何よりも神官の長所である知恵(Wisdom)を駆使して、強敵を制するところが、物語として作者のアイデアが面白い。戦力的に弱いキャラが、どうやって強敵を倒すかを考えるのが、作家の知恵の証明だしな」

ヒノキ「とんちで相手をこらしめる僧侶キャラじゃと、好き好き好き好き好き好き、愛してる♪と歌いたくなるしのう」

NOVA「慌てない慌てない、一休み一休み」 

 

ゲンブの王道

 

NOVA「さて、次はゲンさんの番だ」

ゲンブ「何と。我も何かを言わないといけないのでござるか?」

NOVA「当たり前だ。ここにいるのに、ずっと黙ってたんじゃあ、つまらないぜ。ここにはゲンさんのファンだって多いんだ」

ゲンブ「本当に?」

NOVA「世の中のNOVAのファンと、ガメラのファンを比べたら、恥ずかしながらガメラのファンが勝つんだよ。というか、俺のブログの読者でガメラのファンがいなければ、俺が悲しむ。令和の時代にガメラが復活するためなら、俺は喜んでゲンさんをプッシュするぜ」

ゲンブ「いや、我をプッシュするだけで、ガメラ映画が復活するとは思えんが」

NOVA「そんなことはない。あんたは、このブログにおいてガメラの象徴なんだ。昭和ガメラ平成ガメラに続く令和ガメラの時代を招来するためには、誰かがガメラを宣揚しなければならない。ガメラが復活すれば俺が喜ぶ。言い換えれば、俺がハッピーになることを祈れば、ガメラも復活するって理屈だよ」

宇宙怪獣ガメラ主題歌「愛は未来へ・・・」


[MAD]ガメラ - GAMERA 1995-1999

 

ゲンブ「新星どのが相変わらずガメラ愛を向けてくれることは、まことにもって感じ入るでござるが、それとゴブスレ小説の感想に何の関係が?」

NOVA「少なくとも、ギャオスの方は発生しているぜ。第1章『冒険の途中だが飛竜が出たお話』にな」

ゲンブ「何だと? 我を差し置いて、ゴブスレ小説にギャオスが出ただと? それはまことでござるか?」

ヒノキ「うむ。確かにGYAAAOSSSと鳴く飛竜(ワイバーン)が登場しておるのう。ギャオッと鳴くからギャオスだよ、という子ども理論に基づくなら、あの飛竜はギャオスの一種だと言っても過言ではあるまい」

ゲンブ「おのれ、ギャオス。全て焼き払ったと思ったら、時空の壁を越えて四方世界にまで発生しておったとは。ならば、我もギャオスを追って、四方世界へ行かねばならぬ」

NOVA「なお、飛竜のゲームデータはレベル6で、現在の我々のパーティーレベルではまず勝てない。そんな飛竜に、ゴブリン退治を終えた若手冒険者が襲撃されて、いかに生き延びるかを描いたのが第1章だ。

「主人公はネズミ退治に苦戦していた新米戦士、改め棍棒剣士と、幼なじみの見習い聖女、改め至高神の聖女。そして白兎猟兵の3人パーティー。この新米パーティーは9巻で女神官ちゃんたちと一緒に雪の魔女退治をした仲だったけど、今回の話で呼称が改められて、順調に成長していた矢先の命からがらアクシデントってわけだ」

ヒノキ「ゴブスレTRPGで、剣の性能が悪いのは、ひとえに小説4巻で新米戦士の失態を再現したため、という説があるのう」

NOVA「剣が当たらない、当たっても相手に刺さって抜けない、さらに長すぎると壁に当たって隙を生むなど、新米冒険者が剣を扱いきれない失敗話がやたらと出て来るからなあ。ソード・ワールドでは剣が中心の世界観だけど、ゴブスレ世界の剣は不利な武器という評価が否めない」

ヒノキ「それで、ゴブスレさんに『剣にこだわらずに、ネズミ退治なら棍棒を使えばどうだ?』とアドバイスされて、今では剣と棍棒の二刀(?)流という個性的な装備になったわけじゃのう」

NOVA「剣を牽制や受け防御の道具に使って、棍棒の一撃で相手を粉砕する戦術が妙に理にかなっているわけで。棍棒剣士とは、他に類を見ないパワーワードだぜ」

 

ゲンブ「とにかく、ギャオスが出るとあっては、我もゴブスレ小説を読まねばなるまい。続きの話は、我が読み終わるのを待ってから、にしてくれないだろうか」

NOVA「他ならないゲンさんの頼みだったら、ガメラ好きの俺が聞かない道理はないなあ。じゃあ、次はゲンさんの一推しを語ってもらうとしようか」

 (当記事 完)

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