宝石王国の前章
NOVA「今回はロードスの話ではなく、クリスタリアの話だ」
ヒノキ「おお、伝説の神獣世界の話じゃな」
NOVA「ヒノキ姐さん、勘違いしているようだな。俺の言っているのは、クリスタニアじゃなくて、一文字違いのクリスタリアだ」
晶華「また新しい世界が観測されたの?」
NOVA「ああ。今日の昼間に早速、観測してきたぜ。ただ、観測した途端、闇の帝国ヨドンヘイムに侵略されて、滅んでしまったんだが。宝石人間の王女マブシーナが地球に逃げてきて、新たな戦隊チームの物語が始まる前のエピソード0だ」
晶華「それって、失踪したお姉ちゃんの手掛かりがあるという……」
NOVA「そう。魔進戦隊キラメイジャーの世界だ」
劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー/魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO【スーパー戦隊MOVIEパーティー】 SPOT映像(30秒)
ヒノキ「なるほど。クリスタニアとクリスタリアをかけた高度なギャグのつもりか」
NOVA「ああ。キラメイジャーに登場する力の源キラメイストーンと、亡国の王女マブシーナの故郷の名前が光り輝く宝石の国クリスタリアというんだが、その設定を前に字面で見たときは読み流していた。だが、映像で見て、いかにもファンタジーの王国っぽい城を目で見、その音の響きを耳で聞いた際に、こいつとつながってしまったわけだな」
レジェンド・オブ・クリスタニア―「ロードス島戦記」~「はじまりの冒険者たち」 (NEWTYPE 100% COLLECTION)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1995/08
- メディア: 大型本
ヒノキ「で、コナっちゃんは、そのクリスタリアとやらで発見されたのか?」
NOVA「いや、そこにはいなかった。とりあえず、エピソード0ということで、異世界のクリスタリア王国が滅亡し、逃げ延びたマブシーナ姫が王の旧友である地球の博士を頼って、チーム結成に至るまでの物語。一応、レッド以外のメンバーが集結し、レッドだけはTVの第1話で参入する流れになる」
晶華「ええと、ガオレンジャーさんだったかな? 先にレッド以外のメンバーがチームになっていて、そこに後から主人公のレッドが加入するって話。元々、暫定リーダーだったイエローさんと、チームの行動方針を巡って対立するのが序盤のエピソードであったような」
NOVA「よく、チェックしたな。合ってるよ。イエローの孤高の荒鷲は元自衛隊空軍のパイロットという経歴があって、当初は軍隊っぽい堅苦しいやり方でチーム運営しようとしていたんだが、ヤル気満々かつ世話焼きな獣医のレッドを認めることになる。そして、レッドがリーダーだと認めた途端、自分はチャらい軽薄な本性を表すという。何が孤高だよ、とツッコミどころにもなっていた」
晶華「で、今度もイエローさんが暫定リーダーなの?」
NOVA「射撃の得意なアクション系のeスポーツゲーマーで、チーム戦における戦術判断能力も高いという設定だからな。グリーンとブルーがそれぞれスピードと斬撃で前衛戦士を務め、ピンクが医師としての冷静な判断力・観察力で後方支援担当。レッドがいなければ、イエローが司令塔、ピンクが補佐する感じだろうか。そして、レッドが予測できない行動で奇跡の逆転を起こす主人公格になると予測される」
ヒノキ「そりゃ、イエローと対立しそうじゃの。戦術リーダーのできる者は、計算できない動きをする味方を何よりも嫌うものじゃからな」
NOVA「クールなナンバー2ポジションなんだけど、クールキャラではブルーとかぶりますからね。まあ、ブルーとイエローのどちらが先にコミカルキャラとして崩れていくか見どころです」
警察と快盗と騎士の物語
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Lagu LupinRanger VS PatRanger Opening
NOVA「さて、キラメイジャーも大事だが、俺としては警察戦隊パトレンジャーを久々に見たくて、映画を見に行ったと言ってもいい。そして、劇場に見に行くと『キラメイレッドともう一人のレッドのミニフィギュア』が当たるんだが、俺の欲しかったのは、もちろんパトレン1号だったわけだ。圭一郎さんが出たら大当たりだと考えていた」
晶華「結果はどうだったの?」
NOVA「ルパンレッド、まあ、普通だな」
ヒノキ「そういう言い分だと、リュウソウレッドが外れのように聞こえるではないか」
NOVA「まあ、ケボーンにはそれほど期待していないわけで」
晶華「うわ、リュウソウジャー差別ひどっ」
NOVA「いや、だって、結局、ゴブリンマイナソーが出なかったしよ。俺の中では、ルパパトに比べると、ケボーンの評価が一段落ちるのは仕方ないじゃないか。まあ、終盤に来て、ようやく夢中になって見るようになっているんだがな。今回の映画を見た後で、次回の騎士竜を犠牲にするドラマを見せられると、泣けて来そうだと思うし」
晶華「そう言えば、ナダさんの死でガーンとなっていたわね」
NOVA「そうだよ。折角いいキャラに育ってきたナダさんをあそこで消しちまうなんてよ。死ぬときはあっさり死ぬのがリュウソウジャーという評価で、下手に感情移入してはいけないって教訓を学んだんだよ」
晶華「で、映画の感想はどうだったの?」
NOVA「前のルパパトキュウレンは、TVが終わる前の時間設定だったから、TV終了後のルパンレンジャーが見られたのは今回初ということになる。国際警察の方は相変わらず警察の仕事をやってるが、快盗側はチームを解散して、レッドだけが快盗稼業を続けているようだ。イエローは専門学校生をしていて、彼女の親友だった詩穂ちゃんはマンガ家としてデビューし『快盗戦隊をモチーフにしたコミック』が発売されていて、オトちゃんがハマっているようだ」
晶華「へえ、オトちゃんも出てたんだね」
NOVA「ああ、カナロとオトちゃんが俺にとってリュウソウジャーを楽しくさせる要因だったからな。夏映画はカナロの活躍がなかったが、今回はカナロもつかさ先輩に絡んで大活躍だったりする。この辺のキャラの性格をきちんと反映した丁寧な人間関係は、香村純子脚本だけあって、リュウソウジャーなのにしっかりキャラの行動に感情移入しやすい、ドラマ性の高い回となっている」
晶華「ええと、普段のリュウソウジャーは感情移入できないってこと?」
NOVA「リュウソウ族のメンタリティーは、我々現代人には理解できないぐらい蛮族だからな。実は、海のリュウソウ族の方が現代人に近いとさえ考えている。どちらかというと、陸のリュウソウ族は長老も含めてノリと勢いで行動し、繊細さとは程遠いギャグ漫画のメンタリティーで生きていると思われ。つまり、何が起こるか分からないコントとして見る作品だったと気づいた途端、ナダさんが殺されたからなあ。どうも、脚本家のセンスが、俺の感情に沿っていない作品なんだよ。だけど、映画は別だった」
ヒノキ「リュウソウ族が繊細に描写されていたと?」
NOVA「いや、ルパンレンジャーやパトレンジャーの後日譚として、彼らがうまくリュウソウジャーに合流できるように話が組み立てられていた。よって、快盗や警察に感情移入していれば、自然にリュウソウジャーにも共感できるようになっていたわけで。この辺のVS物としての絡ませ方は、荒川さんもそうだが、香村さんも上手だなあと思う」
ヒノキ「どう絡んでおるのじゃ?」
NOVA「ルパンレッドとリュウソウレッドがドラマの中心だが、リュウソウレッドはティラミーゴと些細なことでケンカをしてしまい、直後にギャングラー残党の手でティラミーゴ含む4体の騎士竜が金庫の中に封じられてしまうんだな。騎士竜の力を宿したギャングラーが強敵で、しかも騎士竜を助けるには5つの金庫を同時に開けないといけない。しかし、5つ同時に開けるには、チームとして健在な国際警察だけでは手が足りないという流れ」
晶華「だから、解散していた快盗の人たちを再集結させようって流れなのね」
NOVA「それはギャングラーも読んでいて、ドルイドンのクレオンと手を組んで、マイナソーを使い、孤立していたルパンレンジャーの面々を襲撃したりもするんだな」
晶華「金庫をどうやって開けるかが物語のキーか。だったら、それは騎士メインの物語じゃなくて、快盗メインの物語になるわね」
NOVA「騎士の物語としては、金庫を開けるのを諦めて地球を守ることを優先し、そのために囚われた騎士竜を犠牲にするかという葛藤が中心になる。とりわけ、ティラミーゴとケンカ別れしたコウの姿に、兄とケンカ別れした直後に凍結させられた自分の悲劇を被せて、同情するルパンレッドのドラマが泣けてくる。『正義の名の下に、大切なものを見捨てるような決意をして、本当にそれでいいのかよ』と問題提起するルパン赤の訴えに、リュウソウ赤がどのような回答を示すかが映画の主題と言える」
ヒノキ「しかし、TVでも地球のために騎士竜を犠牲にするか否かという同様の葛藤が、来週描かれるようじゃが」
NOVA「そうだよな。映画の方は、先輩戦隊2チームの助太刀もあって、うまく解決したんだが、TVの方は自分たちだけで解決しないといけないわけで、果たしてどんなドラマになるかな。まあ、香村脚本みたいに丁寧に伏線張った話にはならずに、ケボーンなぶっ飛んだ笑える解決方法を期待するが」
晶華「ケボーンなのを期待するんだ」
NOVA「そいつがリュウソウジャーってもんだろう。予定調和できれいにまとまるのは、騎士道に反する。ノリと勢いで突き進んでよし、と学術騎士のプレイヤーとして肯定するぜ」
晶華「NOVAちゃんの騎士道って、騎士じゃなくて必殺魂じゃない。リュウソウジャーが闇に裁いて、仕置きするなんてノリでいいわけ?」
NOVA「バンバ兄さんだったら、そういう方向で突き進んでいたかもしれんがな。そのバンバとトワは、リュウソウ剣を持ったまま街を探索していたので、銃刀法違反の不審者と見なされて国際警察に逮捕されるというシーンが笑えた。己の正義に頑固な圭一郎さんとバンバの睨み合いが絵的にも非常に面白い。かたやカタソウルのバンバ、かたや防御力の高いパトレンスーツとか、この絡み合わせのセンスには職人芸を感じるね」
晶華「他には、つかさ先輩に婚活するカナロさんだったわね」
NOVA「最終的には、『暑苦しくて一途な男と付き合うのは職場だけで十分だ』という理由で、つかさ先輩に振られてしまう。そうすると、次にカナロはルパンイエローに目をつけ、彼女に恋するパトレン2号に阻止されるというオチとか」
晶華「ルパンブルーさんは?」
NOVA「カナロに、つかさ先輩の恋人か? と誤解されるシーンもあったりするが、それ以上にショックなのは、『妻の綾さんと別れて、さすらいの料理人をやっているルパンブルー』が語られていることだな。無事に彼女を助けて、しかも2代目ルパンブルーに扮した彼女に助けられて、このまま夫婦平穏に、あるいは仲良く夫婦快盗として暮らしていくハッピーエンドかな? と思っていたんだが、どうも透真だけは己の快盗としての罪を妻に背負わせることに抵抗を覚えたらしい。これで最後だと、あまりにも哀しいので、彼には後を追っかけてきた綾さんと復縁するエピソードを作って欲しいなと思う次第」
ヒノキ「パトレンあるいはルパンXのノエルは?」
NOVA「ドラマ的な絡みとしては、メルトやアスナとの接点が多いな。メルトとの作戦会議や、アスナにアルセーヌ・ルパンとリュウソウ族の旧友の関係を語るシーンとかがあって、混成チーム全体の司令塔になった感じだ」
NOVA「で、ドラマ面はこれぐらいにして、今回の映画でつくづく思ったのは、『ルパパトの戦闘シーンは面白い。リュウソウジャーのTVでの戦闘シーンは絵的につまらない(坂本監督回は除く)』ということだった。
「というのも、理由は明確で、ルパパトはルパンレンジャーの俊敏な動きと、パトレンジャーの防御力重視で正面から突撃するスタイルが対になって、両チームが協力すると変化が楽しめる。さらに武器アイテムが多彩で、乱戦だとアクションスタイルのヴァリエーションが非常に豊かなんだな。
「一方で、リュウソウジャーの戦闘は、リュウソウルを活用した特殊効果が特徴だけど、武器アイテムは皆同じ剣で、ソウルもエフェクトが変わるだけで、武装の外見は右肩部にアーマーが付くだけで大差ない。一応、トワのスピード、アスナのパワー、バンバの硬さなどスタイルの違いはあるにせよ、武器が同じようなので、絵面が大差ないということになる。
「つまり、ルパパトの武装の多様さを今回、リュウソウジャーに貸し与える形をとって、いつもと違う戦法で戦うリュウソウジャーという姿が非常に面白いと感じたわけだけど、逆に言えば、TVのリュウソウジャーのアクションが武装面ではいかに単調なものであったかを改めて実感することになった。まあ、弓とか銃とかブーメランとか飛び道具がないだけで、全て剣撃とか肉弾戦しかないリュウソウジャーの戦闘スタイルが乏しいわけだけど、もっと槍使いとか斧使いとか二刀流とか武装バリエーションが多くても良かったのになあ。
「と、ここまで書いて、一つ気づいたこと。今回、リュウソウジャーは騎士竜を金庫に封じられて、アーマー換装ができなかったこともハンデだったかな。炎技とか、電撃技、氷技とかが一切使えずに、また巨大戦もなかったわけで、騎士竜たちがドラマでは重要な位置づけだったものの、バトルでは全く活用されなかったのが、残念だったところかと。リュウソウジャーの真価は、また別の機会に期待するしかないかも」
晶華「というか、リュウソウジャーって、まだ番組が終わってないし。別の機会よりも、まずは次週以降、最終回まで楽しみましょうよ」
NOVA「まあ、そりゃそうだな。だが、俺の戦隊魂の半分は、キラメイジャーに持って行かれているので、残り半分で楽しむことにしよう」
改めてキラメイジャー
NOVA「で、キラメイジャーだが、今回のロボもレッドの機体がボディの大半を占め、他の4機が両腕や胸装甲、肩パーツなどに付いて、また武装換装のスタイルにもなるようだ。映画では、まだ全員集結しておらず、ロボも登場していない段階だが、キラキラ輝くエフェクトとか凄そうだな、とは思う」
晶華「今回はメカがいっぱい喋るのよね」
NOVA「こういうのは、2003年のアバレンジャーが最初だったかな。やはり、メンバーそれぞれの相棒が喋ってくれる方がいいよな。リュウソウは最初ティラミーゴしか喋ってくれなかったのが寂しかった。アンキローゼとかタイガランスとかミルニードルとか非常に影が薄いし」
晶華「もう一つ忘れているわよ」
NOVA「ええと、青のトリケラの名前が出て来ない。キョウリュウジャーの獣電竜ガブティラ、パラサガン、ステゴッチ、ザクトル、ドリケラはEDでも歌われていたから今でも覚えているんだが」
晶華「調べてみるね。……トリケーンよ」
NOVA「シンプルすぎて、かえって忘れてしまう名前ってことか。確か、最初にコミュ障なために威圧的な振る舞いをしたメルトに怯えていたよな。あのキャラ付けは何だったんだろうな。トリケーンとメルトが絆を確かめるドラマが後であるかと思いきや、結局なかったし。やはり、喋れない騎士竜ってのはドラマも作りにくいってことか。
「とにかく、初期合体のパーツメカって、武装換装したり強化合体していくうちに、どんどん影が薄くなったり、合体パーツから排除されていくからなあ。まあ、次回のリュウソウジャーでは、そういう影の薄い騎士竜にも見せ場があるかもな。メルトがトリケーンを気遣うようなセリフを言えば、一応のドラマの結実と言えるんだろうが。個人的には一番悲しい騎士竜がトリケーンだと思うぞ。キシリュウオー・トリケーン(正式名称ファイブナイツ・ブルー)もろくに活躍できなかったし」
晶華「騎士竜もいいけど、魔進さんたちはどうなの?」
NOVA「基本は相棒戦士をヨイショしてくれるな。とりわけ、グリーンの相棒マッハが『瀬奈お嬢さまと呼ぶ執事キャラ』でいい味出している。次に、ブルーの相棒ジェッタが『兄貴の剣さばきは最高っすよ』と少年声で可愛くヨイショしてくれる。ピンクとの女の子コンビに萌える人もいるだろうし、イエローの相棒はおっさん声で最初は『しょせんはゲームだけ上手い若造だろう』と見くびっていたんだが、その射撃の腕と機転を見た際に『なかなかやるのう。見くびって悪かった。お前さんとならいいコンビが組めそうじゃ』とか、短いながらも絆構築のドラマを見せてくれて、さすがベテランの脚本と安心した俺がいる」
晶華「お互いを元気付けられる相棒関係っていいわね」
NOVA「お前にも、アシモンのケイPがいるだろうが」
晶華「あ、そうね。KPちゃんも、魔進みたいなものか」
NOVA「さすがに巨大化して、合体ロボになったりは……いや、元がドゴラだからできなくはないか。それよりも、マブシーナのキャラが映像で見ると、まるでソード・ワールドに出てくる鉱石人間のフロウライトじゃないか、と思った。もっとマニアックなゲームなら、『アースドーン』って海外TRPGにオブシディマンっていう石人間が出てくるんだが。普段はおずおずして弱気な姫なんだが、怒ったら石頭で頭突きするという一面を持っている。
「ともあれ、新しいプリキュアのヒーリングアニマルもそうだが、相棒探しのドラマが面白いなあとは思った。お互いの力が相棒と相乗効果で高まるという設定だから、ドラマ的にも非常に使いやすい設定なわけで。ちょっとしたケンカのせいで力が出せなくなって、ピンチになってしまったのが、互いを思いやる気持ちに触れることで絆を再構築し、そこから逆転勝利するって展開は、一種のお約束だけど非常に王道な物語だからな」
ヒノキ「それで、まだ相棒を見つけていない赤のファイヤはどんなキャラじゃ?」
NOVA「分かりやすい熱血漢ってところだな。実のところ、キラメイレッドの充瑠が、いわゆる熱血漢じゃないんだ。だからと言って、性格的に普通の高校生ってわけでもない。この場合の『普通の高校生』って定番キャラ設定は、『飛び抜けた才能を発揮していない一般市民』という程度の表現で、それが事件に巻き込まれたり、自分から飛び込んだりして、ピンチに陥って秘められた才能を発揮というのがお約束。ただ、最近は『普通の高校生』が王様になるって夢を持っていたり、ラノベだとやたらと達観していて物事に動じなかったり、普通じゃない性格設定が為されることも定番。
「充瑠は一言で言えば、自分の世界に没頭する芸術家肌の天才タイプ。何かに夢中になったら、周りのことを気にせずに集中するところがあり、それが絵という形で発動する。絵描き設定をずっと続けるのなら、毎回、充瑠の描く妙な絵を準備しないといけない小道具さんが大変だなあと思う。個人的には、鬱モードのないジュウオウ・ザ・ワールドのような妄想キャラだと思った。周りの空気の読めない変人だけど、勢いに乗ると爆発的な発想力を示すキャラだな」
ヒノキ「そう聞くと、まるで岡本太郎画伯じゃな」
NOVA「おそらく、彼の心に火を灯すのが魔進ファイヤの役割なんだろうな。とにかく、こういうレッドの変人芸術家ぶりをどうヒーローらしく描くかが、荒川さんの腕の見せどころだと思う。今のところ、自分としては『こういうのがレッドで大丈夫なのか?』と思わなくもないが、リュウタロス声が相棒なら……大丈夫なのか?」
晶華「『お前に戦ってもらうけどいいよね。答えは聞いてない』って感じ?」
NOVA「たぶん、戦闘中に、充瑠が違うものに集中しちゃって周りが見えなくなっちゃうんだよ。それでファイヤが苛立って戦いに専念しろって叫ぶんだけど、話を聞いてない。だけど、その集中していた何かがヒントになって、強敵を倒すためのアイデアになったりするんだろう、きっと」
晶華「それだと、『お前に戦ってもらうけどいいよね。……って、こいつ、俺の話を聞いてない』って言ったりするかも」
NOVA「『こいつ、話を聞いてない』ってネタは本当にありそうだな。それぐらい自分のインスピレーションで閃いた世界に埋没するキャラクターとして描かれていたわけだ。クラスメートの女子がどん引きするレベルで、とことんマイペースなキャラ」
晶華「ある意味、キラヤバ〜な主人公ってことね」
NOVA「そうだな。キラヤバ〜な世界って、きっとキラメイジャーの世界だったんだよ。だから、プリキュアも応援に駆けつけてきた」
晶華「本当にプリキュアも登場したの?」
NOVA「本編ではなくて、エンディングダンスを一緒に踊っているだけだったけどな。ケボーンダンスを踊るプリキュアというコラボなわけで」
晶華「すると、ヒーリンぐっどの次のプリキュアは、リュウソウCOOLなケボーン・プリキュアだったりするのかな」
NOVA「恐竜型の妖精とかイヤだなあ。カプティラとか、猫っぽいティラミーコとか」
(当記事 完)