花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

久々のロードス話(新刊発売記念)

家出娘の来訪

 

晶華「ふえーん、リナ老師〜。NOVAちゃんったら酷いんだよ〜(涙目)」

ヒノキ「何じゃ、アッキー。やぶからぼうに飛び込んで来て、何を言い出すやら」

晶華「だって、せっかく出たロードスの新刊を買ってくれないんだよ〜。私がこんなに読みたがっているのに〜」

ロードス島戦記 誓約の宝冠1 (角川スニーカー文庫)

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ヒノキ「それは買わないのではなく、買えないのではないかの?  ほれ、この記事を見てみるがいい」

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晶華「うん、NOVAちゃんも2時間掛けて、地元の本屋を5軒ハシゴしたけど、全部売り切れてたんだって。来週はデンライナーに乗って、遠くの地までクエストに出かけるって言ってた」

ヒノキ「デンライナーじゃと?  いつの時代まで買い物に向かうつもりなのじゃ、新兄さんは?」

晶華「大体、デンライナーが使えるんだったら、今すぐ使えばいいのに、どうして来週まで待たないといけないのよ」

ヒノキ「そりゃ、リアルな仕事が忙しい時期だからじゃろう。それにしても、ロードスが発売日即重版決定とは、嬉しい驚きじゃのう」

晶華「どうしてよ?」

ヒノキ「何せ、12年ぶりの新刊じゃからのう。出版社側も、これほど売れるとは予想していなかったに違いない。だから、それほど売れなくても損をしないように、少なめに刷ってみたら、予想外の売れ行きを示したので、こりゃ行けるということになって、版を重ねることを決めたのじゃろう。これが現在、アニメ化されている継続中の人気作品なら、ある程度の売れ行きは予想できようが、かつての人気作が令和の世でどれほど売れるかは、蓋を開けてみなければ分からなかったのではなかろうか」

ゲンブ「あるいは、わざと少なめに刷って、売り切れ店続出までニュースにして、ロードス人気を印象づけようとする出版社側の戦略かもしれないでござる」

ヒノキ「いやいや、無名の作品ならともかく、わざわざ『伝説のファンタジー小説』と銘打っている作品を、そんな姑息な売り方をして何とする?  宣伝効果はすでに十分。しかし、出版社の予想を超えた売れ行きを示した、と素直に解釈しようではないか。その方が、ファンとして幸せになれるというものじゃ」

晶華「おかげで、読みたくてもすぐに読めない私みたいなファンからしてみれば、不幸だよ(涙目)」

ヒノキ「いや、これが12年目の新作と銘打っておきながら、ちっとも売れずに続編を出してもらえない方が、よほど不幸じゃろう。少なくとも、これでロードスは今なお力を持ったコンテンツであることが証明されたわけじゃよ。まずは、そのことを祝おうではないか」

晶華「リナ老師は前向きだね」

ヒノキ「満たされないからこそ、募る想いもあるのじゃよ。そうして愛を高めていき、ようやくにして手に入れた時の喜びは至高のものとなる。欲しいものが即、手に入るという状況は一見幸せのように見えて、呆気なく消え失せてしまう泡沫(うたかた)のようなもの。真実の愛は、満たされぬ時にそのものを想い、歌を詠み、芸術に昇華させてこそ伝説へと結実する。アッキーも、この期にロードス愛を高らかに表明してはどうじゃろうか?」

晶華「私のロードス愛は、NOVAちゃん譲りなのよね。だから、ロードスが手に入らないと知った時のNOVAちゃんと、この哀しみと無念さと憤りを共有できるかと思ったら、あっさり『次の機会に買えばいいか』と気持ちを切り替えたりして、そんなに淡白なものなのかしらって残念に思えて……」

ヒノキ「いやいや。あっさり気持ちを切り替えてはいないと思うぞ。本当のところは未練たらたらで、でも手に入らないものは仕方ないと割り切って、冷静に大人らしく振る舞おうとしながら、それでも自分のロードス愛を何らかの形で表明して残したいと考えているのが、新兄さんではないかの?」

晶華「リナ老師に、どうしてそんなことが分かるのよ?」

ヒノキ「まあ、これも年の功という奴かの。長年のファンともなれば、ちょっとした悟りを得て、自分なりにコンテンツを楽しむ術を心得ているものなのじゃよ。手に入らないならないで、その穴を何で埋めるかを模索しながら、為すべきこと為そうとする。ただ愚痴って、文句を言うことだけが、愛情表現ではないと言うことじゃな」

晶華「だったら、リナ老師は私にどうしろって言うのよ?」

ヒノキ「ふむ。今は夏休み。夏休みといえば、子供は宿題をするというのが常識じゃな。お主は確か、まだ宿題を残しておったはずじゃろ?」

晶華「ふぇっ!?  いきなり何?」

ヒノキ「今年の2月に、わらわたちはロードスRPGの話をしていて、ゲンブが騎士と戦士の解説をしておった」

ゲンブ「そうとも。これが最終講義であった」

ヒノキ「それから半年。そろそろアッキー担当の魔術師&精霊使い編を語る時ではないかの?」

晶華「ええ?  それって、NOVAちゃんが直々に研究発表するって、5月に言っていたような気がする

ヒノキ「しかし、新兄さんは今、忙しいのじゃろう?  そもそも、これは元々、お主の宿題なのじゃ。親が子供の宿題を代わりにするというのは、教育上、いかがなものかと思うがの。放任して見捨てるのもどうかと思うが、甘やかし過ぎるのも問題。自分のけじめは自分でしっかり付けることも覚えさせないとな」

晶華「そんなこと、急に言われても、研究発表の準備なんてできていないよ〜(涙目)」

ヒノキ「そなたのロードス愛はそんなものか。マニアたるもの、いついかなる時でも自分の好きな作品について、熱く語れなければならぬ。敵はいつ攻めてくるか分からぬぞ。油断大敵じゃ」

晶華「誰と戦うのよ」

ヒノキ「ならば、講義形式ではなく、問答形式でわらわが相手じゃ。わらわの質問に、そなたは答えればいい。作麼生(そもさん)!」

晶華「え、ええと……説破(せっぱ)?」

ヒノキ「汝に問う。ロードスと、ソード・ワールド旧版と、ゴブリンスレイヤーRPGの魔法システムの違いを答えよ!」

晶華「ええ?  ロードスの話だけじゃないの?」

 

魔法システムとか、サプリメントへの期待とか

 

晶華「ええと、どう答えたらいいのかしら。確かゴブスレRPGの魔法は4種類の系統で、魔術師の使う真言呪文と、神官の使う奇跡と、竜司祭の使う祖竜術と、精霊使いの使う精霊術ね。最近プレイしたから、覚えているわ」

ヒノキ「ふむ。その4系統は、旧ソード・ワールドやロードスの背景世界であるフォーセリアの影響が大きい。ただし、祖竜術の元ネタである竜語魔法(ドラゴン・ロアー)は闇司祭の使う暗黒魔法同様、NPC専用でプレイヤーキャラが使うことは推奨されていない」

晶華「どうしてよ?」

ヒノキ「旧ソード・ワールドでは、竜語魔法を使うリザードマンや竜の部族がプレイヤーキャラとして作れないからじゃな。そもそも、アレクラストのオーファン王リジャールが建国時に、邪竜クリシュを倒した話があって、クリシュは竜司祭として人が竜に化身したもの。すなわち、ソード・ワールドのメジャーな人間文化にあって、竜司祭は敵対勢力であることが原則だったのじゃ」

ゲンブ「ラクシアでは、竜人リルドラケンも人族の仲間として認められているのでござるが、フォーセリアは初期RPGゆえ、プレイヤーキャラになれる種族が人間、ドワーフ、エルフ、ハーフエルフ、グラスランナーの5種類しかおらん」

ヒノキ「それは、ロードスでも同様じゃな」

晶華「今のソード・ワールドだと、人間、エルフ、ドワーフ、知的な兎人タビット、アンドロイド風味なルーンフォーク、穢れた突然変異のナイトメア、機敏な獣人リカントが最初のルールブックに載っている種族ね。7種類」

ヒノキ「ルール2でリルドラケン、グラスランナー、樹人メリアが追加され、ルール3で魔物との合成人間ティエンスが追加されたのが2.5じゃな。まあ、2.0のサプリメントも加えれば、人族蛮族合わせて30種類以上の種族が選択できるのじゃが」

fujimi-trpg-online.jp

晶華「今のソード・ワールドの広がり方は分かったわ。だけど、ロードスは旧ソード・ワールドみたいに、バリエーションは多くないのよね」

ヒノキ「まあ、種族が5種類。職業も騎士、戦士、魔術師、精霊使い、司祭、斥候の6種しかないからのう。秋以降に出るサプリメントで広がるのかもしれんが」

晶華「魔法の話に戻すと、ゴブスレRPGでは回数制なのよね。一方、ロードスやソード・ワールドはMP制」

ヒノキ「厳密には、旧ソード・ワールドはMPではなく、能力値の一つである精神力を消費していた。能力値はMPほどには伸びないのじゃが、旧ソード・ワールドではレベルアップとともに呪文の消費精神力の方が少なくなる仕様なので、機能しておった。ただ、消費精神力はレベルで割って求める仕様じゃから、割り算のできない小学校低学年には難易度が高い」

晶華「九九を覚えていないお姉ちゃんには、まず無理なゲームってことね」

ヒノキ「去年の夏には、頑張って修行させたんじゃがな。今ごろ、屋久島でどうしていることやら……」

晶華「帰って来るのは秋になるかしら。令和になったらすぐに帰ってくるかと思ったけど、NOVAちゃんがゴブリンに夢中になったせいで、屋久島の時間が止まっているみたいなのよね」

ヒノキ「メタな話は置いておいて、ロードスはキャラ作りのバリエーションが少ないことから初心者向けのゲームと見なせる。成長も、兼職可能なソード・ワールドやゴブスレに比べて一本道なので、技能の選択と上級職の選択を除けば、あまり悩む余地がないと言えよう」

晶華「マニアな人には食い足りない感じだけど、悩まずにサクサク、キャラ作りして育成できるという点では、初心者には向いているのよね」

ヒノキ「ただし、キャラ作りを記事にしても、それほど面白くならない。種族選んだ、職業選んだ、適当に技能選んで装備を購入した、はい終わりってだけの記事は今の時代の読み物にはそぐわないじゃろう」

晶華「どの職業を組み合わせるか、で自分の個性を追求できるのが兼職システムの楽しさだからね……って、何だかロードスRPGをディスってない?」

ヒノキ「いや、そんなつもりはないのじゃが、ゲームシステムの値段の割に、マニア心をくすぐらないというか……やはり、サプリメントがないと物足りないというか」 

ロードス島戦記RPG

ロードス島戦記RPG

 

晶華「現在の英雄戦争編だけでなく、過去の魔神戦争編と、未来の邪神戦争編をサプリメントでフォローするという話だし、それまで頑張って追跡しましょう。そして、私は早く100年後のロードスの物語が読みたい」

ヒノキ「一応、飢えをしのぐために、公式サイトでも見てみてはどうか。簡単なあらすじとキャラ紹介ぐらいは出ておるぞ」

晶華「それを早く言って。この記事はここで終わらせて、早速見て来るから」

sneakerbunko.jp

ヒノキ「やれやれ。いささか中途半端な記事になったが、魔術師や精霊使いの上級職も合わせた話もいずれまた。まあ、アッキーに任せるより、わらわが先に斥候と神官について語る方が早いかも知れんがの」 

(当記事 完)