とある武人の独白
我が名はゲンブ。正式な呼称は、General Buckler。
アリナ様を守護する盾なり。
TRPGでも、もっぱら護衛役(タンク)の戦士を務めることが多い我であるが、このたびも蜥蜴人の盾戦士にして、竜司祭のキャラ、通称・蜥蜴用心棒を演じることになった。
去年は、ソード・ワールド2.5で、竜人リルドラケンの「戦士になりたい商人キャラ」を担当していたが、ダイス目の悪さもあって、いまいち本領を発揮できなかったように思う。
今回の用心棒は、おおむね順調で、前回のバトルでもきちんと仕事を果たしているので、今回のクライマックス戦闘でも、活躍できるように願っておる。
さて、ここで余談だが、我は本来、亀の戦士であり、蜥蜴とは同じ爬虫類でも少し傾向が違っておる。亀タイプの蜥蜴人というのはありだろうか、と思っていれば、最新のサポート雑誌でのゴブリンスレイヤー・ミニシナリオで、友野詳氏がそのタイプの蜥蜴人キャラを敵役として登場させていることを知った。
大バサミを武器に使う豹獣人と、背中に大筒を背負って「ズカ」という語尾で喋る亀型蜥蜴人。
何だかどこかで見たような怪人たちでもあるが、書き手が書き手だけに納得。
四方世界には、デストロンに似た連中もはびこっているらしい。
ということで、公式がOKしたのだから、我も蜥蜴用心棒から亀用心棒になってもいいのだろうか、と考えたりもする今日この頃である。
では、頑張ってゴブリンやホブゴブリンを退治して、アリナ様ご執心のじゃがりことやらを助け出すとしようか。
General Buckler、推して参る!
赤子の泣き声
丸子(ヒノキ)「わらわたちがゴブリンの巣窟と化した圃人の住居跡に侵入して、順調に快進撃を続けていると、分岐した通路の右側から赤ん坊の泣き声が聞こえてきた、ということじゃな」
GM(NOVA)「状況説明ありがとう。それで右側に進むということでいいんだね」
騎士ジャン(NOVA2009)「一応、左側の通路から敵が来ないかは気にかけておくよ。ぼくがGMなら、分岐路を利用して、挟み撃ちを仕掛けるのは常套手段だと思うからな」
アカミドリ(晶華)「背後からの奇襲(バックアタック)を警戒するのは、冒険者の流儀だものね。原作で女神官さんの一党が壊滅したのも、ゴブリンの奇襲を予測しておらず、最後尾に魔法使いさんを配置したからだし」
丸子「あの一党は、戦士、武闘家、神官、魔法使いのメンバー構成で、罠探知や解除のできる斥候役がいなかったからの。優秀な斥候のいる我らチーム・ゴブリンスレイヤーでは、あのような失態はないはず」
GM「では、優秀な斥候さんを先頭に通路を進むと、やがて前方に一体のゴブリンがいることに気づいた。通路の左右に扉があって、その右側の扉の前にゴブリンが見張りに立っているようだが、君たちに気付いた様子はない」
ジャン「何で? ぼくたちは明かりを付けて進んでいるんだから、普通は気付かれるはずだけど」
GM「よく見ると、ゴブリンの足元には酒瓶が転がっている。どうやら酔っ払って、うつらうつらしているようだね」
用心棒(ゲンブ)「しょせんはゴブリン。怠惰ゆえに見張りの仕事もろくにこなせんと見た。ならば、一気に仕留めに掛かるとしよう」
GM「戦闘は省略するよ。酔っ払ったゴブリンぐらい、余裕でワンターンキルできるからね。継戦カウンターだけ1つ進めておく」
丸子「これで4マス目か。次の戦闘で、1点消耗するということじゃな。赤子の泣き声はどうなった?」
GM「まだ聞こえる。右の扉の中からね。どうやら、その泣き声がうるさくて、君たちのことも気付かれにくいみたいだね。まあ、時間が夕方、すなわちゴブリンにとっての明け方前で、完全に油断している時間帯というのもあるんだろうけど」
丸子「右の扉には赤子がいるとして、左の扉はどんな様子かの?」
GM「右に比べて、左は大扉になっている」
アカミドリ「大扉かあ。中の様子は分かる? 聞き耳か何かして」
GM「赤ん坊の泣き声がうるさいから難易度は高いけど」
アカミドリ「それでも、観察判定で15を出したよ」
GM「じゃあ、中から何やらドンチャン騒ぎをしているような喚き声が聞こえるよ」
ジャン「そういうことか。『ようし、赤ん坊をまんまと連れ去ってきたぜ。任務達成。では、一仕事終わった祝いに宴会でも開くか。酒をどんどん持ってこい。朝まで飲み明かすぞ』って感じで、さんざん飲んで油断しまくっている、と言うことだね。ぼくたちは運がいい」
アカミドリ「だったら、このまま一気に中に踏み込んで、大立ち回りに移りましょう」
丸子「ふむ。先に赤子を助けてから、という手もあるが、そうすると赤子を守りながらの戦いになり兼ねん。敵が宴会モードで完全に油断しているなら、先に殲滅させてから、悠々と救出する方が賢明と見た」
GM「じゃあ、これより広間に踏み込んで、クライマックス戦闘だ!」
決戦の始まり
GM「大扉を開けると、そこは南北10メートル、東西5メートルの楕円形の広間になっているよ。君たちの正面、5メートル先の向かい側には別の扉があるのが見える。部屋の中にいるのは、ゴブリン3体と大柄なホブゴブリン1体の計4体だ。連中は、君たちが部屋に入ってきたのを見て、慌てて戦闘態勢に移ろうとしている」
用心棒「合計4体か。思ったより少ないでござるな」
ジャン「すでに3体は倒してるからね。それでも、魔法使いの姿が見えないのが気になる。後から援軍として来るかもしれない」
丸子「とにかく、悪党どもが酒宴で騒いでいるところに、わらわたちは颯爽と現れたわけじゃな。ならば、こう見栄を切るしかない。『貴様たちの悪行もここまでだ。天に代わって、成敗してくれる』」
GM「うう、ここは『何やつ! 名を名乗れ』とか『飛んで火に入る夏の虫とは貴様たちのことよ』とか定番セリフで応じたいんだけど、この世界のゴブリンって、ガ行とバ行とラ行の喚き声しか発しないんだよなあ。ゴブリン語なんて言語技能もないし。一応、ボスらしきホブゴブリンが、GANRA、GIGABARA?と問いかけてくるけど」
アカミドリ「ガンラ、ギガバラ? まるでグロンギ語ね」
GM「何だ、貴様ら? って感じだと、何となく察したということで」
丸子「だったら応じよう。『余の顔を見忘れたか?』」
GM「いや、知らないし。初めて見るし。上様がこのようなところにおられるはずがないし」
丸子「ふむ。お互い様じゃ。わらわもホブゴブリンのことなぞ知らん。ここは『貴様たちに名乗る名前などない!』と叫ぶべきか」
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ジャン「いや、むしろ相手が小鬼だったら、こっちでしょう」
アカミドリ「だけど、今の騎士さんはモモタロウじゃなくて、こっちなんだよね」
★Round1:おやすみZZZ
GM「余談はそこまでにして、先制判定に移るよ。ホブゴブの先制力は(コロコロ)8だね。ザコのゴブリン3体もホブゴブの支配下にいるので、同じタイミングで行動する」
丸子「何と。早いな。わらわも同じ8じゃが」
ジャン「ぼくも8」
アカミドリ「私の勝ちね。9が出たわ」
用心棒「我は6」
GM「では、8組でもう一度振り直しだ。こっちは再度8」
丸子「勝った。10」
ジャン「こっちは6」
GM「すると、行動順はアカミドリ→丸子→ホブゴブリン(ゴブリン3体)→ジャン→用心棒って流れか」
アカミドリ「だったら私から行くね。ここは一発、魔法を使ってみるわ。くらえ、花粉症バスター! と言いつつ、《酩酊》(ドランク)の呪文。範囲魔法なので、敵全員がターゲット。行使の達成値は(コロコロ)キタコレ、12が出たので、クリティカルね! 基本値8に12足して、さらにクリティカル分が5足せるので25です。抵抗できるものなら抵抗してみなさい」
GM「はい? ちょっと待てよ。ホブさんの抵抗は(コロコロ)13だし、他の雑魚は固定値11だし、ええと誰も抵抗できるはずがない。達成値25の《酩酊》は行動にマイナス3ペナルティーで、さらに体力抵抗判定で21を出さないと熟睡してしまう。ダメです。全員寝た」
アカミドリ「フフフ、花粉症バスターはダテじゃないってことね」
丸子「まあ、元々、酒宴で酔っ払ってた連中じゃからな。慌てて動いて、酔いが一気に回ったんじゃろう。これで戦闘は終わりでいいのか?」
GM「いくら何でも呆気なさすぎる。ええと、花粉ガスはホブゴブたちの周りを包んでいるので、近づくと君たちも睡眠効果を受けてしまう可能性があるね。そして、この眠りは、術者が呪文維持をしている間は継続するから、逆に言えばアカミドリは集中を続けていないといけない」
丸子「だったら、範囲に入らないように外から石でも投げて攻撃してみるかの。ボスを起こすと面倒なので、ザコに石を投げつけるぞ。落ちている石を投げるくらいは、わらわにもできるじゃろう。できないなら、騎士どののスリングストーンを拝借して、投げればよい。ほれ、石じゃ。18と言って命中。ダメージは7点」
GM「ゴブリンAは5点食らって、残り生命点は4だ。ホブの統率を失っているので、先制力は下がって6になっている。ジャンが先に行動していいよ」
ジャン「だったら、ぼくもスリングで。相手が行動して、ホブを起こされたら面倒だからね。トドメを刺さないと。13と言って命中。だけど、これじゃダメージが少ないな。因果点を使っていいかな」
丸子「おお、使え。今の因果点は4だが、このままだと追加経験点がもらえん。最低でも8点。できれば10にして、経験点ボーナスを増やしたいところじゃ」
アカミドリ「これがボス戦と分かっていれば、積極的に使っていいってことね」
ジャン「だったら、因果点で(コロコロ)4が出た。危ないなあ、ギリギリ成功。これで因果点は5になって、判定を振り直し。(コロコロ)ゲッ、ダイス目が3しかない。ボーナス2点あるから命中はするけど、ダメージは増えないから、結局ダメージは4点しかない」
GM「なら、残り2点で生き残った。ゴブAは何とかボスのホブゴブリンを起こすね。だけど、ホブの行動順はもう終わっているので、起きただけ」
用心棒「だったら我の出番だが、ここは我も術を使うとしよう。《竜鱗》(ドラゴンスケイル)の術で、装甲プラス3でござる。これで6ラウンドの間、装甲6点。盾受けに成功すれば9点までダメージを防ぐことができるようになった」
GM「では、このラウンドの終わりに、継戦カウンターが1進んで、5になった。全員1点消耗して下さい」
丸子「わらわは2点、他は1点の消耗じゃな。まだまだ余裕余裕」
GM「次に、消耗するのは継戦カウンターが8に進んだときだから」
アカミドリ「だんだん、疲れがたまる速度が上がって行くということね」
●対ホブゴブリン戦Round1の結果
ゴブリンA、残り生命点2
ゴブリンB&C、生命点9(睡眠中)
ホブゴブリン、生命点20(Aに起こされた)
★Round2:仕切り直し
GM「じゃあ、次のラウンド。ホブゴブの先制力は9」
丸子「勝った。わらわは12じゃ」
アカミドリ「5」
ジャン「7」
用心棒「3」
丸子「では行くぞ。とりあえず、アッキーの呪文を解除してもらわんと、うかつに睡眠ガスの範囲には入れないでの。ザコAに石を投げるしかない。14で命中。ダメージは6点じゃ」
GM「はい、Aは死亡。このゲーム、石投げが地味に効果的なんだよな。戦士以外の斥候、野伏、武闘家はみな投擲にレベルを足せるから、基本ダメージD3でも、それなりにダメージが出るし。では、次はホブゴブの手番」
アカミドリ「待って。ホブゴブは起きたけど、《酩酊》による判定ペナルティー3は有効なのよね。先制力も下がらない?」
GM「ん? (ルールブックを確認して)先制判定も判定の一種なんだよな。だったら、マイナス3して先制力は6か。う〜ん、2日酔いで頭がガンガンしやがる、とゴブゴブ語でうめいている」
ジャン「じゃあ、花粉ガスの効果範囲のギリギリ外で立ちはだかり、そこからホブが入って来れないようにして、スリングで眠っているBを撃つ。14で命中、ダメージは1」
GM「当たっただけで、ダメージにはならない。だけど、今の衝撃でBは目覚めた」
丸子「何を無駄に起こしておるのじゃ」
ジャン「ゴメンなさい(m0m)」
GM「わざわざ前に出ると宣言したなら、攻撃させてもらうか。ホブがジャンを攻撃。ボスだから、ダイスを振るよ。命中ダイスは(コロコロ)5。やっぱ低いな。それに9を足して14」
アカミドリ「ペナルティーのマイナス3をお忘れなく」
GM「チッ、涙目で辛い。ヘッグショとくしゃみをしつつ、その勢いで大金棒をブンっと振って、命中は11だ」
ジャン「すると、避けた方がいいかな。回避基準値が6で、2Dは8が出たから14で避けた。当たらなければどうということはない」
GM「ゴブBはゴブCを起こして終了。次からホブの支援をするつもりだよ」
アカミドリ「支援って何?」
丸子「ボスは統率下にある部下から支援効果を受けることができる。ザコは弱いけど、数がいれば、それだけボスを強化できるのじゃ」
GM「ゴブリンはホブを支援することで、命中とダメージと装甲を1点ずつ加算できるのだ。2体が支援すれば、ホブの命中基本値は11、ダメージは2D6プラス8、装甲も8点になる」
アカミドリ「それは厄介ね。じゃあ、《酩酊》の維持はやめて、《使役》(コントロール・スピリット)の呪文を使います。今は手数が欲しいから。行使判定は12で、火の精霊が出現。行動は次のラウンドね」
用心棒「最後は我の番か。ホブの相手は我がする。くらえ、ブロードソード! 命中は13」
GM「そんな物、17といって回避。ゴボホホホと高笑い。では、2ラウンド目終了で、継戦カウンターが6マス目。そして、このラウンドの終わりに、奥の扉が開いて、杖を持ったゴブリンが姿を見せた。『どうやら、村に雇われた冒険者らしいですね。魔神様への生贄は、無垢な赤子だけで十分かと思っていましたが、ちょうどいい。あなた方も生贄にして差し上げましょう』と、親切にも語ってくれる(笑)」
丸子「何と、魔神への生贄じゃと? たかがゴブリンに、そのような知恵があろうとは」
ゴブリンマジシャン(GM)『私は神に選ばれたスーパーゴブリンなのですよ。こうして、人間の言葉も喋れるのが何よりの証拠。我が魔術の冴え、とくと見せてあげます。覚悟なさい』
ジャン「GM、こいつはそんなに強いのか?」
GM「【怪物知識】判定してみて」
ジャン「18」
GM「ただの2レベルモンスターのゴブリンマジシャンだね。でも、相手が神に選ばれたと言ったことで、思い当たることがあるかもしれない。知力集中+神官レベル+【神学】で判定してもいい」
ジャン「基準値9か。出目6足して、15だな」
GM「では、君は知識神の教義を知っているから分かる。知識神は人々に考えること、学び教えること、自分の知恵を持って真理に到達することを推奨するんだけど、その仇敵に覚知神という邪悪な存在がいる。覚知神は、禁断の知識のひらめきを与え、世の中を改革ないし混乱させることを旨としているらしい。普通なら知り得ないことを混沌の勢力が利用する影では、覚知神の陰謀があるとも言われているんだ。もしも知識神が学問の神だとするなら、覚知神はカンニングの神と言えるかもしれない」
ジャン「それは、ちょっと見過ごすわけにはいかないなあ。たかがゴブリンが魔神を召喚するような秘術が使えるとなると、村一つの平和じゃ済まなくなる。何としても止めないと」
決戦のゆくえ
★Round3:術師を封じろ
先制順は以下の通り。
丸子(11)
アカミドリ(9)
ホブゴブリンおよびゴブリン2体(8)
ゴブリンマジシャン(7)
ジャン(6)
用心棒(6)
火の精霊(5)
しかし、
ジャン「魔法使いを先に行動させたくはない。因果点で振り直させて欲しいんだけど」
丸子「なるほど、《沈黙》(サイレンス)狙いじゃな。理由が明白だから、やってみるといい」
ジャン「よし、因果判定は6で成功(因果点も6に)。イニシアティブは、何とか8でマジシャンに勝った」
丸子「では、マジシャンは騎士どのに任せるとして、わらわは雑魚ゴブリンの数減らしに専念しよう。雑魚と言えども、ボスを強化するのは厄介じゃからの。命中ダイスは、おお、12でクリティカル! 達成値25だから、ダメージダイスもプラス3Dされて、全部で4D振れることに! 総ダメージは18点」
GM「やるなあ。ゴブリンBは死亡だね」
アカミドリ「じゃあ、次は私の番ね。ここで選択肢が3つあります。1番、残った雑魚1体を弓で射殺す。2番、マジシャンを弓で射殺す。3番、ボスのホブゴブリンに最大火力の精霊魔法《火矢》(ファイアボルト)で焼き殺す。どれがいいでしょう?」
ジャン「いや、最後のは無理じゃないかなあ。ホブの生命点は20だし、そんなにダメージは出せないだろう」
アカミドリ「それがね、《火矢》の呪文は達成値15以上で5D振れるのよ。ダメージダイスが全部6なら30点ダメージになるわ。一撃必殺も夢じゃない!」
ジャン「いやいや、それって、6分の1の5乗で216×36が7776だから、7776分の1の確率だぜ。まず不可能」
アカミドリ「大丈夫。私は勇者だし。足りないところは勇気で補えば平気だって」
ジャン「ここは1番をお願いします。2番のマジシャンは、ぼくが《沈黙》(サイレンス)の呪文で黙らせるから。そのために先手も取ったんだし」
アカミドリ「だけど、雑魚を倒すのも、マジシャンを倒すのも、大して差はないのよね。だったら、呪文は回復用に温存して、マジシャン退治は私に任せた方がいいと思うけど。そういうわけで、私の行動は2にします。【速射】でマジシャンを2回射つってことで、1発目。命中は17。ダメージは8点」
GM「残り生命点は4点だね」
アカミドリ「二射めは12」
GM「それは当たらない」
アカミドリ「因果点を使いたいなあ」
丸子「う〜ん、今が6じゃからな。そろそろ万が一のために残しておいた方がいいと思うが。確率的には6以上なら7割強で、7以上なら6割弱。安心感が全然異なる」
アカミドリ「じゃあ、今回は温存して、相手の出方を待ちましょう。マジシャンの始末はNOVAちゃんに任せたわ」
GM「では、ホブの手番だな。前に出ているのは、丸子、ジャン、用心棒の3人ということで、目標はランダムで決めよう。3でジャンを狙う。命中は2Dプラス8で16だ」
ジャン「それは、さすがに回避基準値6で避けられる数字じゃない。盾受け基準値10で受けを試みる。19で受け成功」
GM「ダメージは3Dプラス7になるね。(コロコロ)16点だ」
ジャン「グハッ。残り生命点が16点だから、防護点5点の分だけ生き残った。次に同じ攻撃を食らったら、死んでしまう」
GM「いや、死なないよ。キャラが死ぬのは、ダメージが生命点の2倍に達した時だ。ジャンの場合は34点まで耐えられる」
ジャン「すると、今、12点ダメージだから、あと1回は耐えられるということだな」
GM「ただし、ダメージが生命点を越えた後では、毎ラウンド1点ずつ消耗することになるけど」
ジャン「それは大変だけど、どうしようかなあ。とりあえず、マジシャンに追撃を食らうのは危険なので対処したいけど、スリングで倒せる自信が全くないので、当初の予定どおり《沈黙》させるよ。呪文行使は……ギャー、ここで1ゾロが出たー。ええと因果点を使っていい?」
丸子「やれやれ。2009年の新兄さんはダメダメじゃの」
GM(おかしい。俺はここまで肝心なところでダイス運が悪かったっけ? 他人事だったら、面白すぎるんだけど、我が事としては情けない……)
ジャン「因果判定は無意味に12が出た。因果点が7に上昇して、マジシャンを《沈黙》させた、でいいよね」
GM「いいや。今のは因果判定の成功であって、呪文行使のダイスは改めて振らないといけない」
ジャン「ここで失敗すると、目も当てられない。よし、11出た。《沈黙》発動!」
GM「呪文が使えなくなったゴブリンマジシャンは、口をパクパクさせるだけで何もできない」
用心棒「次は我だな。騎士どの、癒しは必要かね?」
ジャン「ああ、それは是非とも」
用心棒「ならば、父なる竜の加護を願いて、(コロコロ)すまなんだ。6点しか回復せなんだわい。我が術はまだまだ未熟なようでござる」
ジャン「すると、残り生命点が11点か。ホブゴブリンの一撃を考えると、ちっとも安心できないや」
アカミドリ「じゃあ、最後は私の精霊ちゃんね。《火矢》の呪文で、マジシャンを攻撃。達成値は12よ」
GM「だったら抵抗して、ダメージは半減だ」
アカミドリ「それでも14点ダメージを半減して7点ね」
GM「さすがに、それで死んだな」
●対ホブゴブリン戦Round3の結果
ホブゴブリン、生命点20(ジャンに11点ダメージを与える)
ゴブリンB、死亡(丸子の槍でクリティカルダメージ)
ゴブリンC、健在
ゴブリンマジシャン、死亡(アカミドリの矢に貫かれ、ジャンに《沈黙》させられ、火の精霊に焼かれる。一番可哀想なやられ方)
ジャン、生命点11/17(11点ダメージを受けて、6点回復。呪文は打ち止め)
アカミドリ、無傷(ゴブリンマジシャンを仕留めるのに貢献。呪文はあと1回残している)
丸子、無傷(雑魚ゴブリンに対し、華麗なクリティカル)
用心棒、無傷(ジャンを癒して、呪文は打ち止め)
継戦カウンター7マス目
因果点7
消耗1(丸子のみ2)
★Round4:最後の魔法
先制順は以下の通り。
丸子(11)
ジャン(11)
用心棒(11)
ホブゴブリン&雑魚ゴブリン(5)
アカミドリ(3)
火の精霊(1)
丸子「こっちが3人、11を出して、連続攻撃できるのじゃ。まずは先鋒のわらわから。雑魚減らしを狙い、命中は16。ダメージは10点」
GM「惜しい、残り1点だね」
ジャン「じゃあ、トドメはぼくが。命中は19。ダメージ9点」
GM「はい。これで、とうとうボスのホブゴブリンだけになったよ」
用心棒「では、ここで一発。命中は14」
GM「17と言って避ける。反撃は丸子に。命中は13だけど?」
丸子「わらわは回避の基準値が13なのじゃ。そんな攻撃、目をつむっていても(1ゾロが出なければ)避けられる。はい、避けた」
ジャン「つまり、このシナリオでダメージを受けたのって、ぼくだけ?」
丸子「うむ。騎士どのの献身あればこそ、他の者が安心して戦えるというもの」
アカミドリ「そうだね。そして、ここで大きな一発。フードを解放して、赤い髪と赤い瞳を輝かせながら、《火矢》を放つよ。『火の粉を散らせ、火蜥蜴(サラマンダー)、あいつの度肝を抜いてやれ』 くらえ、花粉症バスター轟火弾。呪文行使達成値は18点。抵抗はできる?」
GM「抵抗判定は11だから失敗」
アカミドリ「フフフ。ダメージは5D6+2だからね。ダメージは19点!」
GM「一応、《火矢》には装甲が有効なんだ。6点減らして、13点くらった。残り生命点は7点」
アカミドリ「だったら、もう一発、火の精霊からも一撃飛ぶよ。命中ダイスは11出して、16点。抵抗はできる?」
GM「一応、16で抵抗したんだけどね」
アカミドリ「ダメージは14点で半分して7点」
GM「装甲が有効で良かった。ダメージ1点で、残り生命点は6点。継戦カウンターは8になって、全員1点消耗して」
★Round5:とどめは誰の手に?
おそらく、これが最後のラウンドである。
敵は満身創痍のホブゴブリンだが、一撃のダメージは大きく、最後まで気は抜けない。
一方、味方は全ての呪文を使い果たし、各自の得物、剣と槍と槌矛と弓で装甲値6点を抜くことが求められる。
そんな中、ホブゴブの先制点6に対して、最速の丸子が12、アカミドリが7、ジャンが9、用心棒が5を振った。
丸子「先に仕留める! 命中は16!」
GM「ホブゴブの回避は14!」
丸子「取った! ダメージは……ここでピンゾロを出すか!?」
GM「カーンと弾かれた。フン、非力な圃人の攻撃など効かんわ! とゴブゴブ叫ぶ」
丸子「ならば行けい、騎士どの。ここでとどめを刺せば、汚名返上のチャンスじゃ」
ジャン「よし、気合いを入れて、おお、クリティカルが出た!」
GM(本当かよ!? ここで出すとは、さすが10年前の俺。しかし……)
ジャン「クリティカル分のボーナス込みで達成値は25。ダメージダイスは3Dを加えて、4D6プラス2。12点以上でとどめが刺せる。くらえ、必殺NOVANダーイナミック! ダメージは……(コロコロ)9点」
GM「……ええと、ホブゴブの残り生命点は3点です」
ジャン「ヒーローになり損ねてしまいました、シクシク」
アカミドリ「やっぱり、このブログの主人公は私みたいね。弓を射って命中は15」
GM「こっちは14だから当たったね」
アカミドリ「必殺必中・花粉症アロー! ダメージは9点!」
GM「それで落ちた。戦闘終了だよ。おつかれさま」
こうして、クライマックス戦闘は終了した。
ゴブリンの巣窟と化した圃人の住居跡は、もう少し探索が必要になるんだけど、それらは残務処理みたいなもので、敵も一掃された後で語るには、蛇足というもの。
無事に任務を果たして、生贄として囚われていた赤子、じゃがりこことレオン君を救出した白磁等級の冒険者は、救世主の名誉とともにジャガリ村に帰還した。
ダイス目のおかげで、救世主にしては情けない振る舞いを見せた騎士どのもいるにはいたが、村人たちはそういう姿を見てはいないので、きっと美化して語り継ぐであろう。
「救世主たる騎士と、孤児上がりの三人の冒険者」の武勲を。
そして、この小話も、数ある「ゴブリンスレイヤー伝説」の知る人ぞ知る外伝の一章として、当ブログ読者の記憶に残れば幸いである。
(当記事・完。次回は、後日譚的な雑話を書いて、この度のゴブスレ妄想リプレイを終了する予定)