粉杉翔花と日野木アリナのメタ談議
ヒノキ「コナっちゃん、そろそろ九九は全部覚えたかの?」
翔花「まだだけど、三の段と四の段は覚えたので、これで前半の五の段まではバッチリだよ。それと九の段でおもしろい発見をしたんだ」
ヒノキ「発見じゃと?」
翔花「うん、九の段って、十の位と一の位の数を足すと、9になるんだね。それを見つけたとき、私は自分が天才になった気がしたよ」
ヒノキ「……お、おお。世間では割と常識のように考えられていることでも、自分で真理に気付いて見出だすことは大切だと思うぞ。とにかく、残すところは、六、七、八の強敵御三家のみじゃ。心して覚えるのじゃぞ」
翔花「うん。ところで、屋久島と九九にどんなつながりがあるのか、そろそろ教えてくれない?」
ヒノキ「ふむ。行けば分かる、ヒヒヒ……とさも伏線のように、思わせぶりに語るのも一興じゃが、作者が何も考えていないのに読者を惑わすのも不親切じゃの。実のところ、屋久島には九九は関係しておらんが、九州には関係しておる。九州が9につながるのは、コナっちゃんにも分かるじゃろ?」
翔花「うん。今は、沖縄も含めて八県しかないけど、昔は筑前、筑後、肥前、肥後、豊前、豊後、日向、大隅、薩摩の9国があったみたいだね」
ヒノキ「それに、琉球の球の字を足せば、九球、すなわち九九じゃ。宇宙戦隊キュウレンジャーのキュータマにも関係しておる。その上、救急戦隊ゴーゴーファイブにもつながっておってな。99の力は正に、地球の未来じゃよ。その力が九州から琉球への龍脈に宿っており、その鍵となるのが屋久島中央にそびえ立つ九州最高峰、宮之浦岳にあることが今、突然設定された」
翔花「今、突然って何よ、それ?」
ヒノキ「仕方ないじゃろう。そういう啓示、天からのお告げが今、下ったのじゃから。わらわは精霊巫女でもあるゆえ、天の声、大地の声、そして人の魂の声が聞こえることもしばしばじゃ。そして、天地人の三つの声が重なるところに、創作という芸術が生まれることとなる。創作というものは、作者の頭の中の想像に由来するものであるが、完全に嘘八百というものでもなくて、頭の中の想像と、現実の事象の連環の間に象(かたど)られることとなる。つまり、現実と空想の狭間の世界に創作は位置付けられるわけじゃ」
翔花「つまり、どういうこと? 何だか話が難しくなってきているような」
ヒノキ「要するに、事実という大地に根を張り、そこに空想の翼を広げた創作作品は王道と呼べるし、たとえ架空世界であっても、原典を踏まえて尊重した作品はそれ自体が尊重されるべきものと言える。それを支える要素が、作品世界の根幹設定だったり、空想の源泉だったりする。逆に、事実を踏まえないリサーチ不足の作品だったり、空想の翼が広がらず原典から一切の飛躍をしなかったりする作品は、どちらもダメというのが、わらわの意見ということじゃ。優れた創作作品は、原典の何たるかをきちんとリスペクトし、その上で、書き手の個性で飛躍させたものと言えよう」
翔花「うう、手短かにまとめると、嘘ばかりでもダメだし、事実をそのままなぞっただけでもダメ。リアルと非リアルの巧みにリンクしたバランスこそが、エンタメ物語には必要だと、当ブログ時空の創作の神さまがお告げを下しているということだね」
ヒノキ「つまり、半分は事実で、半分は妄言ということになるのう」
翔花「それって、NOVAちゃんの口癖じゃない」
ヒノキ「そうなるかの。逆に、根幹設定に矛盾が多かったり、原典に基づきながらも、その原典の解釈が間違いだらけだったり、自身の作品世界と有機的に結びついていない作品は、読んでいて、つまらないと思うわけで。要するに、作者の中で熟成されていないということじゃからな。作者がきちんと勉強した上で、自分の中でつながるようにアレンジを施した作品こそ、テクニカルな作品。
「それ以外は、ストーリー展開に勢いがあったり、キャラ同士のやり取りが軽妙だったり、シリアスで感情移入できる見せ場だったり、フレーバー要素を重視する考えもある。多くのラノベでは、フレーバー重視だったりするが、フレーバーだけではいまいち引き締まらんので、それを補うのが作者の土台となる知識と言えよう」
翔花「とにかく、今、こうして突然決まったように見える屋久島設定も、完全にデタラメというわけじゃなくて、事実に根ざしたリサーチの結果がお告げとなって提示されたってことね。とりあえず、宮之浦岳というところに、九州と琉球をつなぐ神秘の99パワーの鍵があることは分かった」
ヒノキ「そう。そのことが9月29日に分かったのも、意味あることじゃろう。本当は、9月9日に語られるはずだったのじゃが」
翔花「台風21号の後のゴタゴタのせいで、予定が20日遅れたみたいね」
ヒノキ「そして今は24号が襲来しておる。その後は25号も来るそうじゃ。さすがに、この状況でコナっちゃんを屋久島へ旅立たせるわけには行かんからのう。本来の予定では、番組改編期の10月から、いよいよ『翔花伝』も新章の屋久島編に突入するはずじゃったが、2、3週ズレ込む形になる」
翔花「何だか、ずっとコンパーニュの塔にいるような気がするよ」
ヒノキ「コンパーニュの塔編が始まったのが6月14日。それから、メガネンジャーだったり、地震があったり、ラーリオス編に寄り道したり、SW2.5編に寄り道したり、温泉編に時空転移したり、新世界クロスオーバー編がややこしく急展開したりしていたからの。どうして、このようなややこしい流れになったことやら」
翔花「ラーリオス編と、SW2.5編と、温泉編が途中に挟まったのは、ヒノキちゃんのせいだと思う。さすがに天変地異まではヒノキちゃんのせいにはできないけど」
ヒノキ「まあ、いろいろあった波乱万丈の3ヶ月だったわけじゃが、それもとうとう一段落して、まとめに入るのが今回の記事の予定。滞りなく新章に移るためにもな」
新世界からのメッセージ
翔花「さて、10日前にNOVAちゃんから連絡があったけど、新世界というのができたみたい」
ヒノキ「ああ、新星殿から位置座標を聞くことができたから、わらわもようやく確認することができた。〈夜明けの尖塔〉という施設が新たな拠点らしいが、問題はこのブログ時空が旧世界と呼ばれるようになって、いずれはこのコンパーニュの塔も引越しを余儀なくさせられるという点じゃ」
翔花「コンパーニュの引越しかあ。今は、リアル九州に基づいた擬似空間の阿蘇のふもとに位置しているんだよね」
ヒノキ「そうじゃ。コンパーニュも九州の霊脈の上にあるからの。引っ越すにしても、それを考慮せねばならん。新世界に九州や阿蘇に似た地形、霊脈上の連環が構築できる場所が見つかれば良いのじゃがの。新星殿は『何とか見つけるから安心してくれ。見つからなければ自分で作るし』などと豪快なことを言っておったが、さすがは伝説の御仁じゃの。新世界を構築する年季の入ったゲームマスターならではの発言、そっちのことは彼に任せれば良かろう」
翔花「うん、花粉症ガールの物語設定資料を向こうで作るとも言っていたしね。だから、私たちは向こうをあまり気にせず、今はこちらの話に専念すればいいって」
ヒノキ「いずれコンパーニュが新世界へ転移するにしても、その前に屋久島修行と、シンカリオン時空の桜島の動向は解決せねばなるまいな。さもなくば長年の九州守護の任を途中で投げ出す形になる。シンカリオンが桜島で決戦を行う頃に、コナっちゃんも屋久島で99パワーを覚醒させるのが良かろう」
翔花「99パワーの話は、OPコントの冗談話じゃなくて、本当の話なのね」
ヒノキ「そうじゃ。1999年のノストラダムスの大予言に絡む力であり、同年に上映された『ガメラ3』および、前年末まで上映された平成モスラ3部作に関係する力とも言える」
翔花「つまり、屋久島に眠る力って……」
ヒノキ「そう。母なる大地の力を宿したモスラの力じゃ。ゲンブがガメラの力、ビャッコがシーサーの力、そして、わらわが空の大怪獣ラドンの力を顕現したように、コナっちゃん、そなたはモスラの力を修得できるのではないか、と、わらわは考えておる」
翔花「え? そんな。怪獣の力なんて、私には無理だよ」
ヒノキ「無理って、アストロモンスの力を使ったのは、お主じゃなかったのか?」
翔花「あっ……忘れてました。そうか、私、アストロモンスの力を借りていたんだ。だったら、何とかなるかも」
ヒノキ「そんなに簡単なことではないと思うがな。しかし、時代がモスラの復活に近づいているのも事実」
翔花「モスラの力かあ。どんな感じかな」
ヒノキ「すでにサブロー殿がイメージイラストを描いておられる」
翔花「え? たさ様の絵? い、いつの間に?」
ヒノキ「コナっちゃんが屋久島でモスラの力を手に入れるという未来は、5月のプロット時点ですでに予言されていたらしいのじゃ。そこに行き着くまでにいっぱい寄り道はあったがの。その際に描かれたという仮イラストをようやく、この場でお披露目した次第。とにかく、予定外の出来事は数々あれど、コナっちゃんがモスラウイング姿になることは、常盤ソウゴが王になることよりも確実な未来と言えよう。まあ、タイムジャッカーが介入して来ない限りはの」
翔花「タイムジャッカーが介入すると、どうなるのかな?」
ヒノキ「アナザーショーカが誕生し、翼が悪魔っぽいコウモリになるんじゃないかの」
翔花「うう、そういう闇堕ちっぽいものは私のキャラじゃないな。2号ちゃんは好きそうだけど」
ヒノキ「ヒヒヒ、案外そうなっているのかもしれんがの」
翔花「まさか。2号ちゃんに限って……(涙目)」
ヒノキ(おっと、2号殿がタイムジャッカーに改造されたという事実は、コナっちゃんにはまだ伝えない方がいいかもしれんのう。新星殿は伝えていないようだし、わらわが口を滑らせるとマズいと見た)
翔花「……どうしたの、ヒノキちゃん。急に黙ったりして」
ヒノキ「あ、ああ。お主の妹御は、新星殿といっしょじゃからな。今ごろはSWの助っ人フェローだった魔法少女・新華リオンみたいに、魔法の勉強を頑張っているんじゃないだろうか」
翔花「うん、そうだね。だったら私も負けないように、修行を頑張らないと。新世界で頑張っているNOVAちゃんや2号ちゃんの力になれるように」
ヒノキ(ふう。何とか話をそらすことに成功したが、この辺りのデリケートな話題で、コナっちゃんの希望の力が曇ることがないようにせんとな。新星殿なら、落ち込んでもマインドケアできるのじゃろうが)
SWのその後
ヒノキ「さて、話が変わって、ソード・ワールドなんじゃが、ルールブックの2冊目を大体、読み終わっての」
翔花「確か、メリアって花粉症ガールっぽい新種族が出てくるのよね。どんな感じだった?」
ヒノキ「能力的には、器用度と敏捷度と筋力が平均以下で、生命力、知力、精神力が高い。打たれ強い魔法使いって感じじゃな。エルフと比べると、タフじゃがトロいということになる」
翔花「今のエルフのデータだと器用18、敏捷16、筋力8、生命力13、知力16、精神力17になっているのよね。メリアで作ってみると、どんな感じになるのかな」
ヒノキ「試しに作ってみるかの? 生まれ表はフェンサーで、技10、体8、心11ということで、ここからダイスを振ってみるといい」
翔花「ダイスは……生命力だけが2D+6で、後は全部1Dじゃない。1回目は6、4、5、10、2、5。2回目は5、1、1、14、3、4。3回目は1、1、4、17、3、6。バランスがいいのは1回目で、魔法使いとして優秀なのは3回目かしら。一応、剣士だからトロいのはイヤなのでバランス型を選ぶと、器用16、敏捷14、筋力13、生命力18、知力13、精神力16といったところ。元のキャラに比べると、筋力と生命力は高いけど、他が劣っているのでエルフの方がいいと思う」
ヒノキ「ふむ、ダイス目の影響も大きいが、メリアは能力ダイスが1Dだらけなので、生命力以外が低くなりがちに思えるのう。一応、期待値が出たとして、それぞれのフェンサーを比較すると、エルフは器用19、敏捷19、筋力9、生命力12、知力16、精神力16になる一方で、メリアは器用14、敏捷14、筋力12、生命力21、知力15、精神力15となるので、前衛向きなのはメリアかも知れんが、筋力不足で丈夫な鎧は着れないし、グラップラーになるには敏捷度不足で、心許ない。まあ、種族特徴で寝なくてもペナルティーを受けないので、夜営時には便利かもしれんが」
翔花「メリアはもういいや。それより、私、自分のキャラを成長させたいんだけど。この間の戦いで少しは経験を積んだと思うし、成長あってこそのRPGじゃない?」
ヒノキ「それは一理あるのう。だったら、次回の記事は成長タイムとするか。シロたちも呼んで、みんなに経験値とバトル料を払って、キャラの成長だけでもしてもらうとしよう。その前に、コナっちゃんだけ1Dを2回振ってくれ」
翔花「うん、どっちも3だったよ」
ヒノキ「だったら選択の余地はないのう。3番目の能力、すなわち筋力が1点上がった。無印と違って、2.0以降のSWでは1プレイごとにダイス目に対応した能力値が1点成長するシステムじゃからな」
翔花「だったら、筋力が9になって、これで必要筋力5の武器や防具が使えるようになった。ピックの代わりにジャベリンが使えるようになって攻撃力がアップだね。ジャベリンを10本ぐらい用意して、後衛からどんどん投げて行けば強いかな」
ヒノキ「飛び道具主体で戦うなら、誤射しないように〈ターゲッティング〉の戦闘特技を習得せんとな。それに飛び道具主体なら、シューター技能を習得して、弓系を使う方が安上がりじゃと思うが」
翔花「ええ? 前はニードルを無料で生成して投げられたじゃない。槍だって生成できるよ」
ヒノキ「そりゃ、前は無料のストーン扱いで認めたが、ジャベリンを無料で生成するのを認めていたんじゃゲームにならん。コナっちゃん自身の能力と、コナっちゃんの使うキャラの能力は本人に似せて作っても、混同してはいかん」
翔花「だったら、どう育てたらいいか、KPちゃんやシロちゃんと相談しよう。みんなが私に何を求めているか知って、それから私のしたいことに折り合いを付けて、冒険者仲間同士うまくやって行くことが大事だもんね」
ヒノキ「うむ、その通りじゃ。独り善がりで突き進んでは、周りが迷惑する。自立精神も大切じゃが、チームとして連携していくことで、一人じゃできないこともできるようになる。一人一人は小さいけれど、一つになれば、ごらん、無敵だ♪の戦隊魂って奴じゃよ」
(今話完)
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