花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

メガネンジャーの再会と新出発

3ヶ月前のOPナレーション(と軽い総括)

光の眼鏡ライトグラス👓、それは真実を照らし、明示する。
闇の眼鏡ダークグラス🕶、それは真実を覆い、隠蔽する。
光に選ばれしメガネンジャーと、闇に選ばれしインペイダー。
光と闇は虚実入り混じり、陰陽を伴い、今ここに雌雄を決す。

NOVA「明鏡戦隊メガネンジャーのOPなんだけど、インペイダーって秀逸なネーミングだと思うわけよ。正体不明だけど」

晶華「真実を隠蔽するんだから、こっそり暗躍しているんじゃないの? タイムジャッカーみたいに」

NOVA「あるいはタイムジャッカーが歴史を書き換えたから、インペイダーが消失してしまったのかもな」

晶華「ところで、私たち、今どこにいるの? この旧空想タイム時空では、9月に入って、行方不明って扱いだったのよね」

NOVA「ああ、新世界誕生とか、次元嵐とかで状況整理に忙しかったからな。他所のブログとクロスオーバー的に飛び回っていたわけだが、このブログしか読まない人には分かりにくかったかもしれん。真実を照らし、明示するメガネンジャーの司令としては、この辺りで時系列順に情報整理を試みようと思う」


●9月1日:新ブログ「NEOスーパー空想(妄想)タイム」立ち上げ。翌2日に、晶華を連れて新世界の視察に。

●9月4日:別ブログ「GTライフ」の〈事象の分岐点〉で、晶華と魔法少女談議。その日のリアルで、台風21号に見舞われ停電騒動。ブログ世界では、次元嵐に見舞われる形に。

9月7日(GTライフ):次元嵐を逃れるために、〈事象の分岐点〉が施設ごと転移する歌唱の秘術を使い、新世界へ。以降、NOVAと晶華はしばし新世界に隔離された生活を送ることに。

●9月8日(NEO空想タイム):新世界転移後のサバイバル生活開始。

●9月9日:晶華たちの新世界探索冒険譚。その間、NOVAは〈事象の分岐点〉の通信網とエネルギーの復旧に専念。

●9月12日:晶華に随行していた次元ドルイドのハイラス、転移により行方不明に。晶華がNOVAに連絡をとって、NOVAは復旧作業を中断して合流。クリスタルレイクで、ジョエル・トレントを名乗る88年の過去NOVAから伝説のアーティファクト〈光の杖〉、改め〈白き栄光の杖〉を託される

9月15日(GTライフ):行方不明だった次元ドルイドのハイラス、アストラル界の海で、NOVA捜索中のメガネンジャーに救出される。これによって、メガネンジャーはNOVAの生存と新世界の話を知るも、新世界の位置座標がつかめないために、NOVAからの連絡を待つことに。

●9月17日(NEO空想タイム):〈白き栄光の杖〉の能力をいろいろと試してみたNOVA。杖の持つ膨大な魔力を制御する必要から、エネルギーを物質転換することにより、〈事象の分岐点〉の施設を発展拡張し、新世界に拠点となるクリスタルタワーを建造。後に塔の名前を〈夜明けの尖塔〉、サンライズ・スティープルと正式に命名

●9月19日(当ブログ前回の記事):通信手段とエネルギーが復旧したので、コンパーニュの塔に連絡を入れる。話の内容は、また後日の記事にて。

●9月22日(GTライフ):コンパーニュに連絡を入れた後、NOVAはメガネンジャーと合流。次元ドルイドのハイラスと再会。アステロイド時空監視所を中心としたGTライフでの今後の日常を検討。その後、今回の記事にてメガネンジャーの打ち上げパーティーを祝うことに。


NOVA「……といったところだな。コンパーニュの塔で、SW2.5の模擬戦バトルが行われている背景で、俺たちは波乱万丈のサバイバル冒険生活を繰り広げていたわけだよ。たぶん、翔花1号の修行よりも、こっちの方がよほど鍛えられて、強くなったんじゃないかな」

晶華「何しろ、私は改造されてコウモリ女のバットクイーンになっちゃうし、NOVAちゃんは妄魔時王になっちゃうぐらいだしね」

NOVA「なってねえよ。お前はともかく、俺はそんな悪堕ちめいた存在にはならん。手に入れた力はきちんと制御してみせる。お前だって開き直っていないと、心の闇に負けないようにだな」

晶華「うん、NOVAちゃんがきちんと光を示してくれるなら、私だって光を目指すし。だけど、NOVAちゃんが闇に堕ちたら、私も喜んで闇堕ちするから、どっちにしてもNOVAちゃん次第なんだよ」

NOVA「俺は鉄人28号のリモコンかよ。主体性のないファザコン娘を持つと苦労するぜ。ともかく、危なっかしい娘のためにも、俺は闇堕ちするわけにはいかないってことだな。白いパンドラパネルに祈ったことで、そういう運命は変えたはずなんだ」

晶華「それでは改めて、延ばしに延ばしたメガネンジャー打ち上げタイムの始まりです」

NOVA「本当は8月終わりから、9月頭に書く予定だった記事ってことで」

メガネシルバー復帰


晶華「粉杉翔花2号、改めて太陽サンサンの大輪の華、晶華です。3年分、大きくなったけど、よろしくです」

弥生「うわあ、随分と見違えたわ。先日、お姉さんの翔花1号さんとお会いしましたけど、妹さんの方が先に大きくなるなんてね」

晶華「弟や妹の方が大きいのは、バトルフィーバーのエゴス怪人の伝統です。他にも、ウルトラ6兄弟だとタロウさんが一番大きい設定だし、鋼の錬金術師だって、イクサー1だって、弟のアル君や妹のイクサー2の方が、大きかったりクールで大人っぽかったりしますし、NOVAちゃんの脳内では、私のイメージ声優は戸田恵子さんだったりしますから」

弥生「ああ、アンパンマンの」

晶華「そうじゃなくて」

アリサ「だったら、3作目の鬼太郎さん?」

メディック(ガールズトークのための人間態仕様)「きかんしゃトーマスというのもございますわね」

晶華「違うの。私のイメージは、そういうお子様向けヒーロー路線じゃなくて、もっと大人の方向性なの(涙目)」

弥生「例えば?」

晶華「ガンダムのマチルダさんとか、キャッツアイの瞳さんとか、劇場版バルディオスアフロディアさんとか」

アリサ「古いわね」

メディック「確かに。とても未来から帰ってきた少女の発言とは思えません」

晶華「こ、これは、未来とは関係なく、NOVAちゃんのイメージだから仕方ないじゃない。未来でどういう声優が活躍しているかなんて、そんなの、いちいちチェックしていないんだから(涙目)」

弥生「そうやって、すぐに涙目になっちゃうところは、相変わらず以前のままということですね。大きくなって、ずいぶん変わってしまったんじゃないかと心配でしたが、やはり、あなたは私たちの仲間の翔花さん、改名して晶華さんになっても、仲間であることは変わりません。はい、これ、あなたのシルバーアイズ。ヒノキさんからよろしくとのことです」

晶華「え、あ、ありがとう。シルバーアイズ、やっと帰ってきた。これさえあれば、私はメガネンジャーの光を忘れず、強く生きられる……かも。クンクン、NOVAちゃんの汗と涙と血の匂いがする。幸せ❤」

アリサ(うわ、ちょっと、こういうところは引いちゃうかも)

メディック(これが人間、いえ、精霊の少女の愛情表現。ロイミュードとしては理解困難。いや、もしかすると、ブレンのハンカチへの執着も、これに似ているのかもしれませんわね。少し研究の余地がありそう。ハート様の匂いのついた品物は、どこかにないかしら)

弥生「と、とにかく、シルバーアイズは貴重品ですから、早速、このメガネケースに入れて保管しないといけません。さあ、さっさとしまって」

晶華「うう、名残惜しいけど、大切なものだから、大事に片付けないといけないのは分かった。うう、NOVAちゃんの血が飲みたいよう」

弥生「え、一体何を?」

晶華「あ、ただの冗談です。気にしないで(うう、そろそろ27日が近づいてきたから、血が飲みたくなっているのかも。あと少し、あと少しだけ我慢するのよ。約束はきちんと守らないと)」

血の絆(ブラッド・ボンド)


ドクター・ウルシェード「こうして見ていると、普通にガールズ・トークを楽しんでいるようだが」

モロボシ・ダン「ああ。吸血鬼と聞いて、宇宙細菌ダリーに寄生された少女や、コウモリ怪獣のバットンの件を思い出したが、特に問題なく日常生活を送れているみたいだな」

伊賀栗レイト「最初は、いきなり3年分成長した姿を見せられて、ビックリしましたけど……」

ゼロ(レイトと一心同体中)「どんな姿になっても、あの娘が俺たちの仲間であることには変わりないぜ、司令」

NOVA「ああ、ありがとう。晶華は俺の娘、それも変わりないんだが、他にも懸念があってな。ドクターにはすでに話したんだが、月に一度、誕生日の際に、俺の血を必要とするんだよ。逆に言えば、俺の血を与えている限りは、まだ自制できるようなので、不特定多数の血を飲むために夜な夜なさまようような行動はとらないと見ている。元々、俺の従属精霊、もしくは使い魔的な存在だったから、普通の人間が吸血鬼化したケースと違って、俺と血の絆で結ばれた感じだな」

ドクター「つ〜ま〜り〜、司令一人が大義のための犠牲になれば〜、丸く収まると言いたいのだが」

レイト「それで、司令が吸血鬼になったりはしないんですか?」

NOVA「直接、噛みついての吸血は避けているからな。次元ドルイドに俺の血を抜いてもらって、それをドリンクとして晶華に与えている🥤。誕生日の時期を除けば、普段はフルーツの果汁でまかなえているみたいだが、現在はドクターに依頼して、俺の血液成分を分析して晶華用のブラッドドリンクを人工的に精製できないものか、研究してもらっている」

ドクター「バ〜イオテクノロジーはあまり専門ではな〜いのだが、成分分析ぐらいなら何とか。その後、合成までできるか、となると心許ない。物理ではなく、生化学に詳しい助っ人でもいれば助かるんだがね」

NOVA「本郷猛さんなら確実ですが、今はどこにいるのかな。他には、RXのバイオライダーさんなら体内でいろいろ合成できるかも。俺も魔法で何とかできればいいんだけど、自分の血を魔法で合成するのはやはり専門外ですからね」

ダン「生化学やメディカル担当といえば、ウルトラ警備隊ではアンヌが専門だったが、MACにはそういう専門家は置かなかったなあ。下手に検査されると、私やゲンの正体がバレるかもしれなかったからだが。今から思うと、隊員の出入りが激しかったのも、過酷な労働環境でメディカル的なバックアップ態勢も整っていなかったから、体を壊して休職する隊員も多かったのかもなあ。だが、途中でいなくなった隊員の方が、シルバーブルーメに襲われて殉職しなかった分、幸せだったのかもしれないが。MACの元隊長として、当時の隊員には悪いことをしたなあ、と今でも反省しきりなんだよ」

NOVA「おおとりさんの特訓シーンばかりが注目されますが、実はMACという組織自体、相当にブラックな体質だったっぽいですね。何しろ、隊長がウルトラセブンだから、隊員に求める要求水準も高くなって、途中で根を上げる隊員も結構いたとか」

ダン「いや、あの時代はあれが当たり前なんだって。ジャックから聞いたMATも相当厳しい職場だったそうだし。だが、成果を上げていたのは、ZATみたいなアットホームな職場だったことが分かって、世間もゆとりの大切さを考える流れになったようだが、近年はとうとう防衛チーム不要論まで出る風潮だな。公組織にかける予算が減って、調査活動などは民間委託までされるのが現状、と」

NOVA「民間でも優秀な人はいっぱいいますし、多様化する時代ですから、型にはまりがちな防衛チームよりも、斬新な発想をする人間も多い。ミリタリー業界で、民間軍事会社PMCに注目が集まるようになったのも、今世紀に入ってからの風潮だし。それはともかく、晶華の飲料血液問題はこっちで対処するとして、もう一つ、タイムジャッカーの連中と、バットクイーンことアナザーショーカをどうするか、という問題がありまして」

ダン「軍隊的発想なら、拘束して敵の実態を尋問するべきなんだろうが、そういう手段をとりたくないそうだな」

NOVA「ええ。甘い考えかもしれないけど、俺は民間の教育者の立場だし、アナザーショーカだって、歪んでいても娘の影と考えると、力づくで無理強いする考えにはなりにくいんですよ。話せば分かる、とまでは言いませんが、きちんと縛りを設けた上で、うまく対処すれば味方につけることができるかもしれない。もちろん、それには相手の要望が何か理解した上で、どこまで妥協できるかという駆け引きも必要になりますが」

ダン「そういう交渉事は、私も試みようとしたが、地球防衛の使命との間で、しばしばジレンマに立たされてきたな。最近の若者は、その辺を上手くこなすようになっているように見えるが、失敗して大惨事になるケースもないわけではない」

NOVA「相談相手の大人もいずに、未経験な若者が独り善がりに突き進むと破滅に至るケースが多いみたいですね。だから、俺は俺なりに、先に根回しをしておきたいわけですよ。アナザーショーカに関しては、自分の娘に関わることだから、俺の判断が絶対に正しいと思い込んじゃうと、俺自身が暴走する可能性すらある。そこを自覚して、客観的な判断を下すためには、皆さんの意見を聞く必要があると思っています」

レイト「それって、僕の意見もですか? 一民間人の意見ですけど、自分の娘に何かの不思議な力が宿って、それを制御できなくなった場合、父親としてどうすればいいかってことですよね」

NOVA「ああ、マユちゃんにリトルスターの能力が宿ったこともありましたね」

レイト「ええ。その時に、父親として何かができたっていうわけでもないんだけど、娘のことが心配であれこれ駆け回っていたら、結果的にうまく回ったとしか言えないんですけど。でも、その時に娘のことを心配する気持ち、娘を愛する気持ちは本物だったし、それで周りの人たちも親身になってくれて、そういう絆っていうか、人同士のつながり、関わり合いが事態を好転させる原動力だったと思うんです。何もできなくても、ただ人を想い、応援してあげる心を示し、また感じ合える。メガネンジャーの百万の祈念というのも、人や世界を結びつける想いの力の発露なんじゃないかって。うまく言葉にできないんですけどね。何だか曖昧で、自分でも何が言いたいかさっぱりで」

NOVA「いや。レイトさん、十分伝わったよ。アナザーショーカとどう接するか、考える材料にはなった。何となく敵味方とか、心の闇に対して、どう接するかとか、どう利用できるか、とか、そういうことばかり考えていたけど、アナザーだって、もう一人の娘だと考えれば、そういう態度で接するのは良くないって気がする」

ドクター「そうは言ってもな〜、タ〜イムジャッカーの生み出した擬似人格ということは、敵〜であることに変わりないだろう」

NOVA「ええ、敵によって生み出されました。しかし、悪魔に生まれても、人の愛を知ることで、その優しさに目覚めた正義のヒーローだっています。だったら、俺にできるのは、アナザーの中にある正義の心の欠片を信じて、愛情を持って接することだと思うんですが」

ゼロ「あんたのそういう熱さは嫌いじゃないぜ、司令。アナザー何ちゃらといっても、ショーカちゃんはショーカちゃんだ。悪への呪縛を断ち切れば、必ず友だちになってくれる。相手がどんな姿だろうが、改造人間だろうが、ロボットだろうが関係ねえ。ジャンナインだって、ワンゼロだって、そういう関わり合いから仲間になった。リクの奴は、ベリアルだって浄化させた。だったら、司令だって、フォーゼの如月弦太朗みたいに『全てのショーカの父親になる男』を目指してもいいんじゃないか」

NOVA「いや、全てのショーカって、これ以上増えて欲しくないんですけど。まあ、花粉症ガールだったら、今後、増える可能性もあるかな。ええと、深海用とか、野生児とか、電気人間とか、空飛ぶのはすでにあるとして、宇宙開発用とか、忍者とか。ブラックサンも太陽の子もすでにネタにしたし……って属性をあれこれ並べ立てている場合じゃなくて、とにかく、アナザーショーカの件は俺に一任してくれると助かります。その上で、俺が暴走して悪堕ちしたら、皆さんに止めてもらえるなら安心できるというか」

ゼロ「ああ、任せておけ。司令が悪に染まったら、俺の宇宙拳法で叩きのめして、更正させてやる」

NOVA「うわ、ゼロさんにしばかれたら、悪堕ちも吹っ飛びそうだ。とにかく、アナザーショーカも俺の娘ってことで、血の絆も含めて、しっかり教育してやる方針をこの場で示しておこう、と」

タイムジャッカーの実態


NOVA「アナザーの件はともかく、タイムジャッカーについても対策を考えないといけないんですけど」

ダン「一つ確認したいんだが、そもそも我々もビルドを陰ながら応援して、彼の世界改変、新世界樹立を肯定したわけだ。それとタイムジャッカーがやろうとしている歴史改変と、何が違うのだろうか。この件で下手すると、我々の立場はダブルスタンダードということになりはしないかな」

NOVA「そうですね。状況を整理しましょう。ビルドの世界改変は、スカイウォールの惨劇やエボルトの活動によって、悲劇に見舞われた世界を再建することにあった。そこに私欲はなかったと言っていい」

ドクター「しかし、タ〜イムジャッカーの歴史改変とて、オーマジオウの君臨によ〜って、悲劇に見舞われた世界の修復にあるんじゃないか。どこが違うか司令の見解を聞きた〜いのは、わしも同感だ」

NOVA「個人的には、娘が改造されて、俺が殺されそうになったというのが最大の問題ですけど、ジオウ世界の観察に基づくなら、まず連中はオーマジオウと異なる別の王を擁立しようとしてるんですね。これをビルド世界の状況になぞらえるなら、エボルトではなく、別の誰かが君臨する世界、例えば冬の劇場版のバイカイザー最上魁星のような男が支配する世界を目指している、と。支配者が変わるだけで、結局、人々が苦しむ世界を作ろうとしているのがタイムジャッカーじゃないか、あるいはタイムジャッカーの連中が原因となって、ジオウがオーマジオウになってしまうんじゃないか、と俺は考えています」

ダン「つまり、タイムジャッカーの歴史改変が成功しても、邪悪な王が誕生するのは変わりない、と司令は考えているわけだな」

NOVA「ええ、同じ時間改変SFなら、レジェンド・オブ・トゥモローのヴァンダル・サベッジみたいなものと俺は考えてますがね」
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レイト「正直、別の宇宙とか、パラレルワールドとか、時間改変とか、僕には付いて行けないんですけど。妻のルミナさんだったら、そういう話が好きそうですけど」

NOVA「彼女もウルトラマンマックスの世界では、防衛チームの隊員だったりするからな。マックスに変身するトーマ・カイトと結婚して、さらにレイトさんの妻もやってるなんて、ウルトラ奥さん女優として破格の立場だったりもする。初めてヒロインと結ばれたウルトラマンって、ティガのダイゴかな。その後はコスモスのムサシと、マックスのカイトか。ゼロさんの場合は、どういう関係なんだろう」

ゼロ「俺は、ルミナのことはあまり意識していないが、娘のマユのことは可愛いと思っているぞ。やはり、子供はいいよな」

NOVA「それは同意しますね。とにかく、時間改変SFや多元宇宙ものは海外でも流行してますから。この秋は、フラッシュやアローとかの廉価版ソフトもじっくり見たかったり」
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ダン「司令、話がズレてるぞ。タイムジャッカーに話を戻してくれ」

NOVA「ああ、タイムジャッカーがどうして悪いかって話ですね。ダンさんはエースキラーってどう思います?」

ダン「何だ、突然? もちろん悪い奴に決まっているだろう」

NOVA「どうして?」

ダン「そりゃ、ヤプールの手先だし、我々ウルトラ兄弟の力を奪って、エースを苦しめたからな」

NOVA「タイムジャッカーをヤプール、アナザーライダーをエースキラーと見なすとどうでしょうか」

ダン「……なるほど、そういうことか。アナザーライダーはレジェンドライダーの力を奪った存在で、レジェンドを歴史から抹消しようと暗躍している。では、ジオウはどうなる?」

NOVA「レジェンドの力をアーマーに変えていますが、その力はレジェンドから正式に託されたものですからね。言わば、オーブさんがウルトラの諸先輩方から力をお借りしているようなものです。そのまま借りパクするようだと問題ですが、もしも借りていた力をその内お返しして共闘するなら、ジオウは肯定してもいいでしょう」

ダン「納得した。無許可で他人の力を奪って、しかも、それによって奪われた他人が歴史から消えてしまうなら、それは悪ということになるな。ビルドは少なくとも、他人の力を奪うようなことはしていないが、その反面、タイムジャッカーは手段からして悪だと。タイムジャッカーがヤプールのような連中なら、ウルトラ一族としては肯定できない。それなら、我々ウルトラ族は引き続き、タイムジャッカーに対しても、対処しないといけないだろうな」

NOVA「それなんですけど、ダンさんとゼロさんは、ルーブの世界の方に向かってくれませんかね。こっちのことは他の面々で対処したいと思いますので」

ゼロ「どういうことだ? タイムジャッカー対策に、俺たちの手は必要だろう?」

NOVA「ええ、だけど、どうやらジオウの世界では、坂本監督の手も借りられそうなので、そのうち宇宙刑事なんかも出張って来るんじゃないかな、なんて考えてます。それよりも、問題はルーブの世界ですよ。あそこには最近、オーブダークノワールブラックシュバルツなる偽者が出張ってますからね。あれ、言い換えたらアナザーオーブだったりしませんかね?」

ゼロ「ルーブの世界も、タイムジャッカーの侵略を受けているというのか?」

NOVA「一応、仮説ですけどね。あの愛染マコトという男、最近になって、その正体がウルトラマンマニアの宇宙人チェレーザであることが判明しましたが、何となくエボルトっぽかったり、最近になって現れた謎の女『美剣サキ』が、オスカー・ワイルドを引用して、真実と虚偽について語っているのがタイムジャッカーっぽかったり、ルーブの世界はビルドやジオウの世界と関連が深いという可能性を俺は感じています。つまり、ダンさんとゼロさんは、ルーブの世界に出向して、いろいろ調査してくれる方が、こちらとしても助かるわけですよ」

ゼロ「確かに、オーブの力が愛染って胡散臭い男に使われているのは、見逃すわけにはいかないと思っていたがな」

NOVA「ええ。元々は、ビルドの物語が一段落したら、メガネンジャーは解散して、それぞれの道を歩むはずでした。それなのに、俺が行方不明になったせいで、いろいろ心配をおかけして、皆さんをこの世界に留めてしまう結果になった。その間に、ルーブの世界は荒れて来ているようです。とりわけ、俺はルーブの兄弟よりも、妹のアサヒちゃんが心配だ。娘を持つ父親としては、彼女の動向がどうなるか、気になって仕方ない。そこで、ダンさんやゼロさんがいざという時に、湊家の家族をサポートする準備が整っていると、こっちは安心できる。もちろん、兄弟が自力で状況解決できるようなら、ゼロさんたちが無理に干渉しなくていいのですが」

ダン「分かった。ウルトラ族は当面、ルーブ世界に待機して、状況の監視に務めることにする。大方、年末ぐらいには、向こうの事件も一段落するだろうがな」

NOVA「ええ、ジオウ世界も大きく動き出すのは、年末だと考えています。その間は、こちらも監視任務に徹しながら、降り掛かる火の粉だけはきちんと払っておきます。それと、レイトさんやアリサ隊員も元の世界、元の時間軸に戻さないと。そういう約束でしたからね。この打ち上げが終われば、ひとまずお別れです」

レイト「え? これでお別れなんですか? いや、帰って家族に会えるのは嬉しいんですけど」


NOVA「ええ、レイトさんはもう一度、日常に戻って下さい。俺の分まで。俺と晶華はどうもこれまでの日常が壊れてしまったので、新生活を構築しないといけないようですが、戻れる日常がある人たちは、それを守るのが絶対にいいと思います。
「メガネンジャーの使命は、ビルドたちが新世界を構築することで無事に完結し、その後の物語はまた別の話。この辺りで解散するのが潮時だと思います。タイムジャッカーとの戦いは、単に世界の外から祈っているだけで済むものじゃないですし、連中の目的が日常の秩序を破壊することなら、こちらは日常の秩序を一つでも守らないといけない。それができるのは、帰るべき場所を持って、営むべき日常生活を過ごせるレイトさんのような人たちだ。つまり、レイトさんが奥さんや娘さんのために日常を守ることこそが、タイムジャッカーとの戦いにおいて、俺たちへの最大の支援になる。そういうことです」


レイト「司令は……司令の日常はどうなるんですか?」

NOVA「俺は大いなる力を受け入れたから。必然的に、大いなる責任を伴うようになったんです。大丈夫。今は別れても、また再会できる日が来るかもしれません。ともあれ、打ち上げパーティーが終われば、ウルトラ世界の人たちは解散。地球人の人たちは元の世界に帰り、ウルトラ族の方はルーブ世界に出向ということで」

妄魔時王の謎


ドクター「さて、司令。わしだけ呼び出して、どういうつもりかね」

NOVA「俺が悪堕ちして妄魔時王になるって話、ドクターは他の誰にも語っていないみたいですね。少なくとも、ゼロはその件を本気では受け取っていないようだったし」

ドクター「必要以上に疑惑を掻き立てても仕方ないからな。一応、ブレンには知られたが、口止めはしておいた」

NOVA「どうして、タイムジャッカーは俺を魔王候補に狙ったと思います? 俺は別に仮面ライダーじゃないんだし」

ドクター「それでも、レジェンドの一人ではないか。伝説の時空魔術師と呼ばれておるんだろう?」

NOVA「俺は伝説呼ばわりを拒絶しましたけどね」

ドクター「司令と娘御に関する過去の記録を調べさせてもらったが、タイムジャッカーの連中に狙われる要因がいくつか見つかった。一つはこれだ。6月2日の記事を見てくれ」

NOVA「これは、翔花1号が空我の力を使ったとき。なるほどな。これのせいで翔花が仮面ライダーと見なされたわけだ。結果として、アナザーにされたのは2号の方だけど」

ドクター「タイムジャッカーの連中にとっては、姉妹のどちらでも良かったのだろう。双子なんだしな。次に6月9日だ」

NOVA「ああ、翔花シスターズが仮面ライダーWになって、シャドームーン役の俺とライダーごっこをしていたりする」

ドクター「つまり、この記事をタイムジャッカーが読めば、娘御も司令も仮面ライダーと見なされた可能性がある」

NOVA「いや、それってただのごっこ遊びだし。大体、シャドームーンは仮面ライダーじゃないですよ。アナザーBLACKと言える存在で、もう一人の世紀王には違いないけど」

ドクター「他に、理由があるとすれば、やはり白いパンドラパネルの仕掛けを準備した存在として、メガネンジャーの司令だからこそタイムジャッカーの標的と見なされた可能性がある。つまり、仮面ライダーではないにしても、仮面ライダーに匹敵する潜在能力を持つ存在として、魔王候補にふさわしい人材と見なされた、とか」

NOVA「それって、俺や翔花たちが目立ちすぎて、タイムジャッカーの目に付いたってことですか。ビルド世界に干渉し過ぎた結果、タイムジャッカーの注意を惹き過ぎた、と。チッ、控えめに生きていたつもりが、ここに来てドジっちまうなんてよ」

ドクター「そもそも、それ以前から司令は魔王になる素質があるようにも見えるがな。3月20日の記事を見よ」

NOVA「こ、これは、随分とマッドな記事内容ですな。何と驚くべきことに、キュウレンジャーのラスボスのドン・アルマゲの残留思念に取り憑かれた俺が、宇宙を支配しようとしたら、ゴレンジャーの英霊に救われて正気を取り戻したようなことが書いてある。一体、何なんでしょうな、この記事」

ドクター「そんなの、わしが知るか。お前さんの書いた記事だろうが。とにかく、ゴレンジャーの英霊に救われなかったら、ドン・アルマゲの残留思念にあっさり憑依されて、宇宙支配なんて言い出す人間。これこそ魔王候補としてふさわしいとは思わんかね」

NOVA「いや、こんなのただの妄言ですし。妄想と現実を一緒くたにしてはいけませんよ」

ドクター「そのセリフは、タイムジャッカーの連中に言うことだな」

NOVA「う〜ん、ゴレンジャーの英霊が今度も助けに来ないかな。そうすれば、40年前の映画のタイトルを元ネタに『タイムジャッカーVSゴレンジャーwithメガネンジャー 超時空の決戦』なんて話が作れそうなのに」

ドクター「……この期に及んで、そういう妄想ジョークが言えるとは大したものじゃわい」

NOVA「ところで、ドクター。今、思ったんですけど……」

ドクター「何じゃ」

NOVA「いつもはハイテンションな叫び口調で喋るのに、今は控えめというか、普通ですよね」

ドクター「そりゃあ、内緒話をする時に叫ばれたら、お前さんも困るじゃろう。ここだけの話、あのハイテンションは、キャラ付けにせよ、疲れるからな。司令と1対1で話すときは普通に喋っていても問題ない、と判断したわけじゃよ。その方がシリアスにもなるし、その辺の空気ぐらいは読める」

NOVA「ああ、そういうことですか。それと、ウルトラ世界の皆さんは解散しましたが、他の面々は引き続きタイムジャッカー対策に残ってくれて感謝します」


ドクター「残っているのは、わしと弥生、ブレンたちだけじゃがな。わしはこのアーストロ・メガネウラで宇宙のあちこちを旅して回ろうと思っとったが、アストラル海を渡るには魔術の知識の習得も必要と分かったからな。その辺を司令に教えてもらおうか、と思ってのこと。
「弥生も、コンパーニュでサイエンス・スピリットなる魔導科学の道を勧められたそうだし。精霊の娘御から、あれこれ教えてもらうつもりらしい。
「それにブレンたちロイミュード組は元々墓場で暇していたわけだし、ここでの暮らしが刺激的で良いそうだ。わしも機械生命体の霊魂という不可思議な存在には興味があるし、ケイPマーク3のボディメンテナンスのついでに、いろいろ研究したい。
「だから、しばらく、我が艦は次元ドルイド・ハイラスの常駐するアステロイド監視所のそばに停泊し、タイムジャッカーに対する護衛を兼ねた共同研究所アーストロ・メガネスターとして待機するつもりでおる」


NOVA「分かりました。ご協力、助かります」

ドクター「お前さんが孤立して、妄魔時王への道を突き進まないよう、監視の意味も含んでいるからな。くれぐれもバカな考えを持たんように」

NOVA「いやあ、バカな考えや妄想はしょっちゅうですよ。実行に移さないだけで。力に溺れた暴走だけはしないように心掛けていますがね。では、今後とも科学の見地での相談役と、タイムジャッカーへの共同対策をお願いします」
(今話完)