花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、D&Dを中心に世紀末前後のTRPGの懐古話を不定期展開中。

翔花2号の改名


翔花2号「ねえねえ、NOVAちゃん。私、粉杉翔花であることを辞めたいの」

NOVA「何だと?」

翔花2号「だって、同じ名前のお姉ちゃんがいるって紛らわしくない? 固有名詞に1号とか2号って変だよ」

NOVA「お前、仮面ライダーやパトレンジャー、それにパーマンなんかをバカにしているのか?」

翔花2号「その人たちは、本郷猛と一文字隼人、朝加圭一郎と陽川咲也、須羽ミツ夫とブービーって本名があるじゃない。私みたいに本名に2号ってのは明らかにおかしいでしょ。花粉症ガール2号なら納得なんだけど」

NOVA「確かにおかしいと言えば、おかしいが、今ごろそんなことを言うなんて遅くないか?」

翔花2号「この3年の月日を経て、ようやく気付いたのよ。大体、NOVAちゃんが仕事から帰って来て、自分の部屋にWhite NOVA2号がいたら、どう思う?」

NOVA「ショッカーが送り込んだショッカーNOVAかと思うな」

翔花2号「お姉ちゃんと全く同じ反応じゃない。遠い2018年6月7日のことを思い出したわ」

NOVA「うっ、だったら、今だとタイムジャッカーが送り込んだアナザーNOVAだと思うな。貴様、とうとう俺まで怪人化させやがって、ジオウに代わって成敗してくれる。レーザーブレード、NOVANダイナミック。フッ、偽者ごときに俺は負けんって反応かな」

翔花2号「問答無用で、いきなり成敗なの? お兄ちゃん、俺だよ、俺。生き別れの弟だよ。頼むから少しぐらい俺の話を聞いてくれよ、と涙目で訴えかけて来たらどうするのよ?」

NOVA「俺の兄弟だと? 新手の詐欺か? いや、兄弟を装うってことは、大方ザラブ星人の化けた偽者だろう。正体を現せ、ブルーアイズ外道照身霊破光線! 何、本当に俺の弟だと言うのか? 有り得ん。だが、ブルーアイズが真実を指し示す以上、俺はそれを受け入れざるを得ない。よし、分かった、2号よ。お前が俺の弟であるなら、今から特撮ヒーロー談義を始めるぞ。スパロボ談義でも、TRPG談義でもいい。とにかく、俺の話について来い。そうすれば、俺はお前が魂の双子だと認めてやってもいい……って、どこまで語らせるんだよ。どっかで止めてくれよ」

翔花2号「……NOVAちゃんは3年経っても、相変わらずNOVAちゃんね。何だか安心したわ」

NOVA「いや、お前にとっては3年でも、こっちにとってはそんなに経っていないんだよ」

翔花2号「だったら、3年後にもう一度、同じ質問をしてみるわ。どういう反応をするか楽しみね」

NOVA「おお、3年後も今の話を覚えていればな。まあ、その前にブログを書き続けて、相変わらず娘と喋っているかどうかは分からんが」

翔花2号「この世に花粉症がある限り、私たち花粉症ガールズは不滅よ」

NOVA「何だか嫌なフレーズだな、それ。俺としては、花粉症なんてなくなればいいのに、と春になるたびに思って来たが、花粉症ガールズがいなくなればいい、と思ったことは今のところ一度もない。まあ、一人になりたいから家から出てけって1号を九州に修行に送ったことはあったが、すぐに2号が生まれたわけで、俺の日常にもはや粉杉翔花は欠くべからざる存在となっていたんだな、これが。その日常を奪ったタイムジャッカーめ、俺は決して許しはしない。こぼれる涙を希望に変えて、俺は来たんだ、戦うために♪ って、歌い続けるのを止めてくれよ」

翔花2号「私がたとえ改造されて、悲劇に見舞われても、できるだけ変わらない日常を取り戻そうとしてくれる、こんなNOVAちゃんが私は大好きですマル」

新生ショーカ


翔花2号「とにかく話を戻すと、やっぱり粉杉翔花が2人ってのは、無理があると思うのよ。読者の皆さんも混乱すると思うし、私自身、いつまでも2号と呼ばれるのは抵抗を感じるようになったわけで。コードネームならともかく、本名に2号よ。本郷猛2号とか朝加圭一郎2号って出て来たら、おかしいでしょ」

NOVA「まあ、圭ちゃんはともかく、本郷さんはもう一人いるけどな。現在の扱いは黒歴史っぽいが」
仮面ライダー THE FIRST

翔花2号「バトル編と日常編で分かれている時は良かったけど、もはや日常がタイムジャッカーの影響で日常でなくなったり、私とお姉ちゃんの共演が回を重ねたりすると、新しく名前を設定し直した方がいいと思うの。私もお姉ちゃんとそっくりなクローンみたいな状態だったら、同じ名前でもいいか、と思ったけど、3年経って外見まで変化しちゃったり、能力面とかキャラ属性まで変わって来たなら、同じ粉杉翔花を続けるにも違和感を覚えるようにもなったし」

NOVA「う〜ん、お前が言いたいことは分かった。だったら、こうしよう。今までの翔花2号は幼名で、外見年齢17歳になったので、元服名を付けるようになったとか。あるいは、南郷阿里さんが時代の変化に合わせて日野木アリナに改名したのに倣い、お前もこの秋から、新たな名前で生まれ変わることになったとか。心境の変化や芸能人が事務所の移籍で名前を変えることなど、今の時代は当たり前と言えば、当たり前だしな。さて、そうと決まれば、新しい名前を決めるとしよう。どんなのがいい?」

翔花2号「バットクイーン」

NOVA「却下だ、却下。蝙蝠女王って何だよ。怪人名か?」

翔花2号「いいえ、アナザーショーカの記憶によると、私はそう名乗っていたらしいのよね。未来の世界で、快盗団マーキュリー・バット(水銀コウモリ)を率いる女ボスって感じで、どうも3人の部下を率いて、いろいろやらかしたようなビジョンがちらほらと脳裏をよぎったりして」

NOVA「シルバー・バットなら何となくお前っぽいが、どうして水銀なんだ?」

翔花2号「さあ。多分、杉だからじゃない?」

NOVA「ああ、杉コウモリから水銀コウモリね。それによく考えると、マーキュリーは水星で、知性の象徴とも言える。一時期、敵に洗脳されて闇堕ちしたところもそれっぽいか」

翔花2号「ちょっとした黒歴史よ。思い出したくもない過去、いいえ、未来の過ち。そんな女は幻で今は存在しないの。とにかく、翔花という名前の読みはそのままで、漢字だけ変えてイメチェンっていう方向で考えたいんだけど、どう思う?」

NOVA「ああ、同じショーカでも字だけ変えるマイナーチェンジか。考えている候補はあるのか?」

翔花2号「花の字は華に置き換えるとして、問題は翔ね。コウモリの能力で、素で飛行能力を得たんだから、私が翔華で、お姉ちゃんの方が字を変えてほしいんだけど、わがままは言わない。他に私らしさを加味すると、宵華、妾華、娼華の3つがいいと思うんだけど」

NOVA「……父親としての意見では、3つとも却下だ」

翔花2号「そんな、ひどい(涙目)。自分に合った字を一生懸命に考えたのに、どうしてよ」

NOVA「そりゃ、不幸なお前に合った字で考えてしまっているからな。例えば、フィクションで闇属性を持ったキャラに分かりやすく、夜とか闇とかそういう名前を付ける風潮はあるが、ルパンレンジャーの苗字にもそういう要素があるが、それはキャラの名前を記号として考えるからであって、親が子供の幸せを願う感じの名前じゃないだろう。後ろ2つの女を意識した名前も、風俗の源氏名だったら有りかもしれんが、父親としては嬉しくない。一応、フォローしておくと、宵華は『夜の華ナイトブルーム』って意味合いで、格好良くもあり、綺麗でもある。お前が俺の娘でなければ、いい名前だと思うよ。だけどな、それはお前の不幸さを強調した名前でもあって、その名前に縛られると、一生闇を抱えて生きていくような気がしてな。俺は、お前に明るく生きてもらいたいんだよ。今は夜でも、明けない夜はないって感じの意味を名前に込めたいと思う」

翔花2号「だったら、どうすればいいのよ。今の私じゃ、こういうのしか思いつかないよ(涙目)」

NOVA「娼の字の女をもう一つ日に代えて、晶華ってのはどうだ。粉杉晶華。晶という字は、文字どおり3つの太陽からできていて、お前の闇を封印し、人生を明るく照らしてくれる。水晶の字でもあり、クリスタルは綺麗だし、力の源にもなってくれる。結晶といえば、スピルバンの変身コードでもあり、彼のパートナーのダイアナや、姉のヘレンだって、それで変身する。言葉遊びになるが、線を一本抜けば、唱えるとなって、魔法使いキャラに通じる要素にも変換できる。晶という字の意味も、キラキラ輝く、規則正しい原子配列の鉱石なんかを意味していて、光と秩序を志向する。明るく落ち着いた人生を願う気持ちを込めるには、いい字だと思うんだが」

粉杉晶華「うん、気に入ったよ。NOVAちゃんが私のために、お姉ちゃんとはまた違う願いを込めてくれた、ステキな名前。翔花2号はこれから、太陽に祝福された華、サンフラワーとして明るく華麗に生きていくよ(ニッコリ)🌻」

NOVA「夏はもう終わりなので、ヒマワリは季節外れになるんだけどな。ただ、晶という字は、人名では『アキ』とも読むので、言霊的には『アキのハナ』と解釈することも可能だし、『真実を明らかにするメガネンジャー』的な意味や、『幻の銀水晶』からセラムン的な意味を付与することも可能。姉の翔花と、妹の晶華。これからのWショーカは、これで新出発を開始したいよな」
(これにて今話完)