本編前雑談「月の星輝士シンクロシアとは?」
NOVA「さて、昨日に引き続き、翔花伝の続きだ。ちなみに、7月1日は日曜日、7月2日は月曜日。この曜日の意味は分かるだろうか」
翔花2号「ええと、ラーリオスが太陽の星輝士だから、日曜日を狙ったということ?」
NOVA「そうだ。翔花伝は原則、植物関連で木曜日と考えていたが、それが無理となった場合でも、何らかの関連付けがあればなあ、と思い、日曜日がいいと思ったんだ。実際は、日曜日も仕事が入ったもので、日曜日に書き始めて完成が月曜日。そして、今も月曜日の深夜に書き始めて、完成は火曜日から水曜日になると思うがな。形式上は月曜日の記事ということにした次第」
翔花2号「月ということは、月の星輝士シンクロシアことスーザン・トンプソンさんを登場させて、カート君と再会させるという粋な計らいでも考えているの?」
NOVA「いや、それはない。代わりに登場してもらうのは、先代の月の星輝士であったトロイメライ様だ」
翔花2号「どうして、様付けなのよ」
NOVA「いやね、トロイメライのイメージモデルは、ロードスのカーラ様なんだけど、俺、昔、灰色の勇者ボーグナインだったことをあれこれ思い出してみると、カーラ様と言いたくなっちゃうんだ。だから、トロイメライにも様づけしたくなっちゃう次第」
翔花2号「確かにカーラ様は凄いと思うんだけど、トロイメライ様と呼ぶのはどうもね」
NOVA「それで、『プレ・ラーリオス 夜明けのレクイエム』の本来のヒロインはスーザンなんだけど、彼女はほとんど登場しないというか星霊皇の手先として、精神世界でカートと対決させようと思った直前で話が中断しちゃったもんだから、仮想ヒロインでしかないんだな。手の届かない高嶺の花になっちゃったというか、カートの浮気相手であるカレンとか、闇の師匠格となったトロイメライの方が実質ヒロインになってしまったわけで」
翔花2号「スーザンさんは不憫なキャラね。どういうキャラを想定していたの?」
NOVA「初期イメージは、『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』に登場するアンドロイド少女のキャメロン。一方、名前の元ネタはスティーブン・キングの吸血鬼ホラー小説『セイラムズ・ロット(邦題・呪われた町)』に登場するヒロインで、主人公を非現実の闇に誘う冷たい魔少女の雰囲気だった」
翔花2号「やっぱり、アンドロイドとか吸血鬼みたいな人外キャラ萌えなのね」
NOVA「否定できないな、それは。ただ、ターミネーター3に出てくる女ターミネーターには萌えを感じなかったので、完全な殺人機械、言葉一つ発しないコミュニケーション不能な存在はダメなんだな。要するに、人間と同様に会話もしてくるけど、どこか人間と違う存在、そのギリギリなギャップに萌えを感じてしまうというか」
翔花2号「操り人形には萌えないけど、心を持った操り人形には萌えるということ? または、元人間が改造されたり、吸血されたりして、人間じゃなくなってしまったとか?」
NOVA「そんな感じだな。それでスーザンは、俺の闇属性を満足させるヒロインとして最初は設定したんだけど、一向に物語に登場させられなくてな、その属性がトロイメライに付与され、さらにカレンの方にも転移してしまったわけだ」
翔花2号「カレンさんの闇堕ちは、当時の読者の不評を買ったみたいね」
NOVA「当初は森の星輝士にして癒し系のお姉さん、カウンセリングも担当する大人ヒロインとして登場させたんだけどな。だけど、暴走ラーリオスに殺される悲劇のヒロインとして被害者役にもなってしまう。ただの清純系ヒロインをそういう形で死なせてしまうのに俺自身が途中で抵抗感を覚えてな、因果応報的に、闇を抱えた二面性のある女性にしてみた。そういう二面性は、物語中で闇に接した者にしか見えないようにしてな。カートの闇堕ちの起因にもなり、精神面での誘惑者がトロイメライであるなら、肉体面での誘惑者がカレンという形に物語を進めてみたわけだが、その部分は当初のプロットにはない追加要素だ。第3章までの主人公の成長ヒーロー譚の流れから、路線変更して闇堕ちストーリーに舵を切る流れにする際、周囲の人間にも裏の顔があるとインパクトが与えられると感じたからなんだが」
翔花2号「起承転結の転、どんでん返しに当たるところね」
NOVA「だけど、そこで気付くわけだ。トロイメライとカレンの誘惑でカートが闇堕ちするのはいいとして、だったらスーザンはどうなる? 元々、彼女を想定した闇属性が奪われてしまったぞ。というわけで、スーザンのキャライメージも自分の中で変わってしまった。闇ではなくて、実は究極の光属性、正義のヒーローオタクという真っ直ぐなヒロインにな。ただし、星霊皇クリストファーを盲信する信仰かぶれでもある。だから、光の立場で、闇に身を落としたカートの前に立ちはだかるわけだ。儀式の夜、精神世界の中でな。闇のラーリオスVS光のシンクロシアの第1ラウンドを書く予定だった」
翔花2号「うん、それで?」
NOVA「そこで、カートがスーザンを精神的に痛ぶり、自分の闇に引き込もうとするんだな。そして、スーザンが闇堕ちしたら、暗黒の王エンドになるIFストーリーも考えて、一方でスーザンの光にカートが感化されてしまい、星霊皇クリストファーの思惑通りに進むのが太陽の失墜ルート。その辺は、ゲーム的なマルチエンディングを想定していたわけだ。本編の雄輝編が途中で終わってしまったので、そこにつなげる当初の思惑に意味がなくなった。だったら、本編につながらない自分の描きたいプレ・ラーリオスの終わり方があってもいいのでは、と感じた次第だ」
翔花2号「その暗黒の王ルートが、もう少し詳しく知りたい(ワクワク)」
NOVA「……お前、つくづく闇キャラに育ってきているよな」
翔花2号「1号ちゃんが明朗快活なヒーロー系の王道ヒロイン属性を担当なら、私がクールな陰のあるヒロインを担当したっていいじゃない。一人のキャラに全てを混入しようとしたら、カレンさんみたいに精神分裂症状を起こしてしまうんだから」
NOVA「そうなんだよな。花粉症ガールのお前たちは、プレ・ラーリオスのヒロイン像を踏襲した面も確かにある。作者が好きな要素を自分でもよく分からないまま、未整理な状態で詰め込んだのがプレ・ラーリオスのカレン、トロイメライ、スーザンだとするなら、それを意識しながら改めて分散させているのがお前たちなのかもしれないな」
翔花2号「具体的にはどういうこと?」
NOVA「基本は、カレンさんの持っている植物属性を意識したんだけど、癒し系ではなくてNOVAのボケに対するツッコミ担当って立ち位置。その辺は花粉症バスターでNOVAをイジめる小悪魔調の方向性を考えていた。が、何だか危なっかしいドジッ子の面がクローズアップされてしまったり、優しい母性めいた要素も付与されたり、少しずつ変質してきたな。まあ、中学生くらいの年頃だと職業柄、接する機会も多いので、いろいろな要素が扱えるようにもなったわけだ。10年前と比べてな」
翔花2号「教え子を創作のための題材として考えているの?」
NOVA「というか、一斉授業ではなく、少人数の個別に近い対応をしていたら、必然的に相手の個性を把握しておかないと、上手に勉強を教えることもできないだろう? まあ、勉強を教えるだけじゃなくて、ちょっとした悩み事相談みたいなことも時々はしてるんだぜ。そこまで踏み込むのもどうかと思った時もあったけど、生徒のメンタルって学力にも影響するからな。おかげで、単なる雇われ人だった時期と比べても、今時のティーンエイジャー女子のキャラ付けがそれほど意識しなくても分かるようになってきた。まあ、後は、創作キャラとしての誇張化とか、要素の取捨選択によって、分かりやすくディフォルメすることだな。現実の人間は、結構複雑なもので、真面目だと思っていた人が闇を抱えていたり、授業時には寡黙だと思っていた人が友達同士ではお喋りだったり、TPOに合わせて割と使い分けたりしているが、創作物語では、主人公以外は割と付き合う人間が限られているので、一面的な属性付与で十分。たまに深く関わったりするときに、普段は見せない意外な側面を見せたり、新キャラが登場した際に人間関係や見せる性格に変化が生じる時もあったりして、物語を活性化させたり、泥沼に落ち込んでストーリーが進まなかったりもして、後は作者の匙加減ってところか」
翔花2号「私としては創作雑談は聞いていて楽しいんだけど、そろそろ前書きも長くなってきたし、本編に移ってもいいのでは?」
NOVA「分かった。では、まとめに入ろう。今の翔花1号は、カレンをベースに、スーザンで描こうと思った光のヒロイン属性を踏襲したキャラになっている。だから、神とかそういう言葉を普通に使ったりもして、光方面で危なっかしさを感じたりもするな。一方、2号のお前は知力担当で、このまま育てばトロイメライなんかの方向性になるんじゃないかな、と思っている。今はまだ未熟なので、背伸びしてカーラ様に憧れたりする程度で済んでるけどな。よって、お前にも今回の話に登場してもらおうと思っている。トロイメライの魂を受け継いだ新世代ヒロインとしてな」
翔花2号「ええ、私が翔花伝に登場できるの? ウソ?」
NOVA「空想や創作のための妄言とか、予定通りに進まなかったとか、勘違いはあるが、基本、俺は嘘は言わない。とりわけ、すぐ先の未来で確定している事実に関してはな。出番が来れば呼ぶから、待機していろ」
翔花2号「はーい(ニコニコワクワク)」
カートと翔花(1号)と作者の雑談
NOVA「さて、前回、何が起こったか言えるな、翔花」
翔花「はーい、ヒノキちゃんの仕掛けた幻夢界って感じのところで、暴走ラーリオスと対峙した私たちでしたが、思ったよりもラーリオスさんが話の分かる人だったので、いろいろ説明したものの、いまいちコミュニケーションに不便を感じたので、真実を照らすブルーアイズと夜明けの太陽の力で、外道照身霊破光線を浴びせて、元の姿のカート・オリバー君に戻ってもらいましたマル」
NOVA「うむ。今ので分かったか。カート?」
カート「全然。一体あなた方は何者ですか? ここはどこなんですか? ぼくは故郷のモンタナからゾディアックに拉致されて、ラーリオスになれと無理矢理そそのかされて、ようやく前向きになれるかなと思ったら、カレンさんに誘われて、何だか闇に呑み込まれたようになって、スーザンと戦ったりした挙句、星霊皇クリストファーに敗北。そのまま呪われた暴走状態になって、ジルファー先生やバトーツァ、ロイドやカレンさんを殺害してしまい、さらなる上位星輝石を求めて、ソラークやランツと戦おうとしていたところ、そこにいたのはあなた方だった。一体、どうなっているんです、これは? トロイメライの仕掛けた夢の世界とか幻術の類ですか?」
NOVA「レクイエムと、太陽の失墜の間で俺が書かなかったミッシングリンクも含めて、解説ご苦労、カート・オリバー。しかし、一つ間違いがある」
カート「え、それは一体?」
NOVA「その前に改めて自己紹介しておこう。俺はWhite NOVA。時空魔術師にして言霊魔術師、他にも肩書きはいくつもあるが、お前にとって最大の肩書きは、『ラーリオス企画の共同製作者であり、原案者をサポートするだけのつもりが、結果的に主導者になってしまったセミプロ創作家』ということになる。そして、感情移入的にはジルファー先生とロイドの中の人でもあり、作者=物語世界の創造主=神と考えるなら、星王神(と書いてゼオスと読む)にも位置付けられる。まあ、そんなところだ」
カート「え、ええと、やっぱりよく分からないんですけど……」
NOVA「察しの悪い奴だなあ。ジルファー先生の苦労が偲ばれるぜ。だったら、こう例えるとしよう。お前がスターウォーズのキャラクター、ルーク・スカイウォーカーだと考えてくれ」
カート「ああ、それは分かります。ジェダイの騎士、格好いいですね」
NOVA「2017年末の映画で、死んだぞ」
カート「ええ? そんなバカな。2017年ですって? 今は何年です?」
NOVA「2018年7月だ。ちなみに、2015年末にスターウォーズのエピソード7が公開されて以来、正伝外伝含めて、毎年のようにスターウォーズは公開されている。どうだ、羨ましいだろう」
カート「う、羨ましすぎる。ぼくは2016年にゾディアックに拉致されて……って、あれ? それだと、エピソード7の存在ぐらいは知っているはずですよね。何かがおかしい?」
NOVA「俺が2014年にラーリオスの物語を書くのを止めたしな。正直、その辺のつじつま合わせもややこしいと思ったし。現実世界の近未来小説はこれだから面倒なんだ。原案者にとっては10年後なんて遠い未来と思ったのかもしれんが、俺からすれば10年なんて夢のように過ぎちまったぜ。100年は夢また夢、1000年は一瞬の光の矢って奴だ」
翔花「1000年女王? それは一体?」
NOVA「それについても、いっぱい語りたいのはやまやまだが、できるだけ寄り道にならないようにしてみよう。ラーリオス関連で500年の間、君臨する星霊皇だか星王神の設定を、当初、原案者から聞いた時に、俺が浮かんだイメージは1000年女王だ。なお、彼女の地上名は雪野弥生なんだが、惑星ラーメタルでの呼び名はラー・アンドロメダ・プロメシューム。実は銀河鉄道999のヒロインのメーテルの母親の機械帝国女王プロメシュームと同一人物という設定もある。まあ、その辺は作者の松本零士の中で設定が変わっていった面もあるので、時期によってブレるのだが、現在の公式設定は『1000年女王の弥生ことプロメシュームは、メーテルの母親』であり、NOVA的には『トロイメライのイメージソースの一つ』にもなっている。ただし、公然と発表するのは今回が初めてだけどな。2000年代の松本零士関連は十分に追っかけていなかったし、知ってる情報も断片的で、何となくつながった感じでしか意識していなかったわけで」
カート「ああ、そういうことか。分かったぞ」
NOVA「何だよ、唐突に。まだ話は途中だぞ」
カート「それだけ聞けば十分です。こう見ても、ハードボイルド探偵に憧れた男。情報さえあれば、一通りの推理はこなしてみせます。星輝石パワーで洞察力も高まってもいますし、先達からいろいろと教育も施されましたから」
NOVA「ほう、だったら、お手並み拝見と行こうじゃないか。お前の推理とやらを聞かせてもらおう」
カート「ズバリ、話に出た1000年女王とやらは、そちらの女の子ですね」
翔花「え、私?」
カート「そして、トロイメライがかつての1000年女王、すなわち月の星輝士だということは、その女の子が新世代の月の星輝士ということ。あなた方はぼくを太陽の星輝士の宿命から解放するために現れた、と理解した。それは同時に、スーザンをも解放するということ。何故なら、月の星輝士の宿命はそちらの女の子に受け継がれたから。ええとショーカさんといったかな、君が新しいシンクロシアなんだね。初めまして」
NOVA「……おい、カート・オリバー。お前の推理は根本的に間違いだらけなんだが、不思議なことに、結論部分は大きく間違っていない。何なんだ、そのお前の直感的に本質を言い当てる力は?」
翔花「え、それって私がシンクロシアってこと? 花粉症ガールは月の星輝士だった? そんなの有り得ない。私はずっと仮面ライダーBLACK RXの光太郎さんみたいに太陽の子だと思っていたのに。月の光で光合成ってできちゃうのかな? 月に代わって、お仕置きなんてしちゃっていいの?」
NOVA「カートよ、お前の馬鹿げた推理のせいで、娘がピプペポパニック状態に陥ったじゃないか。どうしてくれるんだ?」
カート「え、何ですか、それ? ピプペポパニックって、何かの呪文ですか? ビビデバビデブーみたいな?」
NOVA「……話がちっとも噛み合わん。とりあえず、状況を整理しよう。1000年女王はただの余談だ。結局、寄り道になったどころか、思いきり誤解を招くネタになったみたいだから、話から外してくれ。一度、ルーク・スカイウォーカーに戻すぞ。お前がルークなら、俺はジョージ・ルーカスだと考えればいい。つまり、お前の物語の創造者だ。これで理解できたろう?」
カート「……正気ですか? ぼくにはあなたが誇大妄想狂にしか思えません。まだ、トロイメライの使いだとか、あるいは星王神、ええとゼオスの使者と言われた方が説得力があります。よりによって、ぼくの物語の作者だなんて信じる方がどうかしてます。ゾディアックに拉致されてからというもの、いろいろと不思議な話は聞かされてきましたが、あなたの話ほど荒唐無稽なものはありません。ぼくをからかうのも程々にしてもらいたい」
NOVA「ああ、ああ、分かったよ。お前はそういう頭の固い奴だったよな。現実主義というか、想像力が働かないというか、そのくせ女にはコロッと騙されちまう。俺が説明するより、翔花に説明させる方が楽そうだ。翔花、頼む」
翔花「ええ? NOVAちゃん、そんなの無茶ぶりだよ〜。私、ラーリオスさんのことも、カート・オリバー君のことも何にも知らないし。ええと、私がシンクロシアだってのは、カート君の勘違いってことだよね。私、星輝士じゃなくて花粉症ガールだし、太陽の子だし、シャドームーンさんはNOVAちゃんの役だし……」
カート「ショーカさんは、シンクロシアでも、星輝士でもない? だったら何者? 花粉症ガールって一体?」
翔花「もちろん、NOVAちゃんの娘よ」
カート「何がもちろんなのか、ぼくにはちっとも分からないんだけど、NOVAさんが自称・神なら、星王神ゼオスを呼称したりするのなら、ショーカさんは神の娘の女神さま? ええと、ぜオスってギリシャの神さまだったかな? その娘って、確か……アテナって言ったかな? うう、アテナって聞くと、星輝士としては何だか忠誠を誓わないといけないような気になるんだけど、どうして?」
NOVA「そりゃ、星輝士の元ネタは聖闘士星矢だからな。魂の奥底で敬愛心が芽生えても不思議じゃない。元ネタに敬意を示すのは、パロディを書く者の礼儀だからな。それはともかく、花粉症ガールを無理にギリシャの女神に置き換えるなら、アテナよりも、森の女神であるアルテミスの方が近いと思うんだが、そうなると月の女神にもなってしまうので、話がややこしくなる。そもそも、どうして月と森が同じ神に属する要素なんだろうな」
翔花「私にもよく分からないけど、どちらも影とか闇をイメージさせるからじゃないかな。あるいは月→獣→森とか、そういう連想クイズ的な感じで」
NOVA「なるほどな。一つの仮説として受け入れておこう。それはともかく、シンクロシアを星輝士という狭いカテゴリーではなく、俺の描く物語のヒロインという広いカテゴリーで捉え直すなら、翔花が新世代のヒロインであることは事実だ。極論を言うなら、カレンの要素とスーザンの要素が別の物語でハイブリッドされたのが、ここにいる翔花と言ってもいい。スーパー戦隊的に言うなら、シンクロシアから花粉症ガールにバトンタッチするシーンを見せてもいいぐらいだ」
カート「カレンさんとスーザンを受け継ぐヒロインだって? だったら、ぼくの恋人候補ってことじゃないですか。お父さん、娘さんをぼくに下さい!」
NOVA「突然、何を言ってやがる! 確かに、俺はお前というキャラの生みの親だから、お父さんと呼ばれるのは納得してやるが、だったら翔花はお前の妹ということになる。そんな近親相姦が認められるか! 少なくとも、お前みたいな浮気者に翔花はやらん」
翔花「NOVAちゃん、その理屈はおかしいよ。同じ作者が生み出したキャラが男女の関係になるのが近親相姦になるってことなら、あらゆる作家にとって恋愛物語を書くことがタブーってことになるじゃない。もちろん、私だって選ぶ権利があるし、残念ながらカート君はタイプじゃないけど」
カート「ガーン。どうしてだ、ショーカさん。ぼくの何が気に入らないと言うんだ?」
翔花「だって、カート君、メガネを掛けてないじゃない。それにマッチョで、ちっともスマートじゃない。大体、お前をヒーローにしてやると言われて、一向に信じようとせず、逃げ出すような人じゃなかったかしら。みんなの期待や責任を放っぽり出して逃げ出す男なんて、何が太陽よ。そのくせ、ピンチの時に仲間の星輝士に助けられて、感動したと思ったら、そこからすぐに暗黒の王なんて言い出したりして、仲間を裏切る? 主人公として最低ね」
カート「シクシク。あれは仕方なかったんだ。カレンさんが闇を抱えていたなんて知らなかったし、トロイメライの陰謀に乗せられて……(涙目)」
翔花「ほら、また、そうやって誰かのせいにして。自分は悪くないって言うの? 主体性ってものがないのかしら。人の思惑に流されているだけで、自己憐憫と調子乗りの繰り返し。そんなので、よく主人公になれたわね。おまけに私の物語まで侵食し出して、前作主人公なら主人公らしく、私のピンチに颯爽と登場して助けてくれるならともかく、敵キャラとして登場しておきながら、大して戦うこともなく未練たらしいことをグジグジ言って、しかも女の子に責められたら泣きじゃくる。どこに、私の気に入る要素があるって言うの?」
NOVA「おい、翔花。お前の言うことは誠にもってその通りだが、一つ指摘するぞ。お前、ラーリオスのことも、カートのことも何も知らないんじゃなかったのか。それなのに、よくもそこまで的確にカートの問題点をビシバシ責めることができるな。鮮やかすぎる連続攻撃、トリプルツッコミどころじゃないローリングサンダーで、カートのメンタルはボロボロだぞ」
翔花「そんなの私が知るか。あえて言うなら、花粉症ガールの直感って奴よ。それで納得できなかったら、カレンさんやスーザンさんの魂が私にインスピレーションをくれたとか? とにかく、分かっていることはただ一つ。このカート・オリバーという男が、主人公としては煮えきらず、しかも調子に乗れば、女の敵みたいな振る舞いを平気でするような倫理性崩壊な最低最悪なキャラということよ。こんなキャラだって、書いたNOVAちゃんは自覚しているの?」
NOVA「元々は、女性キャラに翻弄される純情な奥手少年が、周囲にチヤホヤされながら、成長と堕落の両面で揺れながら、悪堕ちしたりもする中で、本当のヒーロー魂とは何か? を問題提起する話になるはずだったんだがな。悪堕ちルートの方に情念がこもってしまって、グダグダになった気がする。こいつの主体性のなさは巻き込まれ主人公というのもさることながら、執筆当時の俺の左足骨折によって現実が主体的に行動しにくかった鬱屈さと、原案者の掲示板上での振る舞い方を反映したのだと分析することも可能だ。そもそも、原案者の一つの理想像である本編主人公の上座雄輝のアンチテーゼとして設定した面もあってな。ただ、悩めるマッチョな主人公だがここぞというところで底力を発揮するというのは、アメコミヒーローの一類型でもあって、ハルクだって、マイティーソーだって、グリーンアローだって、そういう面を見せている。いずれも普段はアクティブな女性に翻弄されたりしながら葛藤しつつ、だけど勢いづいた後は自己犠牲にも怯えることなく、果敢に立ち向かうマッチョな連中だ。方向性は決して間違っていなかったと思うんだがな」
翔花「この子に足りなかったのは、主人公ヒーローとしての揺るぎない信念よ。最初は、スーザンさんへの愛のために戦うとか言ってたのが、浮気したら信念も何もあったものじゃない」
NOVA「そうだよな。せめて、父さんの冤罪を晴らすために戦う初期のフラッシュとか、父さんの遺言を果たす目的で街の平和を守るために戦うグリーンアローとか、家族愛、故郷愛的なバックボーンでもあれば良かったんだが、惚れた女の子への想いだけが原動力で、しかも、その相手が自分の敵になる宿命という物語構造だと、どうしても何のために戦うか、という根幹がブレブレになる。まあ、そういう足元の不安定な中を、不安に苛まれながらも懸命に足掻く主人公ってのを描きたかったんだが、テーマがなかなか難しかったんだよな。反省してる」
カート「さっきから、お二方が話していることは、ぼくにはよく分からないんだけど、ラーリオスがハルクみたいだってことなら、何とかついて行けます。ぼくもハルクに変身するブルース・バナー博士みたいに、メガネのインテリキャラだったら、ショーカさんのお気に召していたかもしれないんですね」
NOVA「誰も、そんな話はしていない。お前の主人公としての精神性が、いかにダメだったかの話をしていたんだ。外見的な要素だけを問題にしていたんじゃなくてな。しかし、メンタルボロボロなお前をこれ以上、責め苛むこともやめておいてやる。それより、最初に俺が言ったお前の間違いな。お前はカレンを殺したと思い込んでいるが、カレンはまだ生きてるぞ」
カート「ええ? 嘘だ。ぼくは確かに……」
NOVA「彼女を庇ったロイドごと貫いて、森の星輝石を奪ったってことだろう? そう、それによって、お前はカレンの魂を肉体から奪いとったわけだ。本当は、星霊皇の呪いによって星輝石の奪取が避けられないと知ったお前は、せめて星輝石と結びついたカレンの魂を切り離して、カレンを助けようとしていたんだよな。だけど、そうと知らぬリメルガやロイドの応戦もあって、魂を操作するという精密な作業は失敗に終わった。カレンの魂を星輝石から切り離そうとして、カレンを殺さずに済まそうとしたお前の思惑は空回りし、魂を奪われたカレンの肉体は意識不明の仮死状態に陥った。しかし、ゾディアックの治療技術で肉体の修復には成功するんだ。カレンは死んでいない。ただし、魂を奪われ、生ける人形、植物状態でな。そのカレンの復活こそが、ソラークのラーリオス本編での行動動機になる予定だった」
カート「カレンさんは生きている? 復活は可能ってことですか?」
NOVA「そうでなければ、カレンを庇って自らを楯にしたロイドが文字どおり犬死にってことになる。俺の好きなヒーロー愛は、ロイドに注ぎ込んだから、たとえ散るにしても無意味な死は避けたかった。だから、ロイドはカレンの命を救った。ただ、魂が奪われることを防ぐのはできなかったんだがな。それは誰にも不可能だった。お前が暗黒の王になる選択をしない限り」
カート「何で、そんなに断言できるんですか、あなたは? 人の未来も、選択しなかった運命についても」
NOVA「何度も言わすなよ。俺は創造主で、物語世界の神に相当するんだから、自分が書こうと思っていた物語展開ぐらいは分かる。お前が信じようと、信じまいとな。ただ、そこまで書ききれなかったのも事実だ。頭の中の想像を目に見える形にするところまでは至っていない。今、それを別の形で断片的に組み立てている最中だ。とにかく、カレンの魂は森の星輝石に封じられたまま、別の物語のヒロイン、日之森梓に受け継がれることになる。彼女はカレンの声に導かれ、新たなラーリオス、上座雄輝と共にゾディアックと戦うはずだったんだが、そっちの物語の作者である原案者は、どうもそこまで物語をリンクさせることを望まなかったのか、こっちの提案を受け入れたかどうかのリアクションも見せずにフェードアウトしたわけで、いろいろ宙ぶらりんになった設定だ。ソラークは本編にも登場し、カレンの魂を取り戻すために梓を執拗に狙うストーカーみたいな立ち位置になるんだが、それも描かれなかった物語だな」
カート「そんな未来が……だけど、そんな未来はまだ描かれていない。NO FATE、運命はまだ決まっていない、そういうことですね」
NOVA「ああ、運命は俺が変える。これはそういう物語だ。左手を出してみろ、カート。そこにはカレンから奪った森の星輝石が埋まっているはずだ。これより星輝石切除手術を開始する。カレンの魂を解放して、肉体に戻すためにな!」
星輝石からの解放
カート「切除手術なんて、そんなことが可能なんですか?」
NOVA「お前が信じれば可能だし、信じなければ可能なことだって不可能になる。強い想いがあれば、それを具現化する。それが星輝石ってものだったろう? 後は、魂の適合性がどうこうってことだが、翔花、森の星輝石はお前との適合性が一番高いはずだ。ちょっと念じてみろ」
翔花「分かった。お願い、森の星輝石さん、カレンさん。あなたを解放してあげる。だから、カート君の肉体から離れてちょうだい」
カート「うわあ。ぼくの左手が焼けるように熱い!」
NOVA「それぐらい我慢しろ。劫火に包まれたジルファー先生やロイド、それにバトーツァの苦しみに比べれば」
カート「そ、そうですね。体のタフさには自信があるんだ。これぐらい耐えられる!」
ボゴッ!
カート「グハァッ!」
NOVA「ムッ、思ったよりもスプラッターな感じだったか。もっと、スーッと抜き出るイメージだったんだがな。まあ、いいや。次に翔花、槍でも杖でも生成して、その先端で空中に浮かんだ緑の石に触れてみろ。いいか、直接、手に触れるんじゃないぞ。お前の体にもしも星輝石が融合してしまったら、星霊皇の呪いが発動して、お前が暴走ラーリオスに襲われる可能性があるからな」
翔花「うん、杖の先で触ったらいいんだね。あ、チグリススタッフに緑の石がうまくハマったよ。ええと、これをどうするの?」
NOVA「森の星輝石が効果を示すなら、その杖はヒーリングの効果があるはずだ。試しに、俺の折れた左脚を癒してくれ」
翔花「うん、チチンプイプイ、痛いの痛いの飛んで行け! 」
NOVA「おお、その安易な呪文はどうかと思うが、効果は抜群だ。折れた骨が治ったぞ。ついでにカートの痛そうにしている左手も癒してやれ」
翔花「NOVAちゃんの頼みなら仕方ないな。本当は、こんな女の敵みたいな奴は癒したくないんだけど。はい、ホイミ」
カート「ああ、痛みが消えた。ショーカさん、やはり君はぼくの女神だ!」
翔花「NOVAちゃん、こいつキショい。私に近寄らせないで」
NOVA「やれやれ。完全に嫌われたみたいだな。こうなると、人間関係、とりわけ男女関係って奴はどうしようもなくなるのは、多くの人の経験で明らかだ。カートはうちの娘に一切、近づくな」
カート「そんな。ぼくはただ感謝の気持ちを表そうと」
NOVA「だったら、素直にありがとうと言うだけでいい。何が女神だよ。そんなセリフを言って許されるのは、もっと線の細い、爽やかな美少年だけだ。無骨なマッチョが『女神さま、萌えー』なんて言って近づいて来たら、うちの娘じゃなくても引く」
カート「いや、『萌えー』なんて言ってないし。そもそも、その『萌えー』って何? 植物の成長性がどうとか、東洋の精神がどうこうとか、バトーツァ辺りが哲学的に語っていたような記憶もあるけど、まだよく分からない」
NOVA「そいつはナード用語だ。ハードボイルドを気取るなら、口に出すことも恥ずかしいので、お前みたいなマッチョは触れない方がいい。それより、切除手術、次行くぞ。次は胸に埋まっているジルファー先生の紫の石、氷の星輝石だ。失墜の物語なら、こいつはランツが命と引き換えに切除するんだが、ジルファー先生と魂の親和性の高い俺なら簡単だ。もう用済みとなった松葉杖のチグリスクラッチの先端を軽く当てて、はい、あっさり釣れた。さしずめ、グラシエ・チグリスクラッチと言ったところか。氷の松葉杖ってアイテムで何をすればいいのか、よく分からんが、夏場は重宝するかもしれん」
カート「おお、あの星輝石がこうもあっさりと。これでジルファー先生も復活できるんですか?」
NOVA「残念ながら、それは不可能だ。カレンは魂が奪われただけで、肉体は残っていたが、ジルファー先生たちは肉体ごと焼滅してしまったからな。魂は不滅な世界観でも、肉体が消えてしまったものは仕方ない。まあ、憑代にできる肉体でもあれば別だが、少なくとも、ジルファー先生が復活するエピソードは考えていない。でも、いいんだよ。ジルファー先生の紫トカゲの魂は、紫のワニの仮面ライダーとして、威風堂々親しみやすく、2018年7月現在、ニチアサで活躍しているんだから」
翔花「いやいや、NOVAちゃん。いくら、げんとくんが好きでも、あの人はたぶんジルファー先生とは違うキャラだと思うわ。たぶん、ジルファー先生って、翔花好みのクールなメガネクイッ系のキャラだと思うの。NOVAちゃんと魂の親和性が高いってんなら、なおさら、そんな感じよね。ジルファー先生に似ているというのなら、同じ紫でも内海さんを例に出すべきじゃないかしら」
NOVA「そうなれば、ジルファー先生がマッドになっちゃうじゃないか。ダメだ、狂気の笑みを顔に貼り付かせて、星輝転装するようなジルファー先生なんて想像できん。あえて、仮面ライダーにするなら、そうだな、これがいいか」
翔花「オーズのプトティラコンボね。確かに紫で、恐竜で、氷の技を使うキャラ。それっぽいんじゃないかしら」
NOVA「コードネームがファフニールだから、こっちもありだとは思うがな」
カート「ぼくには相変わらず、お二方が何の話をしているのか分からないんだけど、壮大な神々の対話なんだから、ただの一般人、モンタナの田舎者には分からなくて当たり前だということは分かった」
NOVA「いやいや、モンタナかどうかは関係ないし。ロイド辺りが聞けば飛び付いてくるんじゃないかな。キラキラ目を輝かせて。それはともかく、いよいよ最後の大物、太陽の星輝石を切除したいわけだが、こいつは何とも厄介だな」
翔花「何が問題なの?」
NOVA「太陽の星輝石と親和性を持った魂というのが考えられない。当然、カートから石を除去するためには、カート以上の親和性が必要なんだが、該当するキャラは本編の雄輝か、初代ラーリオスのカウシュ以外、思い付かん。だが、どちらも俺の創作キャラではないからな。独断で、勝手に使うわけにもいかないんだよ」
翔花「そんなの気にしなければいいのに」
NOVA「いや、そこを気にしてこそ想いが力を発揮するわけで。大した思い入れも必然性もなしに、他人の生み出したキャラをパクったところで、心を伴わなければ命は宿らん。少なくとも、俺の描くキャラは、俺のこだわりを反映させているつもりだ。カートから太陽の星輝石を切除するには、別のアプローチが必要となる」
翔花「だったら、太陽の子の私が……」
NOVA「大切なのは、ただの属性じゃなくて、魂そのものなんだ。お前は植物属性のヒロインとして、カレンの魂の一部を引き継いだ存在だ。だから、森の星輝石と親和性を帯びていた。そして、ジルファー先生の教師属性は、俺に起因するのは間違いない。だが、お前に太陽の星輝士ラーリオスと響き合う魂の絆が、欠片でもあるか?」
翔花「そう言われると微塵もないわね。カート君と響き合うことなんて、ぶっちゃけ有り得ない」
カート「シクシク。ぼくはどうして、ここまでショーカさんに嫌われているんだ。本編では、ここまで女性キャラから嫌われることはなかったのに」
NOVA「主人公補正のおかげじゃないか。だけど、ここは星輝世界ではなくて、花粉症ガールの世界だからな。お前が女性からモテる理由が一切ない。このブログ時空で愛されるためには、飽くなきヒーロー魂が必要なんだ。今のお前に熱く燃えるヒーロー魂はあるのか?」
カート「パワーレンジャーのトミー・オリバーは憧れのヒーローです」
NOVA「ほう。だったら、2004年に放送されたパワーレンジャー・ダイノサンダーで、ドクターOことトミーが変身したのは何色のレンジャーだ?」
カート「え、ダイノサンダー? そんなの知らない。トミーだったら、グリーンかホワイト、それともレッドレンジャー?」
NOVA「フッ、その程度の知識で、お前にパワーレンジャーマニアを名乗る資格はない。正解はブラックレンジャーだ。所詮、お前のヒーロー愛などその程度よ。ロイドの足元にも及ばんわ」
カート「いや、ロイドにヒーロー知識で勝てるとは思っていないし。大体、パワーレンジャーなんて子供の見るもので……」
NOVA「大人だって見るんだよ。だから、2017年にハリウッド映画にもなった。お前、見てないだろ」
カート「見てるわけないでしょう。2016年にゾディアックに拉致されたんだから」
NOVA「本当に不憫な奴だなあ。2015年の『ターミネーター:ジェニシス』だって知らないだろうしな。お前の物語で、お前の好きな映画として登場させた、やや古びたSF作品のシリーズが、2017年目前で次々と復活したり、話題に挙がった時は、お前にもそれらの作品を見せてやりたいって、つくづく思ったぜ」
カート「くーっ。ぼくやスーザンがゾディアックに選ばれていなければ。ぼくがラーリオスでさえなければ。お願いです、あなたは神さまなんでしょ? ぼくをこの忌まわしい、呪われた太陽の星輝石から解放して下さい。これ以上、ぼくは過酷な殺し合いに巻き込まれたくはないんだ」
NOVA「そうしたいのはやまやまなんだけどな。ここは彼女の力に頼るしかないんじゃないか?(虚空を見上げる)」
カート「え、彼女って?(つられて見上げる)」
NOVA「ここは夢と幻の世界っぽいからな。彼女のテリトリーって奴だぜ。そろそろ登場してもおかしくないんじゃないかな」
翔花「何なに? 何の話?」
NOVA「どうやら、お出ましだ」
PON!
小さな閃光と共に出現す。
謎の少女「フッ、久しぶりね。カート・オリバー」
カート「ぼくを知ってる? え、ショーカちゃんがもう一人? 銀縁のメガネを掛けて? 一体、何者なんだ?」
翔花「も、もしかして、2号ちゃん? どうしてここに?」
謎のメガネ少女「私はトロイメライ。夢の世界をさすらう女。今は花粉症ガールの姿を借りている」
カート「ト、トロイメライ!?」
翔花「まさか、嘘!?」
(翔花とカートの前に突如として現れた、トロイメライと名乗る謎の少女の正体は? その答えは、作者と読者のみ知る。そりゃまあ、開始前の雑談で、しっかりネタバレしていますからね。次回、ラーリオス編もいよいよ大詰め「エンド・オブ・ザ・ドリームワールド」に続く)