花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

最初の試練ゲンブ(翔花修行編3)

前回のあらすじ


灼熱の擬似九州の地を旅する花粉症ガールの粉杉翔花と、お供のアシスタントモンスター、略してアシモンのケイP。
1人と1匹は装着変身した騎士形態ショーカ・ドゴラン・キーパー(DK)フォームの姿で助け合い、主にナビモードのケイPの力で、周囲の地形を確かめ、阿蘇を目指し、過酷な高熱に耐え、そして気付く。
そもそも、阿蘇に行って何をするつもりか考えてもいないことに。大体、最初の目的地は、もっと南の離島・屋久島ではなかったのか?

行き当たりばったりの危険な旅路で、どうしようかと困っていたとき、阿蘇の麓にそびえるコンパーニュの塔に住むという日野木アリナお嬢様から連絡が入る。彼女は、翔花と花粉症LINEで知り合った先輩の花粉症ガール、ヒノキちゃんだった。ヒノキちゃんは、白新星という伝説の魔法使いのことを語り、それが翔花の創造主White NOVAなのだと打ち明けた。
そうか、ここのブログ主は、伝説の魔法使いだったのか。初めて知ったや。何てこった、こいつは伝説の魔法使いだぜって、そのままやん。
驚いた翔花は、ヒノキちゃんの迎えを待ちながら、NOVAの過去を教えてもらおうと好奇心を燃やすのだった。
その先に待ち受ける試練も知らずに。

青と赤


ショーカDK「ねえねえ、KPちゃん。ヒノキちゃんの迎えって、どうするのかな? いくらヒノキちゃんでも、NOVAちゃんみたいに時空魔法で瞬時にテレポートしたりはできないよね」

ケイP(ナビモード)『マスターNOVAの時空魔術は、この空想(妄想)タイム空間の創造主としての権限を悪用活用した一種のチート技ですからね。「作者だから俺最強」って言おうと思えばいつでも言える、そういうお方ですが、そんなお話にすれば、読者の方から「え〜、そんなのつまんねえよ。NOVAが活躍する無双話なんて誰が読みたいんだよ。一人で勝手に書いてろ。俺、読まねえし。やれやれ、こんなところで自作自演リプレイ風物語を書いてオナニー一人遊びしてるとは、NOVAの野郎も落ちぶれたものだな。昔はまだ面白かった時もあったのによ。プレ・ラーリオス書いて、原案者をチクチク批判していたときが何よりも面白かった」って批判や抗議の声が聞こえてくるのを警戒しているのではないでしょうか』

ショーカ「KPちゃん、それ、いわゆるメタ発言って奴じゃ」

ケイP『おっと、何やらおかしな電波を受信してしまった模様です。マスターが某・原案者を批判していたのはいわゆる教育的指導、決して悪意とか恨みの類ではございません。そこのところを読者の方には誤解なきよう』

ショーカ「だから、誰と話してるのよ、KPちゃん。きちんとナビの仕事して。仕事をしないポンコツナビに用はない、ってNOVAちゃんならきっと言うわよ」

ケイP『それは、翔花ママの言葉でもひどすぎます。誰がポンコツナビですか。ここまで灼熱の九州の地を無事に旅してきたのは誰のサポートのおかげだと、シクシク』

ショーカ「今のは私の言葉じゃないわ。NOVAちゃんならそう言うだろうって仮定の話よ。それより、さっさと仕事をしなさい。そろそろ、誰か迎えに来ないかしら」

ケイP『おっ、タイミングよく、こちらに接近する機体を感知。何と、通常の3倍の速度で急接近してきます。これは、もしや伝説の赤い彗星のシャア? いかん、すぐに逃げましょう。ルウム戦役では奴一人のために5隻もの戦艦が沈められたと聞きます』

ショーカ「花粉症ガールは、艦娘じゃないから大丈夫。大体、私たちのところに近づいて来るなら、ヒノキちゃんの迎えの乗り物か何かじゃない。逃げてどうしようって言うのよ」

ケイP『おお、翔花ママにしては冷静なご意見を。どういう風の吹き回しで?』

ショーカ「あのね。私は元々、NOVAちゃんがボケた時のツッコミ役。質問とツッコミで、NOVAちゃんの書く記事をスムーズに進行させるように設定されたんだから、その気になれば冷静にだってなれるわよ。それなのに、いつの間にか天然ボケ属性が付与されて、危なっかしいところばかりが強調されて、クールな毒舌キャラが陰を潜めたりもしたのよ。KPちゃんが今回はボケ役を担当しているみたいだから、私が進行役を務めないと、いつまでも修行が終わらないじゃない。こんな修行はさっさと終わらせて、NOVAちゃんのところに私は帰りたいの。限界が近いわ! 一気に決めるんだから!」

ケイP『「そんなのダメだ。翔花ちゃんは天然にボケて、キャーーーーッて悲鳴を上げているところが可愛いんだから。冷静に状況に対処するクールガールなんて、俺の翔花ちゃんじゃねえ」って訴える一部読者の心の声はどうするんですか』

ショーカ「構わん! そもそも私の憧れはクールなメガネクイッな理系ボーイなんだから、翔花が憧れの男子みたいにクールに振る舞って、何がいけないというの? 時代はクールな青よ。だけど、最近は青なのにコミカル属性が付与されて困ってしまう。快盗の青よりも、警察の緑に乗り換えた方がいいのかしら」

ケイP『それもメタ発言って奴じゃ、って、そんなことを気にしている場合じゃありません。ついに、機体が目視可能な距離に近づいて参りました。砂塵を巻き上げて迫り来る、その機体は、うへ、何てカラーリングだよ』

ショーカ「青と赤? KPちゃん、そんなメカに心当たりはある?」

ケイP『検索開始。画像のいくつかを表示』
スーパーロボット超合金 超竜神宇宙鉄人キョーダイン VOL.1 [DVD]ウルトラマンタロウ CCコレクションシリーズ 17 ラビットパンダ 絶版
ショーカ「最後のは何? 画像がうまく表示されていないみたいだけど」

ケイP『絶版商品などのレアアイテムでは時々そうなる模様です。ええと言葉で解説しますと、ウルトラマンタロウのゆるふわ防衛チームのZATの地上装甲車ラビットパンダ。このチームの機体は青と赤のカラーリングに彩られた独特のデザインセンスに溢れた機体ばかり。参考映像はこちらを』

ケイP『残念ながら、ラビットパンダはOP映像には映っていないのですが、チームの雰囲気は伝わったものと考えます』

ショーカ「うん、翼に穴が空いているのに空を飛べるなんて、正に超科学の産物よね。大体、ラビットとパンダのベストマッチって何よ。🐰と🐼でゆるキャラ2乗って、それでも防衛チーム? 一体、そんなので何が守れるっていうの?」

ケイP『それが、翔花ママ、このチームの戦闘能力は、その外見的特異性やチームの雰囲気に反して、非常に侮れない高いレベルにあるというのがウルトラマニアの定評となっております。その事実に気付かず、見た目だけでZATをバカにする者は「見た目だけで中身をしっかりチェックしないニワカファンの浅はかな奴」の謗りを免れないとマスターならおっしゃるでしょう』

ショーカ「どうせ、私は浅はかなニワカファンですよーだ。もうすぐ生まれて2ヶ月めのプリティーベイビーなんだから仕方ないじゃない」

ケイP『でしたら、私などようやく生まれて1ヶ月めの「みんなのアイドル、プリティードゴラン」なのですが、どうしましょう?』

ショーカ「そんなの私が知るか。あ、とうとう、すぐそばに来た。このデザインは……うわ、青と赤のウサギ戦車?」

ケイP『基本デザインはカブトガニみたいなこちらに相当する感じのホバータンクですが、カラーリングが青と赤で、確かにウサギと戦車の意匠を取り込んでおります。この機体をデザインした方は、うちのマスターとさぞかしいい酒を飲めそうでありますな』
特撮メカコレクション 東宝マシンクロニクルVer.1.5-06 スーパーX (映画:ゴジラ1984年公開) 単品

ウサギとカメ


ガチャッ。


ショーカ「うわ、着地したウサギホバー戦車から、誰か大きな人が出てきたよ。マッチョで怖そうなおじさん」

ケイP『翔花ママ、ご用心くださいませ。この灼熱の大地を何の耐熱装備も付けずに、悠々と歩み寄ってくるその巨体。人の姿をしているとは言え、ただの人間では決してあり得ません。警戒は緩めないことを提案します』

ショーカ「うん、分かった。さっきから殺気がピリピリ翔花にも感じるよ。怖いおじさん、誰この人……みたいな怪おじさん。こんな雰囲気を感じたのは、殺人鬼ケイソンさんとの戦い以来だよ」

巨漢『防護用のアーマーをまとった女の子か! そなたが粉杉翔花どので相違ござらんな!』

ショーカ「うわ、声もでかくて、耳にビリビリ来る。そ、そうだよ。私は粉杉翔花、今はアーマーまとっているから、花粉SHOWガール、ショーカ・ドゴラン・キーパー。ドゴラの力を鎧に変えて、守れ勇者の大閃光、ここに見参。不定形の力で気合充填OKね。そう、勇気と気合い、勇気と気合い、こんなところでビビっている場合じゃないんだから。ええと、私は名乗ったわよ。次はあなたの番。女の子に先に名乗らせるなんて、少し礼儀知らずじゃないかしら。それとも、そういう不躾なレディファーストがここの流儀だとでも言うつもり?」

巨漢『これは失礼つかまつった! 我が名はゲンブ! 正式なコードネームはジェネラル・バックラー(General Buckler)! かつての南郷家の忠臣、今は日野木三獣士の一角にして北の将!アリナお嬢様の黒き楯なり! 主君の命により、そなたを迎えに上がった次第、以後お見知り置きを!』

ショーカ「へえ、ヒノキちゃんの御家来の方なんだ。ゲンブのゲンさん。そう呼んでいい?」

ゲンブ『我が主も我をそう呼ぶゆえ、否やはござらん! とりわけ、そなたは主と同じ花粉症ガールゆえ、その呼び名を許容いたす所存! 不躾ついでに、一つ質問をよろしいか?』

ショーカ「うん、どんな質問?」

ゲンブ『先ほど、「ドゴラの力を鎧に変えて」と名乗りを上げておられたが、そのアーマー、もしや伝説の宇宙大怪獣ドゴラの力を宿しておられるのか?』

ショーカ「ああ、ドゴラちゃん、今はKPちゃんに変わったんだけどね。翔花の大切なアシスタントモンスター、アシモンだよ。ほら、KPちゃん、ごあいさつ」

ケイP『外部音声出力モード起動。あ〜あ〜マイクのテスト中。よし、これで外とも会話できる。おっす、おらドゴラ、名前はケイP。ひゃー、おめえ、でっかいなぁ。その背後に浮かび上がるオーラ、もしかして、おめえ亀仙人のじっちゃんか?』

ゲンブ『仙人ではござらんが、亀の加護を受け継ぎしことは事実!一目でそれを見抜くとは、さすがは宇宙大怪獣の眼力よ! そなたの眷属は1964年に、この地を散々荒らしたゆえ、警戒の念はいまだ消えぬが、1965年生まれの亀の眷属にして、大怪獣、もしくは宇宙怪獣の称号を帯びたこともある我としては、1年先輩としての礼儀を尽くす所存なり!』

ケイP『おめえが宇宙怪獣? そいつは経歴詐称もいいところじゃねえか? おめえは純粋に地球産のドジでノロマな亀。それなのに、おらたち宇宙怪獣の末席に名を連ねるなんて、図々しいにも程があるだろ。大体、おめえは外様の大映産。おらたち伝統と格式を誇る東宝怪獣とは出自からして違う。おらはおめえを認めねえ!』

ショーカ「ちょ、ちょっとKPちゃん。この人、いえ、怪獣みたいなゲンさんはヒノキちゃんの命令で、私たちを迎えに来たのよ。いきなりケンカを吹っかけてどうするのよ?」

ケイP『翔花ママは黙っててくれねえか? こいつは、怪獣同士の名誉と誇りをかけた大問題、一歩も引くわけには行かねえ戦いなんだ!』

ショーカ「そ、そんな。KPちゃんが不良になっちゃった(涙目)」

ゲンブ『うむ! アリナお嬢さまの客人ゆえ、不作法はせずと誓ってはいたが! 九州を守る三獣士として、かつて九州を荒らしたというドゴラは見逃しておけんと思っていたところだ! そっちがケンカを辞さぬのなら、そなたの持つ宇宙大怪獣の称号をかけて勝負と行こうではないか!』

ケイP『面白え。大体、おめえは何だ。あの怪獣王さまがお休みになっている90年代のタイミングを、うまく見計らったかのように、ちゃっかり東宝怪獣の地位に座を占めやがって。おまけに、子供に媚びを売りやがって、いつの間にか怪獣王さまのライバルとして持ち上げられるとは。たかだか亀じゃねえか。おらが九州を荒らしたと言うが、おめえだって福岡ドームを破壊した上、その後、仙台消失事件にも関わり、さらに渋谷の大惨事を引き起こし、その上、京都駅まで破壊した。おめえは楯を自称しているが、何も守れていないだろうがよ。おめえみてえな奴が出しゃばったおかげで、元祖宇宙大怪獣のおらにはちっともお呼びが掛からねえ。最近は、おめえも暇しているようだがよ、ちょうどいい。東宝怪獣の先輩として、宇宙怪獣と経歴詐称する生意気な後輩をいつか締めてやりてえ、と思っていたんだ』

ゲンブ『さっきから黙って聞いていたが! 重ね重ねの暴言、許しがたし! 東宝怪獣とやたら偉ぶるが、お主など、世界を股にかける怪獣王さまや、九州を守護する空の大怪獣さまや、その他、数々の名優と称されし地球怪獣たちに比べ、たった一作しか出演作を持たぬマイナーもマイナー、超マイナー怪獣もいいところではないか! お主ごときに宇宙大怪獣の称号はもったいない!その肩書きは我にこそふさわしいというものよ!ここに怪獣ファイトを申し渡す!』

宇宙大怪獣決戦


翔花「ちょ、ちょっと、KPちゃんもゲンさんも、二人ともケンカはやめて。翔花ちゃんはケンカがしたくて、ここに来たんじゃないんだから。ヒノキちゃんの家来衆の方とケンカなんてなったら、ヒノキちゃんと仲良くお話しできなくなっちゃう(涙目)」

ゲンブ『心配ご無用! 我は婦女子に向ける刃を持ち申さん! そなたは危険ゆえ、我が乗騎ラビットタンクの中にて休まれるが良かろう! 我はこの生意気なドゴラ坊主を一捻りすれば、すぐに本来の職務に戻るゆえ、ごゆるりとお待ちあれ!』

ケイP『カーーッ、亀の親父ごときがおらを一捻りだと? 幼生体とは言え、おらの本能はお前ごときに負けん、とブクブク泡立っているぜ。ここらで実力以上に有名になった亀をぶっ倒して、東宝怪獣にドゴラありってところを空想(妄想)タイムの読者のみんなに見せつけてやらねえとな。当然、おらは亀仙流じゃねえから、かめはめ波は使えねえが、ドゴン波だったら使えるかもしれねえ。せっかくの修行のチャンスだ。ちょっとばかり本気出させてもらうとすっか。翔花ママは危ねえから、下がっててくれよ。ここはおら一人で十分だ。宇宙大怪獣の誇りにかけて、絶対に負けられねえ』

ゲンブ『フン! 小僧っ子の分際で、宇宙大怪獣を気取るとは片腹痛いわ! その称号は、イカみたいな宇宙人怪獣や、頭に包丁付けた大悪獣など数々の宇宙怪獣を倒してきた我にこそふさわしい! そう、我の飛行する姿は宇宙人の円盤に似ているとの声もある!宇宙円盤大怪獣、略して宇宙大怪獣ということなら読者も納得できよう!』

ケイP『ケピッ? おめえ、ポッと出のゲストキャラごときが、いきなり読者に媚を売るだと? やっぱ、おめえはそうやって、媚びながら人気を稼いできた口だな。宇宙円盤大怪獣を名乗るなら、おめえは円盤獣だろうが。宇宙の王者さまにダブルハーケンで切り刻まれ、スペースサンダーでとどめを刺されればせいせいするってもんだぜ』

ゲンブ『不毛な舌戦の時は終わった! これより戦に突入す! アリナお嬢さま、封印を一部解除いたしますぞ! お叱りは後でいかようにも承る所存! 今は騎士の誇りが何より優先致すゆえ! GバックラーおよびGダイナミックブレード来たれ、ゲンブの名の下に! ナチュラルアーマー活性化! 玄人武装ジェネラル・バックラー、ここに見参! この硬き装甲、貫けるものなら貫いてみせい!』

ケイP『翔花ママ、おっさんはいよいよ本気みたいだぜ。バカな挑発をしたと笑わないでくれよな。おらにだって男として、宇宙大怪獣として、引くに引けねえ時がある。さあ、本当に後がねえ。短い付き合いだったが、おらは翔花ママに会えて、幸せだったぜ。マスターによろしく言っといてくれ。おらは最後まで勇敢に戦った伝説のドゴラだったって。さあ、ドゴランアーマー装着解除してくれよ』

ショーカ『バカ、KPちゃんのバカ! 勝手にケンカ吹っ掛けて、勝手に死に場所まで決めるなんて。そんなの絶対に許せない! 大体、さっきから何よ! 二人して翔花をのけ者扱いして。この物語の主人公は誰よ! 『翔花伝』って正式タイトルまでNOVAちゃんが付けてくれたんだから。それなのに、アシモンと家来のおじさんだけで勝手にバトル展開に持ち込んじゃって。これじゃ、誰が主役か分からないじゃない。いい? 主役は私、粉杉翔花なの。バトルするなら、私の修行にならなきゃ、意味がないじゃない。KPちゃんだけを戦わせるわけにはいかないわ。大体、変身解除しちゃ、KPちゃんはネコ耳ハロよ。そんなので頑強亀おじさんとどうやって戦うつもり?』

ケイP『うっ、それは……』

ショーカ「大体、ゲンさんもゲンさんよ。ヒノキちゃんから私を迎えに来るように言いつかっているんでしょ? それなのに私のアシモンと戦うだなんて、ご主人さまの命令に逆らうつもり?」

ゲンブ『うっ、それはだな! 我が主君より承った使命は粉杉殿、そなたを無事にコンパーニュの塔に送り届けること! そなたさえ無事なら、危険な宇宙大怪獣の運命など我が関知するところではござらん! ささ、粉杉殿、その異生物は潜在的危険を備えしゆえ、花粉症ガールには相応しくないと判断する! この我を口汚く罵りしこそ、何よりの証拠! おとなしくビークルの中に退避し、全てはこのゲンブにお任せあれ! 決して悪いようにはいたさぬゆえ、伏してお頼み申す!』

ショーカ「いやだ。ゲンさんがKPちゃんと戦うのなら、私はKPちゃんを守って一緒にゲンさん相手に戦うわ。ショーカ・ドゴラン・キーパーは二心同体なの。アシモン見捨てて、私だけ逃げ出すなんて、そんなの絶対耐えられない。だって、私はKPちゃんのママなんだから」

ゲンブ『しかし、我には粉杉殿と戦う理由が……』

ショーカ「理由なんて作ればいいじゃない。そうねぇ、宇宙大怪獣の称号が欲しいって言ってたわよね。だったら私も宇宙大怪獣にだってなってやる!」

ケイP『ちょっと、翔花ママ、いきなり何、言ってるのさ? 宇宙大怪獣になるって、そんなこと簡単に……』

ショーカ「さっきから、あなたたちの言い争いを聞いていると、心の中に聞こえる声があるのよね。チグリスフラワーの力がどうこうって。これって何かの力の覚醒の前触れかしら?」

ケイP『チ、チグリスフラワーって、もしかして?』

ショーカ「ええ、宇宙大怪獣決戦、この粉杉翔花もエントリーさせてもらうわ。ドゴラちゃんと円谷タッグで、宇宙大怪獣アストロモンスの力を覚醒させてね」
ウルトラ怪獣シリーズ 34 アストロモンス

ゲンブ『ア、アストロモンス……だと!?』

ショーカ「(にっこり)そうよ、チグリスフラワーの導きの元に、今、ショーカDKフォームはさらなる力、ショーカDKTフォームに進化する。宇宙の神秘を感じてね」

ケイP『ドゴラン・キーパー・チグリス。ヒャーー、ドゴランアーマーの胸部装甲に花の意匠が付加されていく。何だか力が湧いて来る気分だ。翔花ママの植物の精霊パワーが開花したようだな。その機能は未知数。しかし、これならあのガメラ相手でもやれるであります。おら、ワクワクしてきたぞ』

ゲンブ『フッ、粉杉殿! 「そなたの力はそなたの物ではない、そのアーマーの性能のおかげだということを忘れるな!」先程まではそういう言葉を口に出そうかとも思っていたが! しかし、我はそなたをたかが小娘と見くびっておったようだ! 面白い! 見せてもらおうか、我が主、日野木アリナお嬢さまが認めた花粉症ガールの力とやらを!』

ショーカDKT「望むところよ。粉杉翔花、ドゴラン・キーパー・チグリスいきまーす!」


(こうして、翔花とケイPは、ヒノキちゃんところの運転手のゲンブおじさんと、宇宙大怪獣の座を掛けたバトルに突入したのであります。ええと、どうしてこうなった? 本当なら、ゲンブおじさんが翔花たちをラビットタンクに乗せて、今ごろはコンパーニュの塔に到着し、歓迎パーティーの真っ最中のはずだったのに。プロット段階ではそうなるはずだったのに。だけど、こんな話が唐突に頭をよぎったんだから仕方ない。正にチグリスフラワーの導きとか、宇宙の神秘って奴だな。
次回、ショーカDKT対ジェネラル・バックラー。こうなったらバトル一本で書き通す所存)


PS.本記事の執筆は、翔花のイラストを描いてくれたたささんの協力もあるので、感謝とともに、アイデアの紹介をば。まず、第2の花粉症ガールとして登場予定のヒノキちゃんこと、日野木アリナお嬢さまは全面、たささんのアイデアです。ヒノキちゃんのイラストももらっているのですが、まだ出会っていないので、使えず仕舞い。そのうち、使わせてもらいます。
次に、今回の話では、ゲンブおじさんの乗り物ラビットタンクは、NOVAではなく、たささんのアイデア。いや、NOVAのツボでもあるので、早速採用。
ゲンブおじさんというキャラはおおむねNOVAのアイデアですが、細部をたささんのイメージ案も混ぜております。あ、ヒノキちゃんに3人の従者がいるのは、たささんのアイデアですが、ゲンブ、ビャッコ、セイリュウという3つを土台にしたり(シンカリオンの影響も大きく、その番組をNOVAに紹介してくれた一人もたささんだったり。今年はお世話になりまくりです)、怪獣属性を付与したのはNOVAのアイデアで、まあ、その辺をブレインストーミングしながら、ある程度イメージを共有できた段階で、NOVAがストーリー化という流れになってます。
それと、ヒノキちゃんの住まいであるコンパーニュの塔の名称などはたささんですが、その際の住所はNOVAの住む関西。九州にした理由は、翔花の修行にヒノキちゃん設定を絡めたかったのと、雑談が進むにつれて、ヒノキちゃんは火属性、火だったら九州だよね、阿蘇がいいよね、って感じにまとまって、現状の設定になっています。
まあ、たささんはイラスト他、設定雑談で、NOVAのイメージを膨らませてくれるので、ありがたい共同製作者となっております。


以上、執筆裏話終了!