花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

有言半実行について語ってみる

翔花「NOVAちゃん、おはよう」

NOVA「おお、俺はこれからビルドを見て、昼からアベンジャーズなどを見に行く予定だが。それと、早起きして、どこかで単数形の『アベンジャー=復讐者』記事を書き終えて来たぞ。つまり、今日はいろいろアクティブで忙しく充実した一日を過ごす予定だ。そんな気合充填絶好調な俺の隙間時間に何だ?」

翔花「忙しいのは分かっている。だから、動き始める前に記事の予約を入れておこうと思って、声を掛けたの」

NOVA「記事の予約? 何の話だ?」

翔花「うん、NOVAちゃんが前に好きだと言った四文字……じゃなくて五文字熟語の有言半実行について考えてみて、頭の中が整理できなくて、言った本人に聞いてみようかって」

NOVA「ああ、それか。じゃあ、ちょっと整理してみるとするか」

有言実行シスターズ

NOVA「まず、四文字熟語として最初にあったのは『不言実行』だ。これは分かるよな」

翔花「うん、男は黙って、つべこべ言わず、行動で示せっていう昭和の価値観ね」

NOVA「昭和というか、それ以前からあったような気もするのだが、出典がはっきりしないので、ここは古くからある言葉と曖昧に留めておこう。それに対して、新しく生まれたのが『有言実行』だ。この言葉は、平成に入った1993年の酉の年には確実に存在していたことが確認されている」
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翔花「1993年ということは、今年で25周年ね」

NOVA「ああ、本作のトピックはいろいろ語る点があるが、何よりもウルトラマンとの共演と本作ヒロインの一人(月子)が一時期、平成ウルトラの常連女優になったこと、そして別のヒロイン(花子)がカクレンジャーの鶴姫になったこと、ついでに言えば、実写美少女3人戦隊の走りになったことが挙げられるな」

翔花「それまでは、3人組ヒロインってなかったの?」

NOVA「ないわけではないが、例えば85年の『スケ番刑事II』は南野陽子演じる主人公・麻宮サキに二人のサポーターが付いてきて三人体制だったし、続編の3作めだと風間三姉妹を前面に打ち出していたから、そちらをシュシュトリアンの三姉妹ものの原型と見なすこともできるがな。しかし、やはり明確に主役が設定されていて、三人が同格というわけではなかった。シュシュトリアンの場合、いちおう、長女の雪子を主役と見なすこともできるが、彼女一人が特別扱いされたわけでもなく、ドラマ状の立ち位置は同格だったと言えるぞ。戦隊なら赤が主役と見ることもできるが、シュシュトリアンでは雪子が黄で、月子が青で、花子が赤という構成で、だったら花子が主役かと言えばそんなことはない。つまり、年齢枠からのリーダーシップや、カラーリング上の主役っぽさはあるかも知れないが、三姉妹揃って主役と考える方が自然な作品になっているわけだ」

翔花「つまり、このブログのように、私一人が主役という作品じゃないということね」

NOVA「ちょっと待て。このブログの主役は、このWhite NOVAに決まっているだろうが。ブログ主は俺だし、そのことはブログ名にしっかり記載されている」

翔花「だったら、NOVAちゃん。『Drスランプ』の主役って誰だと思う?」

NOVA「そんなもの、アラ……じゃなくて、Drスランプの異名を持つ則巻千兵衛博士に決まっている」

翔花「惜しい。今、アラレちゃんって言いかけたでしょう?」

NOVA「アニメ版だと、タイトルにアラレちゃんの名前が入って、そういう誤解を招きそうだな」

翔花「だったら、このブログもアニメ化して、タイトルに私の名前を付けるというのはどう?」

NOVA「誰がアニメ化するんだよ、こんな物……って、自分のブログを自分で卑下してちゃダメだよな。うん、きっと、どこかの奇特なアニメ制作者がうちのブログを見て、アニメ化を考えてくれるかもしれない」

翔花「絶対に無理ね」

NOVA「お前、ここまでアニメ化を持ち上げておきながら、いきなり梯子を外すなよ」

翔花「だって、NOVAちゃんは、どう考えたってアニメの主役を張れるキャラじゃないわよ。あえて役割を考えるなら、天才美少女ヒロインのサポートをする博士役か、良くて司令官役といったところね。もりもり博士か、せわし博士か、のっそり博士のどれがいい?」

NOVA「だったら、もりもり博士で……ってダメだ。その選択肢を選ぶと、俺、死んじゃうやん。危うく罠にはまるところだった。俺は、弓教授を選ぶぞ」

翔花「それなら、私は弓さやかということになるわね」

NOVA「主役は甲児くんだぞ。誰がやるんだ?」

ケイP『マジーン・ゴー! パイルダー・オーン! 人の命は尽きるとも、不滅の力、ドゴンラーZ♪』

NOVA「さて、翔花。帽子が自己主張に励んでいるようだが、お前に言葉の意味が分かるか?」

翔花「いいえ、NOVAちゃん。KPちゃんは、ちょっと疲れているから、意味不明の戯言が出てくるのよ。お薬打っておこうかしら。ハチ毒エキス入りのお薬を」

ケイP『けぴっ? ぼくは元気です。正常です。自分が主役に成り上がろうなんて、そんな大それたことを考えるはずがないじゃないですか。そもそも、ぼくは主役映画をすでに持っている身ですし、今さら、こんなチンケなブログの主役になど』

NOVA「帽子は黙れ」

ケイP(また、このパターンで発言権を奪われるんだね、シクシク)

誰が主役?(30日朝に記事書き)

NOVA「ところで、この記事、主役がどうこうって話じゃなくて、元々は、有言半実行について書く予定だったんだよな。何で、こうも変な方向に脱線したんだ?」

翔花「NOVAちゃんも昨夜は疲れていたんじゃない? お薬いる?」

NOVA「ああ、ハチ毒じゃなくて、ハチミツレモンとかそういう柑橘系の飲み物があれば嬉しいな」

翔花「うん。コーヒーは無理でも、それなら何とかなるかも。試しに作ってみるね」

NOVA「おお、なかなか気が利くじゃないか。さすがは我がアシスタントガール」

翔花「はい、できたわ。飲んで」

NOVA「ゴクゴク。ブホッ。これ、ただのハチミツじゃないか。レモンとか柑橘系はどうなった? 甘ったるくて、飲めたものじゃない」

翔花「そんな。せっかく、私、NOVAちゃんのために頑張って作ったんだよ。レモンとか、蜜柑とかは、私、そういう精霊じゃないし、作れなかったんだもん。それでも、NOVAちゃんへの愛情たっぷりのハチミツ、飲んでくれないの?(涙目)」

NOVA「う、そう泣かれると飲まないわけにはいかないじゃないか。だが、ハチミツだけゴクゴクというのも難しいぞ。よし、こうなったらハチミツとコーヒーで混ぜてみるぞ。これなら何とかなるかも」

翔花「コーヒーハニーって感じね。こっちも10年ほど前に、3人組の実写ヒロインアクションが作られたらしいけど」
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NOVA「ああ。(ゴクゴク。ハニーコーヒー意外といけるやん。さて、と)『キューティーハニー THE LIVE』か。キューティーハニーは1973年のアニメ化以来、元祖お色気アクションヒロインアニメとして、結構リメイクされている。ハニーは魔法少女ものの系譜とスーパーヒロインの系譜のベストマッチだが、この年は正統派魔法少女ものに位置づけされる『ミラクル少女リミットちゃん』もあって、主人公のリミットちゃんも人間じゃなくて、サイボーグという設定で実はハードな雰囲気だったり。まあ、キャシャーンと同時期放送という背景もあったりして、メカとかサイボーグとか、そういうのが旬だったんだろう」
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翔花「73年といえば、ケイソンさんの生まれる10年前ね。NOVAちゃんは何才だったの?」

NOVA「2才だから物心は付いていないな。この時期のアニメや特撮は再放送とか映像ソフトで結構補完した。もちろん、見るまでに至らず、書籍情報やwikipediaで補っているのもあるがな。元祖ハニーは見たが、リミットちゃんは未見だ。懐かしアニメの主題歌集で見て、『おお、サイボーグ少女か』と萌えたりもする」

翔花「NOVAちゃんは人外萌えなところがあるもんね」

NOVA「ああ。だから、お前みたいな花粉症ガールなんてものを生み出せたのかもな。さすがに、こういう性癖だと現実の女性に恋なんてできないだろう。いや、現実に宇宙人とか、アンドロイドとか、サイボーグとか、精霊少女とかがNOVAの周りに出現すれば、今さらながら恋に落ちるのかもしれないが、さすがに時期を逸したような気がする……って、俺の隠れた(?)性癖の話はどうでもいいんだよ。それより、キューティーハニーだよ」

ケイP(有言実行の話だと思うんだけどな。言葉を封じられると、脱線を指摘することもできないや。プルプル)

NOVA「そして、ハニーと同時代の特撮は、ジャンボーグAやら、ロボット刑事やら、キカイダー01やら、レッドバロンやら、メカ物から引き続き、戦うヒロイン要素が付与されたりもする。一つの特撮黄金期なんだけど、光あるところ必ず影がある。魔神ハンターミツルギとか、風雲ライオン丸とか、白獅子仮面とか、鉄人タイガーセブンとか、ダイヤモンドアイとか、いわゆるマイナーヒーロー枠で、誰かが機を見て語ってやらないと、悪霊化しそうな連中もゴロゴロしている。まあ、ダイヤモンドアイは光の戦士だから、まず悪霊化などはせず、むしろ悪霊を見破る外道照身霊波光線がマニアックなネタとして使いやすいので、作品そのものの知名度の割にカルト人気を誇ったりもする。まあ、この変身しない特撮ヒーローの系譜が、その後に『アクマイザー3』に受け継がれて、結局、悪霊化したような感じだったのが、まあ、正義の心に目覚めたおかげで、さらに転生して、神さまを超えちゃった超神になったと思ったら、その後、仮面ライダー映画の悪役にまた成り下がったり、なかなか過酷な道を歩んでいるんだが」

翔花「……NOVAちゃん、凄い勢いで脱線して、もはや道のない荒れた原野に、レールをどんどん敷いて行っちゃってるよ」

NOVA「夢を忘れない大人だからな。時代を泣かせるわけにはいかない。ZZ」

翔花「ああ、NOVAちゃんが眠りそうになってる」

NOVA「なってねえよ。コーヒーハニーの力で目覚めスッキリだ。よく見ろよ。Zは二つしか書いてないだろう。眠りの表現はZが三つだ。だから、第2次Zまでは結構盛り上がったのに、第3次Zで失速してしまい、あわやシリーズが休眠期に入ってしまう状態にもなった。言霊とはかくも恐ろしいわけで」

翔花「NOVAちゃんが何の話をしているのか、やっぱりちっとも分からないんだけど、これを読む読者の人には分かってくれる人もいるだろうって、NOVAちゃんは期待しているんだね。うん、そういう奇特な人が一人でもいればいい、と翔花は思うよ。最初は、NOVAちゃんが粉杉翔花の名前をもっと積極的にアピールしないといけないとか、ブログタイトルも『White SHOKAのスーパー花粉症タイム』に変えた方がいいんじゃない? とか、言おうと思ったんだけど、そういうのは全部、吹っ飛んじゃった」

NOVA「今年に入って書いた記事のうち、[花粉症]タグの使用割合が一番高いとか、念のため数えてみたけど、今年になって書いた記事は[つぶやき]なんかも含めて60程度。そのうち、[花粉症]タグが付いているのが25記事。つまり、今年のこのブログの4割以上が翔花の登場する記事というわけ。この調子なら、翔花の登場が半分を超え、6割に達するのも時間の問題ね……などと、翔花が言いたいことは分かった」

翔花「どうして分かるのよ?」

NOVA「俺を誰だと思ってやがる? 時空魔術の専門家だぜ。それぐらいの未来は時々分かる。書こうとして、そこに辿り付かずに、違うルートを歩んだボツ記事の未来像とかな。さすがに、無数の未来を読み通し、そのうちの自分たちが勝てる唯一の道を選んだであろうストレンジさんには到底及ばないが。前世でシャーロック・ホームズやったり、悪竜スマウグやったりした人だから、あんなことで諦めて自滅したはずがない」

翔花「それ、何の話?」

NOVA「もちろん、この時期にストレンジさんと言えば、『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』に決まってるだろうが。昨日、この記事を書く前に、映画を見に行くという話をしただろう? お前も土産話を期待していたはずだが」

翔花「アベンジャーズについて書くなら、そういう記事タイトル付けて書かないと、私どころか読んでる読者の皆さんも混乱すると思うの。NOVAちゃんの頭の中のカオスに、読者をいっぱい引き摺り込もうとするなんて、あなた、ドン・ホラーか、魔王サイコ?」

NOVA「いや、せめて時空戦士のバイパススリップ、と言って欲しいんだが。とにかく、このままだと記事がカオスになることは分かった。すでに手遅れかも知れんが、頑張って整理するぞ。ただし、これだけは言っておく」

翔花「何?」

NOVA「このブログの主役は、粉杉翔花ではなくて俺だ。アベンジャーズの映画を見に行ったはずなのに、主役が敵役のサノスだったと分かってしまった以上、これ以上の乗っ取りを許容するわけにはいかない。正にサノスに始まり、サノスの成長を描き、サノスの勝利に至り、そして最後に『(アベンジャーズではなくて)サノス・ウィル・リターン』とまで徹底しているからな。予告で語られているように、アベンジャーズ全滅までは行かなかったが、予期していた『旧世代全滅、後は新世代に託します』という予定調和でもなく、『新世代消滅、残された旧世代の皆さん、これ、どう収拾をつけるの?』って終わり方だ。まあ、このまま新世代が消えたまんまじゃ、彼らの続きの映画が作れないので、復活することは予定調和なんだろうけど、まさかの最近、自分の映画で主役を張ったばかりの黒い国王まで消えちゃうとは思わなかったぞ。俺の今、好きな四文字熟語は『国(黒)王消滅』だ」

翔花「だから、整理して話そうよ」

NOVA「無理だ(キッパリ)。アベンジャーズについては、いろいろ語りたいネタはあるのだが、俺の頭がまだ整理しきれていない。だから、最初の劇的な感想だけをここに書き残した。整理するのは、また時間をかけてじっくり、ということになりそうだが、それじゃ遅すぎるとも思うので、断片だけでも触れておこうとな」

翔花「はいはい。もう主役はNOVAちゃんでいいから、主役になりたい翔花の野望はまた今度でいいから、今はこの記事を完成させようね」

有言半実行の意義

NOVA「結局、翔花が聞きたかったのは、この小見出しなんだよな」

翔花「うん、ハニーとか、73年の特撮ヒーローとか、どうでもいいんだよね」

NOVA「俺にとっては、どうでもよくないんだが、カオスじゃなくて秩序、整然とした世界を目指すためには、自重する。では、整理するのに有効な座標軸4分割分析を試みよう」

  1. 有言実行
  2. 不言実行
  3. 有言不実行
  4. 不言不実行

翔花「ああ、こう区分すると分かりやすくなった気がする」

NOVA「うむ。慣用句として昔からあるのは、2なんだけど、はてな用語には登録されていないようだな。気になるので、今、自分で登録してきたわ。自分が書いたものを引用するとこうなる」

言葉でいうよりも、行動を重んじること。
寡黙な職人魂を体現した言葉として、昔から「男は黙って行動するという昔気質の人を美化する」のに使われて来たけれども、
近年は「無口な男はつまらない」「いつも黙っていては何を考えているか分からない」「何も言わずに突然実行に移すのではチームワークが取れない」などの問題が見られ、必ずしも評価されないこともしばしば。

せめて、掲示板やブログでは、「自分が何をしたいか」ぐらいは宣言して、それに対する周囲の意見ぐらいは確認してから、行動に移すとトラブルが減ると思う。そもそも、掲示板やブログでは、「発言=行動」になることが多いので、不言実行は難しいのだけど、「宣言なしにブロック」とか「宣言なしに掲示板削除」とか、そういうネガティブな行動も多々あるので、そういうのはさすがに美化できない と考えられる。

翔花「NOVAちゃんは、『不言実行』という言葉をあまり高くは評価していないの?」

NOVA「昔から、家庭ではそういう教育を受けていたからな。食事中は喋るな、とか、男の喋りはみっともない、とか、父親がそういう寡黙系職人肌な性格だったから、幼少期は自分をさらけ出さないことが美徳だと考えていた」

翔花「でも、今はずいぶんと冗舌になっているよね」

NOVA「まあ、その辺は紆余曲折あるわけだが、寡黙よりも冗舌の方が結局楽しいし、人付き合いをして自分の世界を広げるには冗舌なやりとりや、コミュニケーション作法を学ばないと、と思いきって、父親の呪縛みたいなものを断ち切って、自分らしく、を目指してきた流れがある。それに、父の昔気質の寡黙な漢らしさは決して嫌いじゃないんだぜ。自分の作業に集中するときは俺だって黙々とやるしな。ただ、今の自分の仕事は、手作業よりも言葉を使った作業が多くなるので、必然的に寡黙じゃやってられないというのもある」

翔花「昔のNOVAちゃんはどうなの? ケイソンさんの中にいた秀ちゃんって、そうだよね」

NOVA「まあ、あの時は暗かったよな。真面目だけど融通の利かない、だけど好きなことにはとことんハマり込む一点集中型。多様性? 何それ? ぼくはこれだけやりたいんだから放っておいてよって感じかな。そして、自分は誰からも理解されないんだと思いながら、自分を理解してくれる数少ない親友だけに自分をさらしながら、時にはうまく行くことも、時には自滅することもあって、まあ、程々の距離を維持できたかな。決して踏み込み過ぎず、好きな話題を分かってくれる相手に思う存分話したり、時には『弱くて暗い奴』と見なされてイジメの的に合うこともあったけど、その時は窮鼠猫を噛む精神で、徹底してやり返したりもした。キレ方が凄まじくて、泣きながら噛み付いたりもしたので、まあ情緒不安定な印象を与えたりもしたけど、勉強だけはトップレベルにできたので、下手に突かなければ『真面目な優等生』の顔を維持できた」

翔花「でも、その裏で、殺人鬼の物語を考えたり、ゾンビになって人に噛み付く自分を妄想したりもしていた、と」

NOVA「妄想で済んで良かったけどな。一歩道を踏み外せば、仕事人みたいに人を殺していても不思議ではなかった」

翔花「どうして殺さなかったの? いや、別に殺して欲しいとかそういうことじゃないんだけど……」

NOVA「う〜ん、妄想小説でいっぱい殺して、鬱憤を晴らしていたからかな。これで本当に殺人事件を犯していれば、90年代よりも先に『心の闇』云々と騒がれていたかも知れないな。曰く、こんな小説ばかり書いていたから、人を殺してしまったとか。逆だっちゅうの。そういうリビドーを適度に発散するために、フィクションで満足してる人も大勢いたろうに、そういう人に迷惑をかけない自己発散さえ封じ込めようとするのは、逆効果だと俺は主張するね」

翔花「NOVAちゃんの人を殺したいというリビドーは、私には理解できないわ」

NOVA「俺だって理解できないよ、自分のこととはいえ。だけど、俺はそれをフィクションに封じ込めたと思う。あるいは……誰も俺に仕事料を払わなかったから? 中村主水曰く、『銭もとらずに仕事はやっちゃいけねえ。そうしてしまえば、人間思い上がって、歯止めが利かなくなるからな。思い上がって自分が正義だと思い込み、頭に血が上った奴ほど、始末の悪い者はいねえ。人間、何事も程々が一番よ』って感じだったかな。いろいろと影響を受けやすい多感な時期だからこそ、中村主水のそういう言葉が、自分にブレーキを掛けてくれたんだな、と思うこともある」

翔花「つまり、NOVAちゃんにとって、中村主水が人生を教えてくれた師匠の一人だったわけね」

NOVA「まあ、そうなるかな。さすがに『徹頭徹尾、手抜きでいきます』とまでは言えないけどな。誰に対しても、見習えるところと見習えないところがある。理解することと、無批判で受け入れることは別物だが、その辺を混同すると、受け入れたくないものに対して理解すら拒絶することになるし、『気持ちは分かるけど、同意はできない』という言葉に対して、何だか裏切られた想いに駆られることだってある。さて、不言実行の話に戻ろうか」

翔花「不言実行は、NOVAちゃんの辞書では、褒め言葉ではない、と言うことね」

NOVA「まあ、多かれ少なかれサプライズを伴うからな。決められた仕事を黙々とこなす機械みたいな人間が重宝された時代にはそれでもいいが、今は個性とか、他人と違った自分をアピールすることが求められる時代だろう? だったら、何も言わずに行動だけする人間は、上手く周囲の期待に応えていればいいが、いわゆる空気を読む対応と言えるが、それを読み外してしまった場合、独り善がりな身勝手に見えてしまう。決められた作業なら、そういうトラブルは少ないが、各人がアイデアを持ち寄る場面で、寡黙なのは美徳でも何でもない。それこそ発言の手抜き、言葉足らずって奴だな。せめて、『誰々さんの意見に同意します。ただ、この点だけは気になるので、検討してみてはいかがでしょうか』ぐらいの返しはできないと、話を聞いているかどうかすら伝わらん。不言実行で良いのは、決められた作業をこなす時と、サプライズなプレゼントを贈ってくれるときぐらいだな」

翔花「確かに、私もイラストを突然、書いてもらったときは、一瞬戸惑ったけど、その後で喜びが湧き上がったもの。つまり、良いことをするときは不言実行でもいいのだけど、良いか悪いか曖昧なことを不言実行でされては、時に大きな迷惑になることもあるって解釈でいいのでしょうか、NOVA先生」

NOVA「ああ。だから、翔花のブログ乗っ取り計画だって、何も言わずに突然、そんなことをされちゃ、こっちはたまったものじゃないが、俺が忙しいとき、そうだな、夏休みの時期なんかに、翔花が代わりに記事書きしてくれるってんなら、俺は引っ込んでいてもいいかな、と思ったりもする」

翔花「え、ホント?」

NOVA「俺の言葉は半分が妄言だが、今はお前の成長次第と言っておく。これが有言半実行って奴だ」

翔花「どうして、1の有言全実行じゃないのよ。自分が言ったことぐらい、きちんと守りなさいよ」

NOVA「そりゃ、そうできるよう目指すけどな。だが、俺は完璧な人間じゃない。言ったことを全て守り通そうとすれば、負担が強くのし掛かってきて、『だったら何も言わずに負担を増やさない方向で生きる方が、責任を感じなくて済むので賢明』という論理的結論になる。『言えば必ず実行する』の裏返しは『実行したくなければ、何も言わない』につながり、杓子定規に考えれば、それは4番の不言不実行の精神だ。1と4は一見、真逆に見えるが、ネガティブな気分の時は、結局一緒の論理になるわけで」

翔花「う〜ん、その理屈は複雑だけど、分かる気がするわ。1を守り通そうとして、守れなければ4に堕してしまう。真面目な正義漢のヒーローが、その理想を達成できないと絶望したとき、たやすく闇に飲み込まれてしまうような感覚かしら。これぞ、THE悪堕ちって感じ?」

NOVA「悪堕ちというか、怠惰の波に呑まれるって感じだな。どうせできないなら何にもしねえ。嘘つきにもなりたくないから、何も言わねえってところか。でも、何もしねえ、何も言わねえじゃ、そいつは何のために生きてるんだかな。死人とまでは言わないが、空気みたいな存在。箸にも棒にもかからない存在感の薄い奴、まあ、良く言えば、特殊スキル『気配消し』を自然に体得しているとも言えるが、忍者はそれを活用して仕事しているからな。それなら、まだ2番で評価できるってものよ。何もしない、何も言わないキャラはいないも同じ、ということで、ケイP、喋ってもいいぞ」

ケイP『プハーッ。そんなに言葉が大事ということなら、どうして、このぼくに喋らせてくれないのでありますか?』

NOVA「悪い。お前は、今のブログの切り札、トリを飾る存在なんだ。俺や翔花が言えないことを、第三者の立場でつぶやいて、最後にしっかりオチを付けてくれる存在、それが今のお前の仕事なんだが、途中であれこれ喋って出てくると、その効果がイマイチなもんでな。お前には、不言実行、確実にその仕事を果たす、忠実な騎士らしい役割をしっかり担って欲しいんだよ。お喋りな騎士ってどう思う?」

ケイP『そ、それは……本家のポルナレフみたいに、トイレキャラになったり、作者からは愛されているものの戦いには勝てないコメディーキャラ枠になったり、するかも』

翔花「それならまだマシで、酷いときはヤムチャ街道まっしぐらってことも十分考えられるかしら。まだ、プーアルちゃんの方が役に立ってくれそうよ」

ケイP『プーアル! その名前には、何だか親近感が湧くでありますよ、プルプル。一体、どんなキャラですか?』

NOVA「ネコだ」

ケイP『ネコ。翔花ママは、このK・ピエール・プルナレフに、ネコになれ、とおっしゃるのですか?』

翔花「いや。そこまでは言ってないけど……」

NOVA「いや、プーアルはただのネコじゃないぞ。変身能力を備えて、空も飛べる。能力だけなら、ドゴラにも通じる逸材だ。何なら、より劣化した変身動物のウーロンというのもいるが、そっちの方がいいのか?」

ケイP『ウーロンって、どんなキャラ?』

翔花「ブタよ」

ケイP『ブタブタ子ブタ、こいつに決めた。プーーっと、それだけはご勘弁。不詳、このドゴラ、ネコ扱いされるならともかく、ブタ扱いまでされては、末期までの恥。ネコ騎士だったら、まだモバゲーにも登場できる日の目もありましょうが、ブタ騎士にまで堕してしまっては、それほどの恥辱に堪える術はございません。ここは謹んで、ネコの道を追求いたしましょうぞ』

NOVA「決定だな。ケイPは以降、ネコ耳形態を標準モードとする」

翔花「ええ、ネコ耳確定なの?」

NOVA「たささんも、ツイッターでネコ耳翔花を検討中と知らせてくれたぞ」

翔花「あ、だったらいいかも。ネコ耳翔花かあ。可愛く描いてもらえるかなあ、ワクワク」

NOVA「お前、本当にたささんの絵が気に入ったんだなあ。俺よりも、たささんの方を尊敬しているんじゃないか?」

翔花「だって、NOVAちゃん、私の絵を描いてくれないじゃない。女の子は自分を可愛らしく写してくれるカメラマンや、自分の似顔絵を可愛く描いてくれるイラストレーターに憧れるものなのよ」

NOVA「文章ではいかんのか?」

翔花「百聞は一見に如かず。どんなに美辞麗句を重ねても、たった一枚の絵には勝てないのよ。だから、不言実行って言葉が職人への褒め言葉として残ったのだし。絵を描くって、どう考えても実行でしょう? 昔の人は、言葉よりも絵の力を信じたのよ」

NOVA「無理矢理つなげたな。だが、真理かもしれない。どんなに前書き垂れても、理想を語っても、肝心の行動や作品が伴わないと、3の有言不実行になるし、これは下手をすると『口先だけの嘘つき、詐欺師』とも受け取られかねないからなあ。有言は実行するかしないかで、ヒーローになれるか嘘つきに堕するかの両面がある。まあ、俺はヒーローを目指し、嘘つきにはなりたくないから、有言半実行の道を歩むけどな。半分でも実行できれば、死者其入、いや四捨五入の論理により、端数切り上げ、全部達成したこととほぼ同等になるからな」

翔花「何、その都合のいい屁理屈」

NOVA「いや、別に半分で終わるとは言っていない。まずは半分を踏破。そうすると、その先に新しい道が見える可能性だって出てくる。最初の道を頑張って歩き通しても良し、新たに見えた道に進路変更しても良し。半実行というのは、いろいろと融通が利くんだよ。少なくとも、途中までの行動はしているんだから0じゃない。0か1か、という考えにとらわれるなら、完成させない1でないものは0に過ぎないが、現実は必ずしも完成させずに、中途半端な過程だからこそ、いろいろ続きを予想して語り合う楽しみってものもある。今回の『アベンジャーズ』の映画のようにな」

ケイP『完成しないが故の魅力ということですか? なかなか難しいであります』

NOVA「俺が言いたいのは、中途半端を嫌う余り、何もしないよりは、途中まででもいいから何かをした方がいいってことさ。そのまま勢いがつけば完成するだろうし、勢いがつき過ぎれば、さらに延々と続けて終わり時を見失うことだってある。きれいにまとめることもできれば、どう終わらせていいのか分からなくなることだってある。今の、この記事みたいにな」

翔花「……ええと、4分割分析の4つについて、一通りは触れたんだから、ここで終わってもいいんじゃないかしら」

NOVA「うーん、まだ語り足りない、中途半端な気もするんだが、有言半実行の道だからな。半端者こそバスタードと開き直ることにするか」

(中途半端に思えても、記事は完)