NOVA「ただいま〜。翔花、いるかあ?」
翔花「もちろん、いるわよ。ここは私の居場所だからね。昼間はたっぷり光合成したし、今日も翔花ちゃんは元気だよ」
NOVA「それは良かった。明日から雨みたいだからな。陽の光は浴びれるときに浴びていた方がいい。そうしないと、俺みたいに白くなっちゃうからな」
翔花「自虐ギャグ寒い。それより、何だか上機嫌ね」
NOVA「ここに書き込むときは、基本、俺は元気だぞ。ルナーモードでも、書いているうちに元気になれる自家発電男だ。それよりも、昼間、職場でカレンダーを見ていて、気づいたんだけどな。今日は、何月何日何曜日だと思う?」
翔花「何かの記念日かしら。4月13日、金曜日よ。それがどうかしたの?」
NOVA「そう。13日の金曜日だ。ジェイソンって知っているだろう?」
翔花「もちろんよ。パワーレンジャーの初代レッドレンジャーに変身する人でしょ。去年の映画でも演ってたから、特撮ヒーローファンとして常識よ。ちゃんと勉強してるんだから」
NOVA「いや、勝ち誇っているところ悪いんだが、それはジェイソン違いだ。翔花の言っていることは決して間違った知識じゃないのだけれど、13日の金曜日と言えば、あのジェイソンしかいない」
翔花「どのジェイソンよ。勿体ぶってないで、ちゃんと説明してよ」
NOVA「う〜ん、今時の娘は、80年代に一世風靡したスプラッターホラー映画『13日の金曜日』シリーズも知らないのかよ」
翔花「そんなの知るはずないわよ。それとも、NOVAちゃん、このブログで今までに一回でも『13日の金曜日』の話をした? もし、ブログ内検索して見つかったら、私は自分の勉強不足を恥じて、謝ってあげるわ」
NOVA「よし、言ったな。絶対に謝らせてやるぞ」
(検索後)
NOVA「(土下座)済みません。私が悪うございました。『13日の金曜日』で検索しても、今のこの記事しか引っ掛かりませんでした」
翔花「分かればいいのよ、分かれば。これに懲りて、NOVAちゃんは二度と私に偉そうなことを言わないようにね。このブログのことは、今では私の方が詳しいんだから」
NOVA「いや、そんなはずはない。こんな有名な映画のことを、俺ともあろうものが、一回も語らずに来たはずがない。あったら盲点もいいところだ。うーん、よし、ジェイソンだ。ジェイソンで検索してやる」
(検索後)
NOVA「よし、見つけたぞ。2011年1月15日の記事だ。ちゃっかり、D&Dのことや、ゾンビのことに加えて、ジェイソンのことも書いているじゃないか。偉いぞ、7年前の俺。どうだ、翔花。これでも、ジェイソンのことが分からないというのか?」
翔花「ゾンビ映画について嬉々として語っているところを女の子に見せつけて、勝ち誇っている男の人を、NOVAちゃん、どう思う?」
NOVA「う、真顔でそう問いかけられると、自分がひどく大人げない奴に思えてきます」
翔花「分かればいいのよ、分かれば。このまま行くと、このブログが『粉杉翔花のスーパー花粉症妄想タイム』にタイトル変更するのも時間の問題ね」
NOVA「お前、アシスタント娘が人の大切なブログを乗っ取るなよ」
ジェイソンって何者?
翔花「ブログを乗っ取ることだけは勘弁しておいてあげるわ。NOVAちゃんも、私に偉そうに言ったことを土下座反省しているみたいだからね。それよりも、13日の金曜日のジェイソンについて早く説明しなさいよ。そのために、仕事から帰って、この記事を書き始めたんでしょ?」
NOVA「ああ、何だか小娘に偉そうにされているのは、大の男として腹わたに煮えくり返るものがないわけでもないが、俺はそんな小さなことにこだわる男ではない。ジェイソンについて語るために、ここに来たんだ。今日を逃せば、次に語るチャンスが来るのは、今年は7月13日の金曜しかない。たぶん、その時は夏期講習前で忙しくなっているだろうから、おそらく今が今年最後のチャンス。この時を逃す手はない」
翔花「前置き長いわよ。そんな物、さっさと商品画像でも貼ればいいのよ」
NOVA「ん? 何だ今のは?」
翔花「何って、アクションフィギュアと、最新作の映画のDVDじゃない」
NOVA「いや、最新作ってのが問題なんだ。この映画は俺の『13日の金曜日』メモリーの中には登録されていない。俺の知らない『13日の金曜日』がここにある。ちょっと待っていてくれ。今から検索かけて、調べてくる」
翔花「何だか、NOVAちゃんの好奇心を刺激しちゃったみたいね。私は、ここの過去記事でも読みながら待っていようかしら。2011年って東日本大震災の時ね。このゾンビ記事を書いた時のNOVAちゃんは、大震災が来ることは全く分からずに、呑気にゾンビの話をしていたんだと思うと、人の人生って不思議なものね。たぶん、震災後は人の死に過敏になっちゃって、こんな記事は書けなかったと思うわ。『あは「アンデッド」のあ』なんて記事タイトルも凄く無邪気で可愛い感じ。五十音でネタを広げようとしていたみたいだけど、どこまで続いていたのかしら? あら、『いは「遺跡」のい』であっさり中途半端に終了。今からでも、続きを書く気はあるのかな」
NOVA「ただいま〜、基本的なことは大体、分かったぞ」
翔花「私も面白い記事を見つけたわ。『いは「遺跡」のい』って記事があったんだけど、では、うは何になるでしょう?」
NOVA「なぞなぞか? 連想クイズ? 『う』だと、すぐに思いつくのは『宇宙』『ウルトラマン』『ウーパールーパー』ってところかな」
翔花「最初の2つはともかく、最後のは何よ。訳が分からない」
NOVA「それも80年代に流行したんだよ。メキシコサンショウウオ。サンショウウオは両生類だから、カエルみたいに幼形から成形に変態するんだけど、中には大人になりきらずに幼形の特徴を残したまま成熟する個体もあって、アホロートルとかウーパールーパーと呼ばれるんだ。何かのCMで登場して、その奇矯な可愛さのために人気動物になってな。あの時期は、必殺仕事人のネタにもなったエリマキトカゲとか、やたらと動物ブームが湧き上がった気がするが、一体、何だったんだろうな。TVのCMがブームを作る古き良き時代だったのかもな。一応、画像を貼り付けておくぞ」
NOVA「確かに、割と似てるな。ワラタ。翔花ナイス」
翔花「ほめられた。テヘッ、嬉しいな」
NOVA「こいつの、このリアクション。あざといんだけど、何となくツボなんだよな。さて、俺の話を聞いてくれるかな」
翔花「うん、ジェイソンについて何が分かったの?」
NOVA「ああ、実は2009年にリメイク映画が作られていたんだよな。全然気づいてなかったよ。『トランスフォーマー』のマイケル・ベイ監督の作品だから、それなりに話題に挙がったと思うんだけど、俺のアンテナには引っ掛からなかった。たぶん、仕事かラーリオスを書くのにバタバタしていて、気付かなかったんだろうな。しかも、『フラッシュ』に登場するケイトリン役のダニエル・パナベイカーがヒロインを演っていて、にわかに興味が出てきたわけで、どうしようかなあ、と思っている」
翔花「見ればいいのに」
NOVA「他にしたいことや見たいものがいっぱい積んでいるんだよ。贅沢な悩みだけどな。余暇の時間に、どこから消化していくか、常に考えながら生きているんだ。もちろん、ブログ記事だって、掲示板書き込みだってやりたいことの一つだし、入力と出力のバランスとか、仕事時間との兼ね合いとか、やりくりするのが大変なんだぜ。まあ、そうやって興味が持てて、やりたいことを選べる自由があるのは幸せだと考えるけどな。逆に、何をすれば、自分の人生が楽しく、前向きに、充実していけるのか考えていかないといけないし、その中で無駄と感じる要素は切り捨てて行かないとな、とも考える。いや、何が無駄で、何が価値あると考えるかは人それぞれなんだろうけど、同じように互いに学び合える友人・知人との付き合いは大事にしたいし、こいつの成長は止まっているな、学ぶべき点はないな、と感じた相手に時間を割くのは苦痛でしかない。まあ、それでも若者に教えることで成長を応援するのは、教師の喜びだし、こちらが教えたことを吸収して伸びゆく若手を見ると、こっちも元気が出る。そういうのが上手く回っていれば、何も文句はないんだけどな。翔花は熱心に勉強してくれるようだし、日々成長を実感できるから、ここで書くのも楽しかったりする」
翔花「NOVAちゃんに、そこまで言ってもらえるのは大変光栄なんだけど、やっぱり回りくどくて、肝心なところを説明してくれずに、ポイント周りだけグルグル回っている気がするよ」
NOVA「いや、こっちはさっきからいっぱい説明して、十分すぎるほど語っているつもりなんだが?」
翔花「じゃあ、単刀直入に言うね。ジェイソンって一体、どういうキャラクターなの? 三行ほどで簡潔に説明してください」
NOVA「そんなの簡単だ。映画『13日の金曜日』シリーズに登場する連続殺人鬼で、ホッケーマスクと大きなナタを振りかざす姿が特徴かな。実際は、様々な武器を使いこなして、その多彩な殺しのテクニックがある種の芸術的な美学と感じるマニアもいて、スプラッターホラー界の数ある殺人鬼の中でも、トップクラスの有名人気キャラの一人だ。すまん、3行では語りきれず、倍になった」
翔花「それまでの寄り道遠回りよりは、だいぶ端的で分かりやすかったよ。やればできるじゃない」
NOVA「あのな。俺、教師だよ。説明するのが仕事だよ」
翔花「だったら、どうして、関係ない話を延々と語り続けた後でないと、要点にたどり着けないのよ。いつも、そんな授業をしているわけ? それじゃ、教え子たちが可哀想よ」
NOVA「いや、授業じゃ教えるポイントがはっきりしているからな。だけど、こういう雑学系のネタって、何が教えるべきポイントなのか、相手の知識レベルを測りながら、探り当てるまでに時間が掛かるんだよ。翔花は俺の娘だし勉強熱心だから、マニア知識は結構あるので、ついつい油断してしまう。これぐらい当然知っているはずだ、とこっちが思っていることが、意外と抜けていたりするから、当たりを付けるのがなかなか難しくてな。雑学話って、知識のすり合わせが一番難しいんじゃないか、と思うよ。ネット上なら、普通は検索なんか当たり前に使いこなす人間が多くて、基礎知識はお互いに確認した上で、マニアックなネタ話に流れることが多いんだが、たまに自分で調べない人間を相手にすると、調子が狂うことも多い。翔花の場合は、たぶん俺のブログ以外の情報源が欠けているので、妙に濃いネタを知っているかと思えば、ブログで語るまでもない世間知に欠けていたりするからな。おまけに、基本の特性は、俺の中にある今頃の女子中学生のイメージだから、おっさんがあまり意識しないようなことを意外と知っていたりする。結局は、じっくり会話を重ねて、探り当てる時間が必要になるわけだ。まあ、俺にとっては、そうする時間も楽しいんだけどな」
翔花「私も、一生懸命説明してくれるNOVAちゃんの話を聞くのは好きだよ。だけど、たまに、もっと短く簡潔にまとめてくれたら、シンプル・イズ・ベストでテンポよく進むのに、と思ったりするわけで」
NOVA「興が乗れば、語りたがるのは俺の、そして多くの創作家の悪い癖だと思ってくれ。文章でそういうことを日常的にしているからこそ、創作家の道を歩めるわけで、作家志望なのに言葉足らずと指摘されたりするのは、それだけで、お前には才能ないわ、と同義なんだけどな。迂遠な文章を書くのは、まだ、それがフレーバーだと言い張ることもできるけど、説明が圧倒的に足りず、読者にイメージを伝えることができないのは、致命的だと思う」
翔花「何となく、誰のことを言っているのかは分かったけど、今は関係ないからね。その開いた箱はすぐに閉じた方が、この記事のためよ。夜もそろそろ遅くなったし、続きは明日の朝ってことにしましょ」
NOVA「いや、明日の朝は予定があってな。この話はできれば夜の方がいいんだが」
翔花「どうせ、シンカリオンとオーブのことでしょう?」
NOVA「それもあるが、明日は昼から一件、保護者懇談があってな。体験学習の手続きとか話さないといけないんだ。だから、お前と話す時間が取れそうにない」
翔花「だったら、なおさら早く寝ないと。この話の続きは明日の夜ね」
NOVA「うーん、13日の金曜日の話だから、今夜中に片付けたかったんだけどな」
翔花「もう手遅れよ。夜中の12時過ぎたから、暦の上では、もう14日の土曜なの。おとなしく、明日の夜に回したらどう?」
NOVA「分かった、そうしよう。祭りは明日の夜に延期だ」
翔花「祭り? 何の祭り?」
NOVA「Zzz、血祭り(ボソリ)」
翔花「え、どういうこと? 自分だけさっさと寝て、不吉なことを寝言でつぶやかないでよ」
(果たして、血祭りの意味とは? 心配する翔花の運命は? 悪魔が明晩、騒ぐのか? 次回、殺人鬼襲来に乞うご期待 つづく)