花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

マッスル太郎、第5部完(SWミストキャッスル5ー10)

サンドリーヌ館からの出立

 

ヒノキ「今回で第5部も終了なのじゃ」

太郎(ゲンブ)「前回で霧の街のマップも全て開示して、残りは消化試合的にランダムミッションとクエストをこなして、エンディングを目指すのみでござるな」

ヒノキ「消化試合と言うな。クライマックスの気分が削がれるじゃろう。最後の最後まで、物語を盛り上げる発言をせんか」

太郎「とりあえず、サンドリーヌ館で一晩泊まり、翌朝、北へ向かって出立するでござるよ」

ヒノキ「すると、突然、視界を真っ白な霧が覆う」

太郎「はい?」

ヒノキ「消化試合などと油断した罰じゃ。危険感知判定を行え。難易度は15」

太郎「危険感知の基準値は8だから、(コロコロ)ダイス目6で失敗」

ヒノキ「ヒヒヒ。ひどく汚い川に滑り落ちてしまう。難易度9で水泳判定じゃ」

太郎「水泳の基準値はどうであったか? めったに使わないゆえ、失念しているでござる」

ヒノキ「冒険者レベル+敏捷じゃの」

太郎「すると基準値は5+2で7か。ピンゾロ以外では失敗せん。(コロコロ)うむ、ダイス目5で成功」

ヒノキ「チッ、溺れなんだか」

太郎「街を普通に歩いていて、いきなり溺れてしまうことなど、まずないでござる」

ヒノキ「しかし、滅多にない感染症で世界中が混乱したのが今年じゃからな。川に落ちたマッスル太郎も、汚れた水の影響で病気に罹ったかもしれん。生命力抵抗で13以上を出せ」

太郎「それは本当にシナリオ通りに進めているのでござるか? 私をイジメようとアドリブでやっているのではござらんか?」

ヒノキ「そんなセコいマネは……たまにはするかもしれんが、今回は固定ミッション『クリスを探して』に記されている通りじゃよ」

太郎「くっ、シナリオに書いてあるなら仕方ない。生命力抵抗は基準値8。期待値5なら成功するはず……4でござった。不覚」

ヒノキ「マッスル太郎は再び病気になった。1tbごとにHPが3点減るのう」

太郎「フラフラした身で、北の長屋に駆け込む。ミランダ婆さんに挨拶した後、前に療養した離れで、病気を広めないよう引きこもり、一晩休むでござる。トホホ」

ヒノキ「朝になったら、もう一度、生命力抵抗判定してもいいぞ」

太郎「ダイス目はまた4」

ヒノキ「一日経っても治らない」

太郎「バカな。これは施療院に行った方がいいのでは? 失ったHPはアースヒールの呪文で回復しながら、もう一日休養する。病気が治るまでは外出自粛するでござる」

ヒノキ「ミッションに時間制限がなくて良かったのう。では、翌朝」

太郎「ダイス目は……3。本格的にヤバいのでは?」

ヒノキ「ミランダ婆さんが本気で心配してくれる。『早く、お医者さんに行った方がいいんじゃないかい?』」

太郎「大丈夫。ちょっと疲労が溜まっていただけでござる。これぐらいの風邪、気合いで治す。(コロコロ)よし、ダイス目6だった。ようやく復帰で元気を取り戻した」

ヒノキ「3日間を無駄に過ごしたようじゃの」

太郎「しっかり休んだ分、ここから仕事に励むでござるよ。このまま北上して、次はヤムールの酒場に到着。ここを拠点に、黒の丘を探索することにする」

ヒノキ「なお、この川に落ちた一連のイベントで、★一つを進呈じゃ」

太郎「病気療養からも学べることはあったということでござるな」

 

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マッスル太郎と、蛇の貴婦人(SWミストキャッスル5ー9)

血を吸う亡者の娘(夕暮れ時)

 

太郎(ゲンブ)「前回は南東部の探索の末に、賢神キルヒア神殿跡で、ピラトト写本を手に入れたでござる」

ヒノキ「時刻は昼間じゃが、次はどちらへ向かう? 西の帰らずの街か、東の最後の区画か」

太郎「最後の区画も気になるが、先に帰らずの街へ赴くでござる。ここでミッション目的のブラッドサッカーを倒し、夜に追い剥ぎ小路で休ませてもらう。それから一度、ザバーラのテントに戻って、写本を届ける予定。何しろ、6冊もの古文書を持ち歩いたまま動き回るのは、荷が重いからな」

ヒノキ「別に所持品重量のルールはないのに、妙なところにこだわるのう」

太郎「TRPGは想像力の遊び。仮にルール上は問題なくとも、書物の扱いは丁重に……と新星どのなら言うであろう」

ヒノキ「まあ、時空魔術師ならそう言うであろうな」

太郎「一応、太郎もウィザード、いやマギテックにして、コンジャラーであるからして、書物の重要性は分かっているつもり。少しでも早く、持ち帰りたい心境なのでござる」

ヒノキ「その途上で、吸血鬼退治を行おうと言うのじゃな」

太郎「事のついでという奴でござる。で、夕刻に帰らずの街に到着したわけだが、ターゲットの魔物はいるのでござるか?」

ヒノキ「目的地に到着すれば、たとえ、それが吸血鬼の苦手な昼日中であろうとイベントとして登場せざるを得ないことになっておる。ましてや夕刻じゃからな。ここで死んだ娼婦ミレーヌの遺体が吸血鬼となって蘇っておる」

太郎「へっ? 彼女は幻獣ヒポグリフに殺されたはず。それがどうして吸血鬼に転身しているでござるか?」

ヒノキ「ヒヒヒ。生前に、どこかで吸血鬼に噛まれたのかもな。とにかく、吸血鬼化したミレーヌは、けだるい妖艶な仕草でマッスル太郎に蠱惑的な視線を向けるのじゃ」

太郎「誘惑される前に、先制判定でござる。達成値は14」

ヒノキ「そちらからじゃ」

太郎「哀れな亡者の娘よ。私はお前を救うことができなかった。しかし、その不浄の身から解放することはできる。エンチャント・ウエポンを唱え、マッスルベアーとガゼルフット、そしてターゲットサイトでMP10点消費して、蹴りの2連発を仕掛ける。命中は14と19」

ヒノキ「夕日とは言え、太陽光の下なので回避は2下がっていて12。どちらも命中じゃ」

太郎「ダメージは20点と19点でござる」

ヒノキ「防護点で6点ずつ減らして、27点くらった。残りHPは42点じゃの。では反撃。まずは補助動作で誘惑視線。目標値14で精神抵抗するのじゃ」

太郎「13で、このままだと失敗でござるが、月光の魔符+1を使って同値抵抗」

ヒノキ「チッ。ならば、牙で噛みつき攻撃をしようかの。命中も2下がって12じゃが」

太郎「それなら、当たらない。夜でない吸血鬼は恐るるに足らず。しかし、誘惑視線に備えて、カウンターマジックを使っておこうか。MP1消費で残りMPは5。精神抵抗は2上がって、基準値9。さらに反撃して、ターゲットサイトは使わない。使わなくても当たると見たからな。命中は12と16」

ヒノキ「12は外したようじゃな。1発だけ命中じゃ」

太郎「くっ。ダメージは21点」

ヒノキ「15点くらって、残り27点。おっと、そう言えば、太陽光の下じゃったな。手番終了時に6点ダメージを忘れておったわ。残りHPは21点。さらに再生もできず。一応、誘惑視線を14と言っておくか」

太郎「17と言って抵抗」

ヒノキ「終わったな。反撃もどうせ避けられるじゃろう」

太郎「もちろん避けたでござる」

ヒノキ「このラウンドの最後に、さらに陽光ダメージを受けて残りHP15点。ミレーヌの成れの果ては、血の涙を流しながら、悶え苦しむ。太郎には彼女の魂の叫び、『お願い、殺して』という悲鳴が聞こえたような気がした」

太郎「哀れな娘よ。神妙な気持ちで、ターゲットサイトを掛けて残りMP3。命中ダイスは14と18。両方当たりなので、ダメージは21点と、それからクリティカル32点!」

ヒノキ「だから、どうして死にかけの相手に、そんな大ダメージを出して来るのじゃ?」

太郎「最後のとどめに大技を仕掛けるのはヒーローの鉄則でござる。『その命、神に返しなさい』」

ヒノキ「ルーンフォークは神を信じないはずではなかったのか?」

太郎「今のは、太郎の言葉ではござらん。背負い袋に入れた写本の主、キルヒア神官のピラトトの魂が喋ったでござる。名付けて、ピラトトクラッシュ! 夕陽を背景に必殺のキックを放ってとどめ」

ヒノキ「すると、ピラトトの魂に導かれて、亡者と化したミレーヌの魂も笑みを浮かべて昇天した……ような妄想が、マッスル太郎の脳裏に浮かんだ」

太郎「なるほど。これがピラトト写本の力か」

 

(作者注・ピラトト写本にそんな公式設定はありません。あくまで、この場だけの妄想の類いということで)

 

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マッスル太郎、南東へ(SWミストキャッスル5ー8)

トレジャードロップの話

 

ヒノキ「最近気づいたのじゃが、ルミエルレガシィに記載された選択ルール『トレジャードロップ』が、エピックトレジャリーにもバージョンアップして掲載されておったのじゃな」

ゲンブ「いきなりでござるな。話の組み立てがよく呑み込めないゆえ、順番に解説して欲しいでござるが」

ヒノキ「唐突じゃったか。ではまず、ルミエルレガシィとエピックトレジャリーは、ソード・ワールドのアイテム追加サプリメントということは分かるな」

ゲンブ「うむ。アイテム購入の際に、何度か参考にした。ポーションインジェクターはルミエルレガシィに、ミモレの布鎧はエピックトレジャリーに掲載されている」

ヒノキ「前者は2.0のサプリメントで、後者は2.5の最新アイテムサプリメントじゃが、前者にあるのに、後者にないアイテムもあって、単純なアップデート商品とは言えん」

ゲンブ「つまり、2.5だけでは、ポーションインジェクターが買えないのでござるな」

ヒノキ「マッスル太郎のプレイでは、どちらも採用しているので問題ないわけじゃがの。さて、選択ルールの『トレジャードロップ』のことは覚えておるか?」

ゲンブ「確か、第4部のラスボスでゴルゴルが登場した際、ただのゴリラじゃつまらないという理由だけで、突然、改造強化させられるのに使ったルールでござる」

ヒノキ「そうじゃ。しかし、ルミエルレガシィに掲載された旧ルールは、モンスターのHPが上昇するだけ。その他の性能は何ら変わらないので、ゴリラは多少タフになったとは言え、結局はただの平凡でつまらないゴリラでしかなかったのじゃ」

ゲンブ「我が友、不破どのをディスるな、でござる」

ヒノキ「いつから不破諌が、お主の友になったのじゃ?」

ゲンブ「復活した腹筋崩壊太郎の筋トレジム仲間として、公式に認定された時からでござる。マッスル太郎が腹筋崩壊太郎をモデルにしている以上、公式が提示した設定は、喜んで使わせてもらうのがファンの心意気でござろう」

ヒノキ「まあいい。その後、わらわは折を見て、エピックトレジャリーのルールをパラパラと眺めておったのじゃが、『ああ、ここにもトレジャードロップのルールが再掲載されておるんじゃな』と読み飛ばしそうになって、ふと気づいたのじゃ。『何と。ルールがバージョンアップされておる』と」

ゲンブ「バージョンアップに気づいていなかったのでござるか?」

ヒノキ「仕方なかろう。TRPGのルールは、最初に流し読みして、どんなルールがあるのか確認したら、その後は、使おうと思った段階で改めてじっくり読むのが、よくいる普通のゲーマーじゃろう? まあ、よほどの猛者ならば、使う予定のあるなしに関わらず、ただ興味があるという理由だけで隅から隅まで徹底的に読み込んで、細部を吟味検証するかもしれんがのう」

ゲンブ「むう。確かに、複数のバージョン違いのルールを検証して、あの呪文が消えたとか、効果がマイナーチェンジしたとか、そういうのは実プレイを意識しなければ、分かりにくいでござるな」

ヒノキ「妖精魔法や吟遊詩人の呪歌のルール変更は、公式リプレイなんかでもアピールしておったし、2.0のボガードがボルグになったことなんかは、割と気付きやすい変更点じゃろう。だが、トレジャードロップのルールが改訂されたことは、前のルールを使ってみた者でなければ、気付きにくいのではなかろうか」

ゲンブ「どう変わったでござるか?」

ヒノキ「追加HPではなく、瞬間打撃点、瞬間防護点、瞬間達成値など詳細に性能パワーアップを図れるようになっている。つまり、1日1回だけ爆発的な必殺パンチを発動できるゴリラを登場させられるのじゃ」

ゲンブ「どうして、それほどまでにしてゴリラにこだわるのでござろうか」

ヒノキ「ヒヒヒ、次にゴルゴルが登場したときには、この改訂版トレジャードロップのルールを駆使して、ランペイジさせてくれよう」

ゲンブ「それでござるが、ランダムモンスターでゴルゴルが登場するのはレベル4の動物遭遇表でござる。マッスル太郎はレベル5になっているので、表を見る限りは、もうゴルゴルは登場しないでござるよ」

ヒノキ「何じゃと? わらわの超ゴリラ計画は幻に終わるのか?」

ゲンブ「そんな計画は初耳でござる」

ヒノキ「うむ。発動する前に水泡に帰するとは不憫なゴリラ……いや、まだチャンスはある。レベル6動物表のダイス目2に燦然と輝く、その名前を見よ」

ゲンブ「おお、ゴルゴルゴールドでござるな」

ヒノキ「群れを束ねるリーダー、黄金に輝く体毛を持つ明鏡止水に目覚めたハイパーなゴルゴルなのじゃ。こいつを登場させるために、マッスル太郎よ、早くレベル6に上がれ」

ゲンブ「いや、もちろんレベルアップは目指すでござるが、ランダム遭遇でうまく出会えるかどうかは……」

ヒノキ「うまく会えるかどうかは問題じゃない。会えるかも、と希望を持つことが何よりも大事なのじゃ。そう、黄金に輝く希望。わらわは未来の希望を信じるのみ」

ゲンブ「希望と書いて、ゴルゴルと読むのでござるな。まあ、何にも期待しないでつまらない人生を送るよりは、無理やりでも期待する何かを見つけて、明るい生活を意識的に送るのが人生、前向きに過ごすコツと言えようか」

 

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マッスル太郎の、陽気な魔神ライフ(SWミストキャッスル5ー7)

手紙配達ミッション、再び

 

太郎(ゲンブ)「では、ランダムミッションで受け取った手紙配達に早速、挑戦するでござるよ。まず、拠点より北のニルスのところに向かった」

ニルス『おや、マッスル太郎じゃないか。何か用かい? えっ、ザバーラさんからの手紙だって? どうしてぼくに?』

太郎「そんなことは、私が知りたいでござる」

ヒノキ「手紙の内容はこうじゃ。『先日は、うちの太郎が街の北東の血染めの壁でいろいろやらかしたことを、影ながらフォローしてもらったようでありがとうね。これからも太郎がいろいろやらかすかもしれないので、その時はなるべく大目に見てやって欲しいの。だけど、あまり変なことをしないよう君の方からもよろしくご鞭撻を頼みます』」

太郎「はっ? 何だか過保護な親のような内容でござるな。どうしてグラスランナーにそんなことを頼むでござるか?」

ヒノキ「魔神のことは、同じ異世界出身のグラスランナーだったら、うまく制御出来るかもしれないというザバーラなりの偏見じゃ」

太郎「偏見かよ。とにかく余計なお世話でござる」

ヒノキ「そして、ニルスは1tbかけて返事を書いた。『マッスル太郎の芸は面白いね。ゴブリンシャーマンを壁の上から突き落とし、サンダーバードと一緒に墜落するなんて、体を張ったギャグはそうそう見られるものじゃない。今後も楽しいお笑い芸人の活躍を期待しています。後の偽装工作は任せといて』だそうじゃ」

太郎「いつの間にか、ザバーラとニルスが仲良しに?」

ヒノキ「まあ、マッスル太郎の冒険の陰で、こっちもいろいろあるのじゃよ。はい、その返事を受け取った太郎は、★1つをゲットじゃ」

太郎「拠点に戻って、ザバーラに手紙を渡すでござる。そして質問する。ニルスとつるんでいるでござるか?」

ザバーラ『優秀な密偵だからね。誰かさんと違って、目立たずに行動するということを弁えているから、慎重さが必要な仕事を任せるにはうってつけなのさ。その代わり、荒事が必要な場面や、囮が必要な局面では、君を適当に使ってやって構わない、とウルスラとも密約ができている』

太郎「つまり、〈スエラの炎〉のことは既に承知しているでござるな」

ザバーラ『え? 〈スエラの炎〉だって? そいつは初耳よ。詳しい報告をしてもらいたいわね(ニヤニヤ)』

太郎「くっ、白々しい。そう思いつつ、ウルスラとのこれまでの経緯を語るでござる」

ザバーラ『まあ、あそこは「弱い人族のための互助組織」だからね。あまり過激なことをしないと踏んだのさ。情報交換という意味では、WinWinの関係でいられる。それに薬草関係のお得意さまだし、全面協力とまではいかないが、貴重なサカロスの薬酒を仕入れるのにもウルスラの助けが必要だしね』

太郎「そう言えば、前にサカロス神殿跡での荷物運びミッションがあったでござるな。あの時の荷物の中身は、もしかすると薬酒でござったか」

ヒノキ「そういう風につなげておくと、一本筋が通る感じじゃの」

太郎「では、もう夕方なので、ドン・ブカドゥのところには翌日、向かうでござるよ」

 

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マッスル太郎、驚異の正体(SWミストキャッスル5ー6)

とあるタビットの話

 

 むかしむかし、ラクシア世界のあるところに、一人のタビット(ウサギ人)が住んでいました。

 彼はタビット族の例に漏れず、知的好奇心が旺盛で、神を信じずに傲慢で、自分の研究テーマに全てを捧げる学究肌の持ち主でした。

 彼の研究テーマは古代の魔法文明で、真語魔法(ソーサリー)と、そこから分派した操霊魔法(コンジュリー)をある程度、極めつつ、それでも調べたい知識はまだまだ多く、一方でタビット族の寿命は決して長くありません。

 もっとたくさん調べたい。

 そのために、もっと長く生きていたい。

 そういう想いを募らせたタビットは、ついに禁断の魔術に手を出します。

 それは自分の魂の結晶とも言うべき記憶や意識を、他の器に乗り換えることで、肉体は滅びても精神を維持持続しようという試み。

 

 こうして、彼は自分と相性のいい肉体を定期的に乗り換え、時には彼から彼女になったりもしました。

 それが今のザバーラ。かつてはザバールと名乗っていたタビットなのです。

 

 操霊魔術の秘儀を利用した精神の乗り換えという手段で、寿命の問題を克服した彼、いや、彼女は次の研究テーマに手を出します。

 それが古代魔術時代に使役されたという魔神制御(デーモンルーラー)の技。

 現代でこそ、魔神の使役は人族社会で禁断の秘儀扱いされていますが、古代においては一流派を築き、魔神を操るタビット族の貴族、領主の逸話も語られるほど。

 ザバール、あるいはザバーラは政治権力といった世事・俗事にはあまり興味を持ちませんでしたが、それでも自分が求める「自由な研究が許された環境」を獲得、維持するために、多少なりとも世間の仕事、些事に関わることを選択します。

 

 それゆえに今現在、霧の街において、魔神使いの異名を持つザバーラは街の重鎮として、独自の地位を占めつつ、有能な交易商人として、また人族社会と蛮族社会の調整役として、そして時には古の知識を持つ賢者として、表舞台での存在感を示すようになっております。

 しかし、彼、あるいは彼女の目的は、政治でも、経済でも、そして特定の主義信条でもなく、「ただ自分が自由に研究を続けたい」という一点にのみ捧げられ、それ以外は自分の環境を整えるための手段でしかないと割り切っているのです。

 

 そんな魔神使いのザバーラが、知り合いのタビットの吸血鬼にして、死体改造研究者の「塚人いらずのムギド」から一体のルーンフォークの遺体を譲り受けたところから、新たな研究と物語が開始されました。

 そう、異界から霊魂、あるいは思念を召喚し、ラクシア世界の肉体の器に封じ込め、その後の動向を観察する研究。

 あるいは被験体である、ルーンフォークのお笑い芸人、異界の魂を持つ存在を中心とした物語。

 

 それこそが、「マッスル太郎と呼称される魔神の依代」の当リプレイの隠された背景だったのです。

 

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マッスル太郎と、北東編の後始末(SWミストキャッスル5ー5)

前回の後始末

 

太郎(ゲンブ)「前回は過酷な戦いでござった」

ヒノキ「いくら何でも無茶し過ぎじゃ。夜まで待っておれば、監視の目が緩んで、もっと楽ができたろうに」

太郎「そんなこと、プレイヤーの立場で分かるわけがござらん。与えられた情報で、最高最善のパフォーマンスをするのみでござるよ」

ヒノキ「その結果が、敵を壁の上から投げ落としたり、飛行モンスターの翼を蹴り折って、共に地面に激突するという無理無茶無謀ぶりなのじゃから、GMする方の苦労を知れい」

太郎「それでも、ルールに基づいてアドリブ処理をしたのはさすがでござる」

ヒノキ「まあ、プレイヤーがリスクと引き換えに、知恵を絞って考えた戦術じゃからな。無下に断るのもどうかと考えた次第。しかし、一歩間違えれば、マッスル太郎も死んでおったぞ」

太郎「サンダーバードが出現した時点で、死を覚悟していたでござる。その後は、ただ、無念無双の境地なり」

ヒノキ「無我夢中というか、ゴリ押し霧中というか」

太郎「今のは、五里霧中とゴリ押しを掛けた高度なギャグでござるな」

ヒノキ「或人じゃなくて、不破さんのゴリラも掛けておる」

太郎「おお、まさにランペイジ

ヒノキ「とにかく、瀕死のエドガーを背負って、ヤムールの酒場に駆け込んだマッスル太郎は、自らも傷だらけの体を休めるために一晩休息。ミッション達成の仕事料200ガメルを、ヤムールから受け取る」

太郎「苦労の割には、ずいぶん安いでござるな」

ヒノキ「そりゃ、このミッションは本来、序盤に来る可能性があるものじゃからな。その場合は、さすがに今回のような無謀なことはできんので、夜中にこっそり忍び込んで、吊るされているエドガーを救い出すだけじゃったろうが。なお、この後、『エドガーの無事を知らせろ』というミッションが発動して、追い剥ぎ小路の〈風の旅団〉と関係を結ぶ展開もあったのじゃが、当リプレイでは既に〈風の旅団〉とは提携済みじゃからの。そこは割愛。ただ、今回の救出作業で、〈スエラの炎〉と〈風の旅団〉の連携が加速するのは間違いない」

太郎「では、北東でのミッションもこれにて終了。私は拠点に帰って、成長の儀に移ればいいでござるな」

ヒノキ「ああ。だけど、派手にやらかしたので、ザバーラの小言タイムも待っているがの」

 

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マッスル太郎と、血染めの壁(SWミストキャッスル5ー4)

2つのミッション同時攻略?

 

ヒノキ「6月初のマッスル太郎なのじゃ」

ゲンブ「ミッションの途中で中断したので、現状を把握したいでござる」

ヒノキ「では、先週にして先月のマッスル太郎じゃが、街の最北東部への『偵察ミッション』を与えられて、そこへ向かう途中でいろいろあったのじゃ」

ゲンブ「いろいろとは?」

ヒノキ「7つの★マークをゲットするほどの小冒険じゃ」

ゲンブ「おお、まさに北東七星でござるな」

ヒノキ「その結果、ヤムールの酒場という宿泊拠点を得たマッスル太郎は、新たに固定ミッション『エドガーを救出せよ』を受けとった。今回は、その2つのミッションを同時解決する話なのじゃ」

ゲンブ「何と。偵察ミッションと救出ミッションを同時に遂行せねばならぬとは」

ヒノキ「もちろん、本来は別々のミッションゆえ、シナリオを多少アレンジさせてもらったがの。『偵察して、かつ救出するWミッション』という形で処理をする」

ゲンブ「それって、戦う相手が倍になったりしないでござるか?」

ヒノキ「ヒヒヒ。もらえる経験点も倍じゃがの。いわゆる一石二鳥のお得ミッションじゃよ」

ゲンブ「危険も倍なら、あまり嬉しくないでござる」

ヒノキ「まあ、頑張ってレジスタンスの希望となるがよい」

 

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