令和を守るために
NOVA「以上だ。何が起こったか分かったか?」
晶華「うん。大体、分かった。時空快盗団のタイムジャッカー電撃隊の人たちが上級職のクォーツァーに成長して、上級特技の【時代改変】を使用して、平成……じゃなくて、この令和の時代をゼロからやり直そうとしているってことね」
NOVA「ん? 何だか違う話が混ざっている気もするが、大筋はまあ、そんなところだ。俺たちは何とかして令和を守らないといけない」
ヒノキ「ふむ。わらわは別に令和だろうと、奴らのもたらそうとする珠保だろうと、どっちでも大差はないと思うんじゃがのう。平成の30年の歴史に比べ、たかだか3、4ヶ月の令和、それほど大事とは言えんじゃろう」
NOVA「いやいや、令和がなくなれば俺が困ります」
ヒノキ「どうしてじゃ」
NOVA「理由その1。令和の象徴たる仮面ライダーゼロワンが消失し、共演する仮面ライダーバルキリーが歴史から消えてしまう」
ヒノキ「代わりに、花粉ライターJUHOが始まり、わらわたち花粉症ガールの時代が来るのじゃろう。この際、仮面ライダーの歴史には犠牲になってもらって……」
NOVA「何てことを言うんだ、ヒノキ姐さん。被害を受けるのは仮面ライダーだけじゃない」
ヒノキ「他に何が?」
NOVA「理由その2。令和初のウルトラマンであるタイガが消失し、共演するU40からの使者タイタスさんまでいなくなってしまう。俺はタイタスさんが消えてしまうのを見過ごせん」
晶華「たぶん、タイタスさんは消えないと思うの」
NOVA「どうしてだ? タイタスさんはタイガやフーマ同様、令和生まれのヒーローだろうが」
晶華「だけど9000歳よ。つまり、40年前のデビュー当時に8000歳だった80(エイティ)先生より年上。だから、令和が消えても影響しないはず」
NOVA「おお、言われてみれば、その通り。さすがは力の賢者の旦那だけある」
ヒノキ「いやいや、それを言うなら、タイガも4800歳だし、フーマも5000歳。すなわち、ウルトラ族は長寿ゆえ、クォーツァーの時代改変能力には巻き込まれないのじゃ」
NOVA「おや? タイガよりフーマの方が年上だったのか。てっきり、フーマの方が若いと思っていたや。それはさておき、たとえ彼らが消えなかったとしても、番組そのものが消失してしまっては、毎週土曜の朝にタイタスさんの勇姿を見ることができなくなってしまう。俺からタイタスさんを奪わないでくれ」
晶華「NOVAちゃんはそんなにタイタスさんのことが好きなの?」
NOVA「ああ。俺が一番好きなウルトラマンはジャックこと新マン兄さんだが、俺が再放送でなくリアルタイムで初めて見たウルトラマンはジョーニアスさんなんだよ。もう、令和元年はジョーニアス40周年で、俺にとってはU40祭りなんだ。U40のスターシンボル★をバカにする奴は、タイタスさんだけじゃなく、この俺も許さねえ。何せ、このスターシンボルはWhite NOVAの象徴でもある。そのことは来年で20周年になる俺のサイト『White NOVAのホビー館』のトップページを見れば分かるはずだ」
晶華「確かに、タイトルバナーに白い星が飛び交い、至るところに★マークが散りばめられているわね。だけど、サイト自体は2015年のお正月から、ちっとも更新していないみたい」
NOVA「今はブログと掲示板書き込みが中心だからな。とにかく、タイタスさんがこの地球で安心して戦えるようにするためにも、俺は令和を守らねばならない」
ヒノキ「ふむ。しかし、それは新兄さん個人の都合。わらわはそれほどタイタスにこだわりはないからのう。せめてボディカラーがジョーニアス殿のように赤ければ、応援したろうが。何じゃ、あのU40らしからぬ黒は?」
NOVA「それは、TVでは語られない裏事情があるんだよ。詳しくは、ボイスドラマを参照すればいいが、要はタイタスさんの親がU40の裏切り者ヘラー軍団に所属していて、それ故にジードと同様に闇属性を持つに至ったのだ。だけど、闇の宿命を乗り越えた優しい賢者、すなわち、闇と光を合わせ持ち、全てを砕く拳を鍛えた男がタイタスさんなんだ。実に格好いいじゃないか」
【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第6回「ザ★ウルトラマンタイタス (中編)」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode 6
晶華「闇を抱いて、光となるかあ。まるで、オーブさんのサンダーブレスターみたいね。そういう背景があるなら、私もタイタスさんを応援するわ。それに賢者っていうぐらいだから、素顔は眼鏡を掛けているかもしれないし」
ヒノキ「マッチョなメガネキャラか。サングラスなら、ありかもしれんがのう」
NOVA「スーパーマンのクラーク・ケントって路線もありかもしれませんが、それはともかく、第3の理由です。それは令和初のTRPG、ゴブリンスレイヤーRPGが消えてしまう可能性」
ヒノキ「何と。ゴブスレRPGが消えてしまうじゃと? すると、わらわたちがジャガリコを救った、あの冒険譚はどうなると言うのじゃ?」
NOVA「それも消える可能性があります。さらに個人的な理由ではなく、もっと広い目で見れば、令和生まれの人間は年端もいかぬ赤子たち。タイムジャッカー電撃隊の計画を許せば、いたいけな何の罪もない子供を犠牲にしてしまうことになる」
ヒノキ「それは流石に捨ておけんのう。よし、この日野木アリナ、義によりて助太刀いたそう。ゲンブもいいな」
ゲンブ「もちろんです、アリナ様。子供を守るのは、ガメラの眷属として当然のこと。我の力が役立つなら、喜んで戦うでござる」
晶華「私も、もちろん手を貸すよ。そもそも、あの花粉ライターJUHOとやらの設定が、私には気に入らない。あんな欠陥企画でNOVAちゃんを釣ろうなんて、花粉症ガールのことを表面的にしか分かっていない証拠ね。ファンを名乗る資格なんてないわ」
NOVA「そうか? 設定そのものは、読者Aなりによく考えていると思ったんだがな。何が問題なんだ?」
晶華「それはね……」
続きを読む