ダブルG、相対す
復活したスペースGの生み出す結晶の侵食を受けている、屋久島の地。
その地の守護者として活動していたセイリュウは、リトルシーサー・シロの発動した1万ボルトの電気パワーを「雷電吸引の極意」で己の力に変えて、スペースGの結晶エリアを突破するのに成功した。
奴に囚われた息子のリトルGを取り戻すために、そして島に宿る大地母神ガイアの力を守るために、セイリュウは己の悪しき分身であるスペースGに今こそ挑むのだった。
スペースG「ほう。我が結晶エリアを突破したか、我が兄弟よ。老いた体にしては、よくやったと褒めておこうか」
セイリュウ「貴様のような紛い物に、兄弟呼ばわりされる覚えはないわ。今こそ、息子のリトルを返してもらうぞ」
スペースG「まあ待て。我らの体を構成するG細胞の声を聞くといい。G細胞は総てを司る神の力。この王たるG細胞を、母なるガイアの力と融合させれば我らGの一族は、何者にも負けないモンスターの王として君臨できる。それこそが我らの本懐と言うべきではないか。そのために、我は暗き宇宙から降臨してきたのだ。全てのG細胞を一つにまとめるためにな」
セイリュウ「そんなややこしい理屈は知らん。わしはただ強い敵と戦うのみ……そう思って、荒んでいた時期は確かにあったな。だが、目的もなく荒れ狂うのを、モスラが諌めてくれた。あやつはまだ幼き身ながら、宇宙から来た侵略者に立ち向かって見せた。その心意気に惚れたゆえ、我は共に強敵ギドラに挑んだのだ。そして、わしは知った。この美しい地球を、宇宙の侵略怪獣から守ることこそが我の使命だとな。その後、何度か生き方に迷うこともあったが、その度にモスラはしつこくわしを諌め、道を示してくれた。そう、命の結ぶ絆、生命の輪廻、自然を守る意義という奴をな。わしは自分だけが絶対的な神として君臨することを望まん。強き者は戦い、弱き者を守り、鍛えて次代につなげる進化と継承の儀。それこそが、わしの得た結論なのだ」
スペースG「進化と言ったか。ならば、我こそが進化の究極体。G細胞と宇宙細胞が一つとなって、総てを凌駕するのが我が使命。そなたも我が取り込んでやろう。すでに、そなたの息子も我の一部となった。大人しく我の軍門に下るといい。全てのGは我が力となるのだ」
セイリュウ「そうはさせん。息子はまだ生きている。わしには分かるぞ。貴様の中で今なお足掻き、戦っているのが感じられる。ならばこそ、邪悪な根源的破滅招来体たる貴様は、ガイアに代わって、わしが倒す。この最期の力でな」
スペースG「やれやれ、話すだけ無駄であったか。所詮は下等な地球怪獣。力だけは強くても、宇宙の真理と正義というものを理解せぬ。ならば、力には力をもって、食い尽くすのみ」
こうして、屋久島の命運をかけて、いや地球の未来をかけて、2体のGが激突するのであった。しかして……
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